ゴヤ賞候補者が一堂に会して昼食会*ゴヤ賞2018 ⑤2018年01月22日 12:13

                      映画アカデミー会長空席で開催された昼食会

     

   

          (昼食会に参集した候補者たち、中央が栄誉賞受賞のマリサ・パレデス)

              

★授賞式(23日)に先立って催される候補者を招待しての昼食会が115日、5年ぶりにプエルタ・デル・ソルの王立郵便局(18世紀に建てられ時計台で有名なマドリード自治政府庁の本部)でありました。イボンヌ・ブレイク映画アカデミー会長が年初に脳卒中で倒れ辞任が確実になっています。治療のため入院が続いており、ゴヤ賞ガラ終了後の選挙で理事会は一新することになります。副会長ノラ・ナバスの「一日でも早い回復を祈る」という挨拶に大きな拍手が沸いたようです。また多様性に富んだ映画が多く製作された「素晴らしい収穫」の1年であったことを強調した。立場の異なる人々の対話の促進、異論のない品質の高い映画の製作、まだ「映画が作れるんだという夢を私たちがもつことができた」とも語ったようです。アカデミーの新会員が300名あったことも朗報の一つです。政治だけでなく組織の若返りは必須でしょう。

 

    
    

                (主要ノミネーション作品)    

   

★この昼食会には主要カテゴリーにノミネートされていても、海外を本拠地にしている人(バルデム=クルス夫妻、ローラ・ドゥニャスなど)や次作の撮影でスペインを離れている人は欠席するケースが多い。上記写真の前列には(小さすぎて正確に判別できないのですが)、マリサ・パレデスを真ん中にしてイサベル・コイシェ(監)、カルラ・シモン(新監)、マリベル・ベルドゥ(主女)、ナタリエ・ポサ(同)、ハビエル・グティエレス(主男)、アンドレス・ヘルトルディス(同)、ホセ・モタ(助男)、ベレン・クエスタ(助女)、15回ノミネーション10回受賞の作曲家アルベルト・イグレシアスなどの姿がありました。ニューヨークのブルックリンを本拠地にしているイサベル・コイシェ監督もフォルケ賞以下、フェロス賞、ガウディ賞にノミネーションされているので滞在しているのかもしれない。

 

      

     (左から、マリベル・ベルドゥ、ホセ・モタ、ベレン・クエスタ、当日の衣装)

 

★今回サンティアゴ・ミトレの『サミット』の音楽でゴヤ賞に戻ってきたゴヤ胸像のコレクター、アルベルト・イグレシアスは、「新しい人々が増えたことはとても良いことで、映画作りに新しいアイデアや形式をもたらす彼らを見つけて援助すべきだと思う」と、世代交代が顕著になったことを実感しているようです。パコ・プラサの『エクリプス』(原題「Verónica」)主演で新人女優賞にノミネートされたサンドラ・エスカセナ16歳が最年少候補者、監督では『夏、1993年』のカルラ・シモン、『スキン~あなたに触らせて』のエドゥアルド・カサノバ、『ホーリー・キャンプ!』のハビエル・カルボハビエル・アンブロッシなどの今後が楽しみです。「二人のハビ」は仕事でガラに出席できないらしい。

 

        

           (サンドラ・エスカセナ、『エクリプス』から)

       

★主演男優賞にノミネーションのアンドレス・ヘルトルディスの受賞は難しいでしょうか。「Abracadabra」のアントニオ・デ・ラ・トーレ、「Autor」のハビエル・グティエレス、「Loving Pablo」のハビエル・バルデムという大物揃い、映画もフェルナンド・フランコの「Morir」と小粒である。バルデムと主演女優賞ノミネートのペネロペ・クルスの両人は欠席がアナウンスされています。こちらの二人も受賞はないと予想しています。

 

       

      (時計回りに、ハビエル・グティエレス、アンドレス・ヘルトルディス、

       ハビエル・バルデム、アントニオ・デ・ラ・トーレ、4人の候補者)

 

★新人監督賞受賞の先頭を切っているカルラ・シモン、「女性シネアストたちにご褒美を出してやる気を駆り立てるのは間違いなく賛成」であるが、政治的関心が薄れているのが気になるとコメントしている。ベテラン勢のナタリエ・ポサやイサベル・コイシェたちも「さまざまの権利を存分に主張し続けねばならない」とはっきり、「新しいページをめくる必要があります」とナタリエ・ポサ。

 

      

     (ノミネートはなかった二人の子役、カルラ・シモンの『夏、1993年』から)

 

★男優女優にノミネートされた24人のうち13人と番外1人の14人が、世界初の女性ファッション誌『ハーパーズ バザー』(ニューヨーク1867年刊)にヌードをご披露した。日本版には多分掲載されていないと思う。ノミネートされた作品ごとに、好感度ナンバーワンは、『ホーリー・キャンプ!』のベレン・クエスタアンナ・カスティーリョ、以下『禁じられた二人』のポル・ムネン、「No sé decir adiós」のローラ・ドゥニャスナタリエ・ポサ、「Abracadabraマリベル・ベルドゥホセ・モタ、「El autor」のハビエル・グティエレスアデルファ・カルボアドリアナ・パス3人、『夏、1993』のブルナ・クシダビ・ベルダゲル、『スキン~あなたに触らせて』のエロイ・コスタもう一人は女優賞のノミネートはなかったが短編映画のロドリゴ・ソロゴジェンの「Madre」の主演マルタ・ニエト、合計14人です。過激なものから味気ないものまで、マサカという人もいます。これが受賞にプラスかマイナスかは神のみぞ知るです。写真はすべて見ることができますが割愛。

 

★ゴヤ賞イベロアメリカ映画部門ノミネーションのセバスチャン・レリオ『ナチュラルウーマン』の公開日がアナウンスされました。来る224(土)、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマの3館です。123日のセルバンテス文化センターでの試写会は既に満席です。