映画国民賞受賞のマリア・サモラ*サンセバスチャン映画祭2024 ㉗ ― 2024年09月26日 15:31
製作者マリア・サモラに映画国民賞2024の授与式

(受賞者マリア・サモラ)
★9月21日タバカレラで、2024年の映画国民賞の授与式がありました。受賞者マリア・サモラ(バレンシア1976)は、カルラ・シモンや今年のセクション・オフィシアル審査委員長を務めるハイオネ・カンボルダなど、インディペンデント映画中心の作品を手掛けています。6月に受賞がアナウンスされていましたが、映画部門の授与式はサンセバスチャン映画祭と決まっており、副賞は30.000ユーロです。選考母体はスペイン文化スポーツ教育省とスペイン映画アカデミーで、今回のプレゼンターはエルネスト・ウルタスン文化相でした。
*マリア・サモラのキャリア&フィルモグラフィーは、コチラ⇒2024年06月16日

(マリア・サモラとエルネスト・ウルタスン文化相)
★21日からコンペティション部門、その他の第1回目の上映が始まり、海外勢を含めた国内の監督、製作者、俳優がレッドカーペットに登場しました。これまで作品紹介をしてきましたチームを中心にフォトをアップします。まずは審査員メンバーから。
*キャリア紹介は、コチラ⇒2024年09月21日

(審査委員長スペインの監督ハイオネ・カンボルダ)

(審査員アルゼンチンの作家レイラ・ゲリエロ)

(審査員アメリカの俳優フラン・クランツ)

(審査員ギリシャの監督クリストス・ニク)

(審査員フランスの製作者キャロル・スコッタ)

(審査員オーストリアの監督ウルリヒ・ザイドル)
★セクション・オフィシアル出品作、イシアル・ボリャインの「Soy Nevenka / I’m Nevenka」のチーム

(女優ミレイア・オリオル、監督、俳優ウルコ・オラサバル、9月21日)

(ボリャイン監督、共同脚本執筆者イサ・カンポ)
★セクション・オフィシアル出品作、「Conclave」のエドワード・ベルガー監督

★セクション・オフィシアル特別上映、カンヌ映画祭総代表のティエリー・フレモーのドキュメンタリー「Lumiere!, L’aventure continue」(16、『リュミエール!』)のチーム

(ティエリー・フレモーとエグゼクティブプロデューサーのマエル・アルノー)
★オリソンテス・ラティノス部門、「El jockey / Kill The Jockey」の監督と出演者たち

(ルイス・オルテガ監督)

(左から、ウルスラ・コルベロ、ナウエル・ぺレス・ビスカヤート、オルテガ監督、
マリアナ・ディ・ジロラモ)
現地入りしたシネアストたちのフォト集*サンセバスチャン映画祭2024 ㉘ ― 2024年09月27日 16:31
★9月22日、サンセバスティアンは今日も晴れ、セクション・オフィシアル出品のピラール・パロメロの「Los destellos」、アウト・オブ・コンペティションのパウラ・オルティスの「La virgen roja」、フランソワ・オゾンの「Cuand vient l’automne」、日本から製作者の小寺剛雄が現地入りした黒沢清のセルフリメイク作品『蛇の道』チームのフォトコールです。
★セクション・オフィシアル出品作品、ピラール・パロメロの「Los destellos」のチーム、製作者フェルナンド・ボバイラ、バレリー・デルピエールも参加しました。

(ピラール・パロメロ監督、プレス会見)

(主役パトリシア・ロペス・アルナイス、フォトコール)

(アントニオ・デ・ラ・トーレ)

(マリナ・ゲロラ)

(フリアン・ロペス)

(左側ボバイラ、4人目パロメロ、右側バレリー・デルピエール)
★アウト・オブ・コンペティションのパウラ・オルティスの「La virgen roja」のチーム、賞には絡みませんがナイワ・ニムリ、アイシャ・ビリャグラン、アルバ・プラナス、パトリック・クリアドなどが参加しました。

(パウラ・オルティス監督)

(ナイワ・ニムリ)

(今年の映画国民賞を受賞した製作者マリア・サモラ、プレス会見)

(パトリック・クリアド、アイシャ・ビリャグラン、監督、アルバ・プラナス、ナイワ・ニムリ)
★セクション・オフィシアル出品作品、フランソワ・オゾンの「Cuand vient l’automne」のチーム、貫禄充分の主演女優、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサン、キッコーマン醤油のシャツを着たピエール・ロティンが現地入りしました。

(フランソワ・オゾン監督、プレス会見)

(映画同様仲良く手をつないだジョジアーヌ・バラスコとエレーヌ・ヴァンサン)

(左ピエール・ロティン、中央がオゾン監督)
★セクション・オフィシアル出品作品、黒沢清の『蛇の道』のメンバー、監督以下日本人キャストは不参加なのかフォトは入手できず、フランスサイドから主役を演じたダミアン・ボナールと製作者レナン・アルトゥクマッチ、日本サイドの小寺剛雄プロデューサーが参加しました。

(恒例のサインをする小寺剛雄プロデューサー)

(レナン・アルトゥクマッチ、ダミアン・ボナール、小寺剛雄、フォトコール)
アルモドバルのドノスティア栄誉賞ガラ*サンセバスチャン映画祭2024 ㉙ ― 2024年09月29日 17:21
アルモドバルにドノスティア栄誉賞――プレゼンターはティルダ・スウィントン

★9月26日(木)クルサール・ホール、ペドロ・アルモドバルのドノスティア栄誉賞ガラが、スペイン首相ペドロ・サンチェス夫妻も出席して賑々しく行われました。受賞者は前日25日が75歳の誕生日だった由、サンセバスチャン映画祭に初めて参加したのは44年前、デビュー作『ペピ、ルシ、ボンと他大勢の娘たち』がニュー・ディレクターズ部門にノミネートされたときでした。そして今年、第81回ベネチアFFの金獅子賞を受賞したばかりの「The Room Next Door / La habitación de al lado」がセレモニーの後上映されました。本作は東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門にラテンビート共催作品として『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』の邦題で上映されます。

(左から、首相夫人ベゴーニャ・ゴメス、ペドロ・サンチェス首相、
ペドロ・アルモドバル、ティルダ・スウィントン、SSIFF2024ガラ、9月26日)
★プレゼンターはラ・マンチャの監督が英語で長編を撮った『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』の主役の一人を演じたティルダ・スウィントン、彼女はジャン・コクトーの戯曲に基づいた短編『ヒューマン・ボイス』にも主演している。最後にスペインサイドの共演者、フアン・ディエゴ・ボット、ラウル・アレバロ、メリナ・マシューズ、ビクトリア・ルエンゴも登壇して、受賞者を祝福しました。もう一人の主演者ジュリアン・ムーアは残念ながら不参加でした。プレゼンターはアルモドバルの映画について「人間的な親しみのこもった慰めをあたえ、私たちが必要としているときに私たちを明るくし」、「私たちを虜にし、楽しませ、感動させ、ほぼ半世紀を分かち合ってきた。そして終りの兆しが感じられない」と称揚した。


(トロフィーにキスするラ・マンチャの監督)


(お祝いのスピーチをするティルダ・スウィントン)
★受賞者は開口一番、会場に夫人を同伴して出席していたサンチェス首相に「文化を支援するためにここに来ていただき本当にありがとう」とまず感謝を送った。こう挨拶されては支援しないわけにいかないです。「私の映画を際立たせるものがあるとすれば、それは登場人物たちが享受している自由であり、自由がなければ人生は生きる価値がない」と語った。便箋4~5枚手にしていたから長い受賞スピーチだった。「私のような年齢でドノスティア賞を貰うのは終着を意味するかもしれない。これまでの行程のご褒美かもしれないが、私はそう思っていない。私にとって映画は、祝福か呪詛か、休むことなく脚本を書き監督すること以外の人生は考えられないし、仮にそれが酷い作品だったとしても作り続けるつもりだ、何故ならその反対は空っぽだからだ」とスピーチし、これからも映画を作り続けることが自分の命であり、映画なしの人生はあり得ないことを強調した。

(左から、ラウル・アレバロ、メリナ・マシューズ、受賞者、ビクトリア・ルエンゴ、
フアン・ディエゴ・ボット、ティルダ・スウィントン)
★ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアが主演する新作について「憎しみのメッセージが支配する現実において、私の映画はその反対です。共感、寄り添い、助け合うことを提案しています」と、かつてのキャバレー・アーティスト、危険を怖れずメロドラマを撮りつづけるアルモドバルは、これから上映される新作のほのめかしをした。
★1970年代に徒手空拳でマドリードにやってきた映画界の異端児の本祭登場は、先述したように1980年の『ペピ、ルシ、ボンと他大勢の娘たち』、その後セクション・オフィシアルに『セクシュリア』(82)、アウト・オブ・コンペティションに『私の秘密の花』(95)、1993年には「アルモドバルの夕べ」という特集が組まれている。またドノスティア栄誉賞のプレゼンター役で、1996年アル・パチーノ、2004年ウディ・アレン、2008年愛弟子アントニオ・バンデラスにトロフィーを手渡すためにやってきている。

★さらにメイド・イン・スペイン部門で『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、『トーク・トゥ・ハー』(02)、『バッド・エデュケーション』(04)、『ボルベール〈帰郷〉』(06)、『抱擁のかけら』(09)、『アイム・ソー・エキサイテッド!』(13)、『ジュリエッタ』(16)、『ペイン・アンド・グローリー』(19)が上映されている。因みに本賞は1986年から始まっており、スペインの受賞者としては8人目、受賞順に1999年フェルナンド・フェルナン=ゴメス、2001年パコ・ラバル、2008年アントニオ・バンデラス、2013年カルメン・マウラ、2019年ペネロペ・クルス、2023年ビクトル・エリセ、同ハビエル・バルデムです。
★ガラの司会者はバスク自治州ビスカヤ出身のエネコ・サガルドイ(1994)、バスク語とスペイン語で進行役を務めた。サガルドイは『アルツォの巨人』でゴヤ賞2018新人男優賞を受賞している、俳優、製作者、最近バスク語で短編「Betiko gaua / The Eternal Night」を監督、マラガ映画祭2023短編部門にノミネートされた。

(司会者エネコ・サガルドイ)
★ドノスティア栄誉賞ガラのフォト集(クルサール・ホールにて)

(右から2人目、ペドロ・サンチェス首相夫妻、会場にて)

(受賞者とティルダ・スウィントン)



(メリナ・マシューズ)


(ビクトリア・ルエンゴ)

(フアン・ディエゴ・ボット)

(ラウル・アレバロ)

(『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』のスタッフ&キャスト、
制作会社エル・デセオのアグスティン・アルモドバル、エステル・ガルシアを交えて)
*『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』の記事は、コチラ⇒2024年06月18日
*『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』のきじは、コチラ⇒2023年05月04日
*『ヒューマン・ヴォイス』の記事は、コチラ⇒2020年08月16日
*『ペイン・アンド・グローリー』の記事は、コチラ⇒2019年04月22日
*『ジュリエッタ』の記事は、コチラ⇒2016年02月19日
*『アイム・ソー・エキサイテッド』の記事は、コチラ⇒2013年09月21日
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