"No sé decir adiós" リノ・エスカレラのデビュー作*気になる俳優たち2017年06月25日 12:16

       「さよなら」のタイミング―どうしようもない別れについての物語

 

★マラガ映画祭2017以来ずっとアップしたいと思いながら後回しになっていたリノ・エスカレラのデビュー作 No sé decir adiós のご紹介。審査員特別賞、脚本賞、女優賞(ナタリエ・ポサ)、助演男優賞(フアン・ディエゴ)、審査員スペシャル・メンション他を受賞しながら紹介を怠っていました。監督紹介はさておき、キャストの顔ぶれは地味ですが、視点を変えればこれほど豪華な演技派揃いも珍しいといえます。末期ガンの父親にフアン・ディエゴ、意見の異なる二人の姉妹にナタリエ・ポサとロラ・ドゥエニャス、脇を固めるのがミキ・エスパルベ、パウ・ドゥラ、オリオル・プラ、エミリオ・パラシオスなど。

  

  

(左から、エミリオ・パラシオス、監督、ナタリエ・ポサ、フアン・ディエゴ、マラガ映画祭)

 

★今年のスペイン映画の珠玉の一編という高い評価を受けていますが、マラガ映画祭は春開催ということもあって、翌年2月のゴヤ賞まで大分時間があくので不利になります。しかし本作は残ると踏んでいますが予想通りになるでしょうか。単なる死についての物語でも、末期ガンについての物語でもないところが評価されているらしく、表面的には父と娘二人の話に見えながら、私たち自身の話でもあるようです。過去にあった家族の確執は直接スクリーンでは語られないが、それは必要なかったからだと監督、お互い傷を負っているということで十分であるということです。したがって観客はそれぞれ想像力を要求されるわけで、観客によって印象が変わるということかもしれません。

 

   

    (ポスター左から、ナタリエ・ポサ、フアン・ディエゴ、ロラ・ドゥエニャス)

 

No sé decir adiósCan't Say Goodbye2017

製作:Lolita Films / White Leaf Producciones

監督・脚本・製作者:リノ・エスカレラ

脚本()・製作者:パブロ・レモン

音楽:パブロ・トルヒーリョ

撮影:サンティアゴ・ラカRacaj

編集:ミゲル・ドブラド

美術:ファニー・エスピネテEspinet

キャスティング:トヌチャ・ビダル

メイクアップ・ヘアー:アンナ・ロシリョ

プロダクション・マネージメント:ダミアン・パリス、マムエル・サンチェス・リャマス

製作者:ロサ・ガルシア・メレノ、セルジイ・モレノ、(エグゼクティブ)ダミアン・パリス

 

データ:スペイン、スペイン語・カタルーニャ語、2017年、ドラマ、96分、製作資金約600.000ユーロ、撮影地アルメリア、バルセロナ、ジローナ、期間4週間、公開スペイン518

映画祭・映画賞:マラガ映画祭2017正式出品、審査員特別賞、脚本賞、女優賞、助演男優賞、審査員スペシャル・メンション他受賞

 

キャストナタリエ・ポサ(カルラ)、フアン・ディエゴ(父ホセ・ルイス)、ロラ・ドゥエニャス(ブランカ)、ミキ・エスパルベ(セルジ)、パウ・ドゥラ(ナチョ)、オリオル・プラ(ココ)、マルク・マルティネス(マルセロ)、ノア・フォンタナルス(イレネ)、エミリオ・パラシオス(ダニ)、グレタ・フェルナンデス(グロリア)、ハビ・サエス(医師)、セサル・バンデラ(看護師)、ブルノ・セビーリャ(看護師)他

 

プロット:人生のエピローグは、早かれ遅かれ誰にも訪れる。しかし「どうして今なの?」「どうして私の父親なの?」、まだ娘には心の準備ができていない。バルセロナで暮らすカルラは、数年前故郷アルメリアを後にして以来帰っていない。姉妹のブランカから突然電話で父ホセ・ルイスの末期ガンを知らされる。カルラは子供時代を過ごした家に飛んで帰ってくる。医師団は父の余命が数か月であると家族の希望を打ち砕くが、カルラには到底受け入れられない。失われた時を取り戻すかのように、バルセロナで治療を受けさせようと決心して準備に着手する。父は自分を取りまく状況を知らないでいたい。父に寄り添ってきたブランカは、現実を直視できないカルラと対立する。より現実的なブランカの目には、コカインを手放せないカルラが現実逃避をしているとしかうつらない。どうしようもない別れに解決策は存在しない。ただいたずらに時間だけが走り去っていくだけである。

 

             痛みを前にして身を守るメカニズム

 

42歳というリノ・エスカレラ監督の長編デビュー作。脚本推敲に7年の歳月を掛けたという。コンビで脚本を執筆したパブロ・レモンとは2009年に出会った。ちょうど短編 Elena quiere0719分)が完成した後で次作の構想を模索していた時期だったという。Max Lemcke Casual Day を見て脚本がとても良かったので接触した。同作はフアン・ディエゴやルイス・トサールが出演した話題作、2008年のシネマ・ライターズ・サークル賞の作品・監督・脚本・主演男優・助演男優の5冠を受賞している。「最初の構想は肉体的な病に冒されている父と精神的な病をもつ娘の話だった。それをこのように膨らませてくれたのはパブロのお蔭です。自分一人では到底できなかった」と語っている。「パブロはスペインの優れた脚本家の一人」と篤い信頼を寄せている。 

  

       (左から、パブロ・レモン、リノ・エスカレラ、プレス会見にて)

 

シネヨーロッパのインタビューを要約すると、「アルメリアを舞台にしたのは、製作費が節約できること以外に、以前短編を撮って気に入っていたからだが、この小さな町は登場人物の家族にぴったりの美しい景色だったことです。カタルーニャの製作者たちも受け入れてくれて、他にバルセロナやジローナでも撮影した。意思疎通が難しい家族は現在では珍しくないこと、そういうテーマを掘り下げることに関心がありことが根底にある」と語っていた。この家族が特殊なケースではなく、どこの家族も抱えている問題が観客に受け入れられたのではないか。2002年に短編デビュー、過去に5編ほど手掛けている。うち前出の Elena quiere がアルメリア短編映画祭、イベロアメリカ短編映画祭に正式出品、後者でビクトル・クラビホが男優賞を受賞した。同作はYouTubeで鑑賞できる。

     

★カルラを演じたナタリエ・ポサ1972、マドリード)は、「彼女は深い傷を抱えて自己否定のなかで生きている。窒息しそうな自分を仕事に追いやり、コカインやアルコールで麻酔をかけている」と分析している。問題は父親の病気にあるのではなく彼女自身の中にある、ということでしょうか。ナタリエ自身も8年前に父親をガンで見送っている。「脚本を読むなり眩暈がした。自分が体験したことが書かれていたからです」と語っている。突然の死で「さよなら」の準備ができていなかったが、本作に出演したことでもう一度「さよなら」の過程を体験したようです。現実にある病院で本物の医者や患者に囲まれて撮影された。「脚本は完璧でコンマ一つ変えなかった」とナタリエ。「私のような年齢になって、自分の経験やパッションが生かされるような類まれな美しい脚本にめぐり合えることは滅多にあることではありません」と、幸運なめぐりあわせをかみしめている。

      

      (セルジ役のミキ・エスパルベ、カルラ役のナタリエ・ポサ、映画から)

 

テレビ界で活躍の後El otro lado de la cama02で映画デビュー、マルティン・クエンカのLa flaquesa del bolcheviqueに出演。ゴヤ賞ノミネートはダビ・セラーノのDías de fútbol03)で助演女優賞、マヌエル・マルティン・クエンカのMalas temporadas05『不遇』)で主演女優賞、マリアノ・バロソのTodas las mujeres13)で助演女優賞があるが受賞はない。守りに入らない演技派女優です。すべて未公開なのが残念です。 最近アルモドバルの『ジュリエッタ』、来月公開のセスク・ゲイの『しあわせな人生の選択』などに脇役で出演している。前述したように No sé decir adiós 銀のビスナガ女優賞を受賞した。

 

★ブランカ役のロラ・ドゥエニャス1971、バルセロナ)は、診断の結果を受け入れ、父亡き後の心の準備を始める。カルラとは正反対のリアクションを起こす。カルラのように都会に逃げ出さず、小さな町に止まって父を見守ってきたブランカには、カルラの知らない辛い人生があった。日本デビューは群集劇『靴に恋して』の他、代表作としてアメナバルの『海を飛ぶ夢』とアントニオ・ナアロ他の Yo, también ゴヤ賞主演女優賞2回受賞している。アルモドバル作品として『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール』『抱擁のかけら』など他多数。アルモドバル作品の出演が多いことから、ナタリエ・ポサより認知度は高いようです。

 

    

         (父ホセ・ルイス、カルラ、ブランカ、映画から)

 

★父親ホセ・ルイス役のフアン・ディエゴ1942、セビーリャ)は、「私たち出演者は、生と死と愛の脚本を前にしていた。これは言わば現実を超越している映画です。私にとって一番重要なことはただ語ることではなく、どのように語るかです。だって死はいつかは誰にも訪れてくるからね」と語っています。当ブログでは、フアン・ディエゴについては贔屓俳優として度々登場させています。

マラガ映画祭2014、及びキャリア紹介は、コチラ2014421411

スペイン映画アカデミー「金のメダル」受賞の記事は、コチラ201581

 

        

                (父親役のフアン・ディエゴ)

 

★来年のゴヤ賞2018に絡みそうなこと、お気に入りの俳優が出演しているということでご紹介いたしました。なおIMDbのコメント欄に Todo saldrá bien のパクリという酷評が載っていますが、これはヴィム・ヴェンダースの3D映画『誰のせいでもない』(Every Thing Will Be Fine スペイン題 Todo saldrá bien)とは別の作品です。2016年に公開されたヘスス・ポンセ作品(ここでは父親でなく母親)です。予告編を一見した印象では似ていると感じました。

 

 

『笑う故郷』の邦題で『名誉市民』が近日公開*アルゼンチン・コメディ2017年06月18日 15:17

           やっと公開日がアナウンスされましたが・・・

 

 

★アルゼンチンのガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーンの監督コンビが撮ったEl ciudadano ilustreの公開日がアナウンスされました。昨年ラテンビートと東京国際映画祭と共催で上映されたときは、オリジナル・タイトルの「名誉市民」だったのが、どういうわけかこんな邦題になってしまった。タイトルは自由に付けてよい決りだが、わざわざ改悪する必要があったのだろうか、なにか裏事情があるのかと腑に落ちない。本作はオスカル・マルティネス扮するノーベル賞作家ダニエルを、「名誉」市民と考えるか、はたまた「不名誉」市民と考えるかにオチがあるのではないか。映画によっては原題をそのまま邦題にするとチンプンカンプンのケースもあるから一概に言えないが、本作はそれに該当しない。「笑う故郷」ではネタバレもいいとこだと思うが、まあいいや。オスカル・マルティネスがベネチア映画祭2016の男優賞を受賞した。

 

   

          (オスカル・マルティネス、ベネチア映画祭2016にて

 

★当ブログでは『名誉市民』のタイトルで記事にしております。改めて内容紹介はしませんが、メタファー満載、いたるところに伏線が張り巡らされ、最後にどんでん返しが用意されています。個人的には『ル・コルビュジエの家』の奇抜さ面白さに軍配を挙げますが、こちらも幾通りにも楽しめる映画です。

内容・監督・キャスト紹介の記事は、コチラ20161013

ラテンビート鑑賞後の記事は、コチラ201610月23

 

岩波ホール2017916(土)~ (タイム・テーブルはまだアップされておりません)

 

 

       「トルーマン」ではなく『しあわせな人生の選択』で一足先に公開

 

 

★その他のお薦め映画の一つが、セスク・ゲイTrumanです。本作は『しあわせな人生の選択』の邦題で、一足先に公開されます。当ブログでは「トルーマン」で内容紹介をアップしております。「しあわせな・・・」とか「・・・の選択」など、過去に幾つもあったような邦題ですが、あまりに平凡すぎて何をか言わんやです。トルーマンはリカルド・ダリン扮するフリアンの愛犬の名前、この老犬トロイロは撮影中ダリンと一緒に暮らしていた。撮影後まもなくして死んでしまい、フリアンと同じく心優しいダリンの涙はなかなか乾きませんでした。というわけでサンセバスチャン映画祭2015で赤絨毯を歩いたときダリンが連れていた犬は、トロイロ(トルーマン)のムスメだった。トロイロは自閉症の子供と遊べるよう特別に訓練されたブルマスティフ犬、ダリンの友犬でした。誰でもいつかは人生に「さよなら」しなければなりません。未来の時間が残り少なくなったとき、人間は何を考えるのだろうか、というエモーショナルなお話です。

 

   

    (ダリンとカマラ、トロイロのムスメ、サンセバスチャン映画祭2015にて)

 

★当ブログでは「トルーマン」のタイトルで紹介しております。サンセバスチャン映画祭2015では、リカルド・ダリンと友人トマス役のカメレオン俳優ハビエル・カマラが男優賞(銀貝賞)を二人で分け合いました。この異色の組み合わせが成功のカギの一つでしょうか。翌年のゴヤ賞2016では、作品賞、監督賞、脚本賞、男優賞、助演男優賞の5冠を制し、その他ガウディ賞4冠など受賞歴多数。

 

作品内容、監督キャリア、キャストの主な紹介記事は、コチラ201619

ゴヤ賞2016の受賞結果の記事は、コチラ2016212

 

ヒューマントラストシネマ有楽町恵比寿ガーデンシネマ

 201771(土)~ (特別鑑賞券発売中)

  

ピラール・バルデムが輝いた夕べ*祝AISGE設立15周年2017年06月13日 16:06

    「母は引退を望まない、私たちも続投を望んでいる」とバルデム3兄弟

 

65日(月)、AISGE設立15周年祭がマドリードのCirco Price劇場**で行われた。どうしてピラール・バルデムがヒロインだったのかと言えば、AISGE設立時からの功労者、なおかつ現理事長でもあるからです。2013年から肺気腫を病み、当夜も左手に酸素ボンベをぶら下げての登壇、15周年のお祝いは、結局ピラールへのオマージュとして開催されたようなわけでした。3人の子供(カルロスモニカハビエル)と二人のお嫁さん(ペネロペ・クルスセシリア・Gessa)ほか、参加者はビクトル・マヌエルアナ・ベレン夫妻、ミゲル・リオスジョアン・マヌエル・セラアシエル・エチェアンディアロッシ・デ・パルマゴヤ・トレドアイタナ・サンチェス=ヒホン・・・などなど総勢1300人ほどが参集、他にペドロ・アルモドバルアントニオ・バンデラスコンチャ・ベラスコカルメン・マチなどからビデオで祝辞が届けられた。

 

      

     (左から、登壇したバルデム一家、ハビエル、モニカ、ピラール、カルロス)

 

AISGEArtistas, Intérpretes, Sociedad de Gestnの略、映画と舞台の俳優、声優、舞踊家、監督など、スペインのアーティストすべての権利を守るための交渉団体。2002年設立、執行部は25名、理事長の任期は4年、選挙によって選ばれる。しかし2003年以来ピラール・バルデムが連続して再選されており、常に二番手になりやすい女性アーティストの地位向上に尽力している。

**Circo Priceトーマス・プライス(アイルランド出身)1853年設立したプライス・サーカス曲馬団が前身、スペインには1880年に来西した。1970年閉鎖した劇場跡に、マドリード市議会の肝煎りで文化施設として、2007年リニューアル・オープンした。所在地ロンダ・デ・アトーチャ、2000人収容、音楽会などイベントが開催されている。

 

          

          (1列中央席のピラールと家族、フィエスタ会場にて)

  

ピラール・バルデムPilar Bardem1939314日、セビーリャ生れの78歳、映画81本、舞台43本、テレビ・シリーズ31本、まさに女優一筋の人生を歩んでいる。故アントニオ・バルデム(『恐怖の逢びき』)は実兄。ゴヤ賞は、1995年、アグスティン・ディアス・ヤネスのNadie hablará de nosotras cuando hayamos muertoで助演女優賞受賞、2004年、ホセ・ルイス・ガルシア・サンチェスのMaría queridaで主演女優賞ノミネートの2回だけと少ない。徹底したフランコ嫌い、物言う反戦女優としても有名。2013年以来健康不安を抱えているが、まだ「引退」したわけではない。「私がすぐ死ぬことを子供たちは望んでいないし、私も第三共和制を見るまでは死ねない」とスピーチ、現在の立憲君主制は勿論気に入らない。というわけで死神は当分お呼びでない。しかし、前日打ち合わせのために母親と会ったハビエルによると、「まるでマイク・タイソンと闘った後のようだった」と冗談めかして語っている。3時間に及んだというフィエスタの夕べは、バルデム家の女家長には結構激務だったのではないでしょうか。

 

   

  (「・・・第三共和制を見るまでは・・・」とスピーチするピラール、左はモニカ)

 

★下の写真は当夜のハイライトの一つ、コミック・トリオ「Tricicle***の演技、毛糸の帽子とピエロの付け鼻がトレードマーク。4人なのはピラールの息子が飛び入り出演しているからだそうです(右端の赤い帽子がハビエル)。彼はアシエル・エチェアンディア(ビルバオ出身の歌手、俳優、「La novia」「Ma ma」)がイタリアの「あまい囁きParole parole」を歌ったときにはボンゴを叩いた。ミゲル・リオス、ビクトル・マヌエルとアナ・ベレンの左翼カップルも「見て、見て・・・なんてピラールは素敵なの・・!」と歌で呼びかけた。バルデム一家にとって一生涯忘れられない感激の一夜となった。

 

       

(コミック・トリオ「Tricicle」とハビエル・バルデム)

 

     

   (ボンゴを叩くハビエル、「あまい囁き」を熱唱するアシエル・エチェアンディア)

 

 

               (ビクトル・マヌエル、アナ・ベレン、ミゲル・リオス)

 

***バルセロナ演劇研究所の3人の学生が、1979年バルセロナで結成したコミック・トリオ。モンティー・パイソン、ローワン・アトキンソン、またはMr.ビーンの流れを汲むパントマイムが得意。舞台出演が主だがテレビや映画にも出演している。

 


アリエル賞2017*ノミネーション発表2017年06月09日 12:13

         メキシコ版アカデミー賞、作品賞候補にドキュメンタリーも

 

         

★アリエル賞2016の結果発表は5月中だったが、今年は711日ということです。昨年の授賞式は『選ばれし少女たち』の監督ダビ・パブロスが両手に花でしたが、今年も同じような結果でしょうか。ざっと見た限りですが、ノミネーションは昨年12月の「イベロアメリカ・フェニックス賞」、11月開催の「ロス・カボス映画祭」受賞作品などと、当然ですがダブっているようです。最優秀作品賞ノミネーションには、公開、映画祭上映、ネットフリックスと、既に日本語字幕入り作品も交じっています。カテゴリーの数が多く、監督賞・脚本賞などはダブるので、最優秀作品賞とイベロアメリカ映画賞だけアップしておきます。ゴチック体は当ブログで扱った作品です。

 

   

             (最優秀作品賞ノミネーションの7作品)

 

最優秀作品賞(メキシコ)

『夜を彩るショーガール』Bellas de noche)ドキュメンタリー

                        監督マリア・ホセ・クエバス

『彼方から』(ベネズエラ合作)監督ロレンソ・ビガス

『ノー・エスケープ自由への国境』(フランス合作)監督ホナス・キュアロン

Tempestad」ドキュメンタリー、監督タティアナ・ウエソ

Me estás matando, Susana監督ロベルト・スネイデル

La 4a compañía(スペイン合作)

                  監督アミル・ガルバン・セルベラ&ミッチ・バネッサ・アレオラ

El sueño del Mara'akame監督フェデリコ・Cecchetti

印はデビュー作

 

マリア・ホセ・クエバスの『夜を彩るショーガール』は、カンヌ映画祭で物議をかもしたネットフリックスで放映されている作品、ディスコ全盛期の1970年代から80年代にかけて活躍した5人のショーガールvedette(リン・メイ、ワンダ・セウス、プリンセサ・ジャマル、ロッシー・メンドサ、オルガ・ブレースキン)の数奇な人生を語るドキュメンタリー。ショー場面が続く前半よりオール60歳代になった後半が胸を打つ。彼女たちの栄光と転落がホンネで語られるからです。vedette というのはフランス語起源のバラエティーショーのセックス・シンボル的な女性スター、踊れて歌えて演技もできるアーティスト。モレリア映画祭2016メキシコ・ドキュメンタリー賞、ロス・カボス映画祭、パナマ映画祭などで受賞している。本作はドキュメンタリー部門でもノミネートされている。

 

 

アミル・ガルバン・セルベラ&ミッチ・バネッサ・アレオラの「La 4a compañía」は、最多の20カテゴリーでノミネートされている。本作についてはミシェル・フランコの「Las hijas de Abril」に出演していたエルナン・メンドサの紹介記事で少しだけ触れています。両監督のデビュー作。

 

 

タティアナ・ウエソの「Tempestad」は8部門ノミネーション、分類はドキュメンタリーだがドラマでもある。監督はこの二つのジャンルは区別できないと語っている。暴力が処罰されることのないメキシコ、二人の犠牲者の物語。ミリアムは人身売買の濡れ衣を着せられて収監中、アデラは移動サーカスで働いている。闇が支配する世界への旅は同時に自由への旅でもある。一種のロードムービー。ベルリン映画祭2016フォーラム部門上映で高い評価を受け、12月開催の「フェニックス賞」ではドキュメンタリー賞やエルネスト・パルドの素晴らしい映像が撮影賞などを受賞している。『夜を彩るショーガール』同様、本作もドキュメンタリー部門でノミネートされている。審査員の評価は高いと思います。

 

 

★「El sueño del Mara'akame」はフェデリコ・Cecchettiの長編第1作、タイトルのMara'akameはウイチョル族のシャーマンを指すようです。オースティン映画祭観客賞とスペシャル・メンション、モレリア映画祭第1回・2回作品賞受賞、シカゴ映画祭他で上映されている。今年のアリエル賞は新人監督が目立つ印象です。4作とも第1回監督賞にノミネートされている。

 

 

 

『彼方から』の紹介記事は、コチラ2016930

『ノー・エスケープ自由への国境』は、コチラ2017年4月23

Me estás matando, Susana」は、コチラ2016322

La 4a companía」は、コチラ201758

 

イベロアメリカ映画賞

Anna」(フランス、コロンビア)監督ジャック・トゥールモンド・ビダル

Sin muertos no hay carraval」(エクアドル、メキシコ、ドイツ)

                 監督セバスティアン・コルデロ

『名誉市民』(アルゼンチン、スペイン)監督ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン

 追記:公開邦題『笑う故郷』として岩波ホールで9月16日から

『物静かな男の復讐』(スペイン)監督ラウル・アレバロ

『セカンド マザー』(ブラジル)監督アナ・ミュイラート

 

★「Anna」は、ゴヤ賞2017のイベロアメリカ映画賞ノミネート、これから発表になる第4回イベロアメリカ・プラチナ賞には主演のフアナ・アコスタが候補者となっている。映画賞、映画祭で目にするが受賞にまで至らない。「Sin muertos no hay carnaval」は、セバスティアン・コルデロが生れ故郷エクアドルで撮った話題作、いつかご紹介したいと思っている映画の一つ。

 

 

 

アナ・ミュイラートの長編第4作目『セカンドマザー』(Que Horas Ela Volta?)は、英題「The Second Mother」の片仮名起こし、東海地方で展開しているコロナシネマワールドでのみ上映される「メ~シネマ」作品として今年1月公開された。ミュイラート監督は1964年サンパウロ生れの53歳、サンパウロ大学で映画を学ぶ。脚本家としてキャリアを出発させた。主にテレビ界での活躍が目立っていたが、短編中編を手掛けた後、2002年「Durval Discos」で長編デビューを果たす。日本ではカオ・アンブルゲールの『1970、忘れられない夏』(2006シネフィル・イマジカ放映、当時ハンバーガーと表記された)や『シングー』(2011ラテンビート2012)の脚本家の一人として紹介されているが、もっと注目されていい監督の一人。またベテラン女優のヘジーナ・カゼRegina Caseが母親役を演じているのも見逃せない。レジーナ・ケースという英語読みがあり、ポルトガル語はスペイン語以上に人名表記が定まっていない。古い話だが、アンドルッシャ・ワッディントンの佳作『エゥ・トゥ・エリス』(東京国際映画祭2000上映)で日本初登場、これは『私の小さな楽園』の邦題で公開された。

 

  

               (母と娘、ブラジル版ポスター)

 

『名誉市民』の主な紹介記事は、コチラ20161013

『物静かな男の復讐』の主な紹介記事は、コチラ2017年1月9日

  

第4回イベロアメリカ・プラチナ賞2017*ノミネーション発表2017年06月05日 14:31

 「オスカーに匹敵する」賞とケイト・デル・カスティージョがノミネーション発表

 

 

★先月31日(水)、ハリウッド映画の中心地ロスアンゼルス(ビバリーヒルトン・ホテル)でイベロアメリカ・プラチナ賞2017のノミネーション発表がありました。ビバリーヒルトンは、例年オスカー賞候補者の昼食会やゴールデン・グローブ賞のガラが開催されるホテル、それでケイト・デル・カスティージョの開会の辞が「オスカーに匹敵する」云々になったようです。デル・カスティージョ(女優1969メキシコ・シティ、現ロス在住)、その他、エドワード・ジェームズ・オルモス(俳優1947ロス)、アンジー・セペダ(女優1974カルタヘナ、現マドリード在住)、ミゲル・アンヘル・シルベストレ(俳優1982カステジョン)の4人(写真中央はCNNの司会者フアン・カルロス・アルシニエガス)が各カテゴリーのノミネーション発表を行った。今年の授賞式会場は、722日(土)、マドリードの屋内競技場カハ・マヒカCaja Mágicaで開催される。ここは2020年のオリンピック誘致ではテニス会場になるはずだった。スポーツだけでなく音楽祭なども開催されている。

 

 

 (左から、エドワード・ジェームズ・オルモス、ケイト・デル・カスティージョ、一人置いて

       アンジー・セペダ、ミゲル・アンヘル・シルベストレ)

 

★最多ノミネーションは、フアン・アントニオ・バヨナ『怪物はささやく』の7(監督・美術・録音・撮影・編集・オリジナル音楽・価値ある映画と教育)、ただしメインの作品賞には、オリジナル版が英語作品だったため、「言語はスペイン語・ポルトガル語」という条件を満たせず該当外となった。続くパブロ・ラライン「ネルーダ」5個(2017秋公開が予定されているが、邦題は未定)、ロレンソ・ビガス『彼方から』ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン『名誉市民』アルモドバル『ジュリエッタ』アルベルト・ロドリゲス『スモーク・アンド・ミラーズ』セルソ・ガルシアLa delgada línea amarilla4個でした。当ブログではセルソ・ガルシア作品以外は既にアップ済み。なお写真掲載は1カテゴリー1個に絞った。

 

   

           (最多ノミネーション7個の『怪物はささやく』)

 

  主要カテゴリーのノミネーション

作品賞(ドラマ部門)

Aquarius」(ブラジル)クレベール・メンドンサ・フィリオ監督

『名誉市民』(アルゼンチン・スペイン)ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督

『スモーク・アンド・ミラーズ』(スペイン)アルベルト・ロドリゲス監督

『ジュリエッタ』(スペイン)ペドロ・アルモドバル監督

「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン)パブロ・ラライン監督

 

『スモーク・アンド・ミラーズ』

  

           

監督賞

フアン・アントニオ・バヨナ『怪物はささやく』(スペイン)

クレベール・メンドンサ・フィリオ「Aquarius」(ブラジル)

ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン『名誉市民』(アルゼンチン・スペイン)

パブロ・ラライン「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン)

パブロ・アルモドバル『ジュリエッタ』(スペイン)

 

クレベール・メンドンサ・フィリオ監督

   

          

脚本賞

アルベルト・ロドリゲス&ラファエル・コボス『スモーク・アンド・ミラーズ』(スペイン)

アンドレス・ドゥプラット『名誉市民』(アルゼンチン、スペイン)

セルソ・ガルシアLa delgada línea amarilla」(メキシコ)

ギジェルモ・カルデロン「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン

パベル・ヒロウド&アレハンドロ・ブルゲス他「El acompañante」(キューバ、ベネズエラ、

  コロンビア)

 

 (「El acompañante」)

  

女優賞

アンジー・セペダLa semilla del silencio」(コロンビア)

エンマ・スアレス『ジュリエッタ』(スペイン)

フアナ・アコスタAnna」(コロンビア・フランス)ジャック・トゥールモンド・ビダル監督

ナタリア・オレイロGilda, no me arrepiento de este amor」(アルゼンチン)

                   ロレナ・ムニョス監督

ソニア・ブラガAquarius」(ブラジル)

  

(アンジー・セペダ)

  

             

男優賞

アルフレッド・カストロ『彼方から』(ベネズエラ、チリ)

ダミアン・カサレスLa delgada línea amarilla」(メキシコ)

エドゥアルド・フェルナンデス『スモーク・アンド・ミラーズ』(スペイン)

ルイス・ニェッコ「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン)

オスカル・マルティネス『名誉市民』(アルゼンチン、スペイン)

  

(ダミアン・カサレス)

  

 

オペラ・プリマ(第1回監督作品、ドラマ部門)

『彼方から』(ベネズエラ、チリ)ロレンソ・ビガス

La delgada línea amarilla」(メキシコ)セルソ・ガルシア

Rara」(アルゼンチン、チリ)ペパ・サン・マルティン

Viejo calavera」(ボリビア)キロ・ルッソ

『物静かな男の復讐』(スペイン)ラウル・アレバロ

   

 

             (ペパ・サン・マルティンの「Rara」)

 

 

★女優賞ノミネートのナタリア・オレイロは、ウルグアイで開催された第3回目の総合司会者、ウルグアイ出身ですが主にアルゼンチンで活躍している(『ワコルダ』)。「Gilda, no me arrepiento de este amor」は1996年交通事故死したアルゼンチンの歌姫ヒルダのビオピック。ソニア・ブラガは第1回プラチナ賞2014の栄誉賞受賞者、「Aquarius」はカンヌ映画祭2016正式出品を皮切りに世界各地の映画祭巡りをした。アンジー・セペダは、今回ノミネーション発表をしたコロンビア出身の女優だが、本拠地をマドリードに移している。ノミネーション発表をした先輩ケイト・デル・カスティージョとは親友同士だそうです。フアナ・アコスタが出演した「Anna」(西語・仏語)は、ゴヤ賞2017のイベロアメリカ映画部門にノミネートされた。2015年製作とやや古い。フアナ・アコスタはエルネスト・アルテリオと結婚、スペイン映画出演も多く、当ブログ登場も多いほうか。エンマ・スアレス他、男優賞ノミネートの紹介は不要ですね。

 

(「Anna」のフアナ・アコスタ)

 

 

★その他のカテゴリーとして、オリジナル音楽、撮影、美術、録音、ドキュメンタリー、アニメーション、シリーズのテレビドラマその他がありますが割愛、受賞結果はアップいたします。

 

EGEDA (Entidad de Gestión de Derechos de los Productores Audiovisuales FIPCAFederación Iberoamericana de Productores Cinematográficos y Audiovisuales) が主催します。いわゆる視聴覚製作に携わる人々の権利を守るための管理交渉団体です。EGEDA1990年創設、活動は1993年から。スペイン、チリ、コロンビア、US、ペルー、ウルグアイ他などが参加しております。

 

 

アルモドバルのカンヌ*カンヌ映画祭2017 ⑪2017年06月01日 18:18

          「民主的で友好的だった審査員」とアルモドバル

 

★パルム・ドールにスウェーデンのリューベン・オストルンド「スクエア」を選んだカンヌ映画祭も終了、同時に審査委員長という重責を負ったペドロ・アルモドバルのカンヌも終わりました。彼自身はフランスのロバン・カンピヨの第3作目120ビーツ・パー・ミニット」(グランプリ、国際批評家連盟賞、他)に票を入れたが、「民主的な方法で」審査員たちが選んだのは「スクエア」だった。「自分は9分の1でしかない」とプレス会見で語っていた。投票権は11票だったということです。委員長を含めて審査員はパオロ・ソレンティーノ、マーレン・アデ、ジェシカ・チャステイン、ウイル・スミス、ファン・ビンピン、アニエス・ジャウイ、パク・チャヌク、ガブリエル・ヤレドの9人でした。映画の「最初から最後まで英雄たちに感動した。翌日の各紙もパルマ・ドールを予想していたが、審査員が選んだのは・・・」違ったということです。

 

   

(パルム・ドールのリューベン・オストルンド

 

  

                     (120ビーツ・パー・ミニット」のポスター)

 

★審査員は「映画に対する見解はそれぞれ異なっていたが、友好的で、互いに敬意を払って審査に臨んだ」というわけで、血しぶきは上がらなかったらしい。そうはいっても個人的にはカンピヨにやりたかったようです。「私のようなLGTBの人も、そうでない人も関係なく、カンピヨは多くの人命を救った本物の英雄たちの物語を語ってくれた」・・・「多くの観客がカンピヨの映画を気に入ってくれると思うし、あらゆる場所で成功することを確信している」とも。下の字幕入り写真は、このときの発言部分、プレス会見の前半は英語、後半はスペイン語で、前半部分はスペイン語字幕入りだった。後方の女性は英語があまり得意でない監督のための助け舟的通訳者のようです。

レズビアン、ゲイ、性転換者、バイセクシアルの頭文字。

 

       

            (授賞式後のプレス会見に臨むアルモドバル)

 

★既に内容紹介の記事が出回っておりますが、まだエイズが治療薬が分からない未知の病気だった1990年代初めのパリが舞台、対エイズの活動家グループ「アクト・アップ」の活動を追った群集劇。握手だけで感染するという噂がまことしやかに流れ、世界を恐怖に陥れた時代でした。ロバン・カンピヨ監督は、ローラン・カンテのパルム・ドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』08)の脚本家としてカンヌに登場しているが、監督としては第3作目となる本作が初めて。作りが『パリ20区~』に似ている印象を受けます。デビュー作「Les revenants」(04)はフランス映画祭2006で上映後、『奇跡の朝』の邦題で公開、第2作「Eastern Boys」(13)は、『イースタン・ボーイズ』の邦題でアンスティチュ・フランセ東京映画祭で上映された。

 

    

          (グランプリ受賞で登壇したロバン・カンピヨ)

 

★第4回イベロアメリカ・プラチナ賞のノミネーション発表が昨日31日(水)にありました。もうそんな季節かと暗澹たる思いです。時間は恐ろしい。2017年は722日、マドリードで開催されます。


ミシェル・フランコ「ある視点」の審査員賞*カンヌ映画祭2017 ⑩2017年05月30日 16:47

            グランプリはイランのモハマド・ラスロフの「LerdDregs)」に

 

27日、本体より一足先に「ある視点」の受賞結果が発表になりました。大賞のグランプリにはイランのモハマド・ラスロフLerdDregs)」が選ばれました。モハマド・ラスロフはジャファル・パナヒの助監督をしていた2010年、パナピの自宅で一緒にいるところを反体制分子として逮捕された(禁固刑5年)。保釈中に極秘裏に撮った「Good Bay」が「ある視点」部門で監督賞を受賞したが出国できなかった。第12回東京フィルメックスに正式出品され、『グッドバイ』の邦題で上映されたのでした。2013年にも同部門に「Manuscripts Don't Burn」がノミネーション、国際批評家連盟賞を受賞するなどカンヌの常連さん、今回が三度目の正直、初のグランプリ受賞となりました。今回は刑期も明けて授賞式には出席できたようです。イランはレベルが高く受賞となれば公開もアリでしょうか。

 

      

         (モハマド・ラスロフ監督を真ん中に出演の俳優たち)       

 

       「カンヌでの高評価は、メキシコ映画にとって励みになります」

 

ミシェル・フランコの近況をアップしたばかりですが、新作Las hijas de Abril審査員賞を受賞しました。最近の5年間で3回受賞は異例なこと、管理人も予想しておりませんでした。これはグランプリに次ぐ重要な賞だと思いますが、サンティアゴ・ミトレLa cordilleraと、セシリア・アタン&バレリア・ピバトのデビュー作La novia del desiertoが賞に絡めなかったことに深く落胆したのか、アルゼンチンの有力紙「クラリン」のレポーター氏は「小さな賞」と、悔しさをにじませおりました。発表後も「La novia del desierto」は「カメラ・ドール対象作品、まだ希望はある」と一縷の望みをつないでおりましたが(カメラ・ドールの審査委員長はフランスのサンドリーヌ・キベルラン)、こちらもフランスの監督に渡りました。監督以下、リカルド・ダリン、ドロレス・フォンシエリカ・リバスパウリナ・ガルシアと錚々たるメンバーで臨んだカンヌだっただけに手ぶらの帰国はちょっと辛いかもしれない。

  

     

 

 (ミシェル・フランコと製作者のロレンソ・ビガス

 

  

(ミトレ監督、エリカ・リバス、リカルド・ダリン、ドロレス・フォンシ、524日)

 

★「カンヌでいつも良い評価をいただけるのは、メキシコ映画にとって大きな励みになります」と受賞スピーチ、「これからも前進あるのみ」と締めくくりました。記者会見ではエンマ・スアレスが演じた「アブリルの役柄は不安にさせる反面、感情移入もしやすく、エモーションを大いに引き起こす」と語っていました。メキシコ映画といえば、麻薬密売に絡む暴力や口当たりのよいコメディが目立つが、それとは違うメキシコを描きたかったようです。アブリルの人格は、勇気があって他人への救いや思いやりがあるというのとはかけ離れている。エンマ・スアレスも『ジュリエッタ』の演技を超えたいと考えていたらしく、監督は「完成度が高く成功している」と起用が正解だったことに満足している。経済的に自立していない若い女性の妊娠は、メキシコというか他のラテンアメリカ社会の病根の一つ、女性はたちまち若さを失い老いていく。老いていくことの恐怖、メキシコ人の娘たちの母親はスペイン人、スペインはかつてメキシコの宗主国だった。母と娘の相克だけではすまされない複雑なメタファーが隠されているようです。

      

     「あんないい加減な映画が・・」と「クラリン」紙のレポーターはご立腹

 

★その他の受賞作品、監督賞テイラー・シェリダンの第2Wind River(英・カナダ・米)、彼は『ボーダーライン』(15)や『最後の追跡』(16)の脚本家として有名、これは予告編からも面白さが伝わってくる。公開はアリでしょうか。女優賞セルジオ・カステリットの「Fortumata」(伊)出演のジャスミン・トリンカ、作品も話題作、注目ですね。ポエティック・ナラティヴ特別賞は、オープニング上映だったマチュー・アマルリックBarbaraが受賞しました。こんな賞があったんですね。件の「クラリン」のレポーター氏、「あんないい加減な映画が・・・」と、ここでもいたくオカンムリ。審査員長のユマ・サーマン(米女優47歳)にまで八つ当たりしているようだ(笑)。このようなアルゼンチン人の熱狂的愛国思想が、ほかのラテンアメリカ諸国から嫌われる。

 

★今年はメキシコの二つのドリーム・チーム(制作会社「チャチャチャ・フィルムズ」と「カナナ」のメンバー)が勢揃いして、メキシコが目立ったカンヌでした。別路線のフランコ監督やカルロス・レイガダスは含まれない。左からアルフォンソ・キュアロン、キュアロンのパートナー(シェヘラザード・ゴールドスミス)、ギジェルモ・デル・トロ、エマニュエル・ルベツキ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ディエゴ・ルナ、ガエル・ガルシア・ベルナル、サルマ・ハエックなど、全員集合ではないけれど、勢揃いしました。うちゴンサレス・イニャリトゥCarne y arenaがコンペティション外だがノミネートされ、カンヌの小型飛行機専用の飛行場の格納庫で上映されました(518日)。「映画館では見ることができないフィルムなんて、これは全くパラドックスだ」とアルモドバル。ネットフリックスだけでなく、映画の鑑賞方法も転機を迎えているのでしょうか。

 

 

         (カンヌ入りしたメキシコのドリーム・チーム、525日)

 

  

           (ゴンサレス・イニャリトゥの「Carne y arena」)

 

★昨年はブーイングがおきたパルム・ドールの受賞作品は、追加作品として飛び込んできたスウェーデンのリューベン・オストルンドのコメディThe Square」(スクエア)がさらいました。予想外だったとはいえ昨年よりはまだマシと納得した人が多かったか。本命視されていたお膝元のロバン・カンピヨ120ビーツ・パー・ミニット」は、グランプリを受賞した。他ソフィア・コッポラが監督賞をもらい、主演のニコール・キッドマンは女優賞は逃したが第70回記念賞を手にしました。「批評家週間」では、ブラジルのフェリペ・バルボザが「France 4 Visionary」という賞をもらいましたが、忖度するわけではありませんが審査委員長はブラジルのクレベール・メンドンサ・フィリオ監督でした。ということで「監督週間」も含めてスペイン語作品は無冠に終わりました。

 

   

   (左から、ジュリエット・ビノシェ、オストルンド監督、審査委員長のアルモドバル)

 

 

カンヌを満喫するエンマ・スアレス*カンヌ映画祭2017 ⑨2017年05月26日 17:40

                 愛しすぎる母親は子供に取って重荷となる

 

    

★カンヌも後半、マンチェスター・アリーナのテロ事件のあおりを受けて、カンヌも警戒がますます厳しくなっているようです。今年のコンペティションは充実しているとかで、星取表も混戦模様、河瀨直美も上映後の10分間のスタンディング・オベーションに泣いていました。それにしてもタイトル『光』をイメージして芦田多恵に特注した豪華なドレスには驚きました。宝飾品はブルガリだそうで、お金持ちなんですねぇ。素直に喜びましょう。「ある視点」部門のミシェル・フランコLas hijas de Abrilの評判はどうだったのでしょうか。10分間のスタンディング・オベーションはあったのでしょうか(笑)。

  

  

  (エンリケ・アリソン、アナ・バレリア、監督、エンマ・スアレス、ホアンナ・ラレキ)

 

★昨年の『ジュリエッタ』に続いて今年もカンヌ入りしているエンマ・スアレス、「アブリルは私が演じたなかでも最高に難しい役だった。だって信念をもっている理性的な人とは全く反対な役、しかし高い目標に惹かれたの。演じる必要性を感じたし、中身をさらけ出して生きている。理解は難しいが、ただの悪役じゃやりたくなかった。たくさんの可能性があり、彼女なりのやり方だが娘たちに夢中になり守ろうとしている。私にとって幸いだったのは、私の視点を求められなかったこと。実際に脚本にあるような登場人物たちを裁けない。現実の社会が常に女性たちだけに強いている事柄、男性にはけっして要求されない何かについて熟考したかった。同時に家族の力学も大いに変化している」とカンヌでのインタビューで語っている。アブリルがバランスを欠いた錯乱した母親なのは、老いることを受け入れられないせいかもしれない。

 

   

      (突風に乱れた髪を押さえるエンマ・スアレス、520日、カンヌにて)

 

          4度目のカンヌ入りを果たした「カンヌのナイス・ガイ」

 

ミシェル・フランコ監督、「どうして母親役にスペイン女優を起用したのか」という質問には、「アメリカで映画を撮っているとき、まだプロジェクトも具体化していなかったが、この次は女性を主人公にしようと考えていた。『或る終焉』はアメリカで撮ったが、二度とアメリカで撮らないとは言わないけれど、次は故郷のメキシコで撮りたかった。アメリカでの経験を通して、母親が外国暮らしをしている母親不在の家族というアイデアが浮かんだ。じゃスペイン語が話せる外国人の女優では誰がいいだろうか、それがエンマだった。正しい選択だった。彼女なら登場人物になりきれるし、観客とも一体化できると考えた」とインタビューに応じていた。本作の撮影は約2か月、日曜日以外は休まなかった。その間「娘役たちは私たちのエネルギーを創り出すために一緒に生活した」そうです。彼の撮影方法は特別で、物語の進行にそって時系列に撮っていく。「新しい要素が急にはいるから、最終的には30%くらい撮り直しになる。なかには3回になることもある」という。これではいつ終わるのやら、一緒の仕事はなかなか大変です。

 

       

           (4度目のカンヌ、フランコ監督、上映会場にて)

 

★ここ数年、複雑な母親を描く作品が増えているのは、若い娘より経験豊かな母親のほうが多くの可能性を秘めているからだとも語っている。「迷宮からうまく抜け出してほしいが、本作を通じて女性を深く掘り下げることに興味をもった。主役に女性を選ぶのが好きな監督の気持ちがよく分かったということです」。本作のプロデューサーの一人、ベネズエラのロレンソ・ビガス監督もカンヌ入りしていました。『彼方から』2015)では、フランコ監督が反対にプロデューサーに回りました。ビガスの新作「La caja」にはフランコが製作に回るらしく、国境を越えて協力し合っているようです。フランコが現在手掛けているのは、エウヘニオ・デルベスと一緒にメキシコのテレビ用のコミック・シリーズ、これは面白い顔合わせでしょうか。エウヘニオ・デルベスは、第1回プラチナ賞2014の最優秀男優賞を受賞したコメディアンにして俳優、監督、プロデューサーと幾つもの顔をもつ才人です。

 

    

       (フランコ監督とプロデューサーのロレンソ・ビガス、カンヌにて)

 

Las hijas de Abril」の内容紹介は、コチラ201758

『或る終焉』の内容紹介は、コチラ2016615618

 

BAFICI19作品賞はアドリアン・オルの「Ninato」*ドキュメンタリー2017年05月23日 15:44

           受賞作のテーマは多様化する家族像と古典的?

 

  

★インターナショナル・コンペティションの最優秀作品賞は、アドリアン・オルOrrのデビュー作Niñato2017)、どうやら想定外の受賞のようでした。本映画祭はデビュー作から3作目ぐらいまでの監督作品が対象で、4月下旬開催ということもあって情報が限られています。今年は20本、日本からもイトウ・タケヒロ伊藤丈紘の長編第2作「Out There」(日本=台湾、日本語142分)がノミネートされ話題になっていたようです。昨年のマルセーユ映画祭やトリノ映画祭、今年のロッテルダムに続く上映でした。審査員も若手が占めるからお互いライバル同士になります。スペインが幾つも大賞を取ったので審査員を調べてみましたら、以下のような陣容でした。

 

エイミー・ニコルソン(米国監督)、アンドレア・テスタ(亜監督)、ドゥニ・コテ(カナダ監督)、ニコラスWackerbarth(独俳優・監督)、フリオ・エルナンデス・コルドン(メキシコ監督)の5人、最近話題になった若手シネアストたちでした。アルゼンチンのアンドレア・テスタは、カンヌ映画祭2016「ある視点」に夫フランシスコ・マルケスと共同監督したデビュー作「La larga noche de Francisco Sanctis」がノミネートされた監督、ニコラスWackerbarthは、間もなく劇場公開されるマーレン・アデのコメディ『ありがとう、トニ・エルドマン』に脇役として出演しています。フリオ・エルナンデス・コルドンは、米国生れですが両親はメキシコ人、彼自身もスペイン語で映画を撮っています。2015年の「Te prometo anarquía」がモレリア映画祭でゲレロ賞、審査員スペシャル・メンション、ハバナ映画祭脚本賞、他を受賞している監督です。ということでスペインの審査員はゼロでした。

A・テスタ& F・マルケス「La larga noche de Francisco Sanctis」紹介は、コチラ2016511

 

Niñatoドキュメンタリー、スペイン、2017 

製作:New Folder Studio / Adrián Orr PC

監督・脚本・撮影:アドリアン・オル

編集:アナ・パーフ(プファップ)Ana Pfaff

視覚効果:ゴンサロ・コルト

録音:エドゥアルド・カストロ

カラーグレーディングetalonaje:カジェタノ・マルティン

製作者:ウーゴ・エレーラ(エグゼクティブ)

 

データ:製作国スペイン、スペイン語、2017年、ドキュメンタリー、72分、撮影地マドリード

映画祭・受賞歴:スイスで開催されるニヨン国際ドキュメンタリー映画祭Visions du Réel2017でワールド・プレミア、「第1回監督作品」部門のイノベーション賞受賞、ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭Bafici2017「インターナショナル・コンペティション」で作品賞受賞

 

キャスト:ダビ・ランサンス(父親、綽名ニニャト)、オロ・ランサンス(末子)、ミア・ランサンス(次女)、ルナ・ランサンス(長女)

 

プロット・解説:ダビは3人の子供たちとマドリードの両親の家で暮らしている。定職はないが子育てをぬってラップ・シンガーとして収入を得ている。彼の夢は自分の音楽ができること、3人の子供たちを養育できること、自分の時間がもてて、それぞれあくびやおならも自由にできれば満足だ。重要なのは経済的な危機にあっても家族が一体化すること、粘り強さも必要だ。しかし時は待ってくれない、ダビも34歳、子供たちもどんどん大きくなり難しい年齢になってきた。特に末っ子のオロには然るべき躾と教育が必要だ。何時までも友達親子をし続けることはできない、ランサンス一家も曲がり角に来ていた。およそ伝統的な家族像とはかけ離れている、風変わりな日常が淡々と語られる。3年から4年ものあいだインターバルをとって家族に密着撮影できたのは、ダビと監督が年来の友人同士だったからだ。

 

           短編第3作「Buenos dias resistencia」の続編?

 

アドリアン・オルAdrián Orrは、マドリード生れ、監督。助監督時代が長い。ハビエル・フェセルの成功作『カミーノ』2008)、ハビエル・レボージョの話題作La mujer sin piano09、カルメン・マチ主演)、父親の娘への小児性愛という微妙なテーマを含むモンチョ・アルメンダリスのNo tengas miedo11)、劇場公開されたアルベルト・ロドリゲスの『ユニット7/麻薬取締第七班』12)と『マーシュランド』14)、フェデリコ・ベイロフのコメディEl apóstata15)などで経験を積んでいる。

 

    

★今回の受賞作は2013年に撮った同じ家族を被写体にしたドキュメンタリーBuenos dias resistencia20分)の続きともいえます。つまり何年かにわたってランサンス一家を追い続けているわけです。同作は2013年開催のロッテルダム映画祭、テネリフェ映画祭、Bafici短編部門などで上映、トルコのアダナ映画祭(Adana Film Festivali)の金賞、イタリア中部のポーポリ映画祭(Festival dei Popoli)、ポルトガルのヴィラ・ド・コンデ短編映画祭(Vila do Conde)ほかで受賞している。Bafici 2013の短編部門に出品されたことも今回の作品賞につながったのではないでしょうか。下の子供3人の写真は、短編のものです。他に短編「Las hormigas07)とDe caballeros11)の2作がある。 

 

      

(ランサンス家の3人の子供たち、中央がルナ)

 

     

                (ポーポリ映画祭でインタビューを受ける監督、201312月)

 

★タイトルになったniñatoは、若造、青二才の意味、普通は蔑視語として使われる。親がかりだから一人前とは評価されない。2013年ごろはスペインは経済危機の真っ最中、「EUの重病人」と陰口され、若者の失業率50パーセント以上、失業者など掃いて捨てるほどというご時世でした。しかし3人子持ちの父子家庭は珍しかったでしょう。少しは改善されたでしょうが、スペイン経済は道半ばです。別段エモーショナルというわけでなく、ダビが子供たちを起こし、着替えや食事をさせ、一緒に遊び、ベッドに入れるまでの日常を淡々と映しだしていく。オロがシャワーを浴びながら父親譲りのラッパーぶりを披露するのがYouTubeで見ることができます。現在予告編は多分まだのようです。 

      

               (niñatoダビ・ランサンス)

 

★純粋なドキュメンタリー映画というよりフィクション・ドキュメンタリーficdocまたはドキュメンタリー・フィクションficdocと呼ばれるジャンルに入るのではないかと思います。ドキュメンタリーもフィクションの一部と考える管理人は、ジャンルには拘らない。今カンヌで議論されているネットフリックスが拾ってくれないかと期待しています。


ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2017*結果発表2017年05月20日 15:51

               スペイン映画が作品賞と監督賞を受賞しました!

 

     

        (映画祭ポスターを背にした作品賞受賞者アドリアン・オル)

 

★カンヌ映画祭も開幕、オープニング作品、アルノー・デプレシャンの「Ismael's Ghost」が評判を呼んでいるようです。出演者はマチュー・アマルリック以下キラキラ星だから話題性に事欠かない。翌日には「ある視点」のオープニング作品「Barbara」も上映され、今年のアマルリックは何かの賞に絡みそうですね。カンヌに比べればブエノスアイレス・インディペンデント映画祭BAFICIなど吹けば飛ぶような存在ですが、今年は当ブログに登場させたスペイン映画が作品賞や監督賞を受賞したのでアップいたします。

 

BAFICIBuenos Aires Festival Internacional de Cine Independiente)ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭、長いのでBAFICIで表記されることが多い。ブエノスアイレス市で1999年から始まった国際映画祭。今年19回を迎え、年々内容を充実させておりますが、国際映画製作者連盟FIAPF公認ではなく、現在に近い陣容になったのは2008年の第10回からです。最初はインターナショナル部門の作品賞・監督賞・男優賞・女優賞・観客賞の5個だけでした。現在のオフィシャル・セレクションインターナショナル部門とアルゼンチン部門に大別され、ほかにコンペティションは、ラテンアメリカアバンギャルド&ジャンル人権アルゼンチン短編6部門、回によってカテゴリーの名称変更が目まぐるしい。そのほか賞には絡まない特別上映があります。今年は昨年死去したイランのアッバス・キアロスタミ、生誕100&没後50年のビオレタ・パラ(チリ、191767)、没後25年のアストル・ピアソラ(アルゼンチン、1992)についてのドキュメンタリー映画が上映されたようです。2016年の入場者は約38万人、今年は大台の40万台に達しました。

 

★主な受賞作品、インターナショナル・コンペティション部門の作品賞は、アドリアン・オルOrrの長編ドキュメンタリーNiñato(西)の驚きの受賞、本作は当ブログ初登場です。マラガ映画祭2017の「金のビスナガ」受賞を果たしたカルラ・シモンのデビュー作Verano 1993(西)が監督賞とワールド・カトリックメディア協議会によるSIGNIS賞、さらに観客賞も受賞しました。オリジナル・タイトルはカタルーニャ語の「Estiu 1993です。キロ・ルッソViejo calavera(ボリビア=カタール)は審査員特別賞、撮影監督パブロ・パニアグアの撮影賞ADF受賞、これは納得です。本作はサンセバスチャン映画祭2016「ホライズンズ・ラティノ」部門のスペシャル・メンション受賞作、カルタヘナ映画祭2017の作品賞も受賞している。アルゼンチン・コンペティション部門の作品賞は、BAFICIの常連受賞者アレホ・モギジャンスキーLa vendedora de fósforosでした。またアバンギャルド&ジャンルでは、ガリシアのオリべル・ラシェ(またはオリヴェル・ラセ)のMimosas(モロッコ=西==カタール)がスペシャル・メンションを受賞、カンヌ映画祭2016「批評家週間」でのグランプリ受賞を皮切りに国際映画祭巡りをした異色作でした。 

   

カルラ・シモンの「Verano 1993」の紹介記事は、コチラ2017222

 

 

(今では本当の家族のようになったというシモン監督を囲む出演者たち、マラガ映画祭にて)

 

キロ・ルッソの「Viejo calavera」の紹介記事は、コチラ201695

 

 

                      (撮影賞を受賞した美しい映像、映画から)

 

オリベル・ラシェの「Mimosas」の紹介記事は、コチラ2016522

 

  

 

★次回に未紹介の主な受賞作、作品賞受賞のアナウンスに会場は驚きに包まれたというアドリアン・オルOrrの長編ドキュメンタリーNiñato」やアレホ・モギジャンスキーLa vendedora de fósforos」などのプロットや監督キャリア紹介をいたします。