第20回モレリア映画祭2022*映画祭沿革と受賞結果2022年11月10日 16:05

      アレハンドラ・マルケスの「El norte sobre el vacío」が作品賞

  

       

 

★今年二十歳の誕生日を迎えることができたモレリア国際映画祭2022は、無事1029日に終幕しました。アレハンドラ・マルケス・アベジャEl norte sobre el vacío作品賞、脚本賞、男優賞(ヘラルド・トレホルナ)の大賞3冠を受賞しました。監督賞は「Manto de gemas」のナタリア・ロペス・ガジャルド、女優賞は「Dos estaciones」のテレサ・サンチェス、観客賞はミシェル・ガルサ・セルベラのホラー「Huesera」、ドキュメンタリー賞はマーラエウヘニオ・ポルゴフスキーの「Malintzin 17」などでした。作品賞を受賞した「El norte sobre el vacío」は、『虚栄の果て』の邦題でプライムビデオで配信が始まっています(1028日)。主な受賞結果は以下の通りです。審査委員長はポーランドのパヴェウ・パヴリコフスキ、『イーダ』(13)でアカデミー外国語映画賞を受賞したオスカー監督です。

 

      

   (輝いた女性シネアスト、テレサ・サンチェス、アレハンドラ・マルケス・アベジャ、

    ナタリア・ロペス・ガジャルド)

 

 

    20回モレリア映画祭2022受賞結果

作品賞:El norte sobre el vacío」 アレハンドラ・マルケス・アベジャ

監督賞:ナタリア・ロペス・ガジャルドManto de gemas

脚本賞:ガブリエル・ヌンシオアレハンドラ・マルケス・アベジャEl norte sobre el vacío

男優賞:ヘラルド・トレホルナEl norte sobre el vacío

女優賞:テレサ・サンチェスDos estaciones」 監督フアン・パブロ・ゴンサレス

ドキュメンタリー賞:「Malintzin 17」 マーラエウヘニオ・ポルゴフスキ

観客賞-メキシコ長編部門:「Huesera」 監督ミシェル・ガルサ・セルベラ

観客賞-インターナショナル部門:「Close」(ベルギー) 同ルーカス・ドン

観客賞-長編ドキュメンタリー部門:「Ahora que estamos juntas」 同パトリシア・バルデラス・カストロ

女性監督ドキュメンタリー賞:「Ahora que estamos juntas」 同上

他に短編映画・ドキュメンタリー・アニメーションなど

 

★世界三大映画祭の流れに沿ってか女性監督の活躍が目立ったモレリアでした。作品賞のEl norte sobre el vacío」は、上述したように既にNetflixで『虚栄の果て』の邦題で配信中、アレハンドラ・マルケス・アベジャ監督は「私がこれまで作った映画のなかで、あらゆる面でもっとも自由な映画でした。自らに自由を与えたのです」と語った。監督については長編第2作「Las niñas bien」がマラガ映画祭2019で金のビスナガ賞(イベロアメリカ部門)を受賞した折りにキャリア&フィルモグラフィーをご紹介しています。本作もモレリアFF正式出品され、本邦では20207月に『グッド・ワイフ』の邦題で公開された。後日新作紹介を予定していますが、男優賞を受賞したヘラルド・トレホルナより、女性の名ハンター役を演じたパロマ・ペトラの生き方が光った印象でした。二人とも欠席でしたが、トレホルナはビデオメッセージで「多様性がスクリーンに持ち込まれた映画が勝利した」と監督を讃えていた。

Las niñas bien」(『グッド・ワイフ』)紹介記事は、コチラ20190414

 

      

        (受賞スピーチをするアレハンドラ・マルケス・アベリャ監督)

       

   

           (新作「El norte sobre el vacío」のポスター)

 

★デビュー作が監督賞を受賞したナタリア・ロペス・ガジャルドは、1980年ボリビアのラパス生れだが、2000年前後にメキシコに渡っている。フィルム編集者として夫カルロス・レイガダス(『静かな光』『闇のあとの光』)、アマ・エスカランテ(『エリ』)、アロンソ・リサンドロ(『約束の地』)、ダニエル・カストロ・ジンブロン(「The Darkness」)他を手掛けている。レイガダスの『われらの時代』では夫婦揃って劇中でも岐路に立つ夫婦役に挑戦した。不穏な犯罪ミステリーManto de gemas」は、ベルリン映画祭2022で金熊賞を競い、異論もあったようだが審査員賞(銀熊賞)を受賞していた。

監督キャリアと『われらの時代』紹介記事は、コチラ20180902

 

     

                       (ナタリア・ロペス・ガジャルド監督)

  

       

 

★女優賞受賞のテレサ・サンチェスはフアン・パブロ・ゴンサレスのDos estaciones」で、男性たちが君臨するテキーラ工場経営を女性経営者として立ち向かう役を演じた。キャリア&作品紹介は、サンセバスチャン映画祭2022ホライズンズ・ラティノ部門で上映された折りにアップしております。

テレサ・サンチェス紹介記事は、コチラ2022年08月22日

  

      

          (テレサ・サンチェス)

 

    

 

★女性へのハラスメントをテーマにしたデビュー作Ahora que estamos juntas」(「Now that we are together」)で観客賞-長編ドキュメンタリー部門、女性監督ドキュメンタリー賞の2冠達成のパトリシア・バルデラス・カストロ監督、若い女性シネアストの台頭を印象づけた。一人で監督、脚本、撮影、編集、製作を手掛けたというクレジットに驚きを隠せません。

  

         

                          (パトリシア・バルデラス・カストロ)

 

          

 

★フィクション部門の観客賞も超自然的な体験をし始める妊婦のタブーを描いたホラー「Huesera」のミシェル・ガルサ・セルベラとこちらも女性監督が受賞した。監督はモレリアFFのほか、シッチェス、トライベッカ、各映画祭で新人監督賞や作品賞を受賞している。インターナショナル部門の観客賞には、3年ぶりに5月開催となったカンヌFF2022でグランプリを受賞したルーカス・ドンの「Close」が受賞した。

 

  

           (主役のナタリア・ソリアンとミシェル・ガルサ・セルベラ監督)

    

      

 

★映画祭に姿を見せたのはオープニング作品に選ばれた『バルド』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ストップモーション・アニメーションで描くピノッキオ「Pinochoギレルモ・デル・トロ、海外勢の招待客には、メキシコ映画出演もあるスペインのマリベル・ベルドゥ2回目のパルム・ドールを受賞したリューベン・オストルンド、「Fuego」でタッグを組んだクレール・ドゥニ監督とジュリエット・ビノシュが参加するなどした。ビノシュはサンセバスチャン映画祭のドノスティア栄誉賞を受賞したばかりでした。

『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』の宣伝文句は「誰も見たことがないピノッキオ」の由、今年のクリスマスはもう決りです。1125日公開、129日からNetflixで配信予定。

 

  

        カンヌやベネチアをめざしていません――モレリア映画祭の沿革

 

★確かなテーマをもたずに唯メキシコ映画を広める目的で始まったモレリア映画祭 FICM が「当初このように長く続くとは思えなかった」と、創設者の一人建築家のクアウテモック・カルデナス・バテルは語っている。現在では大方の予測を裏切って、20年も続くメキシコを代表する国際映画祭となっている(国際映画製作者連盟に授与されるカテゴリーAクラスの映画祭)。どうしてメキシコシティではなくミチョアカン州のモレリア市だったのか、それは偶然かどうか分かりませんが、米国外でもっとも重要な映画館チェーンであるシネポリスの本社があったからでした。そして誕生に立ち合ったのは、女優サルマ・ハエックとフリア・オーモンド、製作者ヴェルナー・ヘルツォークとバーベット・シュローダー、作家のフェルナンド・バレホなどでした。

   

★当時の政党PANのフォックス大統領は映画学校や撮影スタジオの廃校廃止を画策しており、メキシコ映画界は危機的状況にあった。しかしアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの『アモーレス・ぺロス』(00)、アルフォンソ・キュアロン(クアロン)の『天国の入口、終りの楽園』(01)、カルロス・カレラの『アマロ神父の犯罪』(02)などがカンヌやオスカー賞など国際舞台で脚光を浴びるようになっていた。そんななかで、2003年第1回モレリア映画祭が開催され、ウーゴ・ロドリゲスの「Nicotina」が作品賞を受賞した。本作は第1回ラテンビート映画祭(ヒスパニックビート2004)のメキシカン・ニューウェーブ枠で『ニコチン』の邦題で上映された。人気上昇中のディエゴ・ルナが主演していた。

 

★設立者は、メキシコ短編映画会議をコーディネートした映画評論家のダニエラ・ミシェル、シネポリスの現ディレクターのアレハンドロ・ラミレス、上述の建築家クアウテモック・カルデナス・バテルなど。最初のコンペティション部門は短編映画だけだったそうで、その後ドキュメンタリーや長編を参加させていった。今では灰のなから蘇えった不死鳥のように、メキシコでもっとも前衛的な作品が観られる映画祭に育った。

フォト集 ②*サンセバスチャン映画祭2022 ㉓2022年10月02日 14:20

         ラテンアメリカ諸国から現地入りしたシネアストたち

 

★フォト集②はラテンアメリカからやってきたシネアストたちの特集。多分新型コロナウイルス以前より多かったのではないでしょうか。セクション・オフィシアルのセバスティアン・レリオ(チリ)、ペルラス部門のサンティアゴ・ミトレ(アルゼンチン)やアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(メキシコ)、ホライズンズ・ラティノ部門のアンドレス・ラミレス・プリド(コロンビア)、キューバのパベル・ジルーとカルロス・レチュガ、マリアノ・ビアシン(アルゼンチン)、ナタリア・ベリスタイン(メキシコ)、ほか多くが現地入りしました。

 

サイコスリラーThe Wonder」(英語)がセクション・オフィシアルにノミネートされたセバスティアン・レリオは、主役の少女アンナ・オドネルを演じたキラ・ロード・キャシディほかと現地入り、少女はすっかり背丈が伸びてしいました。

     

               

        (監督とキラ・ロード・キャシディ、フォトコール)

   

   

(セバスティアン・レリオ監督とキラ・ロード・キャシディ、922日フォトコール)

 

ペルラス部門上映のサンティアゴ・ミトレの「Argentina1986」の一行は、監督以下主演のリカルドダリンピーター・ランサニ、製作者の一人チノ・ダリン、ほか大勢で現地入りしました。ベネチア映画祭では金獅子賞は逃したが、FIPRESCI賞、カトリックメディア協議会(SIGNIS)賞オナラブル・メンションを受賞していた。SSIFFではサンセバスティアン市観客賞を受賞、Gala RTVE部門のセスク・ゲイのアクション・コメディ「Histirias para no contar」に出演、EUSKO LABEL賞を受賞して未だ滞在していたチノ・ダリンが受け取った。

 

  

                         (サンティアゴ・ミトレ監督)

   

   

          (リカルドダリンとピーター・ランサニ)

   

  

(やはり人気の高いチノ・ダリン)

 

メキシコのアレハンドロ・G・イニャリトゥの「Bardo, Falsa cronica de una cuantas verdades」(『バルド、偽りの記録と一握りの真実』で東京国際映画祭上映)の一行は、監督以下主演のダニエル・ヒメネス=カチョグリセルダ・シチリアーニアンドレス・アルメイダが参加しました。

『バルド、偽りの記録と一握りの真実』の作品紹介は、コチラ20220908

 

     

     

     (左から、グリセルダ・シチリアーニ、監督、ダニエル・ヒメネス=カチョ

       アンドレス・アルメイダ)

        

ホライズンズ・ラティノHL部門にノミネートされたUn Varónファビアン・エルナンデス(コロンビア)は、製作者のマヌエル・ルイス・モンテアレグレほかと現地入りしました。

    

    

             (ファビアン・エルナンデス監督)

   

  

     (マヌエル・ルイス・モンテアレグレと監督、923日プレス会見)

 

HL部門のマリアノ・ビアシンSublime(アルゼンチン)のクルーも、監督ほか主役のマルティン・ミラー、エグゼクティブプロデューサーのフアン・パブロ・ミラーが参加しました。マルティン・ミラーは製作者の息子のようです。開催前から第10セバスティアン・ラティノ賞の受賞が決まっていました。

     

 

         (マリアノ・ビアシン監督)

 

    

    (左から、製作者フアン・パブロ・ミラー、監督、マルティン・ミラー、921日)

      

   

  (マルティン・ミラー 922日のプレス会見)

 

HL部門のアナ・クリスティナ・バラガンの「La piel pulpo」(エクアドル)のクルーは、監督と女性スタッフの参加でした。

     


                       (アナ・クリスティナ・バラガン監督)

    

      

        (アナ・クリスティナ・バラガン監督、923日プレス会見)

 

HL部門のアンドレス・ラミネス・プリドの「La jauria」(『ラ・ハウリア』で東京国際映画祭上映)には、監督と主役のジョジャン・エスティベン・ヒメネスの二人が現地入りした。何らかの賞に絡むと予想しましたが外れました。今年は勝率15%?です。

『ラ・ハウリア』の作品紹介は、コチラ20220825

       

        

  (アンドレス・ラミレス・プリドとジョジャン・エスティベン・ヒメネス、923日)

 

HL部門ノミネートの「El caso Padilla」(キューバ)は、パベル・ジルー監督が918日に現地入り、翌日上映後プレス会見に臨んだ。

 

      

          (パベル・ジルー監督)

 

   

                (パベル・ジルー、919日)

 

HL部門ノミネートの:Vicenta B.」(キューバ)は、カルロス・レチュガ監督、ビセンタ・ブラボ役のリネット・エルナンデス・バルデスが参加、レチュガ監督は在住しているバルセロナからの参加。

 

    

 (カルロス・レチュガ監督、リネット・エルナンデス・バルデス)

   

      

                 (918日、満員の会場で)

 

HL部門ノミネート、スペイン協同賞受賞の「Ruido / Noise」(メキシコ)は、ナタリア・ベリスタイン監督、本作の主役を演じた実母フリエタ・エグロラ、製作者のカルラ・モレノマリア・ホセ・コルドバが現地入り、ガラでは製作者の二人が登壇した。

  

   

(宿泊ホテルのマリア・クリスティナで寛ぐ監督と女優フリエタ・エグロラ、919日)

 

HL部門ノミネート、期待していたマヌエラ・マルテッリの「1976」は、監督ほかが参加、本作は第35回東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品されます。

作品紹介は、コチラ20220913

    

   

          (マヌエラ・マルテッリ監督、922日)

 

HL部門にノミネートされたコスタリカ映画がオリソンテス賞受賞した。監督バレンティナ・モーレルの「Tengo sueños eléctricos」はデビュー作。

    

  

           (バレンティナ・モーレル監督、920日)

        

ニューディレクターズ部門ニカラグア映画の「La hija de todas las rabias」には、ラウラ・バウマイスター監督が参加。

   

   

             (ラウラ・バウマイスター監督、918日)

   

ニューディレクターズ部門13作*サンセバスチャン映画祭2022 ⑩2022年08月29日 15:59

         日本の若手監督も含めて一挙に発表になった13

   

     

 

★去る728日、ニューディレクターズ部門13作が出揃いました。昨年ノミネートされなかった日本からは2作が選ばれました。古川原壮志の『なぎさ』21)、第34回東京国際映画祭ワールド・プレミア作品です。もう1作の『宮松と山下』は、佐藤雅彦、関友太郎、平瀬謙太郎の監督集団〈5月ごがつ〉のデビュー作、現在窮地に陥っている香川照之が主演しており、1118日の公開に先駆けて、本祭でワールドプレミアとなった。

 

★昨年のWIP Latam 2021WIP Europa 2021 の受賞作が揃ってノミネートされています。このセクションはデビュー作か2作までが対象、後援者のクチャバンクによるクチャバンク・ニューディレクター賞(作品賞)には副賞として50,000ユーロとスペイン国内での公開が約束されています。他にユースTCM賞があり、18歳から25歳までの学生150人が審査員です。スペイン語映画は、オール女性監督のスペイン2作と当ブログ初登場のニカラグア1作、他はフランス、モルドバ共、デンマーク、スイス、クロアチア、ロシア、韓国、インド、日本の2作です。スペイン語映画3作だけアップしておきます。

 

             ニューディレクターズ部門13

 

1)「La hija de todas las rabias / Daughter of Rage」ニカラグア

VIII Foro de Coproduccion Europa-America Latina 2019 

WIP Latam 2021  WIP Latam Industria 2021

データ:製作国ニカラグア=メキシコ=オランダ=独=仏=ノルウェー=西、2022年、スペイン語、ドラマ、87分、脚本ラウラ・バうマイスター、撮影テレサ・クンKuhn、編集ラウル・バレラス、フリアン・サルミエント、プロダクション・マネージメント、ハビエル・ベラスケス・ドランテス、録音ガリレオ・ガラス、美術ノエミ・ゴンサレス、製作Felipa Films、製作者ロッサナ・バウマイスター、ブルナ・Haddad、マルタ・オロスコ。サンセバスチャン映画祭の援助を受けて製作され、上記のWIP Latam 2021以下を受賞している。

   

     

 

監督ラウラ・バウマイスターBaumeisterニカラグアの首都マナグア1983)、監督、脚本家。デビュー作、本作はゴミ捨て場で一人で生き延びようとする11歳の少女の物語。

 

      

      (受賞スピーチをする監督、サンセバスチャン映画祭2021の授賞式)

 

キャスト:アラ・アレハンドラ・メダル(マリア)、ビルヒニア・セビーリャ・ガルシア(母親リリベス)、カルロス・グティエレス(タデオ)、ノエ・エルナンデス(ラウル)、ディアナ・セダノ(ロサ)

ストーリー:現在のニカラグア、11歳のマリアは母親リリベスと一緒にマナグアの大きなゴミ捨て場で暮らしている。マリアにとってここは、見つけたものは自分のものになるアミューズメントパークのようなものでした。彼女の将来は、母親が販売するために育てている血統書付きの子犬にかかっていた。子犬に毒を盛るというアクシデントが起こり、リサイクル工場で見習いで働いていたマリアをおいて、母親は町を出ることになる。数日すぎても母親は戻ってこなかった。マリアは捨てられたと思いたくないが、混乱して腹を立てていた。ある夜のこと彼女はタデオと知り合った。上品で夢見がちな少年は、母親と共にマリアを助けようと決心する。「多くのラテンアメリカの人々が自身の国の厳しい現実のなかでも前進しようとする回復力についての映画」と監督。

   

         

       

                       (マリア役アラ・アレハンドラ・メダル

 

 

2)Secaderos / Tobacco Barns」スペイン

データ:製作国スペイン=米国、2022年、スペイン語、ドラマ、98分、脚本アナ・アリステギ、美術ロレナ・フェルナンデス、ヌリア・ディアス・イバニェス、メラニア・バン、造形マリア・ルイサ、キャスティングはマリチュ・サンス、録音ホアキン・パチョン、メイク&ヘアーはネレア・エレーロ、製作 & 製作者Fourminds Films / La Claqueta PC(オルモ・フィゲレド・ゴンサレス=ケベド)/ La Cruda Realidad/ Un Capricho de Producciones /(米)Amplitud INC / DDT Efectos Especiales、、パオラ・サインス・デ・バランダ、撮影202189月の6週間、撮影地グラナダ県のベガ、ラス・ガビアス、フエンテ・バケロス、ラ・パスほか十数ヵ所。

 

      

 

監督ロシオ・メサ(グラナダ県ラス・ガビアス1983)、監督、製作者、長編第2作目。セビーリャ大学コミュニケーション学部ジャーナリズム科卒、その後2010年アンダルシア政府から奨学金を授与され、ニューヨーク・フィルム・アカデミーのドキュメンタリー監督の修士号を取得、デビュー作「Orensanz」(13)は、現代アーティストのアンヘル・オレンサンスのビオピック、セビーリャ・ヨーロッパ映画祭プレミアされた。製作者としてはドキュメンタリーを専門とする制作会社 My Deer Films を設立、アルバロ・ゲレアの「Alma anciana」(21)はベルリン映画祭フォーラム部門で上映された。2014年ロサンゼルスに拠点を置く LA OLA を仲間と設立し代表を務めている。ロス以外のニューヨーク、メキシコシティなどの都市でスペインの前衛映画の普及に推進している。カリフォルニア在住、第2作を撮るため帰郷した。

 

   

                  (「Secaderos」撮影中のロシオ・メサ、20219月)

  

★第2作は、製作チームの90パーセントがアンダルシア人、スタッフは勿論のこと、約2000人がオーディションに集まり、150人に絞り込むまで1ヵ月を要したという。根気よくキャスティングに臨んでくれたマリチェ・サンスに感謝している。地元のアマチュアを起用したことで、物語がよりリアルになっている。スタッフ以外にもフリーランスのマリエタ・バウティスタ、アルバ・サビオなどの協力を得た。また映画を作る別の方法があることを教えてくれた映像作家として、『顔たち、ところどころ』を89歳で撮り、カンヌ以降、映画祭の受賞行脚をしたアニエス・ヴァルダ、ルクレシア・マルテル(『サマ』)、イタリアのアリーチェ・ロルヴァケル(『夏をゆく人々』『幸福なラザロ』)、メルセデス・アルバレスなどのドキュメンタリー作家、フィクションとノンフィクションの垣根を越えて製作している女性監督をあげている。

 

     

                (主役の2人と中央が監督) 

        

キャスト:ベラ・センテネラ(少女)、アダ・マル・ルピアニェス(思春期の娘)、タマラ・アリアス、クリスティナ・エウヘニア・セグラ・モリーナ、ホセ・サエス・コネヘロ、ジェニファー・イバニェス、ほか地元住民のエキストラ多数

ストーリー:田園の小さな村は、都会に住んでいる少女には天国であり、農村で暮らす思春期にある娘には鳥籠である。二人の視点を通して、農村の内部に入り込む。魔術的リアリズムのニュアンスを帯びた夏のタバコの乾燥工場を舞台に、二つのストーリーがパラレルに描かれる。ベガ・デ・グラナダの人々への個人的な敬意と風景に捧げられた人間関係についての群像劇。最初はドキュメンタリーとして構想されたが最終的にはドラマになった。ただし監督は、フィクションとノンフィクションを区別していない。すべては創造であるからです。

   

       

              

   

                             (フレームから)

 

 

A los libros y a las mujeres canto / To Books And Women I Sing」スペイン

データ:製作国スペイン、2022年、スペイン語・イタリア語、ドキュメンタリー、72分、脚本・撮影・編集・録音マリア・エロルサ & サンティ・サルバドール、製作 & 製作者 Txintxua Films コルド・アルマンドス、マリアン・フェルナンデス、撮影地ギプスコア県、ユースTCM 賞対象作品、マラガ映画祭、ビルバオ・ドキュメンタリー & 短編FFに出品、Zinebi 63 の産業セクションのネットワーキング賞を受賞。

 

     

 

監督マリア・エロルサ(ビトリア-ガステイス1988)監督、脚本家。長編デビュー作。短編デビュー作はイマノル・ウリベ以下、バスクの監督オール参加15人からなる短編集「Kalebegiak」(16)、エロルサはマイデル・フェルナンデス・イリアルテと共同で「Las chicas de Pasaik」を撮った。他に短編ドキュメンタリー「Our Walls」(16)をマイデル・フェルナンデス・イリアルテと「Ancora Lucciole」(19)、コルド・アルマンドスと共同でドラマ「Breaches」(20)などを監督している。


★長編デビュー作は失われた珍しい、または忘れられた本を守っている年配の女性たちの物語。監督によると、この風変わりなタイトル〈私が謳う本と女性たち〉は紀元前1世紀のローマの詩人ウェルギリウス最後の未完の叙事詩『アエネーイス』の冒頭の1節「私が謳う武器と人間」から採られたそうです。ドキュメンタリーとしては珍しく愛らしいユーモラスな視点で描き、アーカイブ資料と女性たちの証言を組み合わせたユニークな構成。文学、映画、またイメージが私たちの生活にどのように役立つか、私たちをより自由にするかを語り、日常生活における想像力の重要性をエリート主義でない方法で伝えるには、どうしたらよいかを自問している。

監督キャリア&フィルモグラフィー紹介記事は、コチラ⇒2016年08月19日

 

        

   

        (タバコを吸っているタバコ労働者の壁画の前のエロルサ)        

 

キャスト:アントニア・デイアス(トニーナ)、ロレト・カサド(ロレト)、ヴィキ・クララムント(ヴィキ)、ヴァルトラウト・キルステ(ヴァル)、アン(ネ)・エロルサ(アンネ/アン)

ストーリー:ある女性はほとんど小型飛行機という名で知られています。別の女性は車の後部座席を書庫にしています。更に別の女性は書店の手に負えない書棚で指を骨折してしまいます。ハマキ工場で働く女性たちは物語を聞きながら作業しています。アイロン職人はアイロンをかけながら詩を思い出しています。彼女たち全員に、私は謳います。火、水、蛾、埃り、無知、熱狂に立ち向かい、匿名の女性軍団が本の保存を守っています。それは叙事詩も革命も武器もない、内に秘めたレジスタンスです。書籍保存に尽力する平凡で非暴力の女性たちへのオマージュ。アーカイブ資料と女性たちの証言で構成されている。

 

      

  

                 (指を骨折したと小指を見せる女性、フレームから)

 

★セクション・オフィシアルとは反対に奇しくもオール女性監督になったが、昨今のイベロアメリカ諸国の女性の台頭は目ざましい。発想の斬新さ、女性同士の団結力は見倣うべきものがある。ドノスティア栄誉賞受賞者、ジュリエット・ビノシュ、ダヴィッド・クローネンバーグの紹介、ペルラス部門ノミネートのサンティアゴ・ミトレの「Argentina1985」、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの「Bardo, Falsa, crónica de unas cuantas verdades」、その他ロドリゴ・ソロゴジェン、イサキ・ラクエスタ、今回が監督デビューのフアン・ディエゴ・ボット(ペネロペ・クルス主演)、オリオル・パウロなどの新作紹介が残っています。

 

ホライズンズ・ラティノ部門 ③*サンセバスチャン映画祭2022 ⑨2022年08月25日 17:28

           ホライズンズ・ラティノ部門

 

 9)「Carvao / Charcoal (Carbón) 」ブラジル

データ:製作国ブラジル=アルゼンチン、2022年、ポルトガル語・スペイン語、スリラードラマ、107分、脚本カロリナ・マルコヴィッチ、撮影ペペ・メンデス、編集ラウタロ・コラセ、音楽アレハンドロ・Kauderer、製作 & 製作者Cinematografica Superfilmes(ブラジル)Zita Carvalhosaジータ・カルバルホサ / Bionica Films(同)カレン・カスターニョ / Ajimolido Films(アルゼンチン)アレハンドロ・イスラエル。カルロヴィ・ヴァリ映画祭2022正式出品され、トロント映画祭上映後サンセバスチャンFFにやってくる。

トレビア:主任プロデューサーのカルバルホサは、マルコヴィッチの長編2作目「Toll」を手掛けている。また主人公イレネに扮したメイヴ・ジンキングスは、クレベール・メンドンサ・フィリオの『アクエリアス』(16)でソニア・ブラガ扮するクララの娘を演じた女優。

 

     

 

監督カロリナ・マルコヴィッチ(サンパウロ1982)監督、脚本家。短編アニメーション「Edifício Tatuapé Mahal」(1410分)は、サンパウロ短編FFで観客賞、パウリニアFFでゴールデン・ガール・トロフィーを受賞、2018年の実話にインスパイアされた「O Órfao」(16分)は、カンヌFFクィア・パルマ、シネマ・ブラジル大賞、サンパウロFF観客賞他3冠、ハバナFFスペシャル・メンション、ほかビアリッツ、マイアミ、ヒューストン、クィア・リスボア、リオデジャネイロ、SXSWなどの国際映画祭巡りをした。サンセバスチャンは今回が初めてである。宗教、生と死、義務とは何かを風刺的に描いている。

        

                  

               (カロリナ・マルコヴィッチ)

 

キャスト:メイヴ・ジンキングス(女家長イレネ)、セザール・ボルドン(麻薬王ミゲル)、ジャン・コスタ(息子ジャン)、カミラ・マルディラ(ルシアナ)、ロムロ・ブラガ(夫ジャイロ)、ペドロ・ワグネル、ほか

ストーリー2022年ブラジル、サンパウロから遠く離れた田舎町で、木炭工場の傍に住んでいる家族が、謎めいた外国人を受け入れるという提案を承諾する。宿泊客を自称していたが実は麻薬を欲しがっているマフィアだということが分かって、家はたちまち隠れ家に変わってしまった。母親、夫と息子は、農民としてのルーチンは変えないように振舞いながら、この見知らぬ客人と一つ屋根の下の生活を共有することを学ぶことになります。多額の現金と引き換えに単調さから抜け出す方法を提案されたら、人はどうするか。社会風刺を得意とする監督は、木炭産業で生計を立て、結果早死にする人々の厳しい現実を描きながらも、大胆な独創性、鋭いユーモアを込めてスリラードラマを完成させた。

 

     

           (木炭にする木材を運ぶ子供たち、フレームから)

 

 

10)1976」チリ

Ventana Sur Proyecta 2018Cine en Construccion 2022

データ:製作国チリ=アルゼンチン=カタール、スペイン語、2022年、スリラードラマ、95分、脚本マヌエラ・マルテッリ、アレハンドラ・モファット、撮影ソレダード・ロドリゲス、美術フランシスカ・コレア、編集カミラ・メルカダル、音楽マリア・ポルトゥガル、キャスティング、マヌエラ・マルテッリ、セバスティアン・ビデラ、衣装ピラール・カルデロン、製作 & 製作者オマール・ズニィガ / Cinestaciónドミンガ・ソトマヨール / アレハンドロ・ガルシア / Wood Producciones アンドレス・ウッド / Magma Cine フアン・パブロ・グリオッタ / ナタリア・ビデラ・ペーニャ、他、販売Luxbox。カンヌ映画祭2022「監督週間」正式出品、ゴールデンカメラ賞ノミネート、エルサレム映画祭インターナショナル・シネマ賞受賞(デビュー作に与えられる賞)

   

      

 

監督マヌエラ・マルテッリ(サンティアゴ1983)女優、監督、脚本家、監督歴は数本の短編のあと本作で長編デビュー。女優としてスタート、2003年ゴンサロ・フスティニアーノの「B-Happy」でデビュー、ハバナ映画祭で女優賞を受賞するなど好発進、出演本数はTVを含めると30本を超える。2作目アンドレス・ウッドの『マチュカ-僕らと革命-』(04)でチリのアルタソル賞を受賞、アリネ・クッペンハイムと共演している。同監督の「La buena vida」(08)は『サンティアゴの光』の邦題で、ラテンビート2009で上映されている。当ブログでは、アリシア・シェルソンがボラーニョの小説を映画化した「Il futuro」(13、『ネイキッド・ボディ』DVD)で主役を演じた記事をアップしています(コチラ20130823)。

別途詳しい作品紹介、キャリア&フィルモグラフィーを予定しています。

作品紹介は、コチラ⇒2022年09月13日

 

キャスト:アリネ・クッペンハイム(カルメン)、ニコラス・セプルベダ(エリアス)、ウーゴ・メディナ(サンチェス司祭)、アレハンドロ・ゴイック(カルメンの夫ミゲル)、カルメン・グロリア・マルティネス(エステラ)、アントニア・セヘルス(ラケル)、アマリア・カッサイ(カルメンの娘レオノール)、他多数

ストーリー:チリ、1976年。カルメンはビーチハウスの改装を管理するため海岸沿いの町にやってくる。冬の休暇には夫、息子、孫たちが行き来する。ファミリーの司祭が秘密裏に匿っている青年エリアスの世話を頼んだとき、カルメンは彼女が慣れ親しんでいた静かな生活から離れ、自身がかつて足を踏み入れたことのない危険な領域に放り込まれていることに気づきます。ピノチェト政権下3年目、女性蔑視と抑圧に苦しむ一人の女性の心の軌跡を辿ります。

        

     

     (カルメン役のアリネ・クッペンハイムとエリアス役のニコラス・セプルベダ)

   

   

        (パールのネックレスが象徴する裕福な中流階級に属するカルメン)

 

 

11)「Tengo sueños eléctricos」コスタリカ

Ventana Sur Proyecta 2020

データ:製作国ベルギー=フランス=コスタリカ、スペイン語、2022年、ドラマ、102分、Proyecta 2021のタイトルは「Jardín en llamas」。脚本バレンティナ・モーレル。カンヌ映画祭と併催の第61回「批評家週間」正式出品、第75回ロカルノ映画祭に出品され、国際コンペティション部門の監督賞、主演女優賞(ダニエラ・マリン・ナバロ)、主演男優賞(レイナルド・アミアン)の3賞を得た。

 

    

         (トロフィを手にした3人、右端が監督、ロカルノFFにて)

 

監督バレンティナ・モーレル(サンホセ1988)、監督、脚本家。パリに留学後、ベルギーのブリュッセルのINSASで映画制作を学んだ。コスタリカとフランスの二重国籍をもっている。短編「Paul est la」は2017年のカンヌ・シネフォンダシオンの第1席を受賞した。第2作「Lucía en el limbo」(1920分)はコスタリカに戻って、スペイン語で撮った。体と心の変化に悩む10代の少女の物語、カンヌ映画祭と併催の第58回「批評家週間」に出品されたほか、トロント、メルボルンなど国際短編映画祭に出品されている。長編デビュー作「Tengo sueños eléctricos」は、第61回「批評家週間」や、ロカルノ映画祭に出品されている。監督はCineuropaのインタビューに「私は父娘関係を探求する映画をそれほど多く見たことがなかったので、それを描こうと思いました」と製作動機を語っている。「これは少女が大人になる軌跡を描いたものではなく、自分の周囲に大人がいないことに気づいた少女の軌跡です」と。また麻薬関連の物語や魔術的リアリズムをテーマにした異国情緒を避けたかったとも語っている。芸術家であった両親の生き方からインスピレーションを得たようです。

    

    

           (バレンティナ・モーレル、ロカルノFFにて)

 

キャスト:レイナルド・アミアン・グティエレス(エバの父親)、ダニエラ・マリン・ナバロ(エバ)、ビビアン・ロドリゲス、アドリアナ・カストロ・ガルシア

ストーリー:エバは16歳、母親と妹と猫と一緒に暮らしている。しかし引き離された父親のところへ引っ越したいと思っている。母親が離婚以来混乱して、家を改装したがったり、猫を邪険にしたりすることにエバは我慢できない。ここを出て、猫のように混乱して第二の青春時代を生きている父親と暮らしたい。アーティストになりたい、愛を見つけたいという望みをもって再び接触しようとする。しかし、泳ぎを知らない人が大洋を横断するように、エバもまた何も知らずに父親の暴力を受け継ぎ苦しむことになるだろう。彼にしがみつき、十代の生活の優しさと繊細さのバランスをとろうとしています。思春期が必ずしも黄金時代ではないことに気づいた少女の肖像画。

 

       

                      (エバ役のダニエラ・マリン・ナバロ)

 

     

      (ダニエラ・マリン・ナバロとレイナルド・アミアン・グティエレス)

 

 

12)「La jauría」コロンビア

データ:製作国フランス=コロンビア、スペイン語、2022年、ドラマ、86分、脚本アンドレス・ラミレス・プリド、音楽ピエール・デブラ、撮影バルタサル・ラボ、編集Julie Duclaux、ジュリエッタ・ケンプ、プロダクション・デザイン、ジョハナ・アグデロ・スサ、美術ダニエル・リンコン、ジョハナ・アグデロ・スサ、製作 Alta Rocca Filmsフランス / Valiente Graciaコロンビア / Micro Climat Studios フランス、 製作者ジャン=エティエンヌ・ブラット、ルー・シコトー、アンドレス・ラミレス・プリド。配給Pyramide International

カンヌ映画祭2022「批評家週間」グランプリとSACD賞受賞、エルサレム映画祭2022特別賞受賞、ニューホライズンズ映画祭(ポーランド)、トロント映画祭出品

   

     

 

監督アンドレス・ラミレス・プリド(ボゴタ1989)監督、脚本家、製作者。本作はトゥールーズのCine en Construccionに選ばれた長編デビュー作。ティーンエイジャーの少年少女をテーマにした短編「Mirar hacia el sol」(1317分)、ベルリン映画祭2016ジェネレーション14 plusにノミネートされ、ビアリッツ・ラテンアメリカFF、釜山FF、カイロFFなどで短編作品賞を受賞した「El Edén」(1619分)、カンヌ映画祭2017短編部門にノミネートされた「Damiana」(1715分)を撮っている。

 

キャスト:ジョジャン・エステバン・ヒメネス(エリウ)、マイコル・アンドレス・ヒメネス(エル・モノ)、ミゲル・ビエラ(セラピストのアルバロ)、ディエゴ・リンコン(看守ゴドイ)、カルロス・スティーブン・ブランコ、リカルド・アルベルト・パラ、マルレイダ・ソト、ほか

ストーリー:エリウは、コロンビアの密林の奥深くにある未成年者リハビリセンターに収監され、親友エル・モノと犯した殺人の罪を贖っている。ある日、エル・モノが同じセンターに移送されてくる。若者たちは彼らの犯罪を復元し、遠ざかりたい過去と直面しなければならないだろう。セラピーや強制労働の最中、エリウは人間性の暗闇に対峙し、あまりに遅すぎるが以前の生活に戻りたいと努めるだろう。暴力の渦に酔いしれ閉じ込められている、コロンビアの農村出の7人の青年群像。

 

    

(エリウ役のジョジャン・エステバン・ヒメネス)

    

  

    (センターの本拠地である遺棄された邸宅に監禁されている青年たち)

 

 

★以上12作がホライズンズ・ラティノ部門にノミネートされた作品です。セクション・オフィシアルは16作中、女性監督が2人とアンバランスでしたが、こちらは半分の6監督、賞に絡めば映画祭上映もありかと期待しています。

  

 

(カロリナ・マルコヴィッチ、マヌエラ・マルテッリ、バレンティナ・モーレル、

 アンドレス・ラミレス・プリド)


*追加情報:第35回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門(ラテンビートFF共催)でアンドレス・ラミレス・プリドのデビュー作が『ラ・ハウリア』として上映決定。

 

ホライズンズ・ラティノ部門②*サンセバスチャン映画祭2022 ⑧2022年08月22日 13:43

                         ホライズンズ・ラティノ部門

 

5)Un varón」コロンビア

WIP Latam 2021作品

データ:製作国コロンビア=フランス=オランダ=ドイツ、2022年、スペイン語、ドラマ、81分、製作Medio de Contención Producciones コロンビア/ Black Forest Filmsドイツ / Fortuna Filmsオランダ / In Vivo Films フランス/ RTVC Play 他、脚本ファビアン・エルナンデス、撮影ソフィア・オッジョーニ、音響イサベル・トレス他、音楽マイク&ファビアン・クルツァー、編集エステバン・ムニョス、プロダクション・デザイン、フアン・ダビ・ベルナル、製作者マヌエル・ルイス・モンテアレグレ、クレア・シャルル=ジェルヴェ、他。撮影地ボゴタ。カンヌ映画祭2022「監督週間」(英題「A Male」)でプレミア、グアダラハラ映画祭インターナショナル部門出品、

 

監督ファビアン・エルナンデス(ボゴタ1985)監督、脚本家、公立学校で映画の教鞭をとる。本作は長編デビュー作。2015年、制作会社Niquel Films 設立、自身の短編「Mala maña15)、「Tras la montña」(16)、「Golpe y censura」(18)、「Las ánimas」(20)を撮る。監督「わたしの作品は、コロンビアの他の映画とはアプローチの仕方が異なり、より深いです。人々や地域を尊重しています」と語っている。

 

     

          (カンヌで使用された英題「A Male」のポスター)

 

キャスト:ディラン・フェリペ・ラミレス(カルロス)

ストーリー:カルロスはボゴタの中心街にある青少年の保護施設に住んでいる。クリスマスには家族と一緒に過ごしたいと切望している。休暇に向けて施設を出ると、カルロスは最強のアルファ・マッチョの法則が支配するバリオの暴力に向き合うことになります。また彼は、自分がそういう人物になれることを証明しなければなりません。彼の内面はこれらの男らしさと矛盾していますが、ここで生き延びるためには決心しなければなりません。カルロスの心はこの狭間でぶつかり合っています。自分の感受性、脆弱性を認め、本当の男らしさとは何かを求めている。

 

      

     

        

      

       (路上で銃の取り扱い方を伝授されるカルロス、フレームから)

 

 

6)Dos estaciones」メキシコ

Foro de Coproducción Europa-América Laten 2019  WIP Latam 2021作品 

データ:製作国メキシコ=フランス=アメリカ、2022年、スペイン語、ドラマ、99分、脚本フアン・パブロ・ゴンサレス、アナ・イサベル・フェルナンデス、イラナ・コールマン、音楽カルミナ・エスコバル、撮影ヘラルド・ゲーラ、編集フアン・パブロ・ゴンサレス、リビア・セルパ、製作者イラナ・コールマン、ブルナ・ハダッド、ジェイミー・ゴンサルベス他、製作In Vivo Filmsフランス / Sin Sitio Cine、配給Luxboxサンダンス映画祭ワールド・シネマ部門でプレミア、主役テレサ・サンチェスが審査員特別賞を受賞、その他、ボストン・インディペンデントFF審査員大賞、ロスアンゼルス・アウトフェス審査員大賞、サンディエゴ・ラティノ、ヒューストン・ラティノ、シカゴ・ラティノなど映画祭出品多数。テレサ・サンチェスは、有望な若手監督ニコラス・ペレダの「Minotauro」(15)、「Fauna」(20)などの常連です。

     

      

 

監督フアン・パブロ・ゴンサレス(ハリスコ1984)監督、脚本家、本作は長編デビュー作、短編デビュー作「The Solitude of Memory」(14)はモレリア映画祭でプレミアされた。「Las nubes」(17)、瞑想的なスタイルを確立したと評価されたドキュメンタリー「Caballerango」(18)他。デビュー作のフィクションの感性とノンフィクションの要素の融合は、前作のドキュメンタリーの手法を受け継いでいるようです。

 

キャスト:テレサ・サンチェス(マリア・ガルシア)、ラファエラ・フエンテス(ラファエラ)、マヌエル・ガルシア・ルルフォ、タティン・ベラ(トランスジェンダーの美容師タティン)

ストーリー:ロス・アルトス・デ・ハリスコにある伝統的なテキーラ工場の相続人であるセニョーラ・マリアは、外国企業の進出が強まる市場で受け継いだ工場の存続に努力しています。彼女は新しい管理者にラファエラを雇い、危機を乗り越えようと情熱を傾けている。しかし、長びく大災害と予期せぬ洪水がプランテーションに取り返しのつかない損害を与えたとき、マリアは地域コミュニティの富と誇りを救うため、彼女が手にしているすべてをかけて対応せざるを得なくなる。マッチョ文化が長いあいだ支配されてきた場所にも、社会的な変化のいくつかが語られる。

 

       

      

         (断髪したセニョーラ・マリアの目、フレームから)

 

 

7)「Mi país imaginario / My Imaginary Country」チリ

オープニング作品

データ:製作国チリ、2022年、スペイン語、ドキュメンタリー、83分、撮影サミュエル・ラフ、編集ローレンス・マンハイマー、音楽Miranda & Tobal、製作者レナーテ・ザクセアレクサンドラ・ガルビス、製作Arte France Cinéma / Atacama Productions、配給Market Chile、販売 Pyramide International。カンヌ映画祭2022コンペティション部門セッション・スペシャル特別上映、エルサレム映画祭(ベスト・ドキュメンタリー賞)を経て、サンセバスチャン映画祭上映となった。フランスでは8月にリミテッド上映だがチケット売れ切れの盛況だったが、チリのサンティアゴでのプレミア上映は、観客全員がマスクを着用、十数人を超えることはなかったという。

    

      

 (製作者レナーテ・ザクセ、監督、製作者アレクサンドラ・ガルビス、カンヌFF2022にて)

 

監督パトリシオ・グスマン(サンティアゴ1941)は、監督、脚本家、フィルム編集、撮影監督、ドキュメンタリー作家、現在はパリ在住。キャリア&フィルモグラフィー紹介、特に「チリ三部作」は以下にアップしています。本祭との関りは、2015年ホライズンズ・ラティノ部門に『真珠のボタン』、2019年に『夢のアンデス』(「La cordillera de los Suños」)が正式出品されています。

『光のノスタルジア』(10)の紹介記事は、コチラ20151111

『真珠のボタン』(15)の紹介記事は、コチラ20150226同年1116

『夢のアンデス』(19)の紹介記事は、コチラ20190515

   

      

 

主な女性出演者:女優で劇作家ノナ・フェルナンデス、撮影監督ニコル・クラムジャーナリストのモニカ・ゴンサレス、政治学者クラウディア・ハイス、チェス競技者ダマリス・アバルカ、元憲法制定会議議長エリサ・ロンコンほか多数

解説:「201910月、予想外の革命、社会的激動、150万人の民衆がサンティアゴの街頭で、もっとデモクラシーな社会、誇りのもてるより良い生活、より良い教育と医療制度、そして新しい憲法を要求してデモ行進をしました。チリはかつての記憶を取り戻したのです。1973年の学生闘争以来、私が待ち望んでいた出来事が遂に実現したのです」と語ったグスマンは、抗議行動を記録するために、在住しているフランスからチリに撮影クルーを組織しました。1年後、監督はインタビューを実施し、新憲法のための国民投票を撮影するため故国に戻ってきました。半世紀の間の時代の変化を体験した監督は、新作では著名な女性作家、ジャーナリスト、シネアストなどの視点を多く取り入れました。海外での評価は高かったが、故国では厳しかったようです。内からと外からの視点は違うということでしょうか。

賞には絡まないと思いますが、いずれ詳しい紹介記事を予定しています。

    

     

        (闘いを決心した目出し帽着用の20代の女性、フレームから)

    

     

      (「20191018日バンザイ」のステッカーを掲げるデモ参加者)

 

 

8)「Vicenta B.」キューバ

WIP Latam 2021  EGEDAプラチナ賞受賞作品

データ:製作国キューバ=フランス=米国=コロンビア=ノルウェー、2022年、スペイン語、ドラマ、75分、脚本カルロス・レチュガ、ファビアン・スアレス、撮影デニセ・ゲーラ、編集ジョアンナ・モンテロ、音楽サンティアゴ・バルボサ、ハイディ・ミラネス、音響ベリア・ディアス、製作・製作者Cacha Films(キューバ)クラウディア・カルビーニョ、ROMEO(コロンビア)コンスエロ・カスティーリョ、Promenades Films(フランス)サミュエル・ショーヴァン、Dag Hoel Filmproduksjon(ノルウェー)ダグ・ホエル、販売Habanero(ブラジル)。トロント映画祭2022正式出品。

    

     

 

監督カルロス・レチュガ(ハバナ1983)監督、脚本家、本作は長編3作目、WIP Latam 2021 EGEDA(視聴覚著作権管理協会)プラチア賞受賞作品。また第2作目「Santa y Andrés」は2016年のホライズンズ・ラティノ部門に選出されている。本作は第38回ハバナ映画祭で上映するよう選出されていたにも拘らず、ICAIC のお気に召さず拒否された。当ブログで作品紹介記事をアップしています。

Santa y Andrés」の作品、監督キャリア紹介は、コチラ20160827

 

      

    WIP Latam 2021 EGEDAプラチア賞、サンセバスティアンFF2021授賞式にて)


監督によると「ビセンタは、孤独な母親が多い国の物語です。現在キューバには考え方が違うという理由だけで多くの若者が投獄されています」と、昨年711日に同時多発的に起きた大規模な抗議デモで拘束された人々の脱出劇について言及した。またハバネロ・フィルム・セールスのパートナーであるパトリシア・マルティンは、本作のように「政治について明確に語っていない場合でも、根本的に政治的です」と述べている。

 

キャスト:リネット・エルナンデス・バルデス(ビセンタ・ブラボ)、ミレヤ・チャップマン、Aimee Despaigne、アナ・フラビア・ラモス、ペドロ・マルティネス

ストーリー:ビセンタ・ブラボは、人の運勢をカードで占ったり将来を洞察できる特殊な才能をもっているサンテラである。毎日、悩みを抱えた人々が解決を求めてやってくる憩いの場になっている。ビセンタは一人息子とは上手くやっていたが、それもこれも彼がキューバを出たいと決心するまでのことでした。これがすべての崩壊の始りだった。自分のまわりで何が起きているのか、解決の糸口が見つからないまま危機に陥ってしまう。天賦の贈り物を失ったビセンタは、誰もが信仰を失ったように思われる国の内面への旅に出発するだろう。黒人や貧しい女性の実存が脅かされるとどうなるか、魂の探求、信仰の危機、家族の孤立に光が当てられている。

     

   

 

                (フレームから)

 

 

   

(左から、ファビアン・エルナンデス、フアン・パブロ・ゴンサレス、パトリシオ・グスマン、カルロス・レチュガ)


ホライズンズ・ラティノ部門12作*サンセバスチャン映画祭2022 ⑦2022年08月18日 10:58

           ラテンアメリカ諸国から選ばれた12作が発表になりました

    

       

 

811日、ホライズンズ・ラティノ部門12作(2021年は10作)が例年より遅れて発表になりました。オープニング作品はチリのドキュメンタリー作家パトリシオ・グスマンの「Mi país imaginario」、クロージングはエクアドルのアナ・クリスティナ・バラガンの「La piel pulpo」となりました。スペイン語、ポルトガル語に特化したセクションです。新人の登龍門的役割もあり、今回も多くは1980年代生れの監督で占められています。作品名、監督名、本祭との関りをアップしておきます。あまり選出されることのないエクアドル、コスタリカ、久しぶりにキューバの2作がノミネートされています。3分割して紹介、時間の許す限りですが、賞に絡みそうな作品紹介を別個予定しています。


   

            ホライズンズ・ラティノ部門

 

1)La piel pulpo / Octopus Skin」エクアドル=ギリシャ=メキシコ=独=仏

クロージング作品WIP Latam 2021作品、2022年、スペイン語、ドラマ、94分、脚本アナ・クリスティナ・バラガン。撮影地プンタ・ブランカ

監督アナ・クリスティナ・バラガン(エクアドル、キト1987)、2021年、エリアス・ケレヘタ・シネ・エスコラの大学院課程で学ぶ。本祭との関りは、2016年のデビュー作「Alba」がホライズンズ審査員スペシャル・メンションを受賞しています。最新の「La hiedra」は、Ikusmira Berriakイクスミラ・ベリアク・レジデンス2022に選出されている。

Alba」の紹介記事は、コチラ⇒2016年09月09日

  

    

 

キャスト:イサドラ・チャベス(イリス)、フアン・フランシスコ・ビヌエサ(アリエル)、Hazel Powell、クリスティナ・マルチャン(母親)、アンドレス・クレスポ、マカレナ・アリアス、カルロス・キント

ストーリー:双子のイリスとアリエルは17歳、母親と姉のリアと一緒に、軟体動物や小鳥、爬虫類が棲息する島のビーチに住んでいます。10代の姉弟たちは大陸から孤立して育ち、普通の親密さの限界を超えた関係のなかで、自然との結びつきは超越的です。海のはるか向こうにかすかに見えるものを求めて、イリスは島を出て町に行こうと決心します。町のショッピングセンター、騒音、不在の父親探し、弟との別れ、母親の不在は、姉弟への愛と自然の中でのアイデンティティの重要性を明らかにしていく。

    
  

                   (イサドラ・チャベス、フレームから)

 

 

2)Sublime」アルゼンチン

データ:ベルリン映画祭2022ジェネレーション14プラスのプレミア作品、製作国アルゼンチン、2022年、スペイン語、ドラマ、100分、音楽エミリオ・チェルヴィーニ、製作Tarea Fina / Verdadera Imagen、撮影地ブエノスアイレス

監督マリアノ・ビアシン(ブエノスアイレス1980)のデビュー作、脚本、製作を手掛けている。本作は第10Sebastiane Latino 受賞ほかが決定しており、別途に作品紹介を予定しています。

   

    

 

キャスト:マルティン・ミラー(マヌエル)、テオ・イナマ・チアブランド(フェリペ)、アスル・マッゼオ(アスル)、ホアキン・アラナ(フラン)、ファクンド・トロトンダ(マウロ)、ハビエル・ドロラス(マヌエルの父)、カロリナ・テヘダ(マヌエルの母)、ほか多数

ストーリー:マヌエルは16歳、海岸沿いの小さな町に住んでいる。彼は親友たちとバンドを組み、ベースギターを弾いている。特にフェリペとは小さい頃からの固い友情で結びついている。マヌエルがフェリペとの友情以外の何かを感じ始めたとき、二人の関係はどうなりますか、友情を危険に晒さず別の局面を手に入れられますか。二人は他者との絆が失われる可能性や他者からの拒絶に直面したときの怖れを共有しています。思春期をむかえた若者たちの揺れる心を繊細に描いた秀作。

   

     

 

 

3)「Ruido / Noise」メキシコ

データ:製作国メキシコ、スペイン語、2022年、ドラマ、脚本ナタリア・ベリスタイン&ディエゴ・エンリケ・オソルノ、製作Woo Films

監督ナタリア・ベリスタイン(メキシコシティ1981)、長編3作目、デビュー作「No quiero dormir sola」は、ベネチア映画祭2012「批評家週間」に正式出品され、同年モレリア映画祭のベスト・ヒューチャーフィルム賞を受賞、アリエル賞2014のオペラプリマ他にノミネート、俳優の父アルトゥーロ・ベリスタインが出演している。2作目は「Los adioses」は、マラガ映画祭2017に正式出品されている。他TVミニシリーズ、短編多数。新作は行方不明の娘を探し続ける母親の視点を通して、現代メキシコの負の連鎖を断ち切れない暴力を描いている。母親を演じるフリエタ・エグロラは実母、アルトゥーロ・リプスタインの『深紅の愛』に出演している。

   

   

              (ナタリア・ベリスタイン監督)

 

キャスト:フリエタ・エグロラ(フリア)、テレサ・ルイス(アブリル・エスコベド)、エリック・イスラエル・コンスエロ(検事アシスタント)

ストーリー:フリアは母親である、いやむしろ、女性たちとの闘いをくり広げている、この国では珍しくもない暴力によって人生をずたずたに引き裂かれた多くの母親たち、姉妹たち、娘たち、女友達の一人と言ったほうがよい。フリアは娘のヘルを探している。彼女は捜索のなかで知り合った他の女性たちの物語と闘いを語ることになるだろう。

  

      

          (フリア役のフリエタ・エグロラ、フレームから)

 

 

4)「El caso Padilla / The Padilla Affair」キューバ

データ:製作国スペイン=キューバ、スペイン語、フランス語、英語、ノンフィクション、モノクロ、78分、脚本監督、製作Ventu Productions、(エグゼクティブプロデューサー)アレハンドロ・エルナンデス

   


      

監督パベル・ジルー Giroud (ハバナ1973)は、サンセバスチャン映画祭2008「バスク映画の日」に「Omertá」が上映された。同じく「El acompañante」がヨーロッパ=ラテンアメリカ共同製作フォーラム賞を受賞した他、マラガFF、マイアミFF 2016で観客賞、ハバナFF(ニューヨーク)でスター賞を受賞している。新作は1971年春、キューバで起きたエベルト・パディーリャ事件を扱ったノンフィクション。

    

    

                (エベルト・パディーリャ)

     

解説1971年の春ハバナ、詩人のエベルト・パディーリャが、ある条件付きで釈放された。彼は約束を果たすためキューバ作家芸術家連盟のホールに現れ、彼自身の言葉で「心からの自己批判」を吐きだした。彼は反革命分子であったことを認め、彼の詩人の妻ベルキス・クサ=マレを含む、会場に参集した同僚の多くを名指しで共犯者であると非難した。1ヵ月ほど前、パディーリャはキューバ国家の安全を脅かしたとして告発され妻と一緒に逮捕された。これは全世界の革命に賛同していたインテリゲンチャを驚かせた。革命の指導者フィデル・カストロへの最初の書簡で、パディーリャの自由を要求した。彼の唯一の罪は、詩的な作品を通して異議を唱えたことでした。作家の過失の録画が初めて一般に公開される。ガブリエル・ガルシア・マルケス、フリオ・コルタサル、マリオ・バルガス=リョサ、ジャン=ポール・サルトル、ホルヘ・エドワーズ、そしてフィデル・カストロの証言があらわれる。表現の自由の欠如や入手のための文化集団の闘争は、現在に反響する。キューバの過去を探求する驚くべきドキュメンタリー。

 

「パディーリャ事件」の紹介記事は既にアップしておりますので割愛します。

 コチラ20170720

  

   


 (アナ・C.・バラガン、マリアノ・ビアシン、ナタリア・ベリスタイン、パベル・ジルー)

 

ホライズンズ・ラティノ部門10作が発表*サンセバスチャン映画祭2021 ⑨2021年08月08日 15:04

        ラテンアメリカ諸国からデビュー作3作を含む10作が一挙に発表

 

       

 

84日、ホライズンズ・ラティノ部門のノミネーション10作が発表になりました。このセクションはブラジルを含むラテンアメリカ諸国のスペイン語・ポルトガル語映画に特化しています。翌日にはペルラス(パールズ)部門15作、日本からは先ほど閉幕したカンヌ映画祭の脚本賞を受賞した濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』が特別上映されるほか、コンペ部分にもベルリン映画祭で銀熊審査員グランプリを受賞した『偶然と想像』がノミネートされています。それはさておき、今回はホライズンズ・ラティノ部門のご紹介、ラテンアメリカに初めて金獅子をもたらしたベネズエラのロレンソ・ビガスやベルリン映画祭パノラマ部門でデビュー作が初監督作品賞を受賞したアロンソ・ルイスパラシオスなどの名前が目にとまりました。取りあえずタイトル、製作国、監督、キャスト、などのトレビアをアップします。

   

 

  

    

    

 

  

             ホライズンズ・ラティノ部門

 

 Jesús Lopéz (アルゼンチン=フランス)2021年、90分、WIP Latam 2020 

 オープニング作品

監督マキシミリアノ・シェーンフェルド Schonfeld(アルゼンチン、クレスポ1982)の本作はワールドプレミア、事故死したレーシングドライバーのヘスス・ロペスの従弟アベルのその後が語られる。

別途作品紹介予定

キャスト:ルカス・シェル、ホアキン・スパン、ソフィア・パロミノ、イア・アルテタ、アルフレッド・セノビ、パウラ・ランセンベルク、ロミナ・ピント、ベニグノ・レル

作品紹介記事は、コチラ⇒2021年08月30日

 

      

 

 

 El empleado y el Patrón / The Employer and the Employee クロージング作品

 (ウルグアイ=アルゼンチン=ブラジル=仏)2021年、106分、WIP Latam 2020

監督マヌエル・ニエト・サス(ウルグアイ)の第3作目は、WIP Latam 2020EGEDAプラチナ賞受賞作品、カンヌ映画祭と併催の「監督週間」にノミネートされている。『BPMビー・パー・ミニット』のナウエル・ぺレス・ビスカヤートが主演。

キャスト:ナウエル・ぺレス・ビスカヤート、クリスティアン・ボルヘス、フスティナ・ブストス、ファティマ・キンタニージャ

  

   

 

 

 Amparo (コロンビア=スウェーデン=カタール)2021年、95

監督シモン・メサ・ソト(コロンビア、メデジン1986)の長編デビュー作、カンヌ映画祭併催の「批評家週間」にノミネートされている。短編Leidi14)はカンヌで短編部門のパルムドールを受賞、2016年にもMadreがノミネートされている。両作とも当ブログでアップしています。長編デビュー作ということで別途作品紹介予定

キャスト:サンドラ・メリッサ・トレス、ディエゴ・アレハンドロ・トボン、ルチアナ・ガジェゴ、ジョン・ハイロ・モントーヤ

作品紹介記事は、コチラ⇒2021年08月23日

 

   

 

 

 Aurora(コスタリカ=メキシコ=パナマ)2021年、92分、Cine en Construcción 37

監督:パス・ファブレガ(コスタリカ)の長編2作目、ロッテルダム映画祭に正式出品された。デビュー作Agua fria de mar10)は同ホライズンズ・ラティノ部門にノミネートされた。

キャスト:レベッカ・ウッドブリッジ、ラケル・ビリャロボス 

 

   

 

 

 Azor (スイス=アルゼンチン=フランス)2021年、100分、

 V Foro de Coproducon EuropaAmerica Latina ヨーロッパ・ラテンアメリカ共同製作

監督アンドレアス・フォンタナ(スイス)のデビュー作、アルゼンチン独裁政権とデサパレシードスを背景にした2人の銀行家が語られる。

キャスト:スティファニー・Cleau、ファブリツィオ・Rongione 

 

   

 

 

 La caja / The Box (メキシコ=米国)2021年、92

監督ロレンソ・ビガス(ベネズエラ、メリダ1967)は、デビュー作Desde Alláがベネチア映画祭2015金獅子賞を受賞してシネマニアを驚かせた。ラテンビートでは『彼方から』の邦題で上映された。別途作品紹介予定

キャスト:エルナン・メンドサ、Hatzin Navarrete

作品紹介記事は、コチラ⇒2021年09月07日

 

     

 

 

 Madalena (ブラジル)2021年、85分、Cine en Construcción 36

監督マディアノ・マルチェティMadiano Marcheti(ブラジル)のデビュー作は、ロッテルダム映画祭のコンペティション部門にノミネートされている。マダレナの失踪に関係した3人の人物の物語が語られる。

キャスト:ナタリア・マザリン、ラファエル・デ・ボナ、パメリャ・ユーリ、Chloe Milan、マリアネ・カセレス

   

    

 

 

 Noche de fuego / Players for The Stolen(メキシコ=独=ブラジル=カタール)

  2021年、110

監督タティアナ・ウエソ(エルサルバドル1972メキシコの二重国籍)の長編デビュー作、カンヌ映画祭「ある視点」でスペシャル・メンションを受賞している。ドキュメンタリー作家として高い評価を得ているウエソが初めて劇映画を撮りました。2016年のドキュメンタリーTempestadは、アリエル賞2017監督賞、ベルリン映画祭カリガリ賞(特別審査員賞)、ゴヤ賞2018イベロアメリカ映画賞ノミネート、ハバナFF、リマFF他受賞歴多数。代表作にノンフィクションEl lugar más pequeña11)がある。別途作品紹介予定

キャスト:アナ・クリスティナ・オルドニェス・ゴンサレス、マルヤ・メンブレニョ、マイラ・バタリャ

作品紹介記事は、コチラ⇒2021年08月19日

 

     

 

 

 Piedra noche / Dusk Stone (アルゼンチン=チリ=スペイン)2021年、87分、

 WIP Latam 2020

監督イバン・フンド(アルゼンチン)は、監督、脚本家、撮影監督、製作者。本作は一人息子を失った或る夫婦の苦悩が語られる。WIP Latam 2020の産業賞受賞作品。91日開催のベネチア映画祭と併催の「ヴェニス・デイ」がワールドプレミアになります。イバン・フンドは既にLos labiosがカンヌの「ある視点」にノミネート、マル・デル・プラタFFBAFICIブエノスアイレス国際インディペンデントFFなど国内の映画祭で受賞歴があります。

キャスト:マリセル・アルバレス、マラ・ベステリィ、アルフレッド・カストロ、マルセロ・スビオット、へレミアス・クアロ

 

    

 

 

 Una pelícla de policías / A Cop Movie (メキシコ)2021年、107

監督アロンソ・ルイスパラシオス(メキシコシティ1978)は、モノクロで撮ったデビュー作Güeros14)がSSIFF ホライズンズ・ラティノ部門で作品賞とユース賞を受賞、同年ラテンビートで『グエロス』の邦題で上映された。今回はベルリナーレ2021イブラン・アスアド銀熊フィルム編集を受賞している。別途作品紹介予定

キャスト:モニカ・デル・カルメン、ラウル・ブリオネス・カルモナ

作品紹介記事は、コチラ⇒2021年08月28日  

 

   

 

★今年は女性監督が2人とバランス的には偏りがありますが、タティアナ・ウエソの名前を久しぶりに目にしました。政情不安のエルサルバドル生れですがメキシコに渡って国籍を取得しています。今年はメキシコからアロンソ・ルイスパラシオスと2人がノミネートされた。どちらも話題作のようですから、秋の映画祭を視野に入れて作品紹介を予定しています。

第6回イベロアメリカ・プラチナ賞2019*結果発表2019年05月17日 15:59

        予想通りアルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』が大賞5冠を独占!

 

      

★開催したばかりのカンヌ映画祭はしばらくお休みして、去る512日に結果発表があった第6回イベロアメリカ・プラチナ賞授賞式のご報告。今回は偶数回なのでスペイン開催のはずですが、今回も昨年に引き続いてメキシコのカンクン近郊のリゾート地シカレ・リビエラ・マヤで行われました。気温が高く赤絨毯を踏んだシネアスト、セレブたちは汗ダクダクだったとか。総合司会は今回で2回目となるスペインのサンティアゴ・セグラTVシリーズ女優賞を受賞したメキシコのセシリア・スアレスでした。

 

      

        (総合司会者のセシリア・スアレスとサンティアゴ・セグラ)

 

★もう受賞作品はやる前から決まっていたようなもので、予想通りアルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』が大賞5冠を独占し、サプライズ零%のガラ、作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・録音賞の5カテゴリーです。メキシコ開催の授賞式でしたが、受賞が100%分かっていたにもかかわらず御大は姿を現しませんでした。どんな理由があったにせよ白けます。外野から「メキシコには住んでないよ」の声あり。2月にあった米アカデミー賞で外国語映画賞・監督賞・撮影賞の3冠を受賞していましたが、格が違うということでしょう。因みに外国語映画賞は来年から国際映画賞と名称が変わりますが、ルール変更はないそうです。

 

             

           (第6回イベロアメリカ・プラチナ賞の受賞者一同)

 

 

17カテゴリーの受賞作品・受賞者名は以下の通りです。

 

作品賞(フィクション)

Roma(『ROMA/ローマ』20181214日よりNetflix配信)メキシコ

 

    

       (製作者ガブリエラ・ロドリゲスと共同製作者ニコラス・セリス)

 

監督賞

アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)

 

オペラ・プリマ初監督作品賞

Las herederas(『相続人』)パラグアイ、監督マルセロ・マルティネシ

 

     

             (右端がマルセロ・マルティネシ監督)

 

女優賞

アナ・ブルン(『相続人』) 

 

     

               (喜びが爆発したアナ・ブルン)

 

男優賞

アントニオ・デ・ラ・トーレ (「El Reino」)スペイン、監督ロドリゴ・ソロゴジェン

 

     

 

脚本賞

アルフォンソ・キュアロン (『ROMA/ローマ』)

 

 

 

撮影賞

アルフォンソ・キュアロン (『ROMA/ローマ』)

 

編集賞

アルベルト・デ・カンポ (「El Reino」)

 


 

美術賞

アンヘリカ・ぺレア (「Pájaros de verano」『夏の鳥』)コロンビア、

          監督クリスティナ・ガジェゴチロ・ゲーラ

       

 

   

オリジナル音楽賞

アルベルト・イグレシアス (「Yuli」)スペイン、監督イシアル・ボリャイン

 

    

 

録音賞

セルヒオ・ディアススキップ・リーヴセイホセ・アントニオ・ガルシア

クレイグ・ヘニガン(『ROMA/ローマ』)

 

    

            (『ROMA/ローマ』のキャスト&スタッフ一同)

 

作品賞(アニメーション)

Un día más con vida(『アナザー・デイ・オブ・ライフ』)スペイン、

 監督ラウル・デ・ラ・フエンテダミアン・ネノウ

 

   

 

作品賞(ドキュメンタリー)

El silencio de otrosスペイン、監督ロバート・バハルアルムデナ・カラセド

 

     

 

価値あるシネマ教育プラチナ賞

Campeonesスペイン、監督ハビエル・フェセル

 

  

 

TVミニシリーズ賞

Arde Madridスペイン

 

     

  (インマ・クエスタ、パコ・レオン、製作者アンナ・R・コスタ、アンナ・カスティーリョ)

 

TVシリーズ女優賞

セシリア・スアレス (「La casa de las flores」『ハウス・オブ・フラワーズ』

     2018810日よりNetflix 配信)メキシコ、ブラックコメディ、制作マノロ・カーロ

 

     

 

TVシリーズ男優賞

ディエゴ・ルナ (「Narcos: México」『ナルコス:メキシコ編』

     20181116日よりNetflix 配信)米国の犯罪ドラマ、製作総指揮カルロ・ベルナルド他

 

     

 

プラチナ栄誉賞

ラファエル(スペインのシンガーソングライター、俳優)

 

  

                                                  (喉もご披露したラファエル)

 

   

 

   

 (左から、プラチナ賞ディレクターのエンリケ・セレソ、栄誉賞受賞者ラファエル、

  総ディレクターのミゲル・アンヘル・ベンサル、アドリアン・ソラル)

       

★ざっと以上のようでした。第12014年(『グロリアの青春』)と2018年(『ナチュラルウーマン』)の受賞国チリ、2015年(『人生スイッチ』)と2017年(『笑う故郷』)の受賞国アルゼンチンは、ゼロ個と沈黙を強いられました。2016年はコロンビアの『彷徨う大河』、今回コロンビアは『夏の鳥』が美術賞を受賞して面目を施しました。昨年はメキシコ開催でしたがメキシコはゼロ個、今年はTVシリーズを含めると7個でした。録音賞のみがグループ受賞で、他はアルフォンソ・キュアロンの一人勝ちでした。

 

★スペインは作品賞を受賞したことはありませんが、今回は男優賞・オリジナル音楽賞・編集賞・ドキュメンタリー賞・アニメーション賞・価値あるシネマ教育プラチナ賞・TVシリーズ作品賞の7カテゴリー、さらにプラチナ栄誉賞をイベリア半島に運んできましたから、もう言うことなしです。

 

★『ROMA/ローマ』に限ったことではありませんが、Netflixや米国の制作会社の存在感はTVシリーズの受賞作品にみられるように顕著になってきました。映画祭のコンペティション部門にノミネートされたばかりなのに、映画祭が終わると1ヵ月もしないでお茶の間で見られる。その速さには実際驚きます。最初からNetflixオリジナル作品なら分かりますが。

 

イベロアメリカ・フェニックス賞財政難で一旦休止のニュース2019年04月07日 15:29

             ない袖は振れない苦しい台所事情も政治がらみか?

 

      

                               (黒いフェニックスの卵)

 

★毎年初冬の11月に開催されていた「イベロアメリカ・フェニックス賞」が、メキシコ当局による財政援助が難しくなり、やむなく休止に追い込まれてしまいました。第1回が2014年でしたから、たったの5回しか開催されなかったことになります。イベロアメリカと銘打たれておりましたが、選考母体は2012年創設されたばかりの「Cinema 23」でメキシコ主導の映画賞、授賞式開催国は持ち回りでなくメキシコと決まっていました。元宗主国のスペインとポルトガルも参加してノミネーションはされましたが、グランプリに輝くことはついぞありませんでした。

 

     

      (第1回グランプリ作品ディエゴ・ケマダ=ディエスの「金の鳥籠」、授賞式から)

 

2017年には、TVシリーズ部門にNetflixオリジナル作品の参加を開始、Netflixに門戸を開いた。麻薬王エスコバルの誕生から死までを描いた『ナルコス』がドラマ部門で、コメディ部門でも『クラブ・デ・クエルボス』が受賞した。第5回の2018年には『ペーパー・ハウス』が受賞、さらに「ネットフリックス・プリマ・オペラ賞」を設けて盛上げに協力し始めていたのですが、所詮焼け石に水だったようです。

 

       

                (TVシリーズ部門、2018年受賞作『ペーパー・ハウス』Netflix

 

★本映画賞の二大資金援助はメキシコの連邦政府と地方政府だったようで、主催者によると両者の折合いが難航、回答が貰えなかったことが休止の主たる理由だという。メキシコ新大統領アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドルは、一部の反汚職運動のような市民団体への助成金カットを数週間前に発表していた。政権批判をして論争のタネを振りまくNGOや文化団体には援助したくないのでしょう。そういう意味では本映画賞は、受賞作品を一瞥すれば一目瞭然、かなり政治的な色合いが濃く、援助カットの標的になってもおかしくない。第1回授賞式は、メキシコの麻薬密売組織に関係している政治家や警察関係者による学生43名の失踪殺害事件を厳しく批判、第5回はフェミニズム運動、特にアルゼンチンでの妊娠中絶合法化のシンボル緑のハンカチ運動など、毎年ラテンアメリカ諸国政府への「No」を鮮明にしている。

 

1回作品賞2014『金の鳥籠』(メキシコ)ディエゴ・ケマダ=ディエス監督

2回作品賞2015『ザ・クラブ』(チリ)パブロ・ラライン監督

3回作品賞2016『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(チリ)パブロ・ラライン監督

4回作品賞2017『ナチュラルウーマン』(チリ)セバスティアン・レリオ監督

5回作品賞2018『夏の鳥』(コロンビア)クリスティナ・ガジェゴ&チロ・ゲーラ共同監督

   

      

(第3回作品賞『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』の製作者フアン・デ・ディオス・ラライン、

    トロフィーを手にしたネルーダ役のルイス・ニェッコ、刑事役のG.G.ベルナル)

      

     

   

 (第4回作品賞『ナチュラルウーマン』で女優賞に輝いたダニエラ・ベガ)

  

 

     

(第5回作品賞『夏の鳥』ガラ、緑のハンカチを巻いたクリスティナ・ガジェゴ監督とスタッフ)

 

★残念なニュースですが、再開を願って2020年を待ちましょうか。

 

第5回イベロアメリカ・フェニックス賞2018*結果発表2018年11月20日 15:18

        コロンビアの『夏の鳥』が作品賞と女優賞にカルミニャ・マルティネス

 

     

★去る117日、メキシコシティのエスペランサ・アイリス・シティシアターで授賞式が行われました。今年は結果発表とラテンビートが重なり大分遅れのアップになりました。作品賞がラテンビート上映の『夏の鳥』だったので、部分的にはラテンビートに絡めて触れております。フェニックス賞はメキシコの「シネマ23」主導の映画賞で、過去4回ともラテンアメリカ諸国の作品が受賞しています。元の宗主国スペインとポルトガルから選ばれたことはなく、今年はそもそも作品賞・監督賞にノミネーションさえありませんでした。映画部門とTVシリーズ部門に分かれています。ノミネーションは以下にアップしています。

イベロアメリカ・フェニックス賞2018ノミネーション発表の記事は、コチラ20180930

 

  *映画部門*

作品賞長編7作品)

Alanis監督アナイ・ベルネリアルゼンチン

As boas maneirasフリアナ・ロハスマルコ・ドゥトラブラジル

Cocoteネルソン・カルロ・デ・ロス・サントス・アリアスドミニカ共和国

Las herederasマルセロ・マルティネシパラグアイ) 邦題『相続人』

Museoアロンソ・ルイスパラシオスメキシコ

Pájaros de veranoチロ・ゲーラクリスティナ・ガジェゴコロンビア)邦題『夏の鳥』

Zamaルクレシア・マルテルアルゼンチン) 邦題『サマ』

 

      

          (クリスティナ・ガジェゴを囲んで喜びの関係者一同)

 

監督賞7人)

アナイ・ベルネリAlanis

フリオ・エルナンデス・コルドンCómparame un Revólverメキシコ

マルセロ・マルティネシLas herederas

ラウラ・モラMatar a Jesúsコロンビア

アロンソ・ルイスパラシオスMuseo

チロ・ゲーラクリスティナ・ガジェゴPájaros de verano

ルクレシア・マルテルZama

 

   

          (『相続人』のマルセロ・マルティネシ監督)

 

女優賞

カルミニャ・マルティネス 『夏の鳥』

 

   

男優賞

ロレンソ・フェロ 「El Angel」監督ルイス・オルテガ(アルゼンチン、西)

 

       

     (トランプ大統領とアルゼンチン大統領マクリを批判したロレンソ・フェロ

 

脚本賞

ラウラ・モラアロンソ・トレスMatar a Jesúsコロンビア

 

(アロンソ・トレス)

 

    

撮影賞

ルイ・ポサス Zama

 

    

        (ミゲル・アンヘル・シルベストルからトロフィーを受け取るルイ・ポサス)

 

美術デザイン賞

レナータ・ピネイロ Zama

 

   

衣装賞

メルセ・パロマ 「La librería」 監督イサベル・コイシェ(スペイン、イギリス)

 

◎録音賞

グイド・ベレンブラムエマニュエル・クロセットZama

 

(エマニュエル・クロセット)

     

 編集賞

ミゲル・シュアードフィンガーカレン・ハーレー Zama

    

     

オリジナル音楽賞

レオナルド・Heiblum 『夏の鳥』

 

長編ドキュメンタリー賞

Muchos hijos, un mono y un castillo 監督グスタボ・サルメロン(スペイン)

   

   

              (左から2人目の監督とヒロインの母親)

 

ドキュメンタリー撮影賞

フアン・サルミエント G. Central Airport THF」監督カリム・アイノズ(ブラジル、独、仏)

 

    

 

ネットフリックス・オペラ・プリマ賞

『相続人』マルセロ・マルティネシ(パラグアイ、独、ブラジル、ウルグアイ、ノルウェー、仏)

 

     

批評家賞

ルシアノ・モンテアグド(アルゼンチンの映画批評家)

 

     

 

シネアスト賞

ルイス・カルロス・バヘット(ブラジルの映画プロデューサー)

 

    

    

Exhibidores

Perfectos desconocidos」監督アレックス・デ・ラ・イグレシア(スペイン)

 

 

  *テレビ部門*

TVシリーズ

La casa de Papel」シーズン2 (スペイン) 邦題『ペーパー・ハウス』

 

   

俳優アンサンブル賞

Aquí en la tierraシーズン1(メキシコ)

 

    

        

(ダニエル・ヒメネス・カチョ)

     
    
                             (ガエル・ガルシア・ベルナル) 
     

(テノチ・ウエルタ)

  

★写真は入手できたもの。