今年の話題作「メイド・イン・スペイン」*サンセバスチャン映画祭2018 ⑱ ― 2018年09月05日 11:53
11作品のうちデビュー作が5作も選ばれた「メイド・イン・スペイン」

★今年スペインで公開された話題作を纏めて見ることができる部門、ラテンビート以下ミニ映画祭で公開される可能性が高いので賞には絡みませんがタイトルをアップしておきます。なかには既にNetflixで放映されている作品、例えばラモン・サラサールの『日曜日の憂鬱』なども含まれています。長編デビュー作5作、ベテラン監督作品5作、ドキュメンタリー2作です。マラガ映画祭でプレミアした「Casi 40」、「Les distancies / Las distancias」、「Mi querida cofradia」ほかが含まれています。
◎「Casi 40」監督ダビ・トゥルエバ(マドリード、1969)
★マラガ映画祭2018審査員特別賞銀賞受賞作品
*紹介記事は、コチラ⇒2018年04月04日

◎「Les distancies / Las distancias」同エレナ・トラぺ(バルセロナ、1976)
★マラガ映画祭2018の最高賞「金のビスナガ」、監督賞、主演女優賞(アレクサンドラ・ヒメネス)受賞作品、長編2作目。
*紹介記事は、コチラ⇒2018年04月27日

◎「Mi querida cofradía」同マルタ・ディアス・デ・ロペ・ディアス(ロンダ、1988)
★長編デビュー作、マラガ映画祭2018の観客賞、助演女優賞(カルメン・フロレス)受賞作品
*カルメンは年配のカトリックのマラゲーニャ、人生の夢は女性初となる信徒会の名誉ある会長になること、目下奮闘中であるが、イグナシオという男性会員が・・・。

◎「La enfermedad del domingo」同ラモン・サラサール(マラガ、1973)
★ベルリン映画祭2018パノラマ部門正式出品、『日曜日の憂鬱』の邦題でNetflixで放映
*紹介記事は、コチラ⇒2018年02月22日/06月21日

◎「The Bookshop」(「La librería」イギリス合作)同イサベル・コイシェ(バルセロナ、1960)
★ゴヤ賞2018作品賞・監督賞・脚色賞受賞作品、本邦公開が予告されている。
*紹介記事は、コチラ⇒2018年01月07日/02月08日


◎「Con el viento」(「Amb el vent」アルゼンチン・仏合作)
同Meritxell Colell(バルセロナ、1983)
★長編デビュー作、短編ドキュメンタリーを撮っているほか、長編映画8作の編集を手掛けている。本作はベルリン映画祭「フォーラム」部門、グアダラハラ映画祭正式出品、マラガ映画祭2018「Zonazine」部門の作品賞受賞作品。将来が期待できる監督。
*モニカは47歳のバレリーナ、父危篤の電話をうけ、20年ぶりに生れ故郷ブルゴスに戻ってくる。既に父は亡くなっており、母親から家の売却を手伝ってほしいと頼まれる。

(コンチャ・カナル、モニカ・ガルシア)
◎「El aviso」同ダニエル・カルパルソロ(バルセロナ、1968)
★三大映画祭にノミネートされた経験をもつ、ベテラン監督カルパルソロの最新作。日本では『パサヘス』(96、未公開・TV放映)、『インベーダー・ミッション』(12)、『バンクラッシュ』(16)などが紹介されている。公開が期待できる新作の主役は、『インベーダー・ミッション』にも出演したラウル・アレバロが起用されている。
*ダニエル・カルパルソロのキャリア紹介は、コチラ⇒2016年07月03日

(ラウル・アレバロ、アントニオ・デチェント)
◎「I Hate New York」ドキュメンタリー 同グスタボ・サンチェス(ハエン、1978)
★長編デビュー作、マラガ映画祭2018正式出品作品。2007年から2017年のあいだ、脚本なしでニューヨークのアンダーグラウンドのサブカルチャーを撮り続けた。トランスジェンダーのアマンダ・レポレほか4人のアーティストの怖れと希望を描くエモーショナルな証言で構成されている。監督はジャーナリストでもある。
*追記:ラテンビート2018上映が決定しました。

◎「Trinta lumes / Thirty Souls」同ディアナ・トウセド(ポンテべドラ、1982)
★長編デビュー作、ベルリン映画祭2018「パノラマ」部門、マラガ映画祭2018「Zonazine」部門正式出品作品。ガリシア出身だがバルセロナ自治大学付属上級映画学校ESCACで学び、バルセロナに軸足をおいている。長編ドキュメンタリー「En todas as mans」(15、ガリシア語)はガリシア限定で公開された。ほか短編ドキュメンタリーを撮っている。これまでにドキュメンタリーを含む長短編映画20作以上の編集を手掛けており、なかで昨年のカンヌ映画祭併催の「批評家週間」にエントリーされたラウラ・フェレスの短編ドキュメンタリー「Los desheredados」がDiscovery賞を受賞している。
*本作は12歳の少女アルバの物語、生と死の闘いの神秘さを知るため無邪気に出かける旅。

◎「Querido Fotogramas」ドキュメンタリー 同セルジオ・オクスマン(サンパウロ、1970)
★セルジオ・オクスマンSergio Oksmanは、監督、脚本家、製作者。サンパウロでジャーナリズムを、映画をニューヨークで学び、マドリード在住のブラジルの監督。「Una historia para Los Modlin」でゴヤ賞2013短編ドキュメンタリー賞を受賞している。本作は70年の歴史をもつ、スペインの映画月刊雑誌「Fotogramas」(1946年11月15日、バルセロナで創設)への関係者と映画ファンへのオマージュを込めて製作された。2018年6月、本拠地をバルセロナからマドリードに移したことが報じられている。
*出演者は、Toni Ulled Nadal(編集長)以下の編集者、フェルナンド・コロモ、イサベル・コイシェ、J.A.バヨナ、ゴンサロ・スアレス(以上監督)、以下順不同にマリサ・パレデス、アンヘラ・モリーナ、ホセ・サクリスタン、コンチャ・ベラスコ、カルメン・マウラ、アイタナ・サンチェス=ヒホン、エンマ・スアレス、ハビエル・バルデム、レオノル・ワトリング、ベレン・ルエダ、アナ・トレント、他多数。
*SSIFF上映9月22日、スペイン公開10月5日

(出演のマリサ・パレデス)

(「Fotogramas」の表紙を飾るのが夢だったというホセ・サクリスタン、2018年6月号)
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