作品賞は西米合作”Callback”*マラガ映画祭2016結果発表 ⑧ ― 2016年05月02日 14:49
カルレス・トラスの“Collback”は西米合作映画

★ノーチェックだったカルレス・トラスの第4作“Collback”が「金のジャスミン」を受賞しました。監督はカンタブリアのサンタンデール生れ(1978)の監督。公式サイトは英語(字幕スペイン語)だし、キャストは主人公こそチリのマルティン・バシガルポでしたが彼以外は英語話者の俳優ばかり、舞台はニューヨーク、吹替え上映などなどチェックしなかった理由でした。他に脚本賞にカルレス・トラスと共同執筆者マルティン・バシガルポ、彼は男優賞も受賞して盆と正月が一緒にきたような喜びだったでしょう。何はともあれ最高賞受賞作品なので、次回に作品紹介を予定しています。

(マラガに現れた左から、ティモシー・ギブス、マルティン・バシガルポ、トラス監督)
★作品賞についで大きな賞が審査員特別賞、イサキ・ラクエスタ&イサ・カンポの“La propera pell”が受賞しました。これを含めて最多の5賞を獲得してしまいました。監督賞・女優賞・編集賞・批評家審査員特別賞です。これはラテンビート、東京国際などの映画祭上映を期待しても見当外れとは言われないでしょう。アンダルシアで開催される映画祭の二つの大賞がバルセロナとカンタブリア出身の監督に贈られたことに感無量の地元ファンもいたかもしれない。またポル・ロドリゲスの“Quatretondeta”が評価されたのも嬉しい。

(マラガに現れたイサキ・ラクエスタとイサ・カンポ監督)
*オフィシャル・セクションの受賞結果*
最優秀作品賞(金のジャスミン賞)
◎“Collback”監督カルレス・トラス

(トロフィーを手に喜びのスピーチをするカルレス・トラス)
審査員特別賞
◎“La propera pell”(“La próxima piel”) 監督イサキ・ラクエスタ & イサ・カンポ
*作品監督紹介は、コチラ⇒2016年4月29日
最優秀監督賞
◎イサキ・ラクエスタ & イサ・カンポ “La propera pell”(“La próxima piel”)
最優秀女優賞
◎エンマ・スアレス “La propera pell”(“La próxima piel”)
最優秀男優賞
◎マルティン・バシガルポ “Collback”
最優秀助演女優賞
◎シルビア・マヤ “Julie” 監督アルバ・ゴンサレス・モリナ
最優秀助演男優賞
◎オスカル・マルティネス “Kóblic”監督セバスティアン・ボレンステイン
*作品監督紹介は、コチラ⇒2016年4月30日
最優秀脚本賞
◎カルレス・トラス & マルティン・バシガルポ “Collback”
最優秀音楽賞
◎シルビア・ペレス・クルス “Cerca de tu casa” 監督エドゥアルド・コルテス
最優秀撮影賞(2作品)
◎ロドリゴ・プルペイロ “Kóblic” 監督セバスティアン・ボレンステイン
◎カルレス・グシポル “Quatretondeta”監督ポル・ロドリゲス
最優秀編集賞
◎ドミ・パラ “La propera pell”(“La próxima piel”)
審査員スペシャル・メンション
◎“Quatretondeta” 監督ポル・ロドリゲス
*作品監督紹介は、コチラ⇒2016年4月22日
批評家審査員特別賞
◎“La propera pell”(“La próxima piel”) 監督イサキ・ラクエスタ&イサ・カンポ
観客賞(ガス・ナトゥラル・フェノサ)
◎“La noche que mi madre mató a mi padre” 監督イネス・パリス
*作品監督紹介は、コチラ⇒2016年4月25日
★「金賞」は最優秀作品賞「金のジャスミン賞」だけで、他はすべて「銀賞」です。また観客賞はGas Natural Fenosaというエネルギー分野(天然ガスと電力)における多国籍企業が選んだ審査員が選考する。ガス取扱量世界第4位、本社はバルセロナ。
★賞には絡みませんでしたが、個人的な好みで準備しておりましたバルセロナ派のマルク・クレウエトのデビュー作“El rey tuerto”を落ち穂拾いしておきたいと考えています。バルセロナやマドリード他、スペイン各地を巡業して廻り大成功をおさめた戯曲の映画化です。演劇が大人の娯楽として根付いているヨーロッパでも、舞台監督自らが映画監督も手掛けるというのは珍しいケースです。

(”El rey tuerto”のポスター)
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