カルラ・シモンにマラガ才能賞*マラガ映画祭2023 ⑩ ― 2023年03月19日 15:29
マラガ才能賞のトロフィーはアンヘラ・モリーナから

★3月17日、メイン会場セルバンテス劇場でマラガ才能賞(マラガ・オピニオン紙とのコラボ)のガラがありました。受賞者カルラ・シモンはベテラン女優アンヘラ・モリーナの手からトロフィーを受け取りました。司会者はセリア・ベルメホでした。サポーターはモリーナの他、デビュー作『悲しみに、こんにちは』主演のブルーナ・クシとダビ・ベルダゲラ、監督のフアン・アントニオ・バヨナなどが登壇しました。モリーナは、シモンが映画監督としてでなく、人間として素晴らしいことを讃え、「善と純粋さですべてを凌駕している彼女が受賞するのはとても価値がある」とスピーチした。

(アンヘラ・モリーナと受賞者)

(ブルーナ・クシとダビ・ベルダゲラ)
★アクションを盛り込んだヒット作を出し続けているフアン・アントニオ・バヨナ監督は、「私の最後の映画がモンスター主演であったことを考えると、私のような監督が登壇するのは場違いに思うでしょう。モンスターを撮るのは非常に複雑なものがあります。なぜなら存在しない生き物を本物に見せようとしなければならないからです。カルラがしていることもまったく同じです。違うのは彼女は現実を並外れたものに変えるのです」とバヨナは、自作と親密で現実的なシモン映画を比較した。

(フアン・アントニオ・バヨナ監督)
★カルラ・シモンは、この特別な日にサポートしてくれた同僚や友人に一人ずつお礼を述べたいと語り、またフェスティバル関係者や家族にも感謝したいとスピーチした。しかし、彼女が最も伝えたかったのはフェミニストとしてのメッセージでした。「私たちの視点は、今までの視点と同じではありません。私たちは女性によって語られる新しいタイプの作品を目指していきたい。今までとは異なる視点、より優しく、母性的な作品です。私たちの世界では光と愛が不足しているのでヒューマニストの映画とアートを保護しなければならない」と語った。

★授賞式に先だってセルバンテス劇場ロッシーニ・ホールで、本祭総ディレクターのフアン・アントニオ・ビガルのインタビューが行われた。シモンの『悲しみに、こんにちは』は、2017年の金のビスナガ賞受賞作品、2作目「Alcarràs」は2022年のアウト・オブ・コンペティションに参加していた。「マラガは自宅に帰ってきたような気分でリラックスできる」と語った。第2作はとても厳しい長い道のりだったと明かし、ベルリンで金熊を与えられたとき「撮った甲斐があった」と感じたようです。

(カルラ・シモンとフアン・アントニオ・ビガル、ロッシーニ・ホールにて)
★受賞者曰く「人々が映画監督についてイメージするのは若い女性ではありません。しかしこれは急速に変化しており驚きです。最初はチームがこの映画を完成させられるかどうか理解するのは難しいです。でも自分のやり方でやり通すことです」と。「技術チームが不確実性に慣れていない場合は、彼らの疑念を払拭するよう作業を進める必要があります」とも述べている。やはり「若い女性監督で大丈夫か?」という技術部門の不安を解消するのは大変ということでしょう。監督がどうしたいか、何を模索しているか、を理解してもらうことが必要ということでしょうか。彼女のキャリアが進むにつれて、彼女のやり方を尊重し、理解してくれるようになり、うまく作業できるようになった。今更ですが、若い監督にとって国際映画祭の受賞は大きな前進に繋がるようです。
★次回3作目のタイトルは「Romería」で、シモンの「家族についての三部作」を締めくくりたい、「それは一種のルーツへの旅、家族の記憶がテーマになるだろう」ということでした。
マラガ特別賞ガラのフォト集*マラガ映画祭2023 ⑨ ― 2023年03月17日 09:59
マラガ―スール賞以下特別賞ガラのフォト特集
★3月10日に開幕したマラガ映画もすでに半ばを過ぎ、15日現在の特別賞ガラのフォトが続々配信されています。オープニングにビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞の国民的歌手ラファエル・マルトス、11日にレトロスペクティブ賞―マラガ・オイのアルベルト・ロドリゲス監督、12日にマラガFFの大賞マラガ―スール賞に女優ブランカ・ポルティーリョ、13日にリカルド・フランコ賞にスクリプトのユイ・ベリンゴラ、と4賞のガラが終了しました。受賞者紹介はアップ済みなのでフォト集をお届けします。

(オープニングの司会者、エレナ・サンチェスとマルタ・ハザス)

(セクション・オフィシアルの5人の審査員)
◎ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞(3月10日、メイン会場セルバンテス劇場)
ラファエル・マルトス、愛称ラファエルで親しまれているスペインの国民的歌手にトロフィーを手渡したのは、TVシリーズのヒット作「Velvet」の主役を演じたマルタ・ハザスでした。歌手ディアナ・ナバロも登場、ラファエロの曲をミックスして歌いあげオマージュを捧げました。開幕ということもあって、審査委員長マヌエル・グティエレス・アラゴン以下の審査員4人も紹介されました。オープニングの司会者はジャーナリストのエレナ・サンチェスとマルタ・ハザスでした。


(受賞者とマルタ・ハザス)

(受賞者とディアナ・ナバロ)
◎レトロスペクティブ賞―マラガ・オイの(3月11日、メイン会場セルバンテス劇場)
アルベルト・ロドリゲス監督、プレゼンターは長年脚本を共同で執筆しているラファエル・コボス、彼は2019年のリカルド・フランコ賞受賞者です。他『マーシュランド』主演のハビエル・グティエレス(2019年のマラガ―スール賞受賞者)、製作者で受賞者の妻マヌエラ・オコンなど、一緒にステージに立ちたいサポートが大勢集合しました。「この賞を与えてくれたフェスティバルに感謝いたします。映画は個人的なものではなく、集合的なものです。この賞をチームと友人たちと共有したい。それは彼らが私を今夜このステージに立たせてくれたからです」と締めくくり、どこまでも真面目で控えめなロドリゲスなのでした。


(長年の盟友ラファエル・コボスからトロフィーを受け取った受賞者)

(受賞スピーチをするロドリゲス、後方は司会のノエミ・ルイス)

(大勢のサポーターに囲まれて・・・)
◎マラガ―スール賞(3月12日、メイン会場セルバンテス劇場)
ブランカ・ポルティーリョ、Tシャツにジーパン、スニーカー姿で登壇した受賞者に皆さんびっくり。この豪華衣装には理由があったのです。「贅沢品や仮面を剝ぎ取られた人間」としてトロフィーを受け取りたかった。「考えに考えて決断した、愛を必要としている59歳の女性」ともスピーチしました。サポートしたのはグラシア・ケレヘタ監督、女優パウラ・オルティス、プレゼンターはアシエル・エチェアンディアでした。

(これ以上ラフな恰好はないでしょう)

(アシエル・エチェアンディアからトロフィーを受け取る受賞者)

(大喜びのグラシア・ケレヘタと)

(サポーターに囲まれて)
★授賞式に先立ってマラガ―スール賞受賞者には、海沿いの遊歩道アントニオ・バンデラス通りに手形入りの記念碑が立ててもらえる。マラガ市長フランシスコ・デ・ラ・トーレ以下、本祭総ディレクターのフアン・アントニオ・ビガルなどが立ち会って除幕式が行われた。


(このときはこんな衣装でした。3月12日)
◎リカルド・フランコ賞(3月15日、メイン会場セルバンテス劇場)
ユイ・ベリンゴラ、 この賞はスペイン映画アカデミーとのコラボレーションで授与され、舞台裏で活躍する映画スペシャリストに与えられる。ユイ・ベリンゴラはアルモドバルの作品を数多く手がけたスクリプトですが、彼女はリカルド・フランコ監督の親友でもあったから一入感慨深いものがあったようです。プレゼンターはスペイン映画アカデミーの会長フェルナンド・メンデス≂レイテでした。進行役はノエミ・ルイス、他ナチョ・ガルシア・ベリーリャ監督、前回の受賞者フィルム編集者のソル・カルニセロなどが登壇しました。ベリンゴラは「家族、友人、とりわけ留守がちな母親に苦しんだ息子にこの賞を捧げる」とスピーチした。

(受賞スピーチをする受賞者)

(メンデス=レイテ会長からトロフィーを受け取る受賞者)

★残るはマラガ才能賞のカルラ・シモンと「金の映画」賞となりました。
ジュリエット・ビノシュに国際ゴヤ賞*ゴヤ賞2023 ⑪ ― 2023年02月05日 18:12
「3冠」&オスカー女優のジュリエット・ビノシュに国際ゴヤ賞

(ドノスティア栄誉賞のトロフィーを手に、サンセバスチャン映画祭2022)
★去る2月1日、スペイン映画アカデミーから第2回目となる国際ゴヤ賞受賞者は、フランス女優のジュリエット・ビノシュ(パリ1964、59歳)と公式に発表されました。昨年新設された国際ゴヤ賞は、芸術としての映画に国際的に貢献した人物に贈られる重要なスペイン映画賞の一つ、「ビノシュの並外れたキャリアは、ヨーロッパのみならず国際的に賞賛され認められている。リスクのある作家への挑戦は数多くの忘れられないパフォーマンスを生んだ。40年にわたってヨーロッパ映画が目指す指標として不動の地位を築いてきた」ことが評価されました。あと1週間後に迫った2月11日、セビーリャのFIBESで開催される第37回ゴヤ賞ガラでトロフィーを受け取ることになります。
★キャリア&フィルモグラフィーについては第70回サンセバスチャン映画祭2022でドノスティア栄誉賞を受賞した折りにアップしております。タッグを組んだ監督はフランスに止まらず、ジャン=リュック・ゴダール、レオス・カラックス、ルイ・マル、デヴィッド・クローネンバーグ、アッバス・キアロスタミ、クシシュトフ・キェシロフスキ、ミヒャエル・ハネケ、オリヴィエ・アサイヤスなど枚挙に暇がない。しかし彼女の転機は1996年に訪れる。アンソニー・ミンゲラの『イングリッシュ・ペイシェント』でアングロサクソン映画にデビュー、ベルリン映画祭銀熊女優賞、アカデミー助演女優賞、BAFTA助演女優賞ほかを受賞して、ヨーロッパの「3冠」トリプルクラウンの一つを獲得した。
★ヨーロッパの「最優秀女優トリプルクラウン」というのは、カンヌ、ベネチア、ベルリン三大映画祭の受賞者を指し、3冠を達成した最初のヨーロッパ女優になりました。クシシュトフ・キェシロフスキの『トリコロール/青の愛』(94)でベネチア映画祭女優賞(ヴォルピ杯)、イランのアッバス・キアロスタミの『トスカーナの贋作』(10)でカンヌ映画祭女優賞である。
★女優のプロジェクトに参加する決め手は「新しい世界を私に覗かせる未知への旅」と語っています。また「監督の耳を傾ける能力、そして何よりも見る能力」が、「イエス」と言うように自分を駆り立てるとも語っている。イサベル・コイシェ監督が「ぶっ飛んだ女優」と評する所以である。
★片足でインディペンデント映画に、もう片足で『GODZILLA ゴジラ』や『ゴースト・イン・ザ・シェル』などの商業映画にも取り組んでいる。最新作はTVシリーズ「The New Look」(米10話)で、目下ココ・シャネルに命を吹き込んでいます。ベン・メンデルソン扮するクリスチャン・ディオールとわたり合うようです。
★第1回目の受賞者はオーストラリア出身の女優ケイト・ブランシェット、プレゼンターはアルモドバル監督とペネロペ・クルスでしたが、さて今回はどなたでしょうか。彼女が主演した「Nadie quiere la noche」(英題「Nobody Wants the Night」)のコイシェ監督あたりを個人的に予想します。本作でゴヤ賞2016の主演女優賞にノミネートされ、初めてゴヤ賞ガラに出席したフランス女優となりました。今回は国際ゴヤ賞受賞者の最初のフランス人となります。
*キャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ⇒2022年09月17日
フェロス賞2023ガラに参集したシネアストたち*今年の流行は喪服? ― 2023年02月03日 16:04
目立っていたアルモドバル&ボブ・ポップ

★今年のフェロス賞の夕べは好奇心旺盛な地元ファンの熱気とは裏腹に気温が低く、あいにくの強い北風でした。5時間待ちも厭わなかったファンこそ、今夜のヒーローでした。もし冬のサラゴサを訪れたいという観光客がいたら、それは正にクレイジーでしょう。今回はガラにドレスアップして参集したセレブたちの寒夜の品定め。今年はモノトーン調が主流、例年黒と白は一定数人気がありますが、今年は「喪服」にしては透け透けもありましたが、モノトーンが幅を利かせていました。女性誌が選ぶベストドレッサーも軒並みモノトーンでした。というわけで栄誉賞のアルモドバルののターコイズブルーのスーツとボブ・ポップの紫紅色のブレザーが目立ちました。以下はノミネート候補者、各カテゴリーのプレゼンター中心に纏めたフォト集です。

(ボブ・ポップから「低賃金で不安定な文化ジャーナリストの職業擁護」を求められた、
労働大臣ヨランダ・ディアスと文化教育大臣ミケル・イセタ)
*レッドカーペットでのフォトコールに応じるセレブたち*
★フェロス栄誉賞受賞者のペドロ・アルモドバル、壇上では「私を無知にして無心論者にした」サレジオ会の神学校での地獄のような体験を語ったアルモドバル、変な少年だった頃の逃げ場は「映画館でした」と。健康状態がイマイチらしく何回か座を外していた。

(プロデューサーの弟アグスティン・アルモドバルとのツーショット)

(ボブ・ポップ、黒のスラックスと靴先が金色のスニーカーがマッチしているとか)
★ 3人の総合司会者

(シルビア・アブリル)

(バルバラ・サンタ=クルス)

(バレリーナ風のイングリッド・ガルシア=ヨンソン)
★「アルモドバルのミューズたち」

(アイタナ・サンチェス=ヒホン)

(パルマ・デ・ロッシ)

(ビビアナ・フェルナンデス)

(レオノール・ワトリング、余計な宝石なしが好評でした。
TVシリーズ「No me gusta conducir」助演女優賞候補)

(ミレナ・スミット)
★主演女優賞ノミネート候補者たち

(受賞者ライア・コスタ、「Cinco lobitos」)

(フランスから馳せつけたマリナ・フォイス、『ザ・ビースト』)

(アンナ・カスティーリョ、「Girasoles silvestres」)

(二人分の布が必要なラウラ・ガラン、「Cerdita」)

(履きなれないサンダルのカルラ・キレス、「La maternal」)
★助演女優賞ノミネート候補者たち

(1月22日、癌に倒れたアグスティ・ビリャロンガ監督に思いを馳せるスシ・サンチェス、
初のコメディにして遺作となった「Loli Tormenta」の主役を演じた。「Cinco lobitos」)

(アデルファ・カルボ、「En los márgenes」)

(アンヘラ・セルバンテス、「La maternal」)

(エンマ・スアレス、「La consagración de la primavera」)

(カルメン・マチ、「Cerdita」)
★TVシリーズ部門主演女優賞ノミネート候補者(モニカ・ロペスは欠席?)

(ネレア・バロス、「La novia gitana」)

(イツィアル・イトゥーニョ、『インティミダ』)

(靴がユニークなナタリエ・ポサ、「La unidad」)

(高いヒールが話題になった受賞者クラウディア・サラス、「La ruta」)
★TVシリーズ部門助演女優賞ノミネート候補者

(受賞者パトリシア・ロペス・アルナイス、
ベストと乗馬靴が話題になったディオール、『インティミダ』)

(マリアン・アルバレス、「La unidad」)

(エリザベス・カサノバス、「La ruta」)
★ベストドレッサー、あるいはユニーク・ルックスの女優たち

(帽子は自分のデザイン、監督&女優レティシア・ドレラ)

(ベストドレッサーに選ばれたエレナ・リベラ)

(歩くのが大変そうなクララ・ガジェ)

(パウラ・オルティス、手袋は珍しかった)

(赤と黒の透け透けドレスのミナ・エル・ハマニ)

(細い肩紐のツートンカラー、エバ・イサンタ)

(歌手のラ・テレモト・デ・アルコルコン
黄色の靴下と紫紅色の暖かそうなオーバー)



第10回フェロス賞2023結果発表*サラゴサ開催 ― 2023年02月01日 10:27
『ザ・ビースト』と「Cinco lobitos」が痛み分け、鮮明だった女性主導

★去る1月28日PM10:00~00:46(現地時間)、第10回フェロス賞2023の授賞式がサラゴサ・オーディトリアム多目的ホールで開催されました。結果は以下の通りですが、近年で受賞作品が最も均等にばらけた結果になりました。作品のグループごとにテーブルを囲み、レストラン並みにワインとオードブルが提供されましたが終了時間にはグラスもお皿も空っぽでした。AICE スペイン映画ジャーナリスト協会主催。
★ロドリゴ・ソロゴジェンの『ザ・ビースト』が映画部門の作品賞・助演男優賞(ルイス・サエラ)・オリジナルサウンドトラック賞(オリヴィエ・アーソン)の3賞、アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Cinco lobitos」が主演女優賞(ライア・コスタ)・助演女優賞(スシ・サンチェス)・脚本賞(アラウダ・ルイス・デ・アスア)の3賞と痛み分け、監督賞には「Alcarras」のカルラ・シモン、主演男優賞にナチョ・サンチェス(『マンティコア』)という具合でした。
★個人的には映画のコメディ部門にアルゼンチンの二人の監督、マリアノ・コーン&ガストン・ドゥプラットの「Competencia oficial」が受賞したことです。2021年製作ですがスペイン公開が2022年2月だったので1年遅れでノミネートされた。製作はカタルーニャのベテラン製作者ジャウマ・ロウレス、出演はアントニオ・バンデラス、ペネロペ・クルス、オスカル・マルティネスの3人、『コンペティション』の邦題で今年3月17日公開がアナウンスされました。またフェロス感動賞(Premio Feroz Arrebato)フィクション部門で、デビュー作『スキン』以来6年ぶりに映画に戻ってきたエドゥアルド・カサノバの「La piedad」が受賞したことです。アンヘラ・モリーナ扮する母親と暮らす少年の物語だそうですが、いずれアップを予定しています。

(挨拶するAICE 会長マリア・ゲーラ)
★TVシリーズ部門の俳優賞も1作品に偏らないで、ドラマの「La ruta」とコメディの「No me gusta conducir」のほか『インティミダ』からも選ばれていました。フォルケ賞とは違う結果になったのもニュースかもしれません。やはり映画よりTVのほうが人気があるのか、出演者が多いこともあるのか、各ノミネート候補者たちは大勢で参加、大いに盛り上がっていました。
★会場を沸かせていたのがプレゼンターの3女優、コメディアンで女優、テレビ司会者のシルビア・アブリル、夫アンドリュー・ブエナフエンテとコンビを組んでゴヤ賞ガラの総合司会者を2年連続で務めたベテラン、初めてマドリードを離れてビルバオで開催された2019年ガラの総合司会者イングリッド・ガルシア=ヨンソン、監督賞候補が女4対男1だと黒一点のソロゴジェン監督をいじった女優のバルバラ・サンタ=クルス、また車椅子で登場した作家でテレビ評論家ロベルト・エンリケス(ボプ・ポップのほうが有名)などのモノローグでした。黒一点の監督賞ノミネートのリストからも分かるように女性が主導するイベントでした。

(栄誉賞受賞アルモドバルにインタビューするシルビア・アブリル)

(車椅子で登壇したボプ・ポップ)
*第10回フェロス賞2023受賞結果* (*印は作品紹介をしている受賞作)
◎作品賞(ドラマ)
「Alcarras」 カルラ・シモン監督
「As bestas」(邦題『ザ・ビ-スト』) ロドリゴ・ソロゴジェン *
「Cinco lobitos」 アラウダ・ルイス・デ・アスア
「Modelo 77」 アルベルト・ロドリゲス
「Un año, una noche」 イサキ・ラクエスタ


(ロドリゴ・ソロゴジェンほか製作者たち)
◎作品賞(コメディ)
「Competencia oficial」 監督マリアノ・コーン、ガストン・ドゥプラット *
「El Cuarto Pasajero」 同アレックス・デ・ラ・イグレシア
「Tenéis que venir a verla」 同ホナス・トゥルエバ
「Vacil」 同アベリナ・プラト
「Voy a pasármelo bien」 同ダビ・セラーノ

◎脚本賞DAMA
ロドリゴ・ソロゴジェン、イサベル・ペーニャ 「As bestas」
カルラ・シモン、アルナウ・ピラロ 「Alcarras」
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Cinco lobitos」 *
カルロタ・ペレダ 「Cerdita」監督カルロタ・ペレダ
フラン・アラウホ、イサ・カンポ、イサキ・ラクエスタ 「Un año, una noche」


◎監督賞
ピラール・パロメロ 「La Maternal」 ノミネート3カテゴリー
カルロタ・ペレダ 「Cerdita」
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Cinco lobitos」
カルラ・シモン 「Alcarras」 *
ロドリゴ・ソロゴジェン 「As bestas」


◎女優賞
アンナ・カスティーリョ 「Girasoles silvestres」 監督ハイメ・ロサーレス
ライア・コスタ 「Cinco lobitos」
ラウラ・ガラン 「Cerdita」
マリナ・フォイス 「As bestas」
カルラ・キレス 「La Maternal」


◎男優賞
カラ・エレハルデ 「Vasil」
ミゲル・エラン 「Modelo 77」
ドゥニ・メノーシェ 「As bestas」
ナウエル・ぺレス・ビスカヤール 「Un año, una noche」
ナチョ・サンチェス 「Mantícora」(『マンティコア』)監督カルロス・ベルムト *
ルイス・トサール 「En los márgenes」同フアン・ディエゴ・ボット


◎助演女優賞
アデルファ・カルボ 「En los márgenes」
アンヘラ・セルバンテス 「La Maternal」
カルメン・マチ 「Cerdita」
スシ・サンチェス 「Cinco lobitos」
エンマ・スアレス 「La consagración de la primavera」監督フェルナンド・フランコ


◎助演男優賞
ディエゴ・アニド 「As bestas」
ラモン・バレア 「Cinco lobitos」
ヘスス・カロサ 「Modelo 77」
オリオル・プラ 「Girasoles silvestres」
ルイス・サエラ 「As bestas」


◎オリジナルサウンドトラック賞
オリヴィエ・アーソン 「As bestas」
アランサス・カジェハ 「Cinco lobitos」
フェルナンド・ベラスケス 「Los renglones torcidos de Dios」監督オリオル・パウロ
フリオ・デ・ラ・ロサ 「Modelo 77」
ラウル・Refree 「Un año, una noche」

◎ポスター賞
ジョルディ・リンス、ルシア・ファライグFaraig 「As bestas」
エドゥアルド・ガルシア、ホルヘ・フエンブエナ 「Cerdita」
ゴンサロ・ルテ、キム・ビベス 「Girasoles silvestres」
ミカ・ムルフィーMurfhy 「La consagración de la primavera」
*カルロス・ベルムト 「Mantícora」

(ベルムト欠席で代理が受け取った)
◎予告編賞
ミゲル・アンヘル・トルドゥ 「As bestas」
マルタ・ロンガス 「Cerdita」 *
ミゲル・アンヘル・トルドゥ 「Mantícora」
アイトル・タピア 「Modelo 77」
「Los renglones torcidos de Dios」

◎TVシリーズ作品賞(ドラマ)
「¡García!」(HBO Max)
「Apagón」(Movister Plus)
「Intimidad」(Netfix)邦題『インティミダ』2022年6月10日配信開始
「La ruta」(Atresmedia Player)
「Rapa」(Movister Plus)


(大喜びの出演者と製作者一同、一番賑やかだった)
◎TVシリーズ作品賞(コメディ)
「Autodefensa」(Filmin)
「Fácil」(Movister Plus)
「Las de la última fila」(Netflix)邦題『最後列ガールズ』2022年9月23日配信開始
「No me gusta conducir」(TNT)


◎TVシリーズ脚本賞DAMA
イサベル・ペーニャ、アルベルト・マリニ、フラン・アラウホ、ラファエル・コボス、イサ・カンポ
「Apagón」
ベルタ・プリエト、ベレン・バーニーズ、ミゲル・アンヘル・ブランカ 「Autodefensa」
アンナ・R・コスタ、クリスティアナ・ポンス 「Fácil」
ベロニカ・フェルナンデス、ラウラ・サルミエント、ホセ・ルイス・マルティン 「Intimidad」
ボルハ・ソレル、ロベルト・マルティン・マイステギ、シルビア・エレロス・デ・テハダ、クララ・ボタス 「La ruta」

◎TVシリーズ女優賞
クラウディア・サラス 「La ruta」


(ベストドレッサーにも選ばれたクラウディア・サラス)
◎TVシリーズ男優賞
フアン・ディエゴ・ボット 「No me gusta conducir」


◎TVシリーズ助演女優賞
パトリシア・ロペス・アルナイス 「Intimidad」邦題『インティミダ』


◎TVシリーズ助演男優賞
ダビ・ロレンテ 「No me gusta conducir」

◎フェロス感動賞(フィクション)
「La piedad」 監督エドゥアルド・カサノバ


◎フェロス感動賞(ノンフィクション)
「La vida y unjardin secreto」 監督イレネ・M・ボレゴ


(左がイレネ・M・ボレゴ監督)

◎フェロス栄誉賞
ペドロ・アルモドバル 監督、脚本家、製作者


(母親の思い出で涙ぐむ受賞者)
★ガラの視聴率が最も高かったのはフェロス栄誉賞受賞のペドロ・アルモドバル登場のようでした。水色のスーツに赤のセーターで登壇、壇上には「アルモドバルのミューズたち」が勢揃い、フリエタ・セラノ、パルマ・デ・ロッシ、最新作『パラレル・マザーズ』出演のアイタナ・サンチェス=ヒホンとミレナ・スミット、ビビアナ・フェルナンデス、レオノール・ワトリングなどからのキス攻めにあいました。「私の映画のほとんどが、私の母親が与えてくれたインスピレーションのお蔭です」と亡き母親に感謝を捧げるスピーチをした。

(アルモドバルのミューズたちに囲まれて)
第10回フェロス賞2023はサラゴサ開催*ノミネーション発表 ― 2023年01月12日 11:28
フェロス賞2023の栄誉賞は、ペドロ・アルモドバル監督

★2022年11月24日、サラゴサの彫刻家パブロ・ガルガーリョ(1881~1934)の作品を収蔵しているガルガーリョ・ミュージアムで、第10回フェロス賞2023のノミネーション発表がありました。ゴヤ賞の前哨戦として2014年に始まったフェロス賞も節目の10回を迎えました。ゴヤ賞とは大分カテゴリーも異なりますが、一応そういうことになっています。選考母体はAICEスペイン映画ジャーナリスト協会、カテゴリーは映画部門11、TVシリーズ7の合計18カテゴリーです。

(カルロス・クエバスとミナ・エル・ハマニ)
★2021年に新設されたドキュメンタリー賞は、今回ノミネーション発表がありませんでしたが、昨年から始まったフェロス感動賞(フィクションとノンフィクションの2部門)のノミネートがありました。作品紹介は割愛しますが受賞結果はアップします。またオリジナル音楽賞はオリジナル・サウンドトラック賞と変更され、カテゴリーも流動的です。マリア・ゲーラAICE会長、サラ・フェルナンデス・エスクエルサラゴサ副市長出席のもと、人気俳優のカルロス・クエバスとミナ・エル・ハマニが進行役を務めました。授賞式は1月28日(土曜日)、昨年に続いてサラゴサ開催です。

(左から、カルロス・クエバス、AICE会長、サラゴサ副市長、ミナ・エル・ハマニ)
★映画部門最多ノミネートは、ロドリゴ・ソロゴジェンの「As bestas」の10とゴヤ賞と同じ流れです。TVシリーズのあるフォルケ賞とは違う流れになっています。アトレスメディアが手掛けた「La ruta」の6カテゴリーが最多、フォルケ賞受賞作の「Apagón」は4カテゴリーです。TVシリーズは作品賞と脚本賞をアップしておきます。ネットフリックスの2作品は目下配信中です。

(TVシリーズ最多ノミネートの「La ruta」のポスター)
★正式なノミネート発表の数週間前から秘密裏に決定されていたのがフェロス栄誉賞、今回は監督のペドロ・アルモドバルが受賞者です。フェロス賞関連では、2014年『アイム・ソー・エキサイテッド!』の予告編賞、2020年『ペイン・アンド・グローリー』の監督・脚本賞の2賞、『ジュリエッタ』も『パラレル・マザーズ』もノミネートに終わっています。海外での華々しい受賞歴に比して国内での受賞はそれほど多くありません。ただ出演キャストやスタッフに数々のトロフィーをもたらしている監督であることは間違いありません。


(第7回フェロス監督賞、脚本賞2冠だったアルモドバル、2020年ガラ)
*第10回フェロス賞2023ノミネーション*
◎作品賞(ドラマ)
「Alcarras」 カルラ・シモン監督 ノミネート3カテゴリー
「As bestas」(邦題『ザ・ビ-スト』) ロドリゴ・ソロゴジェン 同10カテゴリー
「Cinco lobitos」 アラウダ・ルイス・デ・アスア 同7カテゴリー
「Modelo 77」 アルベルト・ロドリゲス 同5カテゴリー
「Un año, una noche」 イサキ・ラクエスタ 同4カテゴリー

◎作品賞(コメディ)
「Competencia oficial」 監督マリアノ・コーン、ガストン・ドゥプラット
「El Cuarto Pasajero」 同アレックス・デ・ラ・イグレシア
「Tenéis que venir a verla」 同ホナス・トゥルエバ
「Vacil」 同アベリナ・プラト ノミネート2カテゴリー
「Voy a pasármelo bien」 同ダビ・セラーノ

◎脚本賞
ロドリゴ・ソロゴジェン、イサベル・ペーニャ 「As bestas」
カルラ・シモン、アルナウ・ピラロ 「Alcarras」
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Cinco lobitos」
カルロタ・ペレダ 「Cerdita」監督カルロタ・ペレダ ノミネート6カテゴリー
フラン・アラウホ、イサ・カンポ、イサキ・ラクエスタ 「Un año, una noche」

◎監督賞
ピラール・パロメロ 「La Maternal」 ノミネート3カテゴリー
カルロタ・ペレダ 「Cerdita」
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Cinco lobitos」
カルラ・シモン、アルナウ・ピラロ 「Alcarras」
ロドリゴ・ソロゴジェン 「As bestas」

◎女優賞
アンナ・カスティーリョ 「Girasoles silvestres」 監督ハイメ・ロサーレス
同3カテゴリー
ライア・コスタ 「Cinco lobitos」
ラウラ・ガラン 「Cerdita」
マリナ・フォイス 「As bestas」
カルラ・キレス 「La Maternal」

◎男優賞
カラ・エレハルデ 「Vasil」
ミゲル・エラン 「Modelo 77」
ドゥニ・メノーシェ 「As bestas」
ナウエル・ぺレス・ビスカヤール 「Un año, una noche」
ナチョ・サンチェス 「Mantícora」(『マンティコア』)監督カルロス・ベルムト
3カテゴリー
ルイス・トサール 「En los márgenes」同フアン・ディエゴ・ボット 2カテゴリー

◎助演女優賞
アデルファ・カルボ 「En los márgenes」
アンヘラ・セルバンテス 「La Maternal」
カルメン・マチ 「Cerdita」
スシ・サンチェス 「Cinco lobitos」
エンマ・スアレス 「La consagración de la primavera」監督フェルナンド・フランコ
2カテゴリー

◎助演男優賞
ディエゴ・アニド 「As bestas」
ラモン・バレア 「Cinco lobitos」
ヘスス・カロサ 「Modelo 77」
オリオル・プラ 「Girasoles silvestres」
ルイス・サエラ 「As bestas」
◎オリジナルサウンドトラック賞
オリヴィエ・アーソン 「As bestas」
アランサス・カジェハ 「Cinco lobitos」
フェルナンド・ベラスケス 「Los renglones torcidos de Dios」監督オリオル・パウロ
2カテゴリー
フリオ・デ・ラ・ロサ 「Modelo 77」
ラウル・Refree 「Un año, una noche」
◎ポスター賞
ジョルディ・リンス、ルシア・ファライグFaraig 「As bestas」
エドゥアルド・ガルシア、ホルヘ・フエンブエナ 「Cerdita」
ゴンサロ・ルテ、キム・ビベス 「Girasoles silvestres」
ミカ・ムルフィーMurfhy 「La consagración de la primavera」
カルロス・ベルムト 「Mantícora」

◎予告編賞
ミゲル・アンヘル・トルドゥ 「As bestas」
マルタ・ロンガス 「Cerdita」
ミゲル・アンヘル・トルドゥ 「Mantícora」
アイトル・タピア 「Modelo 77」
「Los renglones torcidos de Dios」

◎TVシリーズ作品賞(ドラマ)
「¡García!」(HBO Max) ノミネート2カテゴリー
「Apagón」(Movister Plus) 4カテゴリー
「Intimidad」(Netfix)邦題『インティミダ』2022年6月10日配信開始 4カテゴリー
「La ruta」(Atresmedia Player) 6カテゴリー
「Rapa」(Movister Plus) 2カテゴリー

◎TVシリーズ作品賞(コメディ)
「Autodefensa」(Filmin) ノミネート2カテゴリー
「Fácil」(Movister Plus) 2カテゴリー
「Las de la última fila」(Netflix)邦題『最後列ガールズ』2022年9月23日配信開始
「No me gusta conducir」(TNT) 4カテゴリー

◎TVシリーズ脚本賞
イサベル・ペーニャ、アルベルト・マリニ、フラン・アラウホ、ラファエル・コボス、
イサ・カンポ 「Apagón」
ベルタ・プリエト、ベレン・バーニーズ、ミゲル・アンヘル・ブランカ 「Autodefensa」
アンナ・R・コスタ、クリスティアナ・ポンス 「Fácil」
ベロニカ・フェルナンデス、ラウラ・サルミエント、ホセ・ルイス・マルティン 「Intimidad」
ボルハ・ソレル、ロベルト・マルティン・マイステギ、シルビア・エレロス・デ・テハダ、
クララ・ボタス、「La ruta」

◎TVシリーズ女優賞

◎TVシリーズ男優賞

◎TVシリーズ助演女優賞

◎TVシリーズ助演男優賞

第28回ホセ・マリア・フォルケ賞2023*受賞結果 ― 2022年12月26日 10:38
『ザ・ビ-スト』と「Cinco lobitos」が賞を分け合ったフォルケ賞

★去る12月17日、昨年から12月開催と前倒しに変更された第28回ホセ・マリア・フォルケ賞2023の授賞式が、1800人収容できるマドリードのパラシオ・ムニシパル IFEMA MADRID で開催されました。ゴヤ賞の前哨戦という立ち位置ですが、こちらは2021年1月開催だった第26回からTVシリーズも対象になりました。フォルケ賞に監督賞はなく、縁の下の力持ちである製作者に与えられる賞です。各賞に副賞として賞金が授与されます(俳優賞は各3,000ユーロ)。コロナは収束しておりませんがマスク着用が解除されました。ノミネーションはアップしませんでしたが、だいたいゴヤ賞と重なっています。優れた製作者に贈られるEGEDA金のメダルは、ホセ・ルイス・ベルムデス・デ・カストロが受賞しました。総合司会者は、俳優、ダンサー、歌手のアドリアン・ラストラとメキシコの女優エスメラルダ・ピメンテルが担いました。

(アドリアン・ラストラとエスメラルダ・ピメンテル)
*第28回ホセ・マリア・フォルケ賞2023受賞結果*
◎作品賞(フィクション&アニメーション)副賞30,000ユーロ
「As bestas」『ザ・ビースト』(2022;ロドリゴ・ソロゴジェン監督、Arcadia Motion Pictures / Caballo Films / Cronos Entertainment ALE / Le pacte / RTVE / Movistar+)
*ノミネート作品は、カルラ・シモンの「Alcarras」、アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Cinco lobitos」、アルベルト・ロドリゲスの「Modelo 77」、ゴヤ賞と同じでした。


(スピーチするロドリゴ・ソロゴジェン)

◎長編ドキュメンタリー賞 副賞6,000ユーロ
「Labordeta, un homble sin más」(2022、パウラ・ラボルデタ&ガイスカ・ウレスティ監督;Urresti PC SL / Un hombre sin más AIE / Aragón TV)


◎女優賞
ライア・コスタ (「Cinco lobitos」)
*ノミネート候補者は、「Cinco lobitos」のスシ・サンチェス、「Cerdita」のラウラ・ガラン、「Girasoles silvestres」のアンナ・カスティーリョの3名でした。、

(ゴヤ賞主演女優賞にもノミネートされているライア・コスタ)
◎男優賞
ドゥニ・メノーシェ (「As bestas」)
*ノミネート候補者は、「En los márgenes」のルイス・トサール、「Modelo 77」のミゲル・エラン、「Manticora」のナチョ・サンチェスの3名でした。


(マドリード入りしていたメノーシェ)
◎TVシリーズ賞(フィクション)6,000ユーロ
「Apagón」(2022、フラン・アラウホ監督; Movistar+ / Buendia Studios)


(5部構成のTVシリーズ)
◎TVシリーズ女優賞
モニカ・ロペス (「Rapa」 2022、ホルヘ・コイラ&ペペ・コイラ;Movistar+ / Portocabo)

(モニカ・ロペスは舞台出演で欠席、ホルヘ・コイラ監督が代理で受け取った)

(主演のモニカ・ロペスとハビエル・カマラを配したポスター)
◎TVシリーズ男優賞
ヘスス・カロサ (「Apagón」)

◎短編賞 副賞3,000ユーロ
「Cuerdas」(2022、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン;Sirimiri Films SL / Gariza Produkzioak SL / Kaiz Estudio SL / EITB)


◎ラテンアメリカ映画賞 副賞6,000ユーロ
「Argentina, 1985」『アルゼンチン 1985』(サンティアゴ・ミトレ監督;La Union de los Rios / Kenya Films / Amazon Studios / Infinity Hill Prime Video)
*ノミネートされた作品は、アレハンドロ・ロアイサ・グリシの「Utama」(ボリビア)、アルトゥーロ・モンテネグロのサスペンス「Cumpleaños」(パナマ)、マティアス・ビセの「El castigo」(チリ)、ゴヤ賞と重なったのは受賞作と「Utama」だけでした。

(スペインのアマゾンプライムビデオの責任者リカルド・カルボネロが受け取った)

◎Cine y Educación en Valores
「Cinco lobitos」(2022、アラウダ・ルイス・デ・アスア監督;Sayaca Producciones SL / Encanta FilmsSLU / Buena Pinta Media SLU / RTVE / ETB Orange TV)
*ノミネートされた作品は、カルラ・シモンの「Alcarras」、フアン・ディエゴ・ボットの「En los márgenes」、フェルナンド・フランコの「La consagración de la primavera」、カルラ・シモンは無冠に終わりました。

(アラウダ・ルイス・デ・アスア監督と製作者たち)

◎EGEDA金のメダル
ホセ・ルイス・ベルムデス・デ・カストロ
★受賞者は、1943年マドリード生れの製作者。主に60~70年代にスペイン映画およそ50作くらいを製作したプロデューサー。セルジオ・レオーネ、マリアノ・オソレス、フェルナンド・フェルナン=ゴメス、ハビエル・アギーレ、エロイ・デ・ラ・イグレシア、などの監督と仕事をした。俳優では現在でも現役のコンチャ・ベラスコ、カルメン・マウラ、アンヘラ・モリーナ、ホセ・サクリスタン、アントニオ・オソレスなど。最初に手掛けた映画はラモン・フェルナンデスの「Matrimonio al desnudo」、撮影費用が格安にできたためスペインで撮影された『ソロモンとシバの女王』(58)などハリウッド映画も手掛けている。

(受賞スピーチをするベルムデス・デ・カストロ)
★会場が感動の渦になったのは、作品賞受賞でもなく El Consorcio のグループが熱唱したメドレーでもなく、昨年12月13日、第27回フォルケ賞ガラの翌々日に突然鬼籍入りしたホセ・マリア・フォルケの愛娘ベロニカ・フォルケへのオマージュでした。共演が多かったアントニオ・レシネスの、私はベロニカの「夫、恋人、兄、上司、そして親友でした」という愛情込めたオマージュに会場もしんみり、つづくシルビア・アバスカルにも皆うるうるで、未だに愛され続けている在りし日のベロニカの映像に、スタンディングオベーションが何度も繰り返されました。

(ベロニカ・フォルケの映像)

(アントニオ・レシネスとシルビア・アバスカル)
デヴィッド・クローネンバーグに栄誉賞*サンセバスチャン映画祭2022 ⑳ ― 2022年09月26日 10:04
カナダの監督デヴィッド・クローネンバーグにドノスティア栄誉賞

★9月21日、ビクトリア・エウヘニア劇場において、カナダの監督、脚本家、製作者、俳優のデヴィッド・クローネンバーグ(トロント1943)のドノスティア栄誉賞の授賞式がありました。ガラの進行役は本祭の総ディレクターホセ・ルイス・レボルディノス、彼はクローネンバーグ映画を「私たちの人間的な資質の隠された側面を描いている。それは普段は見せないものだが基本的な部分であり、私たちの現実の姿である」と端的に紹介した。
★プレゼンターは『アレックス』や『CLIMAX クライマックス』の問題作を撮っているフランスの監督ギャスパー・ノエ、キャリア&フィルモグラフィーを含めた長い祝辞のあと、やっと登壇した受賞者は、鳴りやまぬ拍手にしばしスピーチができなかった。ノエ監督はブエノスアイレス生れだがパリに在住して、両国の国籍を持っている。「クローネンバーグは映画に生物学者、外科医や精神科医が探索すると思われる新しいテーマやトリックを持ち込んで、異常で不穏だが円熟したプリズムを通して、私たち自身の存在を再考させてくれた」と称揚した。ガラの後、カンヌ映画祭2022に出品された最新作「Crimes of the Future」が上映された。

(ノエ監督からトロフィーを受け取る受賞者)
★受賞スピーチ「人生のある時点で生涯功労賞を受賞することは、もう映画を撮るのは止めるというメッセージであり、そう自分に言い聞かせる一つの方法だと思っていました。『もう充分だ、止めなさい』と。しかし、時間が経つにつれて、特にこのような賞を、長い歴史があり美しい街で開催される映画祭で頂けて、そうじゃないと思い直しています。この賞は、映画を作り続けるための励ましとして受け取ります」とスピーチした。また「アートは規範を揺るがすものであり、困難で暴力的、かつ破壊的で不安定な人間性の側面に取り組むという意味で、しばしばアートは犯罪であると考えてきました。ある意味でアートは、私たちが理解できるように、地球上で市民生活を続けるために必要である事柄を表現する方法を与えることによって、文明に寄与しています。昨今起こっている出来事を考えるに、かつてないほどアートの犯罪は焦眉の急です。それで私は、犯罪映画バンザイ!と言いたい」と。あと3ヵ月で80代の大台に乗りますが、制作意欲は以前と変わらない。




(右手にいるのがホセ・ルイス・レボルディノス)
★最初に監督の代表作、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(05)、『イースタン・プロミス』(07)、『危険なメソッド』(11)に主演したヴィゴ・モーテンセンがビデオでお祝いのメッセージを送ってきた。彼は2020年のドノスティア栄誉賞受賞者で、その節、監督からお祝いのビデオ・メッセージをもらっていた。彼の初監督作品「Falling」も正式出品され、クローネンバーグは本作に脇役でしたが出演していた。監督はカナダ、俳優はアメリカと出身国は異なっていますが、二人とも父方の祖父がデンマーク人という縁で結びついているようです。ヴィゴは語学の才人でデンマーク語も堪能です。
「親愛なるデヴィッド、サンセバスチャン映画祭によるあなたの価値ある評価を祝福します。あなたは世界中のシネマニア、愛好家にとって生きた伝説です。この数年間、あなたとコラボして多くのことを学べたことは、私にとって名誉であり特権でした」と。サンセバスティアンのように美しい街での滞在を楽しんでください。「私はあなたが好きです、デヴィッド」と最後はバスク語で締めくくった。
★ビデオ・メッセージの後、監督作品がメモランダムにスクリーンに映しだされました。モーテンセンが主演した上記の3作のほか、『クラッシュ』(96)、『ラビッド』(77)、『デッドゾーン』(83)、『コスモポリス』(12)、『エム・バタフライ』(93)、『戦慄の絆』(88)などが次々に映しだされました。ほとんどが公開作品、なかには吹替版で放映された映画もあり、我が国での人気ぶりを実感したことでした。クローネンバーグとタッグを組んだ4作目「Crimes of the Future」の予告編も上映された。日本公開は2023年の予定。


(新作出演のレア・セドゥと監督、カンヌFF2022)

(主演のモーテンセンとレア・セドゥ、新作のフレームから)

(2021年公開された『クラッシュ 4K無修正版』のポスター)
★1986年から始まったドノスティア栄誉賞の受賞者に監督が選ばれたのは、2019年のコスタ・カヴラス以来、10年遡っても受賞者26人中、是枝裕和(18)、アグネス・ヴァルダ(17)、オリバー・ストーン(12)の4人しかおりません。最近は受賞者が複数になって多くなりましたが、大方が俳優出身でした。
ジュリエット・ビノシュ、栄誉賞ガラ*サンセバスチャン映画祭2022 ⑱ ― 2022年09月20日 15:01
ジュリエット・ビノシュ、イサベル・コイシェの手からトロフィーを

★9月18日クルサール、フランス女優ジュリエット・ビノシュは映画祭の最高賞であるドノスティア栄誉賞を受賞しました。セレモニー後、クレール・ドゥニの「Avec amour el acharnement / Both Side of The Blade」(22、西題「Fuego」)が上映されました。トロフィーを手渡したのはイサベル・コイシェ、監督は「Nadie quiere la noche」(15)でビノシュとコラボしていました。ドゥニ監督も17日に現地入りしてガラを客席から見守ったようです。

(コイシェ監督からトロフィーを受け取る受賞者ジュリエット・ビノシュ)

(クレール・ドゥニ監督とビノシュ)
★受賞スピーチは、家族、友人、近親者、仕事仲間に感謝の言葉を述べた後、自分が愛してやまない映画作家たちの作品を上映してくれたサンセバスチャン映画祭にも感謝しました。「私は今、家にいるような温かさを感じています。ここに居られてとても光栄です」と。「また、忠実な旅の仲間である沈黙にも感謝しています。沈黙は存在です。ショットの前、演技の前に、沈黙は強さであり、その強さから感情や感覚を呼び起こし、それは意志とは関係なく現れます。沈黙がなければ言葉はありません。沈黙がなければ精神は存在せず、その沈黙が監督や俳優たち、スタッフたちと共有されると、金色の糸が織られ、後に映画になります。そこには女優になりたいという私の夢のすべての意味が、生きた作品として具現化されています」とスピーチした。ちょっと難しかったですね。

(うるうるだった受賞スピーチ)
★一方プレゼンターのコイシェ監督は、「彼女と一緒に仕事をしていると、映像、言葉、フレームを越えていく或る不思議な、まるで魔法にかかったような気になります。彼女の顔から光が発しているように感じるというのは本当なんです。しかしその光は信じられないほど寛容で、彼女と一緒に映画を作っているすべての人に浸透していくのです。彼女が演じる登場人物はそれぞれ全く異なっていても、みんなその稀有な並外れた光に触れているように思うのです」と、その魅力を称えました。

★ガラの進行役はエネコ・サガルドイ(『アルツォの巨人』の主役)で、「巨大な才能、スクリーンを超えたカリスマ性、そして彼女のキャリアを築いた一連の勇敢な選択」とフィルモグラフィーを定義した。

(ガラ進行役のエネコ・サガルドイ)
★今年は、セクション・オフィシアルにクリストフ・オノレの「Le lycéen / Winter Boy」がノミネートされており、19日午後10時から上映された。オノレ監督、主役のポール・キルヒャー、ヴィンセント・ラコステなども現地入りして、選ぶのに迷うほど写真がアップされていました。

(クリストフ・オノレ監督)



(左から、ポール・キルヒャー、ビノシュ、ヴィンセント・ラコステ、19日)
ジュリエット・ビノシュにドノスティア栄誉賞*サンセバスチャン映画祭2022 ⑯ ― 2022年09月17日 17:19
ジュリエット・ビノシュにドノスティア栄誉賞

(第70回の公式ポスターの顔でもある受賞者ジュリエット・ビノシュ)
★9月16日20時30分(現地時間)、第70回サンセバスチャン映画祭SSIFF 2022が開幕しました。それは次回にまわすとして、今年のドノスティア栄誉賞は二人、フランスの女優ジュリエット・ビノシュとカナダの映画監督デヴィッド・クローネンバーグ、ビノシュはクローネンバーグの『コズモポリス』に出演している。本作はカンヌ映画祭2012コンペティション部門でプレミアされた。第70回の公式ポスターの顔でもある女優からアップします。短編、TVシリーズ出演を除いても70作以上に出演しているが、幸いフランス映画やハリウッド映画のこともあり、公開、映画祭上映、DVDなどで約80パーセントは字幕入りで観ることができているようです。授与式はメイン会場のクルサールが予定されています。
★ジュリエット・ビノシュ、1964年パリ生れの58歳、演技はコンセルヴァトワールで学んでいる。パスカル・カネの「Liberty Belle」(リバティ・ベル83)の小さな役で映画デビューした。先日スイスで自死同然の自殺幇助で鬼籍入りしたゴダールの『ゴダールのマリア』(85)やSSIFFのセクション・オフィシアルにノミネートされたジャック・ドワイヨンの『家族生活』に出演している。アンドレ・テシネの『ランデヴー』(85)で初めてセザール賞主演女優賞にノミネートされ、後に『溺れゆく女』(98)にも出演している。レオス・カラックスとの最初の作品『汚れた血』(86)、続いて『ポンヌフの恋人』(91)、後者でヨーロッパ映画賞女優賞を受賞、両作ともセザール賞主演女優賞にノミネートされた。彼とは一時期交際していた。他にルイ・マルの『ダメージ』(92)をあげておきたい。

(レオス・カラックス監督の『ポンヌフの恋人』ポスター)
★最初こそ国内映画出演でしたが、フィリップ・カウフマンの『存在の耐えられない軽さ』(88)やピーター・コスミンスキーの『嵐が丘』(92)など英語での文芸作品に主演した。しかし、彼女の存在を国際舞台に押し上げたのは『イングリッシュ・ペイシェント』(96)でした。アカデミー助演女優賞、ベルリン映画祭銀熊女優賞、英国アカデミー賞BAFTA助演女優賞、ヨーロッパ映画女優賞ほか、国際映画祭の受賞を攫った映画でした。主演女優のクリスティン・スコット・トーマスの印象を薄めてしまった。アンソニー・ミンゲラもアカデミー監督賞を受賞、作品賞をはじめ最多9部門を制覇したヒット作でした。英語圏の大物俳優、ダニエル・デイー=ルイス、レイフ・ファインズ、ジェレミー・アイアンズとの共演でした。

(ミンゲラの『イングリッシュ・ペイシェント』でオスカー像を手にしたビノシュ)
★クシシュトフ・キェシロフスキの「トリコロール三部作」の『トリコロール/青の愛』(94)では、ベネチア映画祭女優賞(ヴォルピ杯)、セザール主演女優賞を受賞、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされた。本作はSSIFFのサバルテギ部門で上映されている。SSIFF 1995にジャン=ポール・ラプノーの『プロヴァンスの恋』(95)がアウト・オブ・コンペティションだがクロージング作品に選ばれている。シャンタル・アケルマンの『カウチ・イン・ニューヨーク』(96)、パトリス・ルコントの『サン・ピエールの生命』(99)でダニエル・オートゥイユと、ラッセ・ハルストレムの『ショコラ』(00)でジョニー・デップと、ジョン・ブアマンの『イン・マイ・カントリー』(04)でサミュエル・L・ジャクソンと、ミヒャエル・ハネケの『コード・アンノウン』(00)や『隠された記憶』(05)も落とせないでしょう。

(キェシロフスキの『トリコロール/青の愛』ポスター)
★サンセバスティアン入りは今回で4回目になるようですが、最初は2002年、ダニエル・トンプソンのラブ・コメディ『シェフと素顔と、おいしい時間』で、アウト・オブ・コンペティション部門、ジャン・レノやセルジ・ロペスが共演した。アベル・フェラーラのサスペンス『マリー』(05、DVD)はペルラス部門にエントリーされた。異色なのはアジアの監督とのコラボ、例えば台湾の監督ホウ・シャオシエンの『レッド・バルーン』(07)やイスラエルのアモス・ギタイの『撤退』(07)、そしてイランのアッバス・キアロスタミの『トスカーナの贋作』(10)では観客をアッと言わせ、カンヌFFの女優賞を受賞した。またチリ鉱山の落盤事故に基づいたパトリシア・リケンの『チリ33人、希望の軌跡』(15)では、アントニオ・バンデラスと共演、世界を飛び回っている。脇役だがハリウッドのスーパープロダクション製作のギャレス・エドワーズの『GODZILLA ゴジラ』(14)、士郎正宗の漫画を原作としたルパート・サンダースのSFアクション『ゴースト・イン・ザ・シェル』(17)に出演、主役はスカーレット・ヨハンソンでしたが、ビートたけし、桃井かおりなど日本の俳優も共演した。

(キアロスタミの『トスカーナの贋作』フレームから)
★オリヴィエ・アサイヤスの『夏時間のパリ』(08、ペルラス部門)、『アクトレス 女たちの舞台』(14)、『冬時間のパリ』(18)と立て続けに主演した。ブリュノ・デュモンの彫刻家カミーユ・クローデルのビオピック『カミーユ・クローデル』(13 WOWOW)、イサベル・コイシェの「Nadie quiere la noche」(15)と、SFを含めたラブコメからシリアスドラマまで、列挙した作品のほとんどが主演で、そのバイタリティには驚嘆するばかりである。コイシェ監督が「ぶっ飛んだ女優」と賞賛したのもむべなるかなです。
★2回目のサンセバスティアン入りは2018年、河瀨直美の『Vision ビジョン』とクレール・ドゥニの『ハイ・ライフ』の2作品がコンペティション部門にノミネートされたからでした。ドゥニ監督は初めて英語映画に挑戦したSF ミステリーてFIPRESCI 賞を受賞した。ビノシュはドゥニ監督とは前年「Un beau soleil intérieur」でコラボしていた。つい最近のベルリンFF 2022のコンペティション部門に出品され銀熊監督賞を受賞した「Avec amour et acharnement」(英題Both Sides of the Blade)にも主演、女一人と男二人の三角関係の由、共演者はバンサン・ランドンとグレゴワール・コラン。SSIFFでもドノスティア賞作品として上映され、ドゥニ監督も17日に現地入りの予定です。

(「Avec amour el acharnement」のフレームから)

(最近のジュリエット・ビノシュ、第72回ベルリン映画祭2022、2月12日)
★3回目は2019年、是枝裕和の『真実』で監督も現地入りした(フォト下)。是枝さんて「こんな面白い映画撮るんだ」と驚いた作品でした。サフィー・ネブーの『私の知らないわたしの素顔』(19)、エマニュエル・カレールの『ウイストルアム―二つの世界の狭間で』(21)は、ペルラス部門のヨーロッパ映画ドノスティア市観客賞を受賞した。今年が4回目になるが、栄誉賞のほかクリストフ・オノレが金貝賞を競う「Le lyceen」に出演している。

(レッド・カーペットに現れた是枝監督とビノシュ、第67回SSIFF2019、9月22日)
*イサベル・コイシェの「Nadie quiere la noche」の作品紹介は、コチラ⇒2015年03月01日
*クリストフ・オノレの「Le lyceen」作品紹介は、コチラ⇒2022年08月06日
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