フォト集 ②*サンセバスチャン映画祭2022 ㉓2022年10月02日 14:20

         ラテンアメリカ諸国から現地入りしたシネアストたち

 

★フォト集②はラテンアメリカからやってきたシネアストたちの特集。多分新型コロナウイルス以前より多かったのではないでしょうか。セクション・オフィシアルのセバスティアン・レリオ(チリ)、ペルラス部門のサンティアゴ・ミトレ(アルゼンチン)やアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(メキシコ)、ホライズンズ・ラティノ部門のアンドレス・ラミレス・プリド(コロンビア)、キューバのパベル・ジルーとカルロス・レチュガ、マリアノ・ビアシン(アルゼンチン)、ナタリア・ベリスタイン(メキシコ)、ほか多くが現地入りしました。

 

サイコスリラーThe Wonder」(英語)がセクション・オフィシアルにノミネートされたセバスティアン・レリオは、主役の少女アンナ・オドネルを演じたキラ・ロード・キャシディほかと現地入り、少女はすっかり背丈が伸びてしいました。

     

               

        (監督とキラ・ロード・キャシディ、フォトコール)

   

   

(セバスティアン・レリオ監督とキラ・ロード・キャシディ、922日フォトコール)

 

ペルラス部門上映のサンティアゴ・ミトレの「Argentina1986」の一行は、監督以下主演のリカルドダリンピーター・ランサニ、製作者の一人チノ・ダリン、ほか大勢で現地入りしました。ベネチア映画祭では金獅子賞は逃したが、FIPRESCI賞、カトリックメディア協議会(SIGNIS)賞オナラブル・メンションを受賞していた。SSIFFではサンセバスティアン市観客賞を受賞、Gala RTVE部門のセスク・ゲイのアクション・コメディ「Histirias para no contar」に出演、EUSKO LABEL賞を受賞して未だ滞在していたチノ・ダリンが受け取った。

 

  

                         (サンティアゴ・ミトレ監督)

   

   

          (リカルドダリンとピーター・ランサニ)

   

  

(やはり人気の高いチノ・ダリン)

 

メキシコのアレハンドロ・G・イニャリトゥの「Bardo, Falsa cronica de una cuantas verdades」(『バルド、偽りの記録と一握りの真実』で東京国際映画祭上映)の一行は、監督以下主演のダニエル・ヒメネス=カチョグリセルダ・シチリアーニアンドレス・アルメイダが参加しました。

『バルド、偽りの記録と一握りの真実』の作品紹介は、コチラ20220908

 

     

     

     (左から、グリセルダ・シチリアーニ、監督、ダニエル・ヒメネス=カチョ

       アンドレス・アルメイダ)

        

ホライズンズ・ラティノHL部門にノミネートされたUn Varónファビアン・エルナンデス(コロンビア)は、製作者のマヌエル・ルイス・モンテアレグレほかと現地入りしました。

    

    

             (ファビアン・エルナンデス監督)

   

  

     (マヌエル・ルイス・モンテアレグレと監督、923日プレス会見)

 

HL部門のマリアノ・ビアシンSublime(アルゼンチン)のクルーも、監督ほか主役のマルティン・ミラー、エグゼクティブプロデューサーのフアン・パブロ・ミラーが参加しました。マルティン・ミラーは製作者の息子のようです。開催前から第10セバスティアン・ラティノ賞の受賞が決まっていました。

     

 

         (マリアノ・ビアシン監督)

 

    

    (左から、製作者フアン・パブロ・ミラー、監督、マルティン・ミラー、921日)

      

   

  (マルティン・ミラー 922日のプレス会見)

 

HL部門のアナ・クリスティナ・バラガンの「La piel pulpo」(エクアドル)のクルーは、監督と女性スタッフの参加でした。

     


                       (アナ・クリスティナ・バラガン監督)

    

      

        (アナ・クリスティナ・バラガン監督、923日プレス会見)

 

HL部門のアンドレス・ラミネス・プリドの「La jauria」(『ラ・ハウリア』で東京国際映画祭上映)には、監督と主役のジョジャン・エスティベン・ヒメネスの二人が現地入りした。何らかの賞に絡むと予想しましたが外れました。今年は勝率15%?です。

『ラ・ハウリア』の作品紹介は、コチラ20220825

       

        

  (アンドレス・ラミレス・プリドとジョジャン・エスティベン・ヒメネス、923日)

 

HL部門ノミネートの「El caso Padilla」(キューバ)は、パベル・ジルー監督が918日に現地入り、翌日上映後プレス会見に臨んだ。

 

      

          (パベル・ジルー監督)

 

   

                (パベル・ジルー、919日)

 

HL部門ノミネートの:Vicenta B.」(キューバ)は、カルロス・レチュガ監督、ビセンタ・ブラボ役のリネット・エルナンデス・バルデスが参加、レチュガ監督は在住しているバルセロナからの参加。

 

    

 (カルロス・レチュガ監督、リネット・エルナンデス・バルデス)

   

      

                 (918日、満員の会場で)

 

HL部門ノミネート、スペイン協同賞受賞の「Ruido / Noise」(メキシコ)は、ナタリア・ベリスタイン監督、本作の主役を演じた実母フリエタ・エグロラ、製作者のカルラ・モレノマリア・ホセ・コルドバが現地入り、ガラでは製作者の二人が登壇した。

  

   

(宿泊ホテルのマリア・クリスティナで寛ぐ監督と女優フリエタ・エグロラ、919日)

 

HL部門ノミネート、期待していたマヌエラ・マルテッリの「1976」は、監督ほかが参加、本作は第35回東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品されます。

作品紹介は、コチラ20220913

    

   

          (マヌエラ・マルテッリ監督、922日)

 

HL部門にノミネートされたコスタリカ映画がオリソンテス賞受賞した。監督バレンティナ・モーレルの「Tengo sueños eléctricos」はデビュー作。

    

  

           (バレンティナ・モーレル監督、920日)

        

ニューディレクターズ部門ニカラグア映画の「La hija de todas las rabias」には、ラウラ・バウマイスター監督が参加。

   

   

             (ラウラ・バウマイスター監督、918日)

   

フォト集落穂ひろい*サンセバスチャン映画祭2022 ㉔2022年10月04日 15:02

       ベロドロモ部門、サバルテギ-タバカレラ部門の人気シネアスト集合

 

★今回は3000人収容の大型スクリーンで観られるベロドロモ部門はアップしませんでしたが、カルメン・マウラやカルメン・マチが共演するパコ・レオンの「Rainbow」、アリアドナ・ヒル主演の「Black is Beltza IIAinhoa」などが上映された。両カルメンは奇抜な衣装でファンを楽しませました。サバルテギ-タバカレラ部門上映のカルラ・シモンの「Carta a mi madre para mi hija」、カルロッタ・ペレダの「Cerdita」にはカルメン・マチやピラール・カストロなどが出演、揃って現地入りして、パパラッチの要望に応えていました。フランスのルイ・ガレルの「L'innocent」、セクション・オフィシアルのピラール・パロメロの「La maternal」やペトル・ヴァーツラフの「Il Boemo」、フェルナンド・フランコの「La consagración de la primavera」、その他、「Walk Up」のホン・サンスのクルー、ニューディレクターズ部門『なぎさ』の古川原壮志のフォトなどアップしておきます。

 

ベロドロモ部門、上映日の18日はパパラッチも大忙しでした。パコ・レオンの「Rainbow」は、既に『レインボー』のタイトルでNetflix 配信が開始されています(930日)。一種の群像劇ということで出演者も多く、カルメン・マウラカルメン・マチは映画と同じ奇抜な衣装で参加、ドラに扮したドラ・ポスティゴルイス・ベルメホなど宣伝を兼ねて大勢で参加していました。レオン監督の実母カルミナ・バリオスロッシ・デ・パルマも脇役で出演していますが不参加でした。歌手のドラ(2004)はディエゴ・ポスティゴと今は亡きビンバ・ボゼーの長女、本作がデビュー作。父親がバルバラ・レニーと再婚したので、義理の母親になり、近く弟か妹かが生まれる。

 

       

            (ドラの愛犬トトを抱くパコ・レオン監督)

 

      

                        (悪女役が似合うカルメン・マウラ)

 

   

       (カルメン・マチ、監督、カルメン・マウラ、9月18日フォトコール)

 

        

 (母親探しの旅に出る子供でも大人でもない16歳のドラ役ドラ・ポスティゴ)

   

       

         (偶然旅の道連れになる役柄になったルイス・ベルメホ)

 

ベロドロモ部門、フェルミン・ムグルサのアニメーション「Black is Beltza IIAinhoa」のグループも監督以下主役アイノアのボイスを担当したアリアドナ・ヒルアントニオ・デ・ラ・トーレマネックス・Fuchsイツィアル・イトゥニョダルコ・ペリックゴルカ・オチョアほか大勢が参加しました。

 

     

          (一堂に会した出演者とスタッフ、923日フォトコール)

 

    

    (フェルミン・ムグルサ監督)

   

         

              (ホテル入りするアリアドナ・ヒル)

 

          

                         (アントニオ・デ・ラ・トーレ)

 

       

              (イツィアル・イトゥニョ)

 

セクション・オフィシアルSO部門、20ピラール・パロメロの「La maternal」、カルラ・キレス主演俳優賞を受賞した。他にアンヘラ・セルバンテスクラウディア・ダルマウ

 

   

    (ピラール・パロメロ監督、920日)

 


   (少女の母親を演じたアンヘラ・セルバンテス、カルラ・キレス、監督)

   

 

                  (カルラ・キレスとクラウディア・ダルマウ)

 

SO部門、フェルナンド・フランコの「La consagración de la primavera」には、監督以下エンマ・スアレスバレリア・ソローリャテルモ・イルレタが参加した。

    

    

        (フェルナンド・フランコの監督とエンマ・スアレス、921日)

   

      

  (脳性麻痺の青年を演じたテルモ・イルレタ)

 

        

        

     (バレリア・ソローリャ、テルモ・イルレタ、監督、エンマ・スアレス)

 

 

SO部門、ミケル・グレアの「Suro」は、バスク映画イリサル賞FIPRESCIを受賞した。地元ということもあって大勢で参加していました。

 

   

          (ミケル・グレア監督、919日プレス会見)

 

     

(ヴィッキー・ルエンゴ、フォトコール)

 

   

 (左から、Ilyass El Ouahdani、ヴィッキー・ルエンゴ、ポル・ロペス、監督)

 

 

SO部門、ペトル・ヴァーツラフの「Il Boemo」(チェコ)には、監督以下ヴォイチェフ・ダイクエレナ・ラドニッチラナ・ブラディバルバラ・ロンキ5名が参加。

 

    

                       (ペトル・ヴァクラフ監督、919日)

 

  

  (バルバラ・ロンキ、エレナ・ラドニッチ、ヴォイチェフ・ダイク、ラナ・ブラディ)

 

SO部門、ホン・サンスの「Walk Up」は、監督以下、主演のクォン・ヘヒョチョ・ユンヒーソン・ソンミ4人が現地入りした。

 


          (ホン・サンス監督、9月22日フォトコール)

 

     

                        (クォン・ヘヒョ)

 

  

              (チョ・ユンヒー)

  

      

     (ソン・ソンミ)

 

 

サバルテギ-タバカレラ部門では作品紹介はしませんでしたが、カルラ・シモンの「Carta a mi madre para mi hija」とカルロッタ・ペレダの「Cerdita」が人気でした。後者にはカルメン・マチピラール・カストロラウラ・ガラン・モンティハノクラウディア・サラスパコ・イダルゴチェマ・デル・バルコ、など総勢14人が参加していました。

 

   

(カルラ・シモン監督、920日)

 

   

(シモン監督とマリア・サモラ)

   

 

  

        (カルロッタ・ペレダ監督とラウラ・ガラン・モンティハノ、919日)

      

   

       (ピラール・カストロ、監督、ラウラ・ガラン、カルメン・マチ)

 

ペルラス部門、ルイ・ガレルの「L'innocent」には、ノエミ・メルランが参加、イサキ・ラクエスタの「Un año una noche」にも主演して人気を博していた。

   

   

(ルイ・ガレルとノエミ・メルラン、マリア・クリスティナ・ホテルのバルコニー)

  

   

     (豪華な衣装と美脚でレッドカーペットに登場したノエミ・メルラン)

  

    

(舞台挨拶をするルイ・ガレル、919日)

 

ペルラス部門、ロドリゴ・ソロゴジェンの「As Bestas / The Beastas」の一行は、監督の専属脚本家のようなイサベル・ペーニャ、スペイン・サイドの出演者ルイス・サエラディエゴ・アニドが参加した。

 

        

             (ロドリゴ・ソロゴジェン監督、918日レッドカーペット)

   

  

(左から、ディエゴ・アニド、監督、イサベル・ペーニャ、ルイス・サエラ、フォトコール)

 

  

ニューディレクターズND部門、マリア・エロルサの「A los libros y alas mujeres canto」は、イリサル賞スペシャル・メンションを受賞した。監督と製作者のマリアン・フェルナンデス・パスカルが参加、賞に絡むと予想していたのが当たりました。

    

     

        (マリア・エロルサ監督とマリアン・フェルナンデス、922日)

 

ND部門の「Secaderos / Tobacco Barns」のロシオ・メサが、ドゥニャ・アヤソ賞を受賞した。本賞は急逝した女性監督ドゥニャ・アヤソの名に因んでいる。異論もあるでしょうが対象は女性監督です。

 

          

     (ロシオ・メサ監督、922日ガラ)

   

     

       (アダ・マル・ルピアニェスとロシオ監督、918日プレス会見)

 

ND部門、『なぎさ』の古川原壮志のフォトも入手、プロデューサーの明里麻美(アカリ・マミ)と現地入りした。『百花』や『宮松と山下』のグループ、短編部門のネストを合わせると、今年は日本からの参加者も多かった。

   

    

      (古川原壮志監督、922日)

 

     

            (監督と明里麻美、923日フォトコール)

  

カルロス・ベルムトの『マンティコア』*東京国際映画祭2022 ②2022年10月08日 16:05

       カルロス・ベルムトの第4作目『マンティコア』はスリラードラマ

 

       

 

カルロス・ベルムトの第4作目『マンティコア』は、コンペティション部門上映、既にトロント映画祭 tiff でワールドプレミアされました。スペインではシッチェス映画祭でプレミアされ、東京国際映画祭 TIFF にもやってきます。当ブログでは3作目の『マジカル・ガール』(14)と4作目の『シークレット・ヴォイス』(18)を紹介しています。

『マジカル・ガール』の主な作品紹介は、コチラ20150121

『シークレット・ヴォイス』の主な作品紹介は、コチラ20190313

 

 『マンティコア』(原題「Manticora」英題「Manticore」)

製作:Aquí y Allí Films / BTeam Pictures / Crea SGR / Punto Nemo / ICAA / Movistar/ RTVE / TV3

監督・脚本:カルロス・ベルムト

撮影:アラナ・メヒア・ゴンサレス

編集:エンマ・トゥセル

キャスティング:マリア・ロドリゴ

プロダクション・デザイン&美術:ライア・アテカ

セット:ベロニカ・ディエス

衣装デザイン:ビンイェット・エスコバル

メイクアップ&ヘアー:ヘノベバ・ガメス(メイク部主任)、アイダ・デル・ブスティオ(ヘアー)

プロダクション・マネジメント:ララ・テヘラ(主任)、ラウラ・ガルシア

製作者:ペドロ・エルナンデス・サントス(Aquí y Allí Films)、アレックス・ラフエンテ(BTeam Pictures)、ロベルト・ブトラゲーニョ、アマデオ・エルナンデス・ブエノ、アルバロ・ポルタネット・エルナンデス、(エグゼクティブ)ララ・ぺレス=カミナ、アニア・ジョーンズ

 

データ:製作国スペイン、スペイン語、2022年、スリラードラマ、115分、撮影地マドリード、カタルーニャ州、20215月~7月、ICAA 2020の選考委員会の最高評価を受け製作資金を得る。配給 BTeam Pictures、国際販売フィルム・ファクトリー、スペイン公開114

映画祭・受賞歴:トロント映画祭2022コンテンポラリー・ワールド・シネマ部門でワールドプレミア913日、オースティン・ファンタスティック・フェスト923日、BFIロンドン映画祭105日、シッチェス映画祭(カタルーニャ国際ファンタスティックFF107日、東京国際映画祭コンペティション部門正式出品1026

  

キャスト:ナチョ・サンチェス(フリアン)、ゾーイ・スタイン(ディアナ)、カタリナ・ソペラナ、ビセンタ・ンドンゴ、イグナシオ・イサシ(スンマ医師)、ミケル・インスア、ハビエル・ラゴ、アンヘラ・ボア、ジョアン・アマルゴス、パトリック・マルティノ、アレバロ・サンス・ロドリゲス(クリスティアン)、アルベルト・オーセル(ラウル)、アランチャ・サンブラノ(外傷学の医師)、チェマ・モロ(警官)、アイツベル・ガルメンディア(サンドラ)ほか多数

    


                 (ディアナとフリアン)

 

ストーリー:フリアンはビデオゲーム会社のデザイナーで、ゲーマーが好むモンスターやクリーチャーを作成している。内気なフリアンは或る暗い秘密に悩まされているのだが、彼の人生にディアナが現れたことで一筋の光を目にする。現代の愛と私たちのなかに住んでいる本物のモンスターについての神秘的な物語、フリアンのトラウマは恐ろしい強迫観念として現れる。

 

                愛し、愛されることの重要性

 

カルロス・ベルムト(本名Carlos López del Rey):1980年マドリード生れ、監督、脚本家、撮影監督、漫画家、製作者。マドリードの美術学校でイラストレーションを学び、日刊紙エル・ムンドのイラストレーターとしてスタートした。2006年、最初のコミックEl banyan rojo が、バルセロナ国際コミックフェアで評価された。長編映画デビューはミステリーコメディ「Diamondo flash」(11)、第2作がサンセバスチャン映画祭2014の金貝賞受賞の『マジカル・ガール』、監督賞とのダブル受賞となった。第3『シークレット・ヴォイス』(原題「Quién te cantará」)もサンセバスチャンFF2018コンペティション部門にノミネートされたが、フェロス・シネマルディア賞受賞に止まった。翌年のフェロス賞ではポスター賞を受賞している。

    

        

       (金貝賞のトロフィーを手にしたカルロス・ベルムト、SSIFF 2014ガラ)

 

4作目となる『マンティコア』はSSIFFにはノミネートされなかった。「現実に私たちのなかに棲んでいる本物のモンスターについての物語です。地下鉄やパン屋の行列のなかに紛れ込んでいます。また愛し愛されることの重要性が語られます」とベルムト。ホラー映画が初めてサンセバスチャン映画祭セクション・オフィシアルにノミネートされたことで話題を集めたパコ・プラサの「La abuela」(21)の脚本を執筆している。数々の受賞歴のある短編映画3作、短編ビデオ1作、コミック3作、うち2012年刊行されたCosmic Dragon は、鳥山明の『ドラゴンボール』のオマージュとして描かれた。

 

      

 

スタッフ紹介:メインプロデューサーのペドロ・エルナンデス・サントスは、アントニオ・メンデス・エスパルサの「Aquí y Allí」(邦題『ヒア・アンド・ゼア』)を製作するために立ち上げた「Aquí y Allí Films」の代表者。『マジカル・ガール』以下の3作をプロデュースしている。「非の打ち所がなく容赦ないカルロス・ベルムトのような監督の映画をプロデュースすることは常に喜びですが、本当に贅沢なことです」とエルナンデス・サントス。

 

BTeam Pictures のプロデューサーアレックス・ラフエンテは、イサキ・ラクエスタの『二筋の川』、ピラール・パロメロのデビュー作『スクール・ガールズ』や新作「La maternal」を手掛けている。「カルロス・ベルムトの視点で語られる本作は、最初の瞬間から私たちの心を動かす」とラフエンテ。撮影監督のアラナ・メヒア・ゴンサレスは、カルラ・シモンやルシア・A・イグレシアスなど受賞歴のある短編を十数本手掛けてきたが、今回本作で長編デビューを果たした。続いてSSIFF 2022のドゥニャ・アヤソ賞を受賞したロシオ・メサの「Secaderos / Tobacco Barns」も担当、この後も多くの監督からオファーを受け引っ張り凧です。他、スタッフは概ねバルセロナ派で固めている。

 

キャスト紹介:フリアン役のナチョ・サンチェスは、1992年アビラ生れ、舞台出身の演技派、2018年、演劇界の最高賞と言われるマックス賞を弱冠25歳で受賞している。ホルヘ・カントスの短編「Take Away」(16)や「Solo sobrevivirán los utopistas」(18)他、フアン・フランシスコ・ビルエガの「Domesticado」(18)、TVシリーズに出演したのち、2019ダニエル・サンチェス・アレバロSEVENTEENセブンティーンで長編映画にデビューした。つづいてアチェロ・マニャスの「Un mundo normal」(20)に出演、直近のTVシリーズとしては「Doctor Portuondo」(21630分)にキューバの名優ホルヘ・ぺルゴリアと共演している。

ナチョ・サンチェスの紹介記事は、コチラ20190921

  

       

   

                        (マックス賞授賞式、2018年)

 

★ディアナ役のゾーイ・スタインは、本作が長編映画デビューとなる。2011年、パウ・テシドルの短編ファンタジー・ホラー「Leyenda」で10歳の少女役でデビューする。カタルーニャ語のTVムービー、ラモン・パラドのコメディ「Amics per sempre」(17)に出演、TVシリーズでは201921年の「Merli. Sapere Aude」(1650分)に5話出演、「La caza.Monteperdido」(2470分)に8話出演、2023年から第1シーズンが始まるスリラー「La chica invisible」(8話)には主役フリアに抜擢され、ダニエル・グラオと父娘を演じる。最初ディアナ役にはクララ・ヘイルズがアナウンスされていたが変更されたようです。

 

   

      

                           (フレームから)

 

★タイトルに使われた「マンティコア」は、スフィンクスと同じように伝説上の生き物、人間のような顔、ライオンのような胴体、有毒な針をもつサソリのような尾があり、ペルシャ語で〈人喰い〉を意味する人面獣マルティコラスからきている。アリストテレスの『動物誌』にはマルティコラスと正しくあったのを写本でマティコラスと誤記され、それをプリニウスが『博物誌』に採用したため誤記のまま後世に広まった。ラテン語マンティコラmanticora、邦題『マンティコア』は英名manticoreのカナ表記。

   

     

             (ベルムト監督が描いたマンティコラ)



アルベルト・セラの『パシフィクション』*東京国際映画祭2022 ③2022年10月13日 16:26

        ワールド・フォーカス部門――ラテンビート映画祭共催作品

 

       

 

★ワールド・フォーカス部門には、第19回ラテンビート映画祭 IN TIFFとして、コロンビア映画アンドレス・ラミレス・プリドの『ラ・ハウリア』(スペイン語)、同時上映のアルゼンチンからルクレシア・マルテルの短編『ルーム・メイド』(12分)、ポルトガル語映画ジョアン・ペドロ・ロドリゲスジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタの『この通りはどこ? あるいは、今ここに過去はない』とロドリゲスの『鬼火』、今回アップするアルベルト・セラ『パシフィクション』(仏語・英語)がエントリーされています。

 

★『パシフィクション』は、カンヌ映画祭2022コンペティション部門ノミネート作品、批評家からは絶賛されましたが、万人受けする映画でないことは確かです。カンヌ以降数々の映画祭で上映されていますが、目下のところデータベースを探す限り受賞歴はないようです。当ブログでは第75回カンヌ映画祭でアウトラインはアップ済みですが、TIFF とラテンビート共催作品ということで改めてご紹介します。スペイン・プレミアはサンセバスチャン映画祭メイド・イン・スペイン部門で上映されました。

カンヌ映画祭2022の記事は、コチラ20220610

   

    

(左から、パホア・マハガファナウ、ブノワ・マジメル、セラ監督、モンセ・トリオラ、

 カンヌ映画祭2022526日フォトコール)

 

 

『パシフィクション』(原題「Tourment sur les iles」 英題「Pacifiction」)

製作:Andergraund Films / Arte France Cinéma / Institut Catala de les Empreses Culturals ICEC / ICAA / Rosa Films / Rádio e Televisao de Portugal RTP / Tamtam Film / TV3

監督・脚本:アルベルト・セラ

撮影:アルトゥール・トルト(トール)

編集:アリアドナ・リバス、アルベルト・セラ、アルトゥール・トルト

音楽:マルク・ベルダゲル

音響:ジョルディ・リバス

プロダクション・マネジメント:Eugénie Deplus、クラウディア・ロベルト

製作者:マルタ・アルベス、ピエール=オリヴィエ・バルデ(仏)、ダーク・デッカー、ジョアキン・サピニョ(葡)、アンドレア・シュッテSchütte、アルベルト・セラ、(エグゼクティブ)モンセ・トリオラ(仏)、ローラン・ジャックマン、エリザベス・パロウスキー、ほか

 

データ:製作国フランス=スペイン=ドイツ=ポルトガル、フランス語・英語、2022年、スリラードラマ、165分、配給Films Boutique、公開スペイン(バルセロナ、マドリード)、アンドラ、フランス(119日)

映画祭・受賞歴:カンヌ映画祭2022コンペティション部門、エルサレムFF 国際映画部門、北京FF、香港FF、トロントFF、ミュンヘンFF、サンセバスチャンFFメイド・イン・スペイン部門BFI ロンドンFF、ニューヨークFF、釜山FF、リガFFゲントFFTIFF、ほか

 

キャスト:ブノワ・マジメル(ド・ロレール De Roller)、セルジ・ロペス(モートン)、リュイス・セラー(ロイス)、パホア・マハガファナウ(シャナ)、モンセ・トリオラ(フランチェスカ)、マルク・スジーニ(ラミラル)、マタヒ・パンブルン(マタヒ)、セシル・ギルベール(ロマネ・アティア)、バティスト・ピントー、マイク・ランドスケープ、マレバ・ウォン、アレクサンドル・メロ、ミヒャエル・ヴォーター、ラウラ・プルヴェ、ローラン・ブリソノー、サイラス・アライ、ほか

 

ストーリー:フランス領ポリネシアのタヒチ島で、共和国高等弁務官を務めるフランス政府高官のド・ロレールは、完璧なマナーを備えた計算高い人物である。公式のレセプションでも非合法な機関でも同じように、彼は地元住民の意見に耳を傾けることを怠らず、いつ何時でも彼らの怒りをかき立てることができるようにしています。そして非現実的な存在の潜水艦の目撃が、フランスの核実験再開を告げる可能性があるという根強い噂が広まるときには尚更です。不確実性、疑惑、不作為、フェイクニュースが蔓延する政治スリラー。

 

       

      (リネンの白ジャケットで身を固めたブノワ・マジメル、フレームから)

 

★前作『リベルテ』よりもストーリーテリングに重きをおいて少しは親しみやすくなっているようですが、正統的な物語システムとは異なっているようで、逆により複雑になっている印象をうけます。「類似作品を見つけることは不可能」と批評家、困りますね。カンヌでは165分の長尺にもかかわらず、上映後のオベーションは7分間と、批評家やシネマニアには受け入れられましたが、万人受けでないことは明らかでしょう。フランスで小説家として成功して故郷に戻ってきた女性との奇妙なロマンスも語られるようですが、エロティシズムは潜在的、前作『リベルテ』とは打って変わってセックスシーンはスクリーンから除外されている。予告編から想像できるのは、何の対策も持ち合わせていない政治家たちを批判しているようです。タイトルとは異なり不穏な雰囲気が漂っている。

 

       

   


   

★監督紹介:1975年カタルーニャのジローナ県バニョラス生れ、監督、脚本家、製作者、舞台演出家。2003年、故郷ジローナ県の小村クレスピアを舞台にアマチュアを起用したミュージカル「Crespia」(84分)で長編デビューをする。2006年、第2『騎士の名誉』がカンヌFF と併催の「監督週間」で上映され、批評家の注目を集める。2009年からガウディ賞に発展するバルセロナ映画賞カタルーニャ語作品賞・新人監督賞受賞、トリノFF脚本賞他、ウィーンFFFIPRESCI 賞などを受賞する。2008年の『鳥の歌』(モノクロ、カンヌ監督週間)は、名称が変わった第1回ガウディ賞のカタルーニャ語部門の作品賞と監督賞を受賞した。2010年コメディ「Els noms de Crist」(仮題「キリストの名前」ロッテルダムFF2012出品)、2011年ドキュメンタリー『主はその力をあらわせり』2013年、女性遍歴のすえ最後の日々を送るカサノヴァと不死を生きるドラキュラの出会いを退廃と暴力で描いた『私の死の物語』(ロカルノFF)で金豹賞を受賞し、大きな転機となる。

 

      

              (金豹賞のトロフィーを手にした監督、ロカルノ映画祭2013

 

2016『ルイ14世の死』(カンヌ特別招待作品)は、シネフォリア映画賞グランプリ以下、ジャン・ヴィゴ賞、エルサレムFFインターナショナル作品賞など数々の国際映画賞を受賞した。201711月、監督を招いて開催された広島国際映画祭で「アルベルト・セラ監督特集」が組まれ本作と『鳥の歌』、引き続きアテネ・フランセ文化センターでは、『騎士の名誉』、『私の死の物語』にドキュメンタリをー加えた5作が上映された。翌2018年の劇場公開(526日シアター・イメージフォーラム)に先駆けて、「〈21世紀の前衛〉アルベルト・セラ お前は誰だ!?」(19日~25日)と銘打ったセラ特集上映会が開催され、ドキュメンタリーを含む過去の4作が同館でレジタル上映された。監督は会期中に再び来日している。

  

     

   (ジャン・ヴィゴ賞受賞のセラ監督)

 

2019『リベルテ』(原題「Liberaté138)は、カンヌ映画祭「ある視点」にノミネートされ、特別審査員賞を受賞した他は、ガウディ賞、シネフォリオ映画賞、モントリオールFF、ミュンヘンFFともノミネートに止まった。前年2月、ベルリンのフォルクスビューネ劇場で、セラ自身の演出で初演されたものがベースになっている。晩年のヴィスコンティが寵愛したヘルムート・バーガーが両方に主演している。本作に出演者のうちマルク・スジーニ、リュイス・セラー、ラウラ・プルヴェ、バティスト・ピントー、モンセ・トリオラなどが新作と重なっている。なお邦題は、20203月アンスティチュ・フランセ関西でR16の制限付きで上映されたときに付けられた。

 

『私の死の物語』の紹介記事は、コチラ20130825

『リベルテ』作品紹介&監督フィルモグラフィーは、コチラ20190425

 

★セラの全作品を手掛けるモンセ・トリオラは、カタルーニャ出身のプロデューサー、女優でもある。制作会社 Andergraund Films の代表者。女優としてはセラのデビュー作「Crespia」以下、『騎士の名誉』、『鳥の歌』、「キリストの名前」、『私の死の物語』、『リベルテ』、『パシフィクション』に出演、新作では故郷に戻ってきた作家を演じるようです。「ヨーロッパには、アングロサクソン諸国とは違って、他国との共同製作の伝統があり、弱小のプロジェクトにとっては大変働きやすい」と語っている。下の写真は『リベルテ』がノミネートされたガウディ賞2020のフォトコール、衣装デザイナーのローザ・タラットが衣装賞を受賞した。

    

     

 (左から、モンセ・トリオラ、セラ監督、ローザ・タラット、ガウディ賞2020ガラ)

 

★チケット発売は1015日と目前ですが、ラテンビート2022のサイトは Coming soon です。

『ザ・ウォーター』エレナ・ロペス・リエラ*東京国際映画祭2022 ④2022年10月17日 10:54

    「ユースTIFFティーンズ」にエレナ・ロペス・リエラの『ザ・ウォーター』

 

     

 

★ユース部門には「チルドレン」と「ティーンズ」があり、エレナ・ロペス・リエラ『ザ・ウォーター』がエントリーされた後者は、主に高校生に観てもらいたい映画から選んでいるそうです。『ザ・ウォーター』が高校生を対象にしている作品とは思いませんが、取りあえず字幕入りで観られるのを歓迎したい。TIFFの「ひと夏の瑞々しい青春映画」という紹介文の是非は問いませんが、世代を問わない佳作であるのは間違いない。カンヌ映画祭と併催の「監督週間」でワールドプレミアされ、トロント、サンセバスチャン、ヘルシンキ、チューリッヒなど各映画祭をめぐってTIFFにやってきます。

   


         

★当ブログでは、サンセバスチャン映画祭2018サバルテギ-タバカレラ部門で上映され、スペシャル・メンションを受賞した短編ドキュメンタリー「Los que desean」(24分)を簡単に紹介しています。本作はヨーロッパ映画賞にノミネートされ、ロカルノ映画祭で短編部門(パルディ・ディ・ドマーニ)の作品賞パルディノ・ドールPardino dOro)を受賞した彼女の代表作です。

Los que desean」の紹介は、コチラ20180801

 

  

        (パルディノ・ドールのトロフィーを手にした監督、ロカルノFF 2018

 

 

                                       (短編「Los que desean」のフレームから)

  

 

 『ザ・ウォーター』(原題「El agua」英題「The Water」)

製作:ALINA FILMS (スイス)/ Les Films du Worso(フランス)/ Suica Films(スペイン)

監督:エレナ・ロペス・リエラ

脚本:エレナ・ロペス・リエラ、フィリップ・アズリー 

撮影:ジュゼッペ・トルッピ

編集:ラファエル・ルフェーブル

音楽:Mandine Knoepfel

録音:カルロス・イバニェス、マチュー・ファルナリエ、ドニ・セショー

プロダクション・デザイン:ミゲル・アンヘル・レボーリョ

メイクアップ:カトリーヌ・ジング

製作者:ユージニア・ムメンターラー、ダビ・エピニー

 

データ:製作国スイス=フランス=スペイン、2022年、スペイン語、ドラマ、105分、イクスミラ・ベリアク(Ikusmira Berriak20182019年カンヌFFシネフォンダシオンのCNC 賞受賞、撮影地バレンシア州アリカンテ県オリウエラ、配給スペインElastica Films、公開スペイン114

映画祭・受賞歴:カンヌ映画祭「監督週間」ゴールデンカメラ賞ノミネート、以下トロントFF、サンセバスチャンFFタバカレラ賞ノミネート、ヘルシンキFF、オウレンセFF、トゥルーズ・シネエスパーニャFFノミネート、チューリッヒFFゴールデンアイ賞ノミネート、東京国際映画祭ユース TIFF ティーンズ部門、ストックホルムFF、など。

 

キャスト:ルナ・パミエス(アナ)、バルバラ・レニー(母親イザベル)、ニエベ・デ・メディナ(祖母)、アルベルト・オルモ(ボーイフレンド、ホセ)、イレネ・ぺリセル、ナヤラ・ガルシア、他

 

ストーリー:スペイン南東部の小さな村では、夏には暴風雨により村の近くを流れる川が再び氾濫する怖れがあります。昔からの言い伝えによると、一部の女性たちは「内部に水」をもっているため、新たな洪水が起きるたびに姿を消す運命にあると、長いあいだ信じられています。死の臭いが漂う村で、アナは村人の不信の視線を感じながら母親と祖母と暮らしています。若者のグループがタバコを吸ったり、踊ったり、羽目を外して夏の倦怠感を克服しようとしています。嵐に先だつこの刺激的な雰囲気のなかで、アナはホセに恋をするのですが、同時にファンタズマを吹き飛ばすために闘うことになるだろう。若い女性の覚醒とレジスタンスが語られる。(文責:管理人)

 

    

                  (アナ役ルナ・パミエスと母親役のバルバラ・レニー)

   

          

                                            (アナと祖母役のニエベ・デ・メディナ)

  

     

                  (アナとボーイフレンドのホセ役アルベルト・オルモ)

 

エレナ・ロペス・リエラ監督紹介:1982年アリカンテ県オリウエラ生れ、ビジュアルアーティスト、監督、脚本家、女優。バレンシア大学で視聴覚コミュニケーション学の博士号を取得、その後ジュネーブ大学、マドリードのカルロスⅢ大学で学ぶ。2008年からスイスに転居、パリとジュネーブに在住、ジュネーブ大学で映画と比較文学を教えている。セビーリャ・ヨーロッパ映画祭、スイスのVisions du Réelのプログラマーを務め、 2017年から選考委員会のメンバーである。2021年サバルテギ-タバカレラ部門の審査員を務めた。新しい視聴覚機器の研究と実験をめざすアーティスト集団 lacasinegra の共同創設者の一人。「私の芸術的実践の主な目的は、動画を通して、男性と女性、現実と幻想、ドキュメンタリーとフィクションなど、学習され伝達され、繰り返される概念の境界を越えること」と語る監督は、カンヌのインタビューでは「言い伝えが現実と一体化して、誰もそれを切り離すことができない」と語っている。

 

★フィルモグラフィー:2015年、短編「Pueblo」(27分)がカンヌ映画祭「監督週間」にノミネートされ、スペインの最初の女性監督となった。2016年、第2作目となる「Las vísceras」(英題「The entrails16分)、「はらわた」というタイトルの本作は監督の故郷を舞台にしたドキュメンタリー、ロカルノ映画祭短編部門に正式出品された。第3作目が上記のドキュメンタリー「Los que desean」(英題「Those Who Lust24分、スイスとの合作)である。長編デビュー作『ザ・ウォーター』は、サンセバスチャンFFのイクスミラ・ベリアク2018に選ばれ、REC Grabaketa Estudioaを得る。さらに2019年カンヌFFのシネフォンダシオンCNCを取得して『ザ・ウォーター』の製作資金となった。因みに一緒に受賞したのが『悲しみに、こんにちは』(17)の監督カルラ・シモンで、彼女の第2作目「Alcarras」(22)の製作資金となった。

    

   

                    (エレナ・ロペス・リエラとカルラ・シモン)

 

★本作はスペイン南東部、オレンジとタバコ栽培が主産業の監督の生れ故郷、〈ヨーロッパで最も汚染された川の一つ〉と言われるセグラ川が流れるベガ・バハ・デル・セグラで撮影された。現実と幻想の境界が混在する小さな村で、視聴者は17歳のアナに出会います。ここでは川は常に死と関わり合っており、母親は最近の洪水で行方不明になっていた。プロフェッショナルな俳優は母親役のバルバラ・レニーと祖母役のニエベ・デ・メディナ以外は、アナ役のルナ・パミエス以下すべてアマチュアだそうです。監督の母親や従姉たちも出演しているということです。ニエベ・デ・メディナ(マドリード1962)は、フェルナンド・レオン・デ・アラノアの『月曜日にひなたぼっこ』でルイス・トサールと夫婦役を演じ、シネマ・ライターズ・サークル賞やACE賞の助演女優賞、スペイン俳優組合新人・助演女優賞などを受賞しているベテラン演技派です。監督が信頼を寄せる撮影監督ジュゼッペ・トルッピはデビュー作以来、全作を手掛けている。


  

      

               (撮影中の監督、カウンターの中に見えるのがルナ・パミエス)

 

★劇中で語られる水にまつわる伝説を信じている女性たちによって同じように育てられたという監督は、「恐怖を植え付ける方法はいくらでも存在します。レイプされるから夜は外出するな、アルコールは飲むな」、つまりレイプされるのは女性が夜歩きしたり飲酒をしたせいだという論法です。娘への愛から発したことも暴力になり得る。このような負の遺産は女性たちの心の中に内面化していくが、「母親や祖母たちもその考え方の犠牲者だ」と語る監督は、物語を3世代の女性に焦点を当てた理由を述べている。また映画製作の動機を「晩御飯のメニューを話しながら、祖母が医者に行く代わりに民間療法師に頼る話をする、二つに違いはなく、言い伝えと現実が混然一体となっているのが日常」だったことをあげている。昔話や占星術、宗教を必要とする人々が存在するのは普遍的です。

 

     

   

             (サンセバスチャン映画祭でインタビューをうける監督、918日)

 

★「女性蔑視の社会で育った私は、今の10代の若者とは違って、自分のことを恥ずかしく思っていて、ほとんど前屈みで過ごした。マッチョ文化の悪影響は女性に限らず男性にとっても不幸です。幸い今の男の子は違います」と次の世代に希望を託しているようです。しかし「10代の演技経験のない若者を監督するのはもう大変で、ショックの連続でした。彼らは映画を観ることはなく、もっぱらネットフリックスでTVシリーズを見ているだけでしたから」と。30代にとって20代がエイリアンなら、10代の若者は何に譬えればいいのでしょうか。

 

★「ひと夏の瑞々しい青春映画」ではありますが、視点を変えると奥はかなり深そうです。映画の観方はそれぞれ違い、観た人が各々判断すればいい。

 

★映画祭のQ&A登壇者に、コンペティション部門の『1976』のマヌエラ・マルテッリ監督、『ザ・ビースト』にはスペイン・サイドの主演者ルイス・サエラ、『マンティコア』のカルロス・ベルムト、ワールド・フォーカス部門の『ラ・ハウリア』の製作者ジャン・エティエンヌ・ブラットルー・シコトー、審査員でもあるポルトガルのジョアン・ペドロ・ロドリゲスの名前がアナウンスされています。

ルクレシア・マルテル短編『ルーム・メイド』*東京国際映画祭2022 ⑤2022年10月19日 14:48

         ラテンアメリカ諸国に巣食う社会格差やDVに焦点を当てた短編

 

      

 

ルクレシア・マルテル『ルーム・メイド』は、ワールド・フォーカス部門上映のコロンビア映画『ラ・ハウリア』(監督アンドレス・ラミレス・プリド)と併映される、メキシコ=アルゼンチン合作短編です。マルテル映画は伏線が巧妙に張り巡らされ、処々に潜んでいるメタファーの読み解きが楽しいが、『パシフィクション』のアルベルト・セラ同様、咀嚼と消化に時間がかかり万人向きとは言えない。幸いにも「サルタ三部作」を含む長編4作が、テレビ放映、あるいはラテンビートFFで上映されている。「サルタ三部作」というのは、デビュー作『沼地という名の町』(01)、『ラ・ニーニャ・サンタ』(04)、『頭のない女』(08)の3作を指し、監督の出身地アルゼンチン北部のサルタ州が舞台になっていることから名付けられた。第4作目が約十年ぶりに撮った『サマ』(17)で、アントニオ・ディ・ベネデットの同名小説 Zama の映画化でした。当ブログで作品紹介、監督キャリア&フィルモグラフィー、原作者などを紹介しています。

『サマ』に関するもろもろの記事は、コチラ20171013同年1020

   

       

          (長編デビュー作『沼地という名の町』のポスター)

 

ルクレシア・マルテル(サルタ1966)は、1988年短編アニメーション「El 56」でデビュー、翌年母親のフィアンセ殺害を夢想する小さな男の子のきわどい話、牛の放牧に従事する先住民コミュニティのメンバーが不法に土地を所有した人々から土地を奪還しようとする話など10編ほど短編を撮っている。長編は4作と寡作だが、ほかにTVシリーズ、TVムービー・ドキュメンタリー、アンソロジーも手掛けている。

 

      

                (ルクレシア・マルテル監督)

 

★今回の『ルーム・メイド』(12分、メキシコとの合作)は、ベネチア映画祭アウト・オブ・コンペティション部門で「Camarera de piso / Maid」としてワールドプレミアされた。本短編はメキシコ国立自治大学 UNAM から委託されフィルモテカを通じて、シンテシス・プログラムの枠組みのなかで製作されている。監督によると「私はコンテンポラリーダンスを視聴覚言語と関連づける方法を見つけるよう提案されていました」と語っている。メキシコとの合作になった経緯は分かったが、コンテンポラリーダンスと本編がどう繋がるのかイメージできない。見れば分かるのか、見ても分からないのかどちらだろう。

 

『ルーム・メイド』(原題Camarera de piso / Maid

製作:UNAM Hugo Villa Smythe(メキシコ)/ Rei Cinema(アルゼンチン)

監督・脚本:ルクレシア・マルテル

撮影:フェデリコ・ラストラ

編集:イエール・ミシェル・アティアス

プロダクション・デザイン:エドナ・モスティッツァー Mostyszczer

録音:グイド・ベレンブラム、マヌエル・デ・アンドレス

製作者:(メキシコ)フアン・アラヤ、(アルゼンチン)ベンハミン・ドメネク、サンティアゴ・ガレリ、マティアス・ロベダ

 

データ:製作国メキシコ=アルゼンチン、2022年、ドラマ、短編12

映画祭・受賞歴:第79回ベネチア映画祭2022アウト・オブ・コンペティション短編部門正式出品、東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映

キャスト:ホルヘリーナ・コントレラス(パトリ)、ダニエル・バレンスエラ(影の声)、アナベリ・アセロ、アリエル・Gigena

 

解説:ストーリーはTIFF もラテンビートもストーリー紹介文がありません。パトリはメイドになるための研修期間中で、指導者からトレーニングを受けている。しかし研修中にもかかわらず、家族から玄関先に迫ってくる危機についての電話が絶え間なく掛かってくる。電話に出ると当然のことだが上司から叱責されます。どうやらパトリはパートナー(夫?)からの虐待に苦しんでいるようです。彼女はパートナーとの接触や報復から子供を守りたいと考えているようですが・・・。UNAMの提案によるコンテンポラリーダンスは出てこないが、現在の労働圧力、ドメスティック・バイオレンス、階級格差、マッチョの犠牲者である働く母親の居場所のなさを見つめる短編になっているようです。 (文責:管理人)

 

スタッフ紹介:フィルム編集のイエール・ミシェル・アティアスは、サンティアゴ・ロサの「Breve historia del planeta verde」(ベルリン映画祭2019)の編集者、撮影監督のフェデリコ・ラストラは、マキシミリアノ・シェーンフェルドの「Jesús López(サンセバスチャン映画祭2021ホライズンズ・ラティノ部門のオープニング作品)、録音のグイド・ベレンブラムマヌエル・デ・アンドレスは『サマ』で監督とタッグを組んだメンバーとアルゼンチン・サイドで固めている。

 

キャスト紹介:メイド役のホルヘリーナ・コントレラスアナベリ・アセロは、本作でデビューしたのか本作以外の情報を入手できませんでした。ダニエル・バレンスエラはマルテル監督の『沼地という名の町』に出演しており、ほかパブロ・トラペロのデビュー作「Mundo grúa」(99)、マルセロ・ピニェイロの『逃走のレクイエム』(00)、イスラエル・アドリアン・カエタノのヒット作「Un oso rojo」(02)以下、「Crónica de una fuga」(06)など度々起用されています。主役というより脇役として存在感がある。アリエル・Gigenaは、邦題『コブリック大佐の決断』としてDVD発売された「Kóblic」(16)に出演している。というわけでアルゼンチン映画のようです。

  

    

                          (メイドのホルヘリーナ・コントレラス)

 

TIFF プログラミング・ディレクター市山尚三氏の「作品見どころ解説」によると、「びっくりする短編、電話から誰かに脅されている様子がわかり、後半はあっと驚く先が読めない短編」ということでした。

 

Breve historia del planeta verde」の作品紹介は、コチラ20190219

Jesús López」の作品紹介は、コチラ20210830

 

ジョアン・ペドロ・ロドリゲスの『鬼火』*東京国際映画祭2022 ⑥2022年10月25日 14:43

     ロドリゲスの第6作目『鬼火』は「ミュージカル・ファンタジー」?

 

      

                (ポルトガル語版のポスター)

 

★第35TIFFの審査員の一人であるジョアン・ペドロ・ロドリゲス『鬼火』は、作品紹介によると「消防士として働く白人青年と黒人青年のラブ・ストーリーを様々なジャンルを混交させて描いた作品。特にミュージカル風演出が見事である」とある。魅力に乏しい紹介文だが、監督の5作目となる『鳥類学者』をワールド・フォーカス部門で観ていた方は「うん?」と首を傾げたに違いない。本作は第69回ロカルノ映画祭2016監督賞を受賞して世界の映画祭巡りをした話題作。デンバーFFクシシュトフ・キェシロフスキ賞、シネフォリア賞2017脚本・観客・年間ベストテン入り、イスタンブールFF作品賞、リバーランFF審査員賞受賞ほか、ノミネートはサンセバスチャンFF、ブエノスアイレス・インデペンデントシネマFF、イベロアメリカ・フェニックス賞2017、ゴールデン・グローブ賞ではポルトガル代表作品に選ばれている。

 

  

    (監督賞の銀豹のトロフィーを手にした監督、ロカルノ映画祭2016にて)

 

 

 『鬼火』(原題「Fogo-Fátuo」英題「Will-o-the Wisp」)

製作:Filmes Fantasma / House on Fire / Terratreme Filmes

監督:ジョアン・ペドロ・ロドリゲス

脚本:パウロ・ロペス・グラサ、ジョアン・P・ロドリゲス、ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ

撮影:フイ・ポサス(ルイ・ポサス)

音楽:パウロ・ブラガンサ

音響:ヌノ・カルヴァーリョ

編集:マリアナ・ガイヴァン

衣装:パトリシア・ドリア

プロダクション・デザイン & 美術:ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ

製作者:ジョアン・ペドロ・ロドリゲス、ジョアン・マトス、ヴィンセント・ワン

 

データ:製作国ポルトガル=フランス、2022年、ポルトガル語・英語、ドラマ、67分、第19回ラテンビート映画祭 IN TIFF共催、アジアン・プレミア

映画祭・受賞歴:カンヌ映画祭2022併催の「監督週間」クィア・パルムノミネート、ミュンヘン映画祭CineRebels 賞ノミネート、ブリュッセル映画祭監督週間賞受賞、以下エルサレム、トロント、ニューヨーク、リオデジャネイロ、アデライード、ベルゲン、ウイーン、東京、など各映画祭上映作品。

 

キャスト:マウロ・コスタ(アルフレード王子)、アンドレ・カブラル(教官アフォンソ)、ジョエル・ブランコ(2069年のアルフレード)、オセアノ・クルス(2069年のアフォンソ)、マルガリーダ・ヴィラ=ノヴァ(母テレザ)、ミゲル・ロウレイロ(父エドゥアルド)、ディニス・ヴィラ=ノヴァ(セバスティアン)、テレザ・マドゥルガ(家政婦)、アナ・ブストルフ(アルフレードの義姉)、クラウディア・ジャルディン(消防隊指揮官)、パウロ・ブラガンサ(アルフレードの従兄)、アナベラ・モレイラ、ほか消防士多数

 

ストーリー2069年、王冠のないアルフレード王は、子孫を残すことなく静かに死の訪れを待っている。彼の死の床では古い歌が遠い青春の記憶へと彼を連れ戻していく。国のため軍人ではなく平和の兵士になることを決意したアルフレード王子は、ボランティアの消防士として入隊します。そこで彼の指導教官となったアフォンソと運命の出会いをする。特権階級の息子である白人青年と、黒人移民の流れを汲む黒人青年がかもし出す禁断の愛のエロティシズムが視聴者を挑発する。君主制と共和制の対立、過去のポルトガル帝国主義と植民地時代、夏になるとポルトガルを荒廃させる森林火災の危険、人種的性的偏見を打倒する政治的コメディ、視聴者を楽しませ、考えさせるミュージカル。  (文責:管理人)

   

          

          (消防士になりたいと告白するアルフレード王子)

 

     

                (アフォンソ、ユニークな指揮官、アルフレード王子)

 

       

       

    

    

★ポルトガルは、1910105日、革命が成功し共和政に移行しているので既に王室は存在しない。2002年、ポルトガル帝国は名目上の植民地東ティモールが独立して、21世紀の幕開けと同時に帝国は完全に消滅している。かつての帝国主義の伝統を廃止したはずだが、後継者をプリンスと呼ぶのは、君主政体へのノスタルジアでしょうか。カラヴァッジオの宗教画が出てくるようですが、画家の描く宗教画にはエロティシズムが含まれており、それらは教会から拒絶されたものだった。監督の作品では、エロティシズムは重要な部分を占めている。夏になると年中行事のように貧しいポルトガルを脅かす森林火災は、気候変動の危機を現し、アルフレードが消防士をめざすのは国のためである。評価は観る人次第ですが、こんなに沢山のテーマを詰め込んで、たったの67分とは驚きです。

 

     

                (主演者二人とロドリゲス監督)

 

監督紹介1966年リスボン生れ、監督、脚本家、製作者、俳優、短編ドキュメンタリー5作では撮影監督でもある。リスボンの映画演劇学校で「ノヴォ・シネマ」のアントニオ・レイス監督のもとで学んだ後、アルベルト・セイシャス・サントスやテレザ・ヴィラヴェルデのアシスタントとしてキャリアをスタートさせた。長編デビュー作『ファンタズマ』00)はベネチア映画祭コンペティション部門でプレミアされ、ベルフォール・アントルヴュ映画祭(フランス)で外国語映画賞、翌年ニューヨークLGBT映画祭でベスト・フィーチャーを受賞した。以下に長編ドラマ6作を列挙しておきます。

 

2000O Fantasma」『ファンタズマ』監督・脚本、90

2005Odete」『オデット』監督・脚本、98

  カンヌFF 監督週間 CICAE 賞スペシャル・メンション、ボゴタFFブロンズ・プレコロンビア・サークル賞、ミラノ・レズビアン&ゲイFF作品賞など受賞

2009Morrer Como Um Homem」『男として死ぬ』監督・脚本・編集、133

  カンヌFF「ある視点」でプレミア、ポルトガル製作者賞2010受賞、シネポート-ポルトガルFFベストフィルム部門ツバメ杯受賞、メジパトラ・クィアFF(チェコのLGBT映画祭)審査員大賞など受賞 

2012A Ultima Vez Que Vi Macau」『追憶のマカオ』

  ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタと共同で監督・脚本・編集・出演、82

  65回ロカルノFFスペシャル・メンション、トリノFF2012トリノ市賞、監督賞スイス批評家ボッカチオ賞、ポルトガル映画アカデミー・ソフィア賞2014、ポルトガル製作者賞2014などを受賞

2016O Ornitólogo」『鳥類学者』監督・脚本・出演117

  最多受賞歴を誇る(21賞・48ノミネート)作品、上述の他、メジパトラ・クィアFF審査員大賞、ブラック・ムービーFF批評家賞などを受賞

2022Fogo-Fátuo『鬼火』監督・脚本・製作、67分、上述の通り

 

★邦題は、4作目まではアテネ・フランセ文化センターで2013323日~31日に開催された「ジョアン・ペドロ・ロドリゲス・レトロスペクティヴ回顧展」の折り付けられたもの。5作目と新作はTIFF「ワールド・フォーカス部門」上映です。回顧展では、ベネチア映画祭1997でスペシャル・メンションを受賞した短編『ハッピー・バースデー!』(9714分)、『チャイナ・チャイナ』(0719分)、『聖アントニオの朝』(1125分)など7作が上映された画期的なミニ映画祭でした。その後、川崎市市民ミュージアム、関西でも開催されている。

    

★最新作の共同執筆者であるジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタは、ポルトガルの植民地だったモザンビーク共和国の首都ロウレンソ・マルケス(現マプトの旧称)生れ、アートディレクター、脚本家、監督、俳優、撮影監督、編集者と多才。『ハッピー・バースデー!』で主演した。30年近い公私にわたるパートナーです。デビュー作『ファンタズマ』以来、『男として死ぬ』、『鳥類学者』と新作含めて4作の美術を手掛け、『追憶のマカオ』では共同で脚本執筆、編集と監督、俳優としても出演している。『チャイナ・チャイナ』の共同監督、『聖アントニオの朝』のアートディレクターなども手掛けている。本祭で上映される『この通りはどこ? あるいは、今ここに過去はない』は、ロドリゲスと共同で監督している。

 

   

  (製作者ジョアン・マトス、監督、ゲーラ・ダ・マタ、ニューヨークFF2022にて)  

 

★両人とも日本贔屓らしく度々来日しているから、公開作品がないわりには情報は豊富、映画監督でなかったら鳥類学者になりたかったというロドリゲス監督、双眼鏡をお供に旅好きでもある。一方70年代にはマカオに住んでいたゲーラ・ダ・マタは、テレビでポルトガル語の映画が放映されていなかったので、60年代の日本映画『ゴジラ』や『モスラ』を見ており、特に「鉄腕アトム」のファンだったという。