マルティン=カレロの「El llanto」*サンセバスチャン映画祭2024 ④ ― 2024年07月25日 16:21
マルティン≂カレロの「El llanto」―セクション・オフィシアル ②
★セクション・オフィシアルのノミネート2作目、ペドロ・マルティン≂カレロのデビュー作「El llanto」の紹介です。当ブログ初登場の若い監督、1983年バジャドリード生れ、監督、脚本家、撮影監督。音楽産業、広告会社で働く。本作はロドリゴ・ソロゴジェンの共同脚本家としての実績豊富なイサベル・ペーニャと共同で脚本を執筆した。ホラー映画がコンペティションにノミネートされたのは2021年、パコ・プラサが初めてSSIFFに登場した「La abuela」でした。1973年バレンシア生れ、ジャウマ・バラゲロと共同監督した『RECレック』(07)や『エクリプス』(17)などで知名度もあるベテラン監督でしたが、マルティン≂カレロは私たちにとって全く未知の監督、どんなホラーなのでしょうか。
*「La abuela」の紹介記事は、コチラ⇒2021年08月12日
「El llanto / The Wailing」
製作:Caballo Films / Setembro Cine / Tandem Films / Tarea Fina /
Noodles Production / El Llanto AIE 協賛RTVE / プライムビデオ
監督:ペドロ・マルティン≂カレロ
脚本:イサベル・ペーニャ、ペドロ・マルティン≂カレロ
音楽:オリヴィエ・アルソン
撮影:コンスタンサ・サンドバル
編集:ヴィクトリア・ラマーズ
キャスティング:マチルド・スノッドグラス、アランチャ・ベレス
プロダクションデザイン:ホセ・ティラド
美術:ルチアナ・コーン
メイクアップ&ヘアー:(ヘアー)フェデリコ・カルカテリ、ノエ・モンテス、(メイク主任)サライ・ロドリゲス、(特殊メイク)ナチョ・ディアス
プロダクションマネジメント:アルバロ・ディエス・カルボ、ベレン・サンチェス≂ペイナド
製作者:エドゥアルド・ビジャヌエバ、クリスティナ・スマラガ、フェルナンド・デル・ニド、ジェローム・ビダル、イサベル・ペーニャ、ナチョ・ラビリャ、他
データ:製作国スペイン、フランス、アルゼンチン、2024年、スペイン語、サイコ・ホラー、107分、撮影地マドリード、ブエノスアイレス、ラプラタ、期間7週間、資金提供ICAA及びマドリード市議会、配給ユニバーサル・ピクチャーズ、海外販売フィルム・ファクトリー、公開スペイン2024年10月25日、メキシコ10月25日
映画祭・受賞歴:SSIFF2024セクション・オフィシアル正式ノミネート
キャスト:エステル・エクスポシト(アンドレア)、マチルド・オリヴィエ(マリー)、マレナ・ビリャ(カミラ)、アレックス・モネル、ソニア・アルマルチャ、トマス・デル・エスタル、ホセ・ルイス・フェレル、リア・ロイス、クラウディア・ロセト、ラウタロ・ベットニ、ピエール・マルキーユ、他
ストーリー:時間の異なる瞬間に無意識に繋がり、自分たちを超えた脅威に直面する3人の女性のポートレート。何かがアンドレアをストーカーしているが、それを誰も彼女自身でさえも肉眼で見ることはできません。20年前、1万キロ離れた場所で同じ存在がマリーを恐怖させていた。それが何なのかカミラだけが理解できたのだが、誰もそれを信じなかった。その重苦しい脅威に直面したとき、3人は同じ抑圧的な泣き叫んでいるような音を聞きます。
(左から、イサベル・ペーニャ、マルティン≂カレロ監督、エステル・エクスポシト)
★監督紹介:ペドロ・マルティン≂カレロは、1983年バジャドリード生れ、監督、脚本家、撮影監督。マドリード映画学校ECAMで撮影演出を専攻、第1作ビデオクリップ「Blanc」がメディナ・デル・カンポ映画祭2014で審査員賞を受賞、インターネットで注目を集める。受賞は広告制作やロンドンのビデオクリップ制作会社 Blink Productions、バルセロナのCANADAの仕事に役立った。
(審査員賞の受賞スピーチをする監督、メディナ・デル・カンポFF2014ガラ)
*主なフィルモグラフィー紹介は以下の通り:
2008年「5 segundos」短編13分、撮影。監督ジャン・フランソワ・ルゼ
2010年「Impares」TVシリーズ28話、脚本
2010~11年「Impares premium」TVシリーズ10話、脚本
2016年「Julius Caesar: Shakespeare Lives」短編3分、英語、監督
2017年「You Are Awake」短編4分、英語、監督、脚本、撮影
2017年「The Weeknd: Secrets」ミュージックビデオ3分、英語、監督
2018年「Who Stole the Cup?」ビデオ3分、英語、監督
2024年「El llanto」長編デビュー作、107分、監督、脚本(共同)
★脚本共同執筆者のイサベル・ペーニャ(サラゴサ1983)は、ロドリゴ・ソロゴジェンのデビュー作「Stockholm」(13)以来、SSIFF2016コンペティション部門ノミネートの『ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件』(16、審査員賞)、同2018の「El reino」(ゴヤ賞オリジナル脚本賞)、同2022ペルラク部門の『ザ・ビースト』(公開タイトル『理想郷』)、他にベネチア映画祭2019オリゾンティ部門の『おもかげ』を監督と共同で脚本を執筆している。マルティン≂カレロとの接点は、マドリードの映画学校ECAMの同窓生、彼女もTVシリーズ「Impares」の脚本を17話執筆している。
*イサベル・ペーニャのキャリア&フィルモグラフィーは、コチラ⇒2019年07月19日
(オリジナル脚本賞のトロフィーを手にしたイサベル・ペーニャ、ゴヤ賞2019ガラ)
★音楽を担当したオリヴィエ・アルソンは、1979年パリ生れ、ペーニャと同様『ゴッド・セイブ・アス マドリード~』、『ザ・ビースト/理想郷』、他にカルロタ・ペレダの「PIGGY」(22)などを手掛けている。製作者の一人エドゥアルド・ビジャヌエバは脚本家でもあり、TVシリーズの「Impares」や「Impares premium」の脚本を執筆している。ソロゴジェンの「Stockholm」、『おもかげ』、『ザ・ビースト/理想郷』をプロデュースしている。クリスティナ・スマラガ(1990)は、ビクトル・エリセの新作『瞳をとじて』のほか、アグスティン・ディアス・ヤネスの『アラトリステ』(06)とイシアル・ボリャインの『ザ・ウォーター・ウォー』(10)でそれぞれゴヤ作品賞を受賞しているスペインを代表する女性プロデューサーである。
★キャスト紹介:主役のアンドレアを演じたエステル・エクスポシト(マドリード2000)は、女優、モデル。人気TVシリーズ『エリート』(18~20、24話)のカルラ・ロソン役で人気に火がついた。映画デビューはミゲル・アンヘル・ビバスの「Tu hijo」(18、『息子のしたこと』)にホセ・コロナドと共演している。しかしジャウマ・バラゲロのヒット作「Venus」(22)でゴーゴーダンサーに扮してホラー映画デビューを果たした。今回の抜擢にも繋がったようです。2023年フォトグラマス・デ・プラタ(映画部門)女優賞を受賞。
(アンドレア役のエステル・エクスポシト、フレームから)
★共演者マリー役のマチルド・オリヴィエ(パリ1994)はフランスの女優、モデル、製作者。代表作はジュリアス・エイヴァリーのホラーSF『オーヴァーロード』(18米国、プライムビデオ)、TVシリーズのスリラー『1899』(22、8話Netflix)のクレマンス役。もう一人の共演者カミラ役のマレナ・ビリャ(ブエノスアイレス1995)は、アルゼンチンの女優、歌手、作曲家。代表作はサンセバスチャン映画祭2015でマルコ・ベルヘル監督がセバスチャン賞を受賞した「Mariposa」、彼女も銀のコンドル新人賞にノミネートされた。実話をベースにしたルイス・オルテガの『永遠に僕のもの』(18、公開19)、フアン・シュニットマンの「Rompiente」(20)、サンティアゴ・フィロルのホラーミステリー「Matadero」(22)など。若手アレックス・モネル、ソニア・アルマルチャやトマス・デル・エスタルのベテランが脇を固めている。
(マリー役のマチルド・オリヴィエ、フレームから)
(カミラ役のマレナ・ビリャ、フレームから)
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://aribaba39.asablo.jp/blog/2024/07/25/9704221/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。