『燃やされた現ナマ』出版講演&『逃走のレクイエム』上映会 ― 2022年06月16日 14:49
マルセロ・ピニェエロの旧作『逃走のレクイエム』上映会

★劇場公開というわけではありませんが、インスティトゥト・セルバンテス東京の文化イベントとして、マルセロ・ピニェエロの旧作「Plata quemada」(00)が日本語字幕入りで上映されます。本作はリカルド・ピグリアの同名小説を映画化したもので、1965年ブエノスアイレスで起きた現金輸送車襲撃事件の実話に触発されたフィクションです。今回原作が『燃やされた現ナマ』の邦題で水声社より出版されたことで、訳者の大西亮法政大学国際文化学部教授を迎えて講演&上映会が企画されたようです。
『燃やされた現ナマ』出版講演&『逃走のレクイエム』上映会
日時:2022年7月6日(水曜日)18:00~
会場:インスティトゥト・セルバンテス東京地下1階オーディトリアム
入場無料、要予約、オンライン配信はありません
言語:講演会(日本語)、映画(スペイン語、日本語字幕付)
主催:インスティトゥト・セルバンテス東京、アルゼンチン大使館
協力:NPO法人レインボー・リール東京、水声社

★1997年のプラネタ賞受賞作品ということで、アルゼンチンでの公開当時の評判は、「映画より小説のほうが数倍面白い」というものでしたが、映画もなかなか面白いものでした。脇道になりますが、プラネタ賞受賞については、作家が出版社にもっていた深いコネクションが後々訴訟問題にまで発展しました。裁判所は作家がコンテストを操作したと認め、以後コンテストの明朗化が進みました。話を戻すと日本では第10回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2001で『逃走のレクイエム』の邦題で上映されました(現レインボー・リール東京、2016年に改名)。その後2004より始まったラテンビート(ヒスパニックビートFF2004)では『炎のレクイエム』と改題されています。今回はレインボー・リール東京のタイトルが採用されての上映です。
★『燃やされた現ナマ』(水声社、2022年2月25日刊、2400円+税)
*著者リカルド・ピグリア(1940)は筋萎縮症のため2017年に既に鬼籍入りしている。翻訳者は他にピグリアの『人工呼吸』(2015年刊)やビオイ・カサーレスの『英雄たちの夢』(2021年刊)を翻訳しています。

(リカルド・ピグリアと原作の表紙)
暴力的なフィナーレに魅了される
★20年以上前の映画なので少し作品紹介をしておきます。映画より面白いという小説は未読ですが、大筋は同じでも、当然のことながら人名、プロットは若干異なるということです。製作国はアルゼンチン、スペイン、ウルグアイ合作、ブエノスアイレス、ウルグアイのモンテビデオで撮影された。アレハンドロ・アメナバルの『テシス 次は私が殺される』でブレイクしたエドゥアルド・ノリエガ、フアン・カルロス・フレスナディーリョの『10億分の1の男』のレオナルド・スバラーリア、マルセロ・ピニェイロの「El método」や『木曜日の未亡人』のパブロ・エチャリ、本作がデビュー作のドロレス・フォンシなど、彼らの若い時代の演技が楽しめます。
「Plata quemada」(邦題『逃走のレクイエム』、英題「Burning Money」)
製作:Oscar Kramer S. A. / Cuatro Cabezas / Mandarin Films S. A. / Tornasol Films / INCAA 他多数
監督:マルセロ・ピニェエロ
脚本:マルセロ・フィゲラス、マルセロ・ピニェエロ
原作:リカルド・ピグリア
撮影:アルフレッド・マヨ
編集:フアン・カルロス・マシアス
録音:カルロス・アバテ、ホセ・ルイス・ディアス
音楽:オスバルド・モンテス
製作:ディアナ・フレイ、オスカル・クラメル、(スペイン)マリエラ・ベスイエブスキ、ヘラルド・エレーロ、(エグゼクティブ)エディイ・ワルター、他多数
データ:製作国アルゼンチン、スペイン、ウルグアイ、スペイン語、2000年、犯罪サスペンス、ロマンス、117分、撮影地ブエノスアイレス、モンテビデオ、公開アルゼンチン(2000年5月11日)、ウルグアイ(6月2日)、スペイン(9月1日)
映画祭・受賞歴:トロント映画祭、パームスプリングス、ベルリン、マイアミ、サンフランシスコ、フィラデルフィア、ロスアンゼルス、アムステルダム・ゲイ&レズビアン、ハバナ、他国際映画祭正式出品、アルゼンチン映画批評家連盟賞2001脚色賞、ゴヤ賞2001スペイン語外国映画賞、ハバナ映画祭2000撮影賞・録音賞、各受賞、ノミネート多数
主なキャスト:エドゥアルド・ノリエガ(アンヘル)、レオナルド・スバラーリア(エル・ネネ)、パブロ・エチャリ(エル・クエルボ)、ドロレス・フォンシ(ビビ)、レティシア・ブレディチェ(ジゼル)、リカルド・バルティス(犯罪グループのボス、フォンタナ)、カルロス・ロフェ(弁護士ナンド)、エクトル・アルテリオ(ロサルド)、他多数
ストーリー:1965年のブエノスアイレス郊外サンフェルナンド、アンヘル、エル・ネネ、エル・クエルボは現金輸送車を襲撃する。ブエノスアイレス警察は大規模な捜索を開始する。700万ペソの〈現ナマ〉を手にした強盗団は警察の追っ手を逃れ、国境を越えウルグアイに逃走、モンテビデオのアパートの一室に立てこもる。幼年時代の想い出、娼婦との出会い、セックスとドラッグへの耽溺など、トリオの過去をフラッシュバックで描き出す。クエルボの恋人ビビ、ネネが出会った娼婦ジゼル、若者を牛耳るグループのボス、悪徳弁護士などを絡ませて「社会を震撼させた衝撃的事件」をフィクションの力で描き出した傑作。

(左から、エドゥアルド・ノリエガ、パブロ・エチャリ、レオナルド・スバラーリア)
★小説は実話にインスピレーションを得て書かれているうえに、脚本では更にいくつかの変更が加えられている。映画のほうが実話に近いということです。エル・ネネは実際には裁判官になるための教育を受けていたそうです。包囲戦で死亡したトリオはモンテビデオの北墓地に匿名で埋葬されたが、その後ネネの遺体だけが家族によって引き取られ故国に戻っているそうです。クエルボは包囲戦で死亡したのではなく、警察官に唾を吐いたことで暴力を受け、病院に移送された数時間後に息を引き取った。



★作家ピグリアと出版社プラネタは、後にいくつかの訴訟を起されている。その一つがラ・ネナ(映画ではビビとして登場した)として知られているブランカ・ロサ・ガレアノ、当時エル・クエルボのガールフレンドで彼の子供を収監された刑務所内で出産している。息子には父親の身元を伏せ過去を封印してきたが小説が出版されたことで多大な苦痛を受けたとして100万ペソの損害賠償を要求した。しかし内容は当時の新聞に掲載されていた周知の事実であり、賠償請求額は彼女が被った損害に対して過度であるとして却下されている。言論の自由が優先されたわけだが、自業自得とはいえ現在なら違ったかもしれない。

(本作でデビューしたドロレス・フォンシ、フレームから)
◎関連記事&キャスト紹介◎
*マルセロ・ピニェエロ監督の紹介記事は、コチラ⇒2013年12月19日
*レオナルド・スバラーリア(スバラグリア)キャリア紹介は、
*パブロ・エチャリの出演作は、コチラ⇒2013年12月19日
*エドゥアルド・ノリエガの出演作は、コチラ⇒2013年12月19日
*ドロレス・フォンシのキャリア紹介は、コチラ⇒2017年05月18日/2015年05月21日
公開中のメキシコ映画*『ニューオーダー』と『息子の面影』 ― 2022年06月13日 15:19
ミシェル・フランコのディストピア・スリラー『ニューオーダー』

★第77回ベネチア映画祭2020の審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞した『ニューオーダー』が公開されています。ミシェル・フランコは、当ブログでは『父の秘密』や『或る終焉』、『母という名の女』などで度々登場してもらっています。新作では極端な経済格差が国民を分断する社会秩序の崩壊ディストピアをスリラー仕立てで描いています。プレミアされたベネチアでは、その過激なプロットからメキシコから現地入りしていたセレブたちが騒然となり、初っ端から映画の評価は賛否が分かれています。プロットやキャスト紹介は公式サイトに詳しい。
◎ 原題「Nuevo orden」(英題「New Order」)メキシコ・フランス合作、2020年、
スリラー、36分
上映館:渋谷シアター・イメージフォーラム、2022年6月4日、ほか全国順次公開

(銀獅子賞のトロフィーを手にしたミシェル・フランコ、ベネチア映画祭2020)
★主役マリアン役に脚本家でもあるネイアン・ゴンサレス・ノルビンド(メキシコシティ1992)が扮している。「Leona」でモレリア映画祭2018女優賞受賞、母親は『或る終焉』出演のナイレア・ノルビンド、ティム・ロスが主役を演じた看護師の元妻を演じている。抗議運動側に立つマルタ役に、モニカ・デル・カルメン(1982)がクレジットされている。カンヌ映画祭2010で衝撃デビューしたマイケル・ロウの『うるう年の秘め事』で国際舞台に登場、アリエル賞女優賞を受賞している。翌年のラテンビートで上映されている。他に上記のフランコ映画の常連でもあり、今回のベネチアにも監督と出席している。物言う女優の一人です。
◎ミシェル・フランコ関連記事
*『父の秘密』の作品紹介は、コチラ⇒2013年11月20日
*『或る終焉』の作品紹介は、コチラ⇒2016年06月15日/同年06月18日
*『母という名の女』の主な作品紹介は、コチラ⇒2017年05月08日/2018年07月07日
*モニカ・デル・カルメンのキャリア紹介は、コチラ⇒2021年08月28日
フェルナンダ・バラデスのデビュー作『息子の面影』

★もう1作がフェルナンダ・バラデスのデビュー作『息子の面影』、メキシコ国境付近で行方知れずになった息子たちを探す3人の母親と、ラテンアメリカ映画に特有なテーマである父親不在が語られる。豊かな北の隣国アメリカに一番近い国メキシコの苦悩を描いている映画は本作に限らないが、『ニューオーダー』と同じく現代メキシコの現実を切りとっている佳作。サンダンス映画祭2020ワールド・シネマ部門観客賞と審査員特別脚本賞、サンセバスチャン映画祭オリソンテス・ラティノス部門の作品賞、ほか受賞歴多数。ラテンビート2020で同タイトルで上映されている。作品紹介は公式サイトに詳しいが、当ブログでも監督のキャリア&フィルモグラフィー、作品とキャスト紹介を以下にしています。
*監督キャリアと作品紹介は、コチラ⇒2020年11月26日

(オリソンテス・ラティノス賞を受賞したバラデス監督、SSIFF2020授賞式)
◎ 原題「Sin señas particulares」(英題「Identifying Features」)
メキシコ・スペイン合作、スペイン語・サポテコ語・英語、2020年、99分、ドラマ
上映館:新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペース、2022年5月27日、ほか全国順次公開中
第75回カンヌ映画祭2022*アルベルト・セラとロドリゴ・ソロゴジェン ― 2022年06月10日 11:05
スペイン映画は大賞に無縁だったカンヌ映画祭2022

★今さらカンヌでもありませんが、第75回カンヌ映画祭(5月17日~28日)は3年ぶりに5月開催に戻ってきました。パルムドールは5年前に『ザ・スクエア 思いやりの聖域』で同賞を受賞した、リューベン・オストルンドのコメディ「Triangle of Sadness」(スウェーデン・英・米・仏・ギリシャ)が受賞、言語は英語、富裕層への皮肉満載とか。グランプリは「Girl/ガール」のルーカス・ドンの「Close」(ベルギー・オランダ・仏)とクレール・ドゥニの「Stars at Noon」(仏)、後者はニカラグアが舞台とか。審査員賞はイエジー・スコリモフスキの「Eo」と、シャルロッテ・ファンデルメールシュほかの「Le otto montagne」の2作に、第75回記念賞はカンヌ常連のダルデンヌ兄弟の「Tori et Lokita」の手に渡った。

(喜びを爆発させたリューベン・オストルンド)
★監督賞にはカンヌの常連である『オールド・ボーイ』『渇き』のパク・チャヌクが、サスペンス「Dicision to Leave」で受賞、今月末に韓国での公開が決定、日本でも2023年に公開される。男優賞には是枝裕和が韓国で撮った「Broker ベイビー・ブローカー」出演のソン・ガンホ、是枝監督もエキュメニカル審査員賞を受賞した。韓流の勢いは続いているようです。韓国の尹錫悦大統領が二人に祝電を送ったとメディアが報じている。日本勢では「ある視点」ノミネートの早川千絵(「PLAN 75」)が、新人監督に与えられるカメラドールの次点である特別賞スペシャルメンションを受賞した。

(トロフィーを披露する、監督賞のパク・チャヌクと男優賞のソン・ガンホ)
★スペイン映画はコンペティション部門では、21世紀の鬼才と称されるアルベルト・セラの「Pacifiction」(22、165分、仏・西・独・ポルトガル)1作のみでした。スペインも製作に参加していますが言語はフランス語と英語、カタルーニャ人のセラにとってスペイン語は外国語です。舞台はフランスの飛び地タヒチ島、20世紀にポリネシアの島々に多大な被害を与えた核実験を政府は再開しようとしている。主演はフランス政府の高等弁務官役にブノワ・マジメルが扮している。フランスの部外者であり島の友人である主人公は、政治的個人的なバランスをとって役人と一般の人々の微妙な関係を維持している。プロットから分かるように前作よりは筋があるようです。妥協と無縁の監督が、ブノワ・マジメルに命を吹き込ませることができたかどうか。不穏な陰謀がにおってくるスリラー仕立て、スペインからはセルジ・ロペスがクレジットされている。


(セラ監督とブノワ・マジメル、カンヌFFのフォトコールから)
★セラ監督は、カンヌ映画祭を含めて海外の映画祭に焦点を合わせており、国際的に知名度がありながらスペインでの公開は多くない。批評家と観客の評価が乖離している作家性の強い監督です。新作の評価は、上映後の「スタンディング・オベーションが7分間」で分かるように、批評家やシネマニアはポジティブでしたが、一般観客に受け入れられるかどうか微妙です。少なくとも2019年の「ある視点」で上映されたフランス革命前夜を背景にした「Liberté」よりは分かりやすいでしょうか。本作については日本から取材に来た或るレポーターが「くだらなすぎる」と噛みついていたが、『万引き家族』や『パラサイト:半地下の家族』のようには分かりやすくない。日本ではミニ映画祭で特集が組まれたこともあるが、単独公開はジャン=ピエール・レオが太陽王に扮した『ルイ14世の死』(16)だけかもしれない。ゴージャスなヴェルサイユ宮殿の寝室に横たわるルイ14世の陳腐な死を描いている。
*アルベルト・セラのキャリアと「Liberté」紹介は、コチラ⇒2019年04月25日

(新作「Pacifiction」のフレームから)
★他にロドリゴ・ソロゴジェンのスリラー「As bestas」(22、137分、西・仏)が、コンペティション部門のカンヌ・プレミアセクションで上映された。『おもかげ』(19)以来、TVシリーズにシフトしていたがスクリーンに戻ってきた。言語はスペイン語・ガリシア語・フランス語。引退した中年のフランス人カップルがガリシアの村に移住してくる。二人の村への愛情と熱意は、しかし地元の住民の敵意と暴力に迎えられることになる。フランス人カップルにドゥニ・メノーシェとマリナ・フォイス、地元の住民にルイス・サエラとディエゴ・アニドが敵対する兄弟役で出演している。フランス公開7月20日、スペイン公開は11月11日がアナウンスされています。いずれアップしたい。


(マリナ・フォイス、監督、ドゥニ・メノーシェ、カンヌFFフォトコール)
スペイン映画アカデミーの新会長にフェルナンド・メンデス=レイテ ― 2022年06月08日 10:53
スペイン映画アカデミー新会長にフェルナンド・メンデス=レイテを選出

(ラファエル・ポルテラ、フェルナンド・メンデス=レイテ、スシ・サンチェス)
★去る6月4日(土曜日)、予定通り第17代スペイン映画アカデミー会長選挙が行われ、アカデミー会員は前任者マリアノ・バロッソ路線を引き継ぐことを明言していたベテラン・シネアスト、78歳のフェルナンド・メンデス=レイテを選びました。他の立候補者は製作者バレリー・デルピエール、女優ルイサ・ガバサ、撮影監督テレサ・メディナ、の女性3人、黒一点?が当選を果たしました。内訳はアカデミー会員2039人、投票権を持っている1846人のうち820人が投票、第一副会長に製作者ラファエル・ポルテラ、第二副会長に女優スシ・サンチェスを従えたメンデス=レイテが348票を獲得しました。会員でも会費が未払いだと選挙権がなく、立候補は3人一組のトリオで選挙に臨むのが決りです。新執行部は月曜日から始動します。セビーリャ開催となった第37回ゴヤ賞2023授賞式の日程と司会者選定を急ぐことになります。

(左から、立候補者に名乗りを上げていたルイサ・ガバサ、メンデス=レイテ、
テレサ・メディナ、バレリー・デルピエール)
★なり手が無くて押し付け合いぎみだった映画アカデミーも、36年間に16人の会長を選出してきた。前回の第16代会長選挙の立候補はバロッソ会長、副会長にラファエル・ポルテラとノラ・ナバスの3人のみで対立候補がなく信任投票だった。ラファエル・ポルテラは続投することになったわけです。彼はバルセロナ派の監督作品を主に手掛けているプロデューサー、キャリア紹介はアップ済みです。主にプロジェクトの一大イベントであるゴヤ賞の日程表作成を急ぐことになります。彼は新視聴覚コミュニケーション法に関して、「アカデミーとしての位置を明確にする必要があり、対話を通じて解決策を見つけねばなりません」と強調している。
*第16代会長選挙とラファエル・ポルテラ紹介は、コチラ⇒2018年06月23日
★新会長メンデス=レイテは、「私は長年、さまざまな政党の政治家に協力してきました。これは私の専門で、自身が直面している難問を解決してきました。文化相や財務相と会って、この新法についても話し合いたい」と語っている。難問は新法に止まらず、映画館での観客の激減、スクリーン向けでない視聴覚製作の増加など新たな課題にも直面している。「アカデミーにはスペイン映画の問題を解決する執行能力は無くても、機関や世論に影響を与える能力はあるでしょう。人々を映画館に戻さねばなりません」と。まわり道でも若者や子供たちにスクリーンで観る楽しさを体験してもらうことが大切、そのための支援が重要です。
★『日曜日の憂鬱』でゴヤ賞2019主演女優賞を受賞したスシ・サンチェスは、他の3組の候補者たちに感謝の意を伝え、全員が同じ価値観をもって参加したと語った。「今期のアカデミーが地平線となりますように」と宣言した。以下でキャリア&フィルモグラフィーをアップしています。
*スシ・サンチェスのキャリア紹介は、コチラ⇒2018年06月21日
★フェルナンド・メンデス=レイテのキャリア紹介:1944年マドリード生れ、バジャドリード大学で法学を専攻、続いてコンプルテンセ大学で映画を学ぶ。映画・TV・演劇の監督、脚本家、作家、映画評論家、製作者と守備範囲は広い。1967年よりTV界に入り70年代にTVシリーズを手掛ける。1968年から81年までバジャドリード大学で映画理論と現代映画史の教鞭をとる。ICAA映画視聴覚芸術研究所総局長(1986~88)、1994年に設立されたECAMマドリード・コミュニティ映画視聴覚学校校長を2011年まで務め、1977年以来のマラガ・フェスティバルの運営委員会のメンバーでもある。アカデミー会長就任後も離れることはない。78歳になったばかりだが精力的に活躍している。シネマ・ライターズ・サークル・メダルを1974年「Galería」と「Cultura」(TVシリーズ)でジャーナリズム賞、1980年 ”Fritz Lang” でブック賞を受賞している。1966年以来、映画批評を日刊紙プエブロとディアリオ16、フォトグラマ誌ほかに執筆している。
★フィルモグラフィーとしては、上記受賞作のほか、カルメン・マウラを起用した「Los libros」(TVシリーズ74~77)や、コメディ映画「El hombre de moda」(80)が代表作、TVミニシリーズ「Sonatas」(83)、最も成功したのはクラリンの小説を映画化した「La regenta」(1995)で、主役の裁判官夫人をアイタナ・サンチェス=ヒホンが演じた。その他「¡Ay, Carmen!」(18)、「La corte de Ana」(20)などのドキュメンタリーを監督している。2006年ゴヤ賞ガラのドキュメンタリーを撮っており、このときの体験を「真実はそれが悪夢に外ならなかったということです」とジョークまじりに語っている。しかし再び戻ってきたわけです。

(フェルナンド・メンデス=レイテ)
第37回ゴヤ賞2023の授賞式がセビーリャに戻ってくる*ゴヤ賞2023 ① ― 2022年06月03日 17:38
ゴヤ賞2023授賞式の開催地が2回目開催となるセビーリャに決定

(マリアノ・バロッソ会長とセビーリャ市長アントニオ・ムニョス・マルティネス)
★去る5月31日、第37回ゴヤ賞2023授賞式の開催地がセビーリャと発表になりました。大分先の話になりますが、例年だとその年のクロージングにはたいてい決定しておりました。日程の調整はこれからで、しかし1月から3月の間、ベルランガ生誕100年の締めくくりとして、生地バレンシアで開催された第36回は2月12日でしたから2月中が予想されます。スペイン映画アカデミー会長マリアノ・バロッソの任期(3年)が終わることになり、間もなくの6月4日、次期会長選挙が予定されています。新理事会発足後に正式に発表になると思います。
★第1回目から長年開催地はマドリードと決まっており、唯一の例外が第14回2000年のバルセロナでした。その年の総合司会者はアントニア・サン・フアンで、その辛口の司会ぶりが会場を沸かせました。作品賞は、スペイン映画アカデミーとの関係がぎくしゃくしていなかったアルモドバルの『オール・アバウト・マイ・マザー』でした。当時まだアストゥリアス公フェリペ・デ・ボルボンだった現国王フェリペ6世の誕生日(1月30日)を祝って、監督が「ハッピーバースデー」を披露したのでした。再びマドリードに戻りましたが、2018年(作品賞はイサベル・コイシェの『マイ・ブックショップ』)を最後に首都では開催されておりません。
★列挙しますと、先ず33回めの2019年はセビーリャ(作品賞はハビエル・フェセルの『だれもが愛しいチャンピオン』)、続いて34回めの2020年はマラガ(アルモドバルの『ペイン・アンド・グローリー』)、コロナ感染拡大の真っただなか、観客を入れずに開催され視聴率最低を記録した35回めの2021年もマラガ(ピラール・パロメロの『スクールガールズ』)、2022年が前述したようにバレンシア(レオン・デ・アラノアの「El buen patrón」)でした。
★開催地に名乗りをあげた都市の中には、有力候補だったバジャドリード市があった。老舗の映画祭が開催されるバジャドリードは、「非常に適していましたが、セビーリャは市議会をはじめとして、市民や地元企業の支援があって、また前回の経験もあり、特に3000人を収容できるFIBES(セビリア会議・エキシビション・センター)があることが強みでした」とバロッソ会長。「マドリードには他に沢山のイベントがある」とも語っていた。新幹線アベを利用すれば不便とは言えない。決め手はセビリア市長アントニオ・ムニョスのポジティブな働きかけが功を奏したようです。

(会場となるFIBESの内部)
★スペイン映画アカデミー選挙には、プロデューサーのバレリー・デルピエール(モナコ1971『悲しみに、こんにちは』『スクールガールズ』ほか)、女優ルイサ・ガバサ(サラゴサ1951「La novia」)、撮影監督のテレサ・メディナ(マドリード1965『あなたに言えなかったこと』)、ドキュメンタリー作家&批評家フェルナンド・メンデス=レイテ(マドリード1944)など、近年見られなかった候補者の多い選挙となり混戦模様ということです。
マラガ映画祭2022特別賞 ④ ― 2022年05月17日 14:02
最高賞マラガ・スール賞はマリアノ・バロッソ
★マラガ映画祭の特別賞には6賞があり、時代により名称こそ変わりましたが内容は同じです。この他にクラシック映画から選ばれる〈金の映画〉というのがあり、今年は1970年製作のペドロ・オレアの「El bosque del lobo」が選ばれています。半世紀前の映画ですがオレア監督は元気です。リカルド・フランコ賞のソル・カルニセロとビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞のミゲル・レリャンは、当ブログ初登場です。受賞者は以下の通りです。
◎マラガ―スール賞(日刊紙「スール」とのコラボレーション、昨年はアレハンドロ・アメナバル)
マリアノ・バロッソ
★昨年のレトロスペクティブ賞受賞者、スペイン映画アカデミー前会長イボンヌ・ブレイクの急死を受けて、2018年から現職、アカデミー改革やゴヤ賞授賞式に新風を吹き込んでいる。地中海を見下ろすマラガの遊歩道に記念碑を立ててもらえました。
*主なキャリア紹介は、コチラ⇒2018年06月23日

(手形入りの記念碑の前で、3月20日)


(プレゼンターは、マラガの名誉市民アントニオ・バンデラス、3月20日)
◎レトロスペクティブ賞―マラガ・オイ(マラガ・オイ紙とのコラボ、昨年はマリアノ・バロッソ)
メルセデス・モラン
★メルセデス・モランは、1955年アルゼンチンのサン・ルイス生れ、ラテンアメリカを代表する女優。セシリア・ロスに続いての受賞です。同郷のルクレシア・マルテルの「サルタ三部作」(『沼地という名の町』『ラ・サンタ・ニーニャ』)に出演のほか、ラテンビート2018でアナ・カッツの『夢のフロリアノポリス』や、同2019のアンドレス・ウッドの『蜘蛛』に主演、リカルド・ダリンとコンビを組んだコメディを得意とするが、演技の守備範囲は広い。
*主なキャリア紹介は、コチラ⇒2018年08月14日/同年09月21日


(授賞式は3月26日)
◎マラガ才能賞―マラガ・オピニオン(マラガ・オピニオン紙とのコラボ、昨年はオリベル・ラシェ)
ハビエル・カルボ & ハビエル・アンブロッシ
★通称ロス・ハビス、ラテンビート2017の『ホーリー・キャンプ!』の共同監督。
*主なキャリア紹介は、コチラ⇒2017年10月07日

(喜びを爆発させるロス・ハビス、3月25日)

◎リカルド・フランコ賞(映画アカデミーとのコラボ、フリア・フアニス)
ソル・カルニセロ
★映画産業を裏から支えるシネアストに贈られる賞、昨年はフィルム編集者のフリア・フアニスでしたが、今年はスペイン映画の草分け的な女性製作者マリソル・カルニセロ(ブルゴス)が受賞者でした。1968年にオーディオビジュアル界入り、スタートはスペイン国営テレビTVE、1974年からプログラム編成に従事、セシリア・バルトロメの「Vámonos, Bárbara」で映画デビューした。ガルシア・ベルランガの「国民銃三部作」やピラール・ミロの『クエンカ事件』,ハイメ・チャバリがスペイン内戦中のある家族を描いた「Las bicicletas son para el verano」などを手掛けている。スペイン映画アカデミー創設に尽力、ゴヤ賞1988プロダクション賞を「Cara de acelga」で受賞しているほか、1989年ホセ・ルイス・ガルシア・サンチェスのコメディ「Pasodoble」、1990年ホセフィナ・モリーナの18世紀を舞台にした歴史ドラマ「Esquilache」でノミネートされている。


(フォトコール、3月22日)
◎ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞(昨年はペトラ・マルティネス)
ミゲル・レリャン
★ミゲル・レリャンは1943年テトゥアン市生れ、舞台、映画、TV俳優。テトゥアンはモロッコのスペイン保護領、医師だった父親の赴任地でした。セビリア大学で医学を勉強中に参加していた演劇グループに魅了され、卒業間際に演劇を選択、1965年からスペイン演劇大学で4年間演技を学ぶ。舞台俳優としてスタート、1977年に映画デビューする。ホセ・ルイス・クエルダ、ホセ・ルイス・ガルシ、ハイメ・チャバリ、フェルナンド・コロモ、フェルナンド・フェルナン・ゴメスなどの監督作品の出演が多く、脚本を吟味して出演していることが分かる。「バカンスをとらない」と言われるほど出演作は多い。ゴヤ賞はホセ・ルイス・ボラウの「Tata mía」で助演男優賞を1987年に受賞、公開作品ではカルロス・サウラの『歌姫カルメーラ』や映画祭上映のピラール・ミロの『愛は奪った』などがある。最新作はクエルダ監督の遺作となった2018年の「Tiempo después」がある。最近はTVシリーズ出演にシフトしている。


(フォトコール、3月18日)
◎ビスナガ栄誉賞
カルロス・サウラ
★1932年アラゴン州の県都ウエスカ生れ、90歳と3ヵ月になった。忘れていたわけではないでしょうが、未だ栄誉賞を受賞していなかったのですね。昨年は『だれもが愛しいチャンピオン』のハビエル・フェセル監督でした。どこに行くにも愛用のカメラを手放さないサウラ監督、舞台から参加者をパチリ。「朝目が覚めると、なんてこった、まだ生きてるぞ」とスピーチした。孫世代の監督カルラ・シモンからトロフィーを受け取った。
*主なキャリア紹介は、コチラ⇒2017年11月11日



(プレゼンターはカルラ・シモン監督、ガラは3月20日)
第25回マラガ映画祭2022*受賞結果 ③ ― 2022年05月14日 14:53
金のビスナガ賞は「Cinco lobitos」と「Utama」が受賞

★3年ぶりに恒例の3月開催となったマラガ映画祭、セクション・オフィシアル作品をアップしただけで頓挫、作品紹介もスール賞以下の特別賞も未紹介のまま休眠してしまいました。去る3月27日、マラガ市のセルバンテス劇場で授賞式が開催されました。というわけで受賞結果くらいはと重い腰をあげた次第。最高賞の作品賞〈金のビスナガ〉は、スペイン映画とイベロアメリカ映画に分けて与えられ、それぞれ副賞として10.000ユーロが貰えます。今年はアラウダ・ルイス・デ・アスアの「Cinco lobitos」と、ウルグアイ映画の「Utama」が受賞、ただしアレハンドロ・ロアイサ・グリス監督はボリビア出身です。作品賞以外は銀賞です。セクション・オフィシアルの主な受賞結果は以下の通りです。

(第25回マラガ映画祭の受賞者たち)
◎金のビスナガ(スペイン映画)
Cinco lobitos 製作国スペイン、2022年、104分、監督・脚本アラウダ・ルイス・デ・アスア
★他に監督が脚本賞、ベテランのスシ・サンチェスとライア・コスタが女優賞を受賞しています。初めて母親になったばかりの若いアマイアは、バスクで暮らす両親の元へ帰郷する。ラモン・バレアやミケル・ブスタマンテの男性陣が脇を固めています。

(受賞スピーチをするルイス・デ・アスア監督)

◎金のビスナガ(イベロアメリカ映画)
Utama 製作国ウルグアイ=ボリビア=フランス、2022年、87分、ケチュア語・スペイン語、デビュー作、監督・脚本アレハンドロ・ロアイサ・グリス
★ボリビアの高原を舞台に、旱魃に襲われたケチュアの老夫婦を主人公にして、厳しい人生の岐路に立つ羊飼いの現実が語られる。ボリビアのマルコス・ロアイサ監督が父親、製作者の一人として現地入りしていた。サンティアゴ・ロアイサ・グリシは兄弟。他に監督賞、音楽賞、批評家賞を受賞している。

(左から3人の製作者、フェデリコ・モレイラ、サンティアゴ・ロアイサ・グリシ、
スピーチしているのが監督の実父マルコス・ロアイサ)

◎審査員特別賞(銀賞)
Mi vacío y yo 製作国スペイン、2022年、89分、監督・編集アドリアン・シルベストレ
★アドリアン・シルベストレはバレンシア生れ、オーディオビジュアル情報学、映画監督、現代芸術史をマドリード、ローマやハバナで学ぶ。2016年「Los objetos amorosos」で長編デビュー、セビーリャ映画祭でFIPRESCI国際映画批評家連盟賞を受賞した。本作は第2作目、ロッテルダム映画祭正式出品作品。他にドキュメンタリー「Sedimentos」(21)は、BFIロンドン、サンセバスチャン、マラガ、テッサロニキ、トゥールーズ・スパニッシュ、ほか国際映画祭に出品している。


◎審査員スペシャル・メンション
The Gigantes 製作国メキシコ=米国、2021年、94分、監督ベアトリス・サンチス、脚本はマーティ・ミニッチと共同執筆
★本作はロスアンジェルスやメキシコを舞台にしたロード・ムービー。他に撮影賞を受賞している。監督のベアトリス・サンチスはバレンシア生れ、本作は2014年の「Todos están muertos」に続く第2作目。デビュー作はマラガ映画祭2014審査員特別賞受賞作品、ゴヤ賞新人監督賞にノミネートされている。当時パートナーだったエレナ・アナヤがヒロイン、本作を機に5年間続いた関係を解消している。
*紹介記事は、コチラ⇒2014年04月11日/2015年01月30日

(ベアトリス・サンチス監督)

(メキシコの製作者ロドリゴ・コヨテルと監督、フォトコールにて)
◎監督賞(銀賞)
アレハンドロ・ロアイサ・グリス 「Utama」
★1985年ボリビア生れ、監督、脚本家、製作者。撮影監督としてスタートしたが、2016年からTVシリーズや短編、ビデオ「Laberinto」(17)を発表、今回長編デビューした。父マルコス・ロアイサの「Averno」の製作を手掛けている。

◎女優賞(銀賞)Hotel AC Málaga Palacio
ライア・コスタ & スシ・サンチェス 「Cinco lobitos」
★本作で母と娘を演じている。ライア・コスタは1985年生れ、2012年「Tengo ganas de ti」で映画デビュー、代表作はドイツのゼバスティアン・シッパーのスリラー「Victoria」で主役の家出娘ヴィクトリアを演じた。ベルリン映画祭の銀熊賞ほか国際映画祭のを多数受賞している。東京国際映画祭2015ワールドフォーカス部門に『ヴィクトリア』の邦題でエントリーされた。コスタはシネヨーロッパ賞にノミネート、ガウディ賞、サンジョルディ賞の女優賞を受賞している。カタルーニャ語、仏語、英語ができる。スシ・サンチェスは度々紹介しており割愛。


(金のビスナガ受賞作のシーンから、スシ・サンチェスとライア・コスタ)
◎男優賞(銀賞)
レオナルド・スバラグリア 「Almost in love」(Ámame)アルゼンチン=ブラジル=チリ=オランダ、112分、監督・脚本レオナルド・Brzezicki
★本人欠席のため、特別賞の一つレトロスペクティブ賞受賞のため現地入りしていたメルセデス・モランがトロフィーを受け取った。受賞者は本映画祭とは相性がよく、2017年のマラガ-スール賞、男優賞に続いて3個目をゲット、過去のトロフィーを手にしてビデオ・メッセージに参加した。

(代理でトロフィーを受け取ったメルセデス・モラン)

◎助演女優賞(銀賞)
デボラ・マリア・ダ・シルヴァ 「La madre」(A mae)ブラジル、2021年、87分、ポルトガル語
監督クリスティアノ・ブルラン
★本作はポルトガル語、字幕入りで上映された。物売りをして家庭を支える移民の母親と突然行方不明になった息子の物語、生死の分からない息子を探し回る母親たちのブラジル版。デボラ・マリア・ダ・シルヴァは映画デビューしているが、ブラジルの〈五月の母親たち〉運動の創設者、ガラには欠席している。ブルラン監督は舞台演出家、教授。本作は長編デビュー作だが、短編20数本、ドキュメンタリー、2015年の戯曲4部作「Blanco y negro」を演出、ブラジル・フェスティバルで受賞している。

(左から、製作者イヴァン・メロ、クリスティアノ・ブルラン監督、
出演のダンスティン・ファリアス、フォトコールから )

◎助演男優賞(銀賞)
ニコラス・ポブレテ 「Mensajes privados」チリ、2021年、77分、監督マティアス・ビセ
★コロナウイリス感染によるパンデミックのさなかにリモートで製作されたマティアス・ビセの新作。ニコラス・ポブレテは、今作では脚本にも参加、真実の物語と自伝的なことを独白、精神科医の叔父について妹と一緒に苦しんだ性暴力を非難した。


◎脚本賞(銀賞)
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Cinco lobitos」
★1978年バラカルド生れ、バスク自治州でオーディオビジュアル情報学を学び、後マドリードに移りECAMの映画監督科卒。2005年から数本短編を撮ったのち、今回長編デビューを果たした。

◎音楽賞(銀賞)
セルヒオ・プルデンシオ 「Utama」

(撮影中の監督と3人の主演者)
◎撮影賞(銀賞)
ニコラス・ウォン・ディアス 「The Gigantes」

◎編集賞(銀賞)
ロドリゴ・サケル 「Mensajes privados」
★受賞者は欠席。監督が代理で受け取った。


(左から、製作者アドリアン・ソラル、ビセンタ・ウドンゴ、ニコラス・ポブレテ、
マティアス・ビセ監督、フォトコールから)
★ZONAZINE部門も作品賞(銀賞)は、スペイン映画とイベロアメリカ映画に分かれており、副賞6.000ユーロ、監督賞、女優賞、男優賞、観客賞などがある。特別賞としてマラガ栄誉賞(カルロス・サウラ)、スール賞(現スペイン映画アカデミー会長マリアノ・バロッソ)、レトロスペクティブ賞(アルゼンチンの女優メルセデス・モラン)、マラガ才能賞(ロス・ハビことハビエル・カルボ&ハビエル・アンブロッシ)などが受賞者でした。また〈金の映画〉には、1970年のペドロ・オレアの「El bosque del lobo」が選ばれていました。
続セクション・オフィシアル作品*マラガ映画祭2022 ② ― 2022年03月14日 15:25
*セクション・オフィシアル作品ノミネーション続*
★3年ぶりに3月開催となったマラガ映画祭、ソーシャルディスタンスを守って責任ある準備をして臨むと、総ディレクターのフアン・アントニオ・ビガルは挨拶した。セルバンテス劇場のレッドカーペットにお越しの節は、「必ずマスク着用を」とも付け加えた。記者会見の会場はアルベニス館、開催資金は200万ユーロだそうです。
13)Llegaron de noche スペイン、2021年、107分
監督:イマノル・ウリベ(エルサルバドール1950)、製作:Nunca digas nunca AIE / Bowfinger International Picturas SL / Tornasol SL / 64 A Films SL 脚本:ダニエル・セブリアン、撮影:カロ・べリディ、音楽:バネッサ・ガルデ、編集:テレサ・フォント
キャスト:フアナ・アコスタ、カラ・エレハルデ、カルメロ・ゴメス、フアン・カルロス・マルティネス、アンヘル・ボナニー、エルネスト・コリャソ、ベン・テンプル、ほか多数


14)Lo invisible エクアドル、フランス、2021年、85分
監督:ハビエル・アンドラーデ、製作:Punk SA / La Maquinita / Promenades Films、脚本:Anahi Hoeneisen & ハビエル・アンドラーデ、撮影:ダニエル・アンドラーデ、音楽:マウロ・サマニエゴ & パオラ・ナバレテ、編集:フェルナンド・エプスタイン
キャスト:アナイ・ヘーナイゼンAnahi Hoeneisen、マティルデ・ラゴス、ジェルソン・ゲーラ、パオラ・ナバレテ、フアン・ロレンソ・バラガン、レイディ・ゴメス・ロルダン


15)Mensajes privados チリ、2021年、77分
監督:マティアス・ビセ、製作:Ceneca Producciones、脚本:マティアス・ビセ、ニコラス・ポブレテ、ネストル・カンティジャナ、ビセンタ・ウドンゴ、ベロニカ・インティル、撮影;アントニア・セヘルス、ニコラス・ポブレテ、ネストル・カンティジャナ、アレックス・ブレンデミュール、ほか多数、音楽:[Me llamo] セバスティアン&ロドリゴ・ハルケ、編集:ロドリゴ・サケ
キャスト:アントニア・セヘルス、ニコラス・ポブレテ、ネストル・カンティジャナ、ブランカ・レウィン、ビセンタ・ウドンゴ、アレックス・ブレンデミュール、、ベロニカ・インティル、[Me llamo] セバスティアン




16)Mi vacío y yo スペイン、2022年、89分
監督・編集:アドリアン・シルベストレ、製作:Testamento / PromalfiFuturo / AlbaSotorra SL、脚本:アドリアン・シルベストレ、ラファエレ・ぺレス、カルロス・マルケス=マルセ、撮影:ラウラ・エレロ・ガルバン
キャスト:ラファエレ・ペレス、アルベルト・ディアス、マルク・リベラ、イサベル・ロカティ、カルメン・モレノ、カルロス・フェルナンデス・ジュアGiua


17)Nosaltres no ens matarem amb pistoles (Nosotros no nos mataremos con pistolas)(字幕) スペイン、2022年、85分
監督:マリア・リポル、製作:Un Capricho de Producciones / Turanga Films、脚本:ビクトル・サンチェス&アントニオ・エスカメス、撮影:ジョアン・ボルデラ、音楽:シモン・スミス、編集:フリアナ・モンタニェス
キャスト:イングリッド・ガルシア=ジョンソン、エレナ・マルティン、ロレナ・ロペス、ジョー・マンジョン、カルロス・トロヤ


18)The Gigantes メキシコ、米国、2021年、94分 (字幕)
監督:ベアトリス・サンチス、製作:Animal de Luz Films / Cazador Solitario Films / Cebolla Films / Godius Films / Índice、脚本:ベアトリス・サンチス&マーティ・ミニッチ、撮影:ニコラス・ウォン・ディアス、音楽:アーロン・ルクス、編集:ベアトリス・サンチス、セルヒオ・ソラレス・アルバレス
キャスト:サマンサ・ジェーン・スミス、アンドレア・サット、レヒナ・オロスコ、アナ・ライェブスカ、ペドロ・デ・タビラ・エグロラ


19)Utama ウルグアイ、2022年、87分、デビュー作
監督・脚本:アレハンドロ・ロアイサ・グリシ(ボリビア1985)、製作:Alma Films、撮影:バルバラ・アルバレス、音楽:セルシオ・プルデンシオ、編集:フェルナンド・エプスタイン
キャスト:ホセ・カルシナ、サントス・チョケ、ルイサ・キスペ


★以上7作のうちには、イマノル・ウリベやマリア・リポルのようなベテラン監督が新人監督に混じってノミネートされている。女性監督は5人でした。アウト・オブ・コンペティション部門の2作は次回にまわします。ロベルト・ブエソの「Llenos de gracia」はクロージング作品、カルラ・シモンの「Alcarràs」はベルリン映画祭コンペティション正式出品作品。
第25回マラガ映画祭2022*マラガ映画祭2022 ① ― 2022年03月13日 15:55
セクション・オフィシアル21作品以下のノミネーション発表

★去る3月2日、第25回マラガ映画祭の開催が3年ぶりに以前の3月に戻ってきました(18日~27日)。コロナウイリス感染拡大によりここ2年間は8月開催でした。2月初めから栄誉賞、スール賞など特別賞や目ぼしい作品が雨だれ式に発表になっていましたが、今回全体像が姿を現しました。開催まで1週間もありませんので作品紹介は後追いになります。マラガ映画祭はイベロアメリカ映画の新人の登竜門として出発しましたが、以下で見るようにベテラン勢が入りまじるノミネーションです。セクション・オフィシアル作品21作(うち2作はコンペ外)は以下の通りです(2回に分けてアップ)。

(映画祭総ディレクター、フアン・アントニオ・ビガル、3月2日)
*セクション・オフィシアル作品ノミネーション*
1)Código Emperador (オープニング作品)2022年、スペイン、105分
監督:ホルヘ・コイラ、製作:Vaca Films / Proyecto AIE / Playtime、脚本:ホルヘ・ゲリカエチェバリア、撮影:パブロ・ロッソ、音楽:ハビ・フォント&エルバ・フェルナンデス、編集:サンドラ・サンチェス
キャスト:ルイス・トサール、アレハンドラ・マサングカイ、ヘオルヒナ・アモロス、デニス・ゴメス、ラウラ・ドミンゲス、マリア・ボトー、ほか多数


2)A mae [La madre] (字幕)2021年、ブラジル、87分、ポルトガル語
監督:クリスティアノ・ブルラン、製作:Cup Filmes / Bela Filmes / Filmes da Garoa、脚本:アナ・カロリナ・マリーニュ&クリスティアノ・ブルラン、撮影:アンドレス・S・ブランダオ、音楽:リカルド・ゾルネルZollner&Thiago Lugori、編集:クリスティアノ・ブルラン&レナート・マイア
キャスト:マルセリア・カルタクス、Mawusi Tulani、エレナ・イグネス、ほか多数


3)Almost in Love [Ámame] 2021年、アルゼンチン、ブラジル、チリ、オランダ、112分
監督・脚本:レオナルド・Brzezicki、製作:Ruda Cine / Keplerfilm / RT Features / Quijote Films / Vertigo Films、撮影:ペドロ・ソテロ、音楽:ニコ・カサル、編集:マルタ・ベラス
キャスト:レオナルド・スバラグリア、ミランダ・デ・ラ・セルナ、エバ・リョラチ、イバン・ゴンサレス、アルベルト・アハカ、ロドリゴ・ドス・サントス、ほか多数


4)Cadejo blanco グアテマラ、米、メキシコ、2021年、125分
監督・脚本:Justin Lerner、製作:La Danta Films / Imperative Entertainment / The Orange Company / Cine Caribe、撮影:Roman Kasseroller、音楽:Jonatan Szer、編集:セサル・ディアス
キャスト:カレン・マルティネス、ルドイ・ロドリゲス、ブランドン・ロペス、パメラ・マルティネス、フアン・パブロ・Olyslager、ルドイ・ウィルフレド

5)Canallas スペイン、2022年、98分
監督・脚本:ダニエル・グスマン、製作:Movister Plus / El Niño Producciones / Zircozine / La Canica Films / Joaquin Gonzalez La película、撮影:イボン・アントゥニャノ・トロキカ、音楽:ビセンテ・オルティス・ヒメノ、編集:ミゲル・サンス&パブロ・Marzoetto
キャスト:ホアキン・ゴンサレス、ルイス・トサール、ダニエル・グスマン、エステル・アルバレス、ブレンダ・ゴンサレス、チェマ・ゴンサレス、ビクトル・ルイス、ほか多数


6)Cinco lobitos スペイン、2022年、104分
監督・脚本:アラウダ・ルイス・デ・アスア(バラカルド1978)、製作;Encanta Films / Sayaka Producciones / Buena Pinta Media、撮影:ジョンD.ドミンゲス、音楽:アランサス・カジェハ、編集:アンドレス・ジル
キャスト: ライア・コスタ、スシ・サンチェス、ラモン・バレア、ミケル・ブスタマンテ


7)El test スペイン、2022年、105分
監督:ダニ・デ・ラ・オルデン(バルセロナ1989)、製作:Atresmedia Cine / Warner Bros Entertainment España / Alamo Producciones Audiovisuales、脚本:ジョルディ・バリェホ、撮影:パウ・ムニョス、編集:オリオル・ぺレス
キャスト:ミレン・イバルグレン、アルベルト・サン・フアン、カルロス・サントス、ブランカ・スアレス、アントニオ・レシネス、ルナ・フルヘンシオ


8)La cima スペイン、フランス、2021年、85分
監督:イボン・コルメンサナ、製作:Arcadia Motion Pictures / Dorothy Films / LaZona Producciones / Aixerrota Films / Noodles Production、脚本:ネレア・カストロ、撮影:アルベルト・パスクアル、音楽:パウラ・オラス、編集:ダビ・ガリャルト
キャスト:ハビエル・レイ、パトリシア・ロペス・アルナイス、Kiahan Adhikari、ブランカ・アピラネス、カンディド・ウランガ

9)La maniobra de la tortuga スペイン、アルゼンチン、2022年、103分
監督:フアン・ミゲル・デル・カスティーリョ、製作:La Maniobta de la Tortuga AIE / Aralan Films SL / A Contracorrientes Films SL / Aleph Media、脚本:フアン・ミゲル・デル・カスティーリョ&ホセ・ロドリゲス、撮影:ジナ・フェレール、音楽:ハビ・フォント、編集:マヌ・テルセニョ
キャスト:フレド・タティエン、ナタリア・デ・モリーナ、モナ・マルティネス、ナチョ・マテオ


10)La voluntaria スペイン、ギリシャ、2021年、99分
監督:ネリー・レゲラ、製作:Fasten Films / Bteam Produccionas / Homemade Films、脚本:ネリー・レゲラ、エドゥアルド・ソラ、バレンティナ・ビソ、撮影:アイトル・エチェベリア、音楽:ハビエル。ロデロ・ビリャ、編集:アイナ・カジェハ・コルテ&フリアナ・モンタニェス
キャスト:カルメン・マチ、Hamam Aldraweesh-Almanawer、イチャソ・アラナ、アルナウ・コマス、デリア・ブルファウ、エンリエタ・ラウス、ヨハン・レビー


11)Las niñas de cristal スペイン、2021年、138分
監督:ホタ・リナレス(アルゴドナレス1982)、製作:Netflix España / Federation Spain、脚本:ホタ・リナレス&ホルヘ・ナランホ、撮影:グリス・ジョルダナ、音楽:イバン・パロマレス、編集:ハビG. ペレイロ
キャスト:マリア・ペドラサ、パウラ・ロサダ、モナ・マルティネス、マルタ・ハサスHazas、アナ・ワヘネル、オリビア・バグリビ、フアンホ・アルメイダ


12)Libre アルゼンチン、2021年、120分
監督:Natural Arpajou、脚本:Natural Arpajou&アラン・ニコラス・ゴメス、撮影:ナウエル・スルネク、音楽:エステバン・エル・アス、編集:アンドレス・タンボルニノ
キャスト:エステバン・エル・アス、アラン・ニコラス・ゴメス、ナンシー・ドゥプラ、ガストン・パウルス、リチャード・ワグナー、パロマ・コントレラス、ほか多数

★続いて後半7作とアウト・オブ・コンペティション部門2作をアップします。
第14回ガウディ賞2022*結果発表 ― 2022年03月10日 17:48
世代交代が鮮明になったガウディ賞、若手女性監督が勝利の杯を手にした

★去る3月6日、ガウディ賞の授賞式がバルセロナのカタルーニャ美術館MNACで開催された。昨年もノミネーションを割愛、受賞作品&受賞者をアップしただけでした。ゴヤ賞、フォルケ賞、フェロス賞とは異なり、カタルーニャ映画アカデミーが選考母体、作品賞はカタルーニャ語映画、カタルーニャ語以外の映画に分かれている。後者も他の3賞とは視点が異なり、バルセロナ派のスペイン語映画がノミネートされる傾向にある。従って登壇してトロフィを受け取る顔ぶれも違ってくる。今年はロシアのウクライナ侵攻に反対する青と黄色のリボンを付けている人が目立ち、ノーモア戦争が鮮明の授賞式でした。
★カタルーニャ語作品賞にネウス・バリュスの「Sis dies corrents」(「Seis días corrientes」)、カタルーニャ語以外にはクララ・ロケの「Libertad」(『リベルタード』)が受賞、共に若手女性監督が大賞を制した。前者は作品・監督・主演男優・助演男優・編集の5冠、後者は作品・脚本・主演女優・撮影の4冠と、二人で主要カテゴリーを制した。カロル・ロドリゲス・コラスの「Chavalas」に出演したアンヘラ・セルバンテスが助演女優賞を受賞するなど、若手女性監督が輝いたガウディ賞の夕べでした。バリュス監督の新作は未紹介ですが、ロカルノ映画祭でプレミアしたおり、ヨーロッパシネマ賞や主演・助演男優賞などを受賞、バジャドリード映画祭では銀の麦の穂賞と観客賞、トロント映画祭では「The Odd-Job Men」の英題で出品された。いずれアップを予定しています。

(カタルーニャ語版のポスター)

(ヨーロッパ映画賞を受賞した監督と主演者、ロカルノ映画祭)
★ゴヤ賞では撮影賞にキコ・デ・ラ・リカが受賞しただけのマルセル・バレナの「Mediterraneo」は、プロダクション・オリジナル作曲・視覚効果・観客賞の4賞、ダニエル・モンソンの「Las leyes de la frontera」は、美術・衣装デザイン・メイクアップ&ヘアーの3賞、ゴヤ賞では監督とホルヘ・ゲリカエチェバリアが脚色賞、チェチュ・サルガドが新人男優賞を受賞していた。ほとんどカテゴリーの受賞者が一致しないのが特徴的でした。
*第14回ガウディ賞2022受賞結果*
◎作品賞(カタルーニャ語)
「Sis dies corrents」 監督ネウス・バリュス


(5冠制覇の「Seis días corrientes」チーム)
◎作品賞(カタルーニャ語以外)
「Libertad」(邦題『リベルタード』) 監督クララ・ロケ

(中央がクララ・ロケ監督)

◎監督賞
ネウス・バリュス、「Sis dies corrents」

◎脚本賞
クララ・ロケ、「Libertad」


◎主演女優賞
マリア・モレラ、「Libertad」


◎主演男優賞
モハメド・メラリ、「Sis dies corrents」

(息子と登壇した新人モハメド・メラリ)
◎助演女優賞
アンヘラ・セルバンテス、「Chavalas」

◎助演男優賞
バレロ・エスコラル、「Sis dies corrents」

◎撮影賞
グリス・ジョルダナ、「Libertad」
◎プロダクション賞
アルベルト・エスペル、Kostas Sfakianakis、「Mediterraneo」
◎美術賞 *
バルテル・ガリャル 「Las leyes de la frontera」
◎編集賞
ネウス・バリュス、アリアドナ・リバス、「Sis dies corrents」
◎オリジナル作曲賞
アルナウ・バタジェール、「Mediterraneo」
◎衣装デザイン賞 *
Vinyet Escobar 「Las leyes de la frontera」
◎録音賞 *
ダニエル・フォンロドナ、オリオル・タラゴ、マルク・ビー、マルク・オルス「Tres」
◎視覚効果賞
アレックス・ビリャグラサ 「Mediterraneo」
◎メイクアップ&ヘアー賞 *
サライ・ロドリゲス、ナチョ・ディアス、ベンハミン・ぺレス
「Las leyes de la frontera」

(3冠の「Las leyes de la frontera」のスタッフ、レッド・カーペット)
◎ドキュメンタリー賞
「El retorn:La vida després de l’ISIS」 監督アルバ・ソトラ

◎アニメーション賞
「Mironins」監督ミケル・マス、Txesco Montalt
◎短編映画賞
「Farrucas」 監督イアン・デ・ラ・ロサ

◎TV映画賞
「Frederica Montseuy, la dona que paela」 監督ラウラ・マニャ

◎ヨーロッパ映画賞 *
「Otra ronda」(デンマーク、邦題『アナザーラウンド』)監督トマス・ヴィンターベア

◎観客特別賞
「Mediterraneo」

★ガウディ栄誉賞
撮影監督のトマス・プラデバル・フォンタネ Tomas Pradevall Fontanet、プレゼンターはバルセロナ派を代表するベテラン俳優、ジョセップ・マリア・ポウとメルセ・サンピエトロでした。


(左から、ジョセップ・マリア・ポウ、受賞者、メルセ・サンピエトロ)

★以上が23カテゴリーの受賞者です。観客賞に選ばれた「Mediterraneo」は、バルセロナ出身のオスカル・カンプスが設立した人道支援組織オープン・アームズ NGO Proactiva Open Armsの活動を描いた実話、受賞はほぼ決定しておりました。(*印はゴヤ賞と結果が同じ)
★今年は8月下旬に開催されていたマラガ映画祭が、コロナウイリス以前の3月開催に決定(3月18日~27日)しており、ノミネーションも発表になっている。新作が揃ったマラガ優先にアップしたい。
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