ケイト・ブランシェットのドノスティア栄誉賞ガラ*サンセバスチャン映画祭2024 ㉖ ― 2024年09月25日 17:59
ブランシェットにドノスティア栄誉賞―プレゼンターはアルフォンソ・キュアロン
★9月21日、ドノスティア栄誉賞2024の受賞者ケイト・ブランシェットのドノスティア栄誉賞の授与式がクルサール・ホールでありました。プレゼンターは、イギリスと米国の合作のTVミニシリーズ「Disclaimer」(24、7話)でタッグを組んだメキシコのアルフォンソ・キュアロン(クアロン)、受賞者の「厳格さと卓越した演技」を称賛しました。
(ハグしあうケイト・ブランシェットとアルフォンソ・キュアロン)
★ケイト・ブランシェット(メルボルン1969)は、紹介するまでもなくオーストラリアを代表するオスカー女優、主演女優賞(『ブルージャスミン』13)と助演女優賞(『アビエイター』04)と受賞、ノミネートは主演した『エリザベス』(98)、『エリザベス ゴールデン・エイジ』(07)、『キャロル』(15)、『TAR ター』(22)など4回、助演も含めると合計6回、IMDbによると合計218賞、288ノミネートとあり、今後も増え続けるでしょう。2022年から始まった国際ゴヤ賞の第1回受賞者でもあり、因みにプレゼンターはペドロ・アルモドバルとペネロペ・クルスでした。アルモドバルも今回のドノスティア栄誉賞二人目の受賞者、授与式は26日の予定です。
*ブランシェットの国際ゴヤ賞受賞の記事は、コチラ⇒2022年02月13日
★「海外で仕事をするオーストラリアの女性として、多くの国境を越えて世界中を旅するという光栄に浴してきました。そして文化的、映画的な国境も超えた、この素晴らしく活気に満ちたバスクの映画祭で、この賞を受け取るのは名誉なことです」と感謝した。キュアロン監督のプレゼンに感謝し、自分を多くの場所に運んでいったキャリアは、折衷的で奇妙なものだと分析した。ただ共通するのは「知りたいという願望」であり、人間であることが何を意味するのか知りたいということです。私たちのようにものを作るのが仕事である場合、疑問や不確実性は付きまといます。謙虚に認めねばなりません。「私は知りません、だから学びに来ました」と言わねばなりません。性急に答えを見つけることには反対です。知らないことが私の一部になり、少しずつ理解が始まります。「知りたいという欲求」で旅は続きます。
(受賞スピーチをするケイト・ブランシェット)
ケイトを泣かせたジョージ・クルーニー、ビデオ祝辞はサプライズ!?
★ビデオ出演でヴェネチアから祝福を送ったのは、友人で共演者でもあったジョージ・クルーニーでした。「私はあなたを監督し、共演する幸運に恵まれました。周りの人たち皆に幸せをもたらしました。私はあなたの友人であることを誇りに思います」と。さらに演技を芸術レベルに高めたパフォーマーの一人だと称賛、マーロン・ブランド、キャサリン・ヘプバーン、モンゴメリー・クリフト、ジャック・ニコルソン、かつてのドノスティア栄誉賞受賞者でもあるメリル・ストリープとロバート・デ・ニーロの名前を挙げ、「ケイト、あなたもその一員になりました」と語りました。「私もそこへ行きたかったのですが行けません。今、ヴェネチアにいて飲んでいます。おまけにズボンを履いていません。しかし、もしズボンを履いてヴェネチアで飲んでなかったら、そこで一緒に乾杯したでしょう」とユーモアたっぷりに称賛した。涙で目張りが崩れるのを気にしながら「ファッキング・ジョージ!」とやっと一言お返ししました。
(ズボンを着用していないクルーニーの祝賀ビデオに涙するブランシェット)
★授与式の司会を務めたのは女優のマルタ・エトゥラでした。「卓越性とリスクに取りくむ」演技者、「メッセージを持った、強い女性で献身的な複雑なキャラクターに命を吹き込んだ」と称賛した。またフェミニズム、移民問題、母国オーストラリアの先住民に関連したプロジェクトの演出&製作を手掛けていることを強調した。米アカデミー以下の3桁に及ぶ受賞歴の紹介、多くの監督に愛され、例えばマーティン・スコセッシ、テレンス・マリック、スティーブン・ソダーバーグ、リドリー・スコット、サリー・ポッター、ウディ・アレン他を次々に列挙して、女優の幅広い活躍を称揚した。
(受賞者を称賛するマルタ・エトゥラ)
★ガラの後、ブランシェットの最新作となるコメディ・ホラー「Rumours」(24、カナダ=独=米合作)が上映された。カナダのガイ・マディン、エヴァン・ジョンソン、ゲイレン・ジョンソンのトリオが監督している。カンヌ映画祭2024でプレミアされ、映画祭巡りをしている。
(中央がケイト・ブランシェット、ポスター)
★ケイト・ブランシェットのドノスティア栄誉賞関連のフォト集
(現地入りしたケイト・ブランシェット、出迎えた総ディレクター)
(恒例のサインをする)
(ファンサービスも怠りなく・・・)
(アルフォンソ・キュアロンとのツーショット)
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