ヨーロッパ映画賞2013ノミネート2013年11月12日 12:58

パコ・デルガードの衣装デザイン賞受賞のニュースに続いて、メインの作品賞以下の候補作品が、セビリャで開催されていたヨーロッパ映画祭で発表になりました(119日)。前記したことがありますが、ヨーロッパ映画賞というのは、1988年ヴィム・ヴェンダース、イングマール・ベルイマン他を発起人にして始まった。「オスカー」に対抗してというか当てこすりでしょうね。ヨーロッパ映画アカデミー(EFAが選ぶ賞で、会員2000名ぐらいで始まりましたが、現在の会員数2900人が選挙権を持っています。本部はベルリンにあり、授賞式は加入国持ち回りが原則ですが、諸般の事情で最近ではベルリンが多い。

 


★作品賞ノミネートにスペイン期待のパブロ・ベルヘル『ブランカニエベス』、彼は監督賞にも選ばれました。今年の作品賞・監督賞は、ジュゼッペ・トルナトーレ、パオロ・ソレンティーノ、アブデラティフ・ケシシュなどダブっていて誰が貰ってもおかしくない激戦。ノミネート経験者はいても受賞者はいないから誰の手に渡っても初受賞となります。ベルヘルのノミネート喜び談話によると「ついにユーロカップの最終戦に辿りついたようなもの。私はこの素晴らしいチームのキャプテンですが、とても優れた仲間に囲まれ、驚いています。私の映画は競馬に譬えるなら優勝レースの後ろを走っている馬ですけど。授賞式に出席するかって? 勿論行きますよ、夢ですからね。もし受賞できたらチーム皆のお蔭です」だそうです。

 



★新設されたコメディ賞にアルモドバル『アイム・ソー・エキサイテッド』、彼はワールド・シネマに貢献したとして栄誉賞を受賞することが決まっていましたから(916日)、コメディ賞受賞なら喜びも二重になります。ラ・マンチャの監督は既に1989年新人監督賞を『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で、作品賞として1999年の『オール・アバウト・マイ・マザー』、2002年に『トーク・トゥ・ハー』と相性がよく、2006年には『ボルベール』で監督賞、他に本作は女優賞、撮影賞、作曲賞など主要5部門を制しました。この年作品賞を逃したのは、ライバル作品がフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクの『善き人のためのソナタ』だったから納得です。

 


フアン・アントニオ・バヨナ『インポッシブル』で主役を演じたナオミ・ワッツが、女優賞にノミネートされました。ここのレースも激戦ですね。『アンナ・カレーニナ』のキーラ・ナイトレイ、『ハンナ・アーレント』のバーバラ・スコーヴァ、ナオミ・ワッツも凄い演技だったけど(写真)、バーバラ・スコーヴァかなぁ。いずれにしても代表作の多くがアメリカ映画の女優が候補になるのは珍しいかな。