ゴヤ賞俳優候補者たちの座談会*ゴヤ賞2018 ⑥2018年01月28日 16:28

            フェミニズムとマチスモについて語る

 

★この企画を膳立てしたのはモビスター+(テレフォニカ傘下の携帯電話事業会社、1995年設立。スペインでは2200万人が加入している)で、まず124日(水)にゴヤ賞並びにフェロス賞にノミネートされた女優陣、26日(金)に男優陣の座談会が開催された。ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインのセクハラ騒動を機に映画界のみならず政界にまで、世界中に火の粉は飛び散っています。セクハラが面白可笑しく語られる時代ではなくなったということでしょう。一歩前進ですがゴヤ賞にノミネートされたシネアストたちの座談会でのテーマも、女優、男優とも期せずしてフェミニズムについてだったようです。

 

★先に開催された女優座談会の出席者は、写真左からサンドラ・エスカセナ(ゴヤ賞新人女優賞『エクリプス』)、マリアン・アルバレス(フェロス賞主演女優賞「Morir」)、イツィアル・カストロ(ゴヤ新女『スキン あなたに触らせて』)、アンナ・カスティーリョ(ゴヤ助女『ホーリー・キャンプ!』)、ダフネ・フェルナンデス(ノミネートなし「Perfectos desconocidos」)の5名、司会者はマリア・ゲーラ。

 

     

S・エスカセナ、M・アルバレス、I・カストロ、A・カスティーリョ、D・フェルナンデス)

 

★いろいろ盛りだくさんなことが話し合われたが、なかでも出席者たちのテーマはフェミニズムに集中した。例えば「フェミニズムの対極にあるのがマチスモ、女性の平等の権利が欲しいか、本当に同等に扱われているか。もし欲しくないなら、あなたは男性優位の考えをする人、それ以外の選択肢はありません」とイツィアル・カストロ。

 

★女優陣に続いて第2弾として開かれたのが男性陣座談会、出席者は写真左から、サンティアゴ・アルベル(ゴヤ賞新人男優賞「Selfi」)、ダビ・ベルダゲル(ゴヤ助男夏、1993』)、ポル・モネン(ゴヤ新男『禁じられた二人』)、フアン・ディエゴ(ゴヤ助男「No sé decir adiós」)、アンドレス・ヘルトルディス(ゴヤ主男「Morir」)の5名、司会者はカルロス・モラニョン。

 

        

    (S・アルベル、D ・ベルダゲル、P・モネン、J・ディエゴ、A・ヘルトルディス)

 

★女性座談会の流れを受けたのか、こちらもテーマの中心は映画は勿論ですがフェミニズムだったようです。まずベテランのフアン・ディエゴが、男性たちは社会に横溢しているマチスモに向き合うことを認識すべきであり、それが極めて重要な問題なのだと認めたようです。スペインのマチスモは改善されるのでしょうか、今後に期待したいところです。

 

★次回は恒例となっている、ゴヤ賞ガラ前に行われる監督候補者たちの座談会をアップいたします。今年32回は5作品4言語と異例の年になりました。スペイン語2作、カタルーニャ語、英語、バスク語、各1作ずつです。