マルセロ・ピニェイロ、レトロスペクティブ賞ガラ*マラガ映画祭2024 ⑨2024年03月18日 17:04

        アルゼンチンの監督マルセロ・ピニェイロにレトロスペクティブ賞

     

       

38日金曜日、日刊紙マラガ・オイがコラボするレトロスペクティブ賞―マラガ・オイが、アルゼンチンの監督、脚本家、製作者のマルセロ・ピニェイロに与えられました。総合司会者はセリア・ベルメホでした。本賞は映画功労賞の意味合いがありベテラン・シネアストが受賞する賞です。1953年ブエノスアイレス生れのピニェイロは、70歳を超えていますが勿論現役です。プレゼンターは撮影監督のアルフレッド・マヨ、監督で製作者のヘラルド・エレーロNetflix ラテンアメリカ担当の副会長フランシスコ・ラモス、俳優のホアキン・フリエル、作家で脚本家のクラウディア・ピニェイロ5名でした。

      

        

  

 ★プレゼンター各氏の温かい紹介スピーチを会場で聞き入っていた受賞者は、セリア・ベルメホに促されて颯爽と登壇すると、クラウディア・ピニェイロの手からトロフィーを受けとりました。40代で監督デビューした受賞者は、「まず何よりも、私を受賞者に選んでくださったフェスティヴァルに御礼を申し上げたい。以前にこの賞を誰が受賞したか知ったとき、この賞の価値に気づきました。私は多くの素晴らしい人々に支えられて幸運でした、例えば映画や演劇の先生、脚本家、撮影監督、プロデューサー、俳優、私の映画を輝かせてくれた沢山の人々です。皆さんにありがとうを言いたい」と拍手に囲まれながらエモーショナルに締めくくった。

       

             

             (右端にクラウディア・ピニェイロ)

    

★当ブログでは2回にわたってキャリア&フィルモグラフィー紹介をしていますが、系統だった記事ではないので補足します。アルゼンチンのラプラタ大学で映画を専攻、1983年、ルイス・プエンソと制作会社シネマニアを設立、アルゼンチンに初めてオスカー像をもたらした『オフィシャル・ストーリー』85)の製作を手掛けました。アルゼンチン映画アカデミー設立メンバーの一人で副会長に就任している。1993年、「Tango feroz: la leyenda de Tanguito」で監督デビュー、監督第1作に与えられる銀のコンドル賞オペラ・プリマ賞を受賞した。監督デビューが遅かったこともあり、映画作家としては寡作です。しかし評価は高く多くが映画祭や映画賞を受賞している。フィルモグラフィーは以下の通り:

 

1995年「Caballos salvajes」監督・脚本(共同アイダ・ボルトニク)

    サンダンス映画祭1996オナラブルメンション、レリダ映画祭1997観客賞

1997年「Cenizas del paraíso」監督・脚本(共同アイダ・ボルトニク)

    ゴヤ賞1998スペイン語外国映画賞、ハバナFF1997脚本賞、レリダFF1998観客賞

2000年「Plata quemada」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス)

    邦題は『炎のレクイエム』『逃走のレクイエム』『燃やされた現ナマ』

    ゴヤ賞2001スペイン語外国映画賞、銀のコンドル脚色賞

2001年「Historias de Argentina en Vivo」監督

2002年「Kamchatka」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス)

    カルタヘナ映画祭2003脚本賞、バンクーバーFF2003ポピュラー賞、

    ハバナ映画祭2003脚本賞・サンゴ賞3

2005年「El método」監督・脚本(共同マテオ・ヒル)

    ゴヤ賞2006脚本賞、シネマ・ライターズ・サークル賞、フランダース映画祭観客賞

2009年「Las viudas de los jueves」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス)

   『木曜日の未亡人』DVDタイトル

2013年「Ismael」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス、ベロニカ・フェルナンデス)

2021~23年「El reinoTVシリーズ、監督・脚本(共同クラウディア・ピニェイロ)

 邦題『彼の王国Netflix配信、銀のコンドル2022オリジナル脚本賞、

  イベロアメリカ・プラチナ賞2022 TVミニシリーズ部門作品賞

  

クラウディア・ピニェイロとは、彼女のベストセラー小説 Las viudas de los jueves2005年刊)を映画化した。公開には至らなかったが『木曜日の未亡人』09)の邦題で2010DVD化された。最近ではTVミニシリーズ「El reino8話)の共同執筆者でもあり、また今回のマラガ映画祭セクション・オフシアルの審査委員長を務めている。また本シリーズには主演男優賞を受賞したホアキン・フリエルが重要な役どころで出演している。アップが受賞結果と前後したので3月8日段階では 分からなかったが、監督お気に入りのようです。

    

       

           (監督と脚本家クラウディア・ピニェイロ)

    

       

         (ヘラルド・エレーロ、監督、ホアキン・フリエル)

 

アルフレッド・マヨは「Caballos salvajes」「Cenizas del paraíso」「Plata quemada」「Kamchatka」「El método」とヒット作を手掛けているスペインの撮影監督です。マドリード出身のヘラルド・エレーロは監督と同じ1953年生れ、スペインだけでなく多くのラテンアメリカの監督とタッグを組んでいる。ピニェイロとは、「Plata quemada」や「El método」を製作している。

 

El método」の作品紹介は、コチラ20131219

『逃走のレクイエム』の作品紹介は、コチラ20220616

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