授賞式はお金をかけず短くスピード上げて軽快に*ゴヤ賞2017 ⑨2017年01月18日 15:23

          本番に先立って開催されるプレ授賞式に全員集合!

 

★1月12日、本番前のゴヤ賞候補者の顔合わせミニ・カクテル・パーティが行われました。14日のセビージャでのフォルケ賞ガラを目前にして全員集合とはいきませんでしたが、大方は出席したようです。初ノミネーションの「新人」たちにとっては、製作者や監督たちに自分を売り込むチャンス、授賞式以上に重要です。ここでもフォルケ賞作品賞を受賞したTarde para la iraの一行が、メディアのフラッシュを浴びていたようです。集合写真はアップしても小さすぎて最前列しか分からないので割愛。

 

    

        (“Tarde para la ira”のグループ、左から3番めがラウル・アレバロ監督)

 

★資金不足が大きな理由の一つですが、スペイン映画アカデミー会長イボンヌ・ブレイク、副会長マリアノ・バロッソが語るところによると、2017年は質素に、まず時間はスペードアップして2時間半と例年より大幅に短縮する。つまり24時前に終了させる(長い受賞スピーチは誰も望まない?)。歌手や交響管弦楽団の演奏はライブだが、ダンスはカットする方針、不満の人も出てきそうです。確かに前夜祭のカクテル・パーティの時間も短め、振る舞われたカクテルの量も少なめだったとか。3回目の総合司会者となるダニ・ロビラの進行も予測がつかない、何か起こってもおかしくないかもしれない。

 

       

       (ダニ・ロビラ、二度目となる第30回ゴヤ賞2016の総合司会者)

 

★最近の報道では長引いた政治の混乱にもかかわらず、昨年のスペインのGDP経済成長率は2%以上と、EU域内では優等生なのだとか。日本の消費税に当たるIVA21パーセントに値上げされたからというもの映画産業の先行きが危ぶまれておりましたが、スペイン映画健在が数字になって示されました。映画館に足を運んだ観客が約1億人を突破、それも上位にスペイン映画が18作も含まれていた。

 

★その貢献度ナンバーワンがフアン・アントニオ・バヨナUn monstrous viene a verme450万人が足を運び興行成績は2600万ユーロでした(『君の名は。』には到底及びませんが。スペイン公開はこれからです)。ゴヤ賞ノミネーションも最多の12、しかし「作品賞」受賞は微妙、それとこれとは別です。もし受賞したら論争が起こるだろうという。監督以下のスタッフ陣はスペインだが、キャストは海外勢、オリジナル言語は英語と、果たしてスペイン映画といえるかどうかというわけです。サンセバスチャン映画祭2016年では、オープニングにこそ選ばれたがコンペティション外でした。ここいらがスペイン人の平均的心情なのかもしれない。因みに第2位は米国の3Dアニメーション『ペット』の2130万ユーロ、日本でも『君の名は。』が公開される前はダントツで首位を走っていた。もう「アニメ=お子さま」の時代は終わりました。

 

    

     (“Un monstrous viene a verme”のポスターをバックにしたバヨナ監督)

 

100万人以上の観客を集めた作品は、殆どのプロダクションがテレビ局との共同、テレビでがんがん宣伝してもらえる。クチコミも大きいが、テレビ・マジックが大きく物を言う時代になっている。上位6位のうち、ゴヤ賞にノミネートされたのは、バヨナを含めて4位の『バンクラッシュ』(ダニエル・カルパルソル)と6位のKIKI~愛のトライ&エラー』(パコ・レオン)の3作でした。サンセバスチャンで評価された『スモーク・アンド・ミラーズ』Que Dios nos perdone、オスカー賞スペイン代表作品 『ジュリエッタ』などにはお金を使わないようです。因みに『ジュリエッタ』は、イギリスのアカデミー賞といわれるBAFTAの外国語映画賞部門5作に選ばれています。未公開なので未だ見ておりませんが、女性監督マレン・アーデの“Toni Erdmann”(ドイツ=オーストラリア)と予想します。

 

 

 (ルイス・トサールと新人賞ノミネートのロドリゴ・デ・ラ・セルナ、『バンクラッシュ』)

 

★『ジュリエッタ』で主演、La próxima pielで助演と、久しくゴヤ賞から遠ざかっていたエンマ・スアレスが今宵のヒロインでもあった。受賞すれば今は亡きピラール・ミロの『愛は奪った』(“El perro del hortelano95)で主演女優賞を受賞して以来になる。共演者のカルメロ・ゴメスも既に俳優引退宣言をして、時代の流れを感じずにはいられない。ノミネーションは2回ありますが、今回ほど近い位置についていなかった。「ミロ監督のことはいつも頭のなかにあります。意見の相違はあっても、女優が自分の天職だと気づかせてくれる。自由は与えられるものではなく勝ち取るものです」とスアレス。ミロ監督は毀誉褒貶のある監督でしたが、個人的には女性シネアストの道を開拓してくれたと評価しています。

 

       

   (エンマ・スアレス、『ジュリエッタ』から)

 

バルバラ・レニーは『マジカル・ガール』で受賞したばかり、ペネロペ・クルスは今回ないと予想(私生活の本拠地がアメリカということもあって夕べには欠席)、カルメン・マチに貰ってほしいところですが、エンマ・スアレスが先頭を走っているような気がします。スペインでは俳優の仕事で食べていけるのは、わずか8パーセントという数字を信じれば、なかなか厳しい話です。候補者の中にはウエイトレスやボーイなどを兼業している人もおり、バルバラ・レニーだってついこないだまではそうでした。

       

                    (バルバラ・レニー、“María (y los demás)”から)


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