アマ・エスカランテ新作”La región salvaje”*ベネチア映画祭2016 ①2016年08月04日 16:37

        アマ・エスカランテ―カンヌからベネチアへ鞍替えしました

 

     

 

★前回、パブロ・ララインの初英語映画Jackieをご紹介しました。他のオフィシャル・セレクション部門には、アマ・エスカランテLa región salvaje(メキシコ、デンマーク)、マリアノ・コーン&ガストン・ドゥプラットEl ciudadano ilustre(アルゼンチン、西)、クリストファー・マーレイEl Cristo ciego(チリ、仏)、合わせて4作がノミネーションされました。昨年、「フロム・アファー」(“Desde allá”)で金獅子賞を受賞したベネズエラのロレンソ・ビガスが審査員の一人に選ばれ、彼自身も画家だった父親オスワルド・ビガスを語ったドキュメンタリーEl vendedor de orquídeas(ベネズエラ、メキシコ)が特別上映されることになりました。

ロレンソ・ビガス金獅子賞受賞の記事は、コチラ⇒201588921109

 

  

         (金獅子賞受賞のロレンソ・ビガス、2015年授賞式にて)

 

★オフィシャル・セレクション部門の審査員は、委員長がサム・メンデス、他キアラ・マストロヤンニローリー・アンダーソンジョシュア・オッペンハイマーなど女性軍が5人、若いシネアストが目立ちます。昨年はベネチア映画祭に縁の深いメキシコのアルフォンソ・キュアロンが委員長、パブロ・トラペロ「ザ・クラン」(“El cran”)で監督賞受賞と結果的に有利に働いた印象を与えました。今年の審査委員長サム・メンデスは、イギリスの映画監督、デビュー作『アメリカン・ビューティー』でアカデミー監督賞、またローレンス・オリヴィエ賞を受賞している舞台演出家でもある。ボンド・シリーズ『007スカイフォール』や『007スペクター』も撮っている。ハビエル・バルデムが初の悪役を演じた後者では、今までの悪役には見られなかった複雑な人格設定が、彼の好演技とあいまって話題を呼びました。それにしてもバルデムのメイクアップは本人とは思えませんでした。 

        

             (アマ・エスカランテのポスター)

 

     オリゾンティ部門にラウル・アレバロの監督デビュー作がノミネーション

 

★オリゾンティOrizzonti に、「監督になるために、まず俳優から映画界に入った」と語っていたラウル・アレバロのデビュー作Tarde para la ira(スペイン)、ガストン・SolnickiKékszakallú(アルゼンチン)の2本が選ばれました。前者は「期待できるスペイン映画2016」でキャスト、物語、監督キャリアなどを大雑把にご紹介したスリラーです。後者のタイトルはハンガリー語で「青ひげ」、バルトーク・ベーラの1幕物オペラ「青ひげ公の城」(1911作曲)からインスピレーションを受けているようです。それだけで興味が湧いてきます。Solnicki(ソルニッキー?)の長編第2作、まだ詳細が検索できていません。

Tarde para la ira”の紹介記事は、コチラ⇒2016226

 

        

            (ラウル・アレバロの“Tarde para la ira”)

 

★映画祭開催中(831日~910日)に受賞に絡みそうな作品をアップしていきます。サンセバスチャン映画祭の全体像も明らかになりましたので、時間の許すかぎり追い追いアップしていきます。