ドキュメンタリー 『サクロモンテの丘~ロマの洞窟フラメンコ』の監督来日 ― 2017年02月01日 15:42
『デリリオ~歓喜のサルサ』のチュス・グティエレス監督来日

★ドキュメンタリー『サクロモンテの丘~ロマの洞窟フラメンコ』公開に合わせてチュス・グティエレス監督が来日します。公開前日の2月17日、東京セルバンテス文化センターで「映画監督との出会い:チュス・グティエレス」という催しのご案内です。
『サクロモンテの丘~ロマの洞窟フラメンコ』
(ドキュメンタリー ”Sacromonte: los sabios” 2014)
日時:2017年2月17日(金曜日)18:00~(入場無料、要予約)
場所:東京セルバンテス文化センター、地下1階オーディトリアム
セルバンテス文化センターの紹介文はコチラ⇒
*フラメンコ発祥の地、グラナダの洞窟サクロモンテに生きた伝説的アーティストらのドキュメンタリー『サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ』。この作品の公開に向け監督チュス・グティエレスが来日します。グラナダ出身の彼女は、映画監督、脚本家、女優、アーティストそして映画産業に携わる女性らの平等を求める協会に携わるなど幅広い活動をしています。同ドキュメンタリー製作にまつわる逸話をはじめ、スペインの映画事情などについてお話を伺います。

★「ラテンビート2014」上映の『デリリオ~歓喜のサルサ~』と同じ年の製作です。フィクションとドキュメンタリーというジャンルの違いもありますが、スペインでの評価は本作のほうが高かったようです。公式サイトも起ちあがっておりますので詳細はそちらにワープしてください(2017年2月18日、有楽町スバル座、アップリング渋谷ほか、全国順次公開)。監督紹介は『デリリオ~歓喜のサルサ~』をアップした折の記事を再構成したものを参考資料として載せておきます。
*キャリア&フィルモグラフィー*
★チュス・グティエレスChus Gutiérrez (本名María Jesús Gutiérrez):1962年グラナダ生れ、監督、脚本家、女優。本名よりチュス・グティエレスで親しまれている。8歳のとき家族でマドリードに移転、1979年17歳のときロンドンに英語留学、帰国後映像の世界で働いていたが、1983年本格的に映画を学ぶためにニューヨークへ留学し、グローバル・ビレッジ研究センターの授業に出席、フレッド・バーニー・タイラーの指導のもと、スーパー8ミリで短編を撮る(“Porro on the Roof”1984、他2篇)、1985年、シティ・カレッジに入学、1986年、最初の16ミリ短編“Mery Go Roundo”を撮る。ニューヨク滞在中にはブランカ・リー、クリスティナ・エルナンデス、同じニューヨークでパーカッション、電子音楽、作曲を学んでいた弟タオ・グティエレスと一緒に音楽グループ“Xoxonees”を立ち上げるなどした。2007年には、CIMA(Asociacion de Mujeres de Cine y Medios Audiovisuales)の設立に尽力した。これは映画産業に携わる女性シネアストたちの平等と多様性を求める連合、現在300名以上の会員が参加している。

*1987年帰国、長編デビュー作となる“Sublet”(1991)を撮る。まだ女優業に専念していたイシアル・ボリャインを主人公に、製作は女性プロデューサーの代表的な存在であるクリスティナ・ウエテが手掛けた。夫君フェルナンド・トゥルエバの『ベルエポック』『チコとリタ』『ふたりのアトリエ~』ほか、義弟ダビ・トゥルエバの ”Living Is Easy with Eyes Closed”(『「僕の戦争」を探して』DVD) も手掛けたベテラン・プロデューサー。
受賞歴:カディスのアルカンセス映画祭1992金賞、バレンシア映画祭1993作品賞、1993シネマ・ライターズ・サークル賞(スペイン)、ゴヤ賞1993では新人監督賞にノミネートされ、イシアル・ボリャインもムルシア・スペイン・シネマ1993が、ベスト女優賞にあたる「フランシスコ・ラバル賞」を受賞した。
*第2作“Alma gitana”(96)は、プロのダンサーになるのが夢の若者がヒターノの女性と恋におちるストーリー、新作『デリリオ~』と同じように二つの文化の衝突あるいは相違がテーマとして流れている。5人の若手監督のオムニバス・ドキュメンタリー ”En el mundo a cada rato” (04) が『世界でいつも・・・』の邦題で「ラテンビート2005」で上映された。第3エピソード、アルゼンチンの3歳の少女マカがどうして幸せかを語る ”Las siete alcantarillas” を担当、アルゼンチンで撮影され「七つの橋」の邦題で上映されている。

*他に代表作として“El Calentito”(05『ヒステリック・マドリッド』)も高い評価を受け、こちらも「ラテンビート2005」で上映された。ベロニカ・サンチェスを主役に、フアン・サンス、ルス・ディアス(ゴヤ賞2017新人賞ノミネート)、マカレナ・ゴメス『トガリネズミの巣穴』のヒロイン、本作でマラガ映画祭新人女優賞のヌリア・ゴンサレスなど若手の成長株を起用したコメディ。
受賞歴:モンテカルロ・コメディ映画祭2005作品賞他受賞、マラガ映画祭2005ジャスミン賞ノミネート、トゥールーズ映画祭で実弟タオ・グティエレスが作曲賞を受賞した。なお彼は姉の全作品の音楽を担当している。

*最も高い評価を受けたのが7作目“Retorno a Hansala”(08)当時、実際に起きた事件に着想を得て作られた。海が大荒れだった翌日、カディスのロタ海岸にはモロッコからの若者11名の遺体が流れ着いた。服装からサハラのハンサラ村の出身であることが分かる。既に移民していたリデアはその一人が弟のラシッドであることを知る。リデアは葬儀社のオーナーと遺体を埋葬するため故郷に向かう。これは異なった二つの社会、価値観、言語の違いを超えて理解は可能か、また若者の海外流失を止められないイスラム共同体の誇りについての映画でもある。
受賞歴:バジャドリード映画祭審査員特別賞、カイロ映画祭2008作品賞「ゴールデン・ピラミッド賞」&国際批評家連盟賞、トゥールーズ映画祭脚本賞、グアダラハラ映画祭監督・脚本賞など受賞。ゴヤ賞2009ではオリジナル脚本賞にノミネートされた。

*『デリリオ~歓喜のサルサ』の監督&作品紹介記事は、コチラ⇒2014年9月25日
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