ハビエル・バルデムのドノスティア栄誉賞授与式*サンセバスチャン映画祭2024 ㉕ ― 2024年09月23日 17:43
ハビエル・バルデム――1年遅れのドノスティア栄誉賞授与式
★9月20日、第72回サンセバスチャン映画祭が開幕しました。進行役の司会者はスペインを代表するコメディアン、アンドレウ・ブエナフエンテとベルト・ロメロのご両人、昨年ベロドロモ部門で上映されたTVシリーズ「El otro lado」(6話)の共演者、登壇早々舌戦をたたかわせて会場を沸かせました。もう一人がバスク出身の女優バルバラ・ゴエナガが、ユーモアに満ちた援護射撃でプレゼンターのミッションを果たしました。
(進行役のベルト・ロメロ、アンドレウ・ブエナフエンテ、バルバラ・ゴエナガ)
★セレモニーには昨年のドノスティア栄誉賞受賞者の一人、ハビエル・バルデムへの1年遅れの授与式、ヨルゴス・ランティモスの『哀れなるものたち』の国際映画批評家連盟賞FIPRESCI 2024 の授与式、スペインのウォルト・ディズニー・スタジオの総ディレクターマヌエル・ムロが登壇して、ブラジルの批評家エラ・ビッテンコートからトロフィーを受け取りました。またセクション・オフィシアルの審査委員長ハイオネ・カンボルダ以下審査員紹介、オープニング作品、フランスのオドレイ・ディヴァンの新作「Emmanuelle」の出演者ノエミ・メルラン、ウィル・シャープ、チャチャ・ホアン、ジェイミー・キャンベル・バウアーなどの紹介、上映などがありました。
★スペイン7人目となるドノスティア栄誉賞2023の受賞者ハビエル・バルデムの登壇は、拍手と歓声が鳴りやみませんでした。キャリア&フィルモグラフィー紹介は既に昨年アップ済みですが、背後のスクリーンに次々に映し出される『ハモンハモン』、『ペルディーダ』、『ライブ・フレッシュ』、『月曜日にひなたぼっこ』『海を飛ぶ夢』、『ノーカントリ―』、『007スカイフォール』、『ラビング・パブロ』、「El buen Patrón」エトセトラに、貰うのが遅すぎたのではないかと思うほどでした。
*ハビエル・バルデムのキャリア&フィルモグラフィーは、コチラ⇒2023年06月09日
(祝福する姉モニカ、兄カルロスとバルデム3姉弟)
★彼の本祭での受賞歴は、1994年にイマノル・ウリベの『時間切れの愛』とゴンサロ・スアレスの「El detective y la muerte」の2作により銀貝男優賞を受賞しただけで、これは大方の予想を裏切るサプライズ受賞でした。マリサ・パレデスからトロフィーを受け取ったまま「ありがとう」以外感涙でスピーチができず、そのまま会場の歓声に見送られて退場してしまったのでした。この前代未聞の映像が今夜も流れて、会場の拍手喝采を浴びていました。
★登壇したときから涙だった女優の姉モニカ・バルデム、作家で俳優の兄カルロス・バルデム、そしてプレゼンターは、受賞者の演技指導の師フアン・カルロス・コラッツァでした。1959年アルゼンチンのコルドバ出身の演出家兼演技指導者、1990年にスペインのアンダルシア演劇センターに招かれて来西、マドリードに演劇学校を設立、以来スペインで活動している。本校の優等生の一人バルデムに「ハビエル、芸術は社会を豊かにするために不可欠という信念をもって、芸術の壊れやすく神秘的な思潮への君の献身に、ありがとう」と断言しました。
(フアン・カルロス・コラッツァ、ハビエル)
★俳優の仕事は「真実と誠実さに関係がある」と教えてくれた恩師に感謝し、自分を見いだしてくれた今は亡きビガス・ルナ監督と女優だった母親ピラール・バルデムに、最後に会場にいる妻ペネロペ・クルス、二人の子供たちレオとルナにトロフィーを捧げました。姉弟3人抱き合って涙ナミダの退場でした。
(涙が止まらないペネロペ・クルス)
★以下、9月20日オープニング当日のフォト集
(FIPRESCI賞、マヌエル・ムロとエラ・ビッテンコート)
(コンペティション部門の審査委員長カンボツダ以下審査員、右から3人目が監督)
(開幕作品「Emmanuelle」のオドレイ・ディヴァン監督以下出演者たち
左から2人目が監督、レッドカーペットでのフォトコール)
(現地入りしたハビエル・バルデム)
(恒例のサインをするバルデム)
(ペネロペ・クルスと赤絨毯に登場したバルデム)
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