セバスティアン・レリオの新作”Una mujer fantástica”*ベルリン映画祭20172017年01月26日 21:43

       『グロリアの青春』から新作Una mujer fantástica”へ

  

     

★躍進目覚ましいチリ映画、スペイン語映画ではセバスティアン・レリオ長編5作目Una mujer fantásticaが唯一オフィシャル・セクションに選ばれました。2013年の『グロリアの青春』ではヒロインのパウリナ・ガルシアが生きのいい熟女を好演、銀熊女優賞を受賞して脚光を浴びたのでしたそんなことが幸いしたのか「ラテンビート2013でプレミア上映されたあと公開もされました。「女性は謎だらけ、でも僕は彼女たちを愛している」と語るレリオ監督、「グロリア」のあと、次回作が待たれておりましたが、やっとベルリンに登場しました。

『グロリアの青春』の作品・監督紹介は、コチラ2013912

 

      

       (監督とパウリナ・ガルシア、サンセバスチャン映画祭2013にて)

 

本作はトランスジェンダーのマリーナ・ビダルが主人公、舞台は現代のサンティアゴ、自身もトランスジェンダーの新人ダニエラ・ベガが演じる。世間の白い目に晒されながらウエイトレスとナイトクラブのシンガーとして掛け持ちで働いている。20歳も年上のパートナーのオルランドが彼女の腕の中で突然死したことで人生の悲喜劇が転がりだす。脇を固めるのがルイス・ニェッコ(オルランドの兄弟、パブロ・ラライン「ネルーダ」主演)、アリネ・クッペンハイム(オルランドの元妻役、アンドレス・ウッド『マチュカ』)、アンパロ・ノゲラ(刑事役、「ネルーダ」)、フランシスコ・レイェス(オルランド役、TVドラVuelve Temprano”)などのベテラン勢です。

チリ=独=米=西合作、製作はFabula / Komplizen Film100分、撮影地サンティアゴ。Fabulaはラライン兄弟が設立した制作会社、Komplizen Filmはドイツの製作会社。

 

       

            (ヒロインのダニエラ・ベガ、映画から

 

セバスティアン・レリオ1974年アルゼンチンのメンドサ市生れ、2歳のときチリ人の母親とチリに移住した。チリの監督、脚本家、製作者、編集者。上記のスタッフとキャスト陣からも分かるように、チリの若手シネアストのグループ「クール世代」に属します。「グロリア」に劣らず数々の受賞歴を誇る長編デビュー作『聖家族』(「La sagrada familia」05)がラテンビートで上映された。クリスマスイブに集まった3人のティーンエイジャーの物語「Navidad」09)、ロカルノ映画祭2011の審査員賞の一つである「Environment is Quality of Life」を受賞した「El año del tigre」、そして『グロリアの青春』(13)と続く。

 

アンドレス・ウッドの出世作『マチュカ』(04)やラテンビート2009で好評だった群像劇『サンティアゴの光』(「La buena vida」08)で忘れられない演技を見せたアリネ・クッペンハイムが出演しているのも楽しみの一つです。何かの受賞に絡めば映画祭上映も期待できます。

  

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