第34回ゴヤ賞2020授賞式*あれやこれや落穂ひろい ⑰2020年01月31日 10:45

         予想通りというか結局バンデラスが受賞した主演男優賞

 

      

 

★主演男優賞のトロフィーは結局アントニオ・バンデラスの手に渡りました。これでカンヌ映画祭男優賞、フォルケ賞、フェロス賞の3冠、そして生れ故郷のマラガでマラガの人々に囲まれてゴヤ賞もゲット、ジャンボ宝くじに当選しました(笑)。54歳という最年少で2015年にゴヤ栄誉賞を既に受賞しておりましたが、やはり主演男優賞受賞は感慨深いものがあったことでしょう。『マタドール』(助演)以来、主演の『アタメ』、『あなたに逢いたくて』、『私が、生きる肌』、今回のDolor y gloriaでやっと受賞したのです。本作は初夏に英語題のカタカナ起こし『ペイン・アンド・グローリー』の邦題で劇場公開が予定されています。好き嫌いが分かれる作品ですね。

 

     

 (赤絨毯に現れたバンデラスと<プロノビアス>のサテンのドレス姿のニコール・ケンプルさん)

 

★今年のプレゼンターは、大先輩フアン・ディエゴ、オスカル・ハエナダ、アルベルト・ロドリゲス監督、ハビエル・グティエレスなど男性4人でした。それぞれゴヤ胸像の保持者です。「スピーチを用意していたのですが、読むのは止めます。私の心臓医の気に入るようにしなければなりません。口の中に心臓があるからです。生きてるだけでなく生きてると感じています」と、今からだと丁度3年前になる心筋梗塞の発作で苦しんだことを語った。アルモドバル監督には「知り合ったのは40年前、この出会いは幸運そのものでした。私たちは8本の映画を作りました。私はあなたの誠実な映画に出ることで、映画について人生について多くのことを学んだのです」と感謝の言葉を述べた。

 

      

     (左から、フアン・ディエゴ、ハエナダ、ロドリゲス監督、グティエレス)

 

★有終の美を飾ったのは、受賞の後ブロードウェイのミュージカル『コーラルライン』のため舞台に立っときでした。マルティン・カルペナの観客は大喜びでした。残るはオスカー像、ライバルがひしめいていますが確率ゼロではありません。29日、ロスアンジェルスのドルビー・シアターで開催される第92回アカデミー賞が待ちかまえています。オスカーなどキャリアに関係ないというのは、貰ったことのない人が言うことです。早くもプロモーションのためにパートナーのニコール・ケンプルさんとニューヨークに旅立ちました。「アントニオ、幸運を祈ります!」

 

       

    (真ん中のダンサーは誰? ミュージカル『コーラスライン』も披露した!)

 

 

           運も左右する作品賞、受賞するのはなかなか難しい?

 

3時間半に及ぶセレモニーの中で一番のクライマックスが最優秀作品賞、やっとゴヤ胸像が3人のプロデューサー、エステル・ガルシアペドロ&アグスティン・アルモドバル兄弟の手に渡りました。1986年、制作会社「エル・デセオ」を兄弟で起ち上げて30数年が経った。スペイン映画アカデミーとは、誤解や行き違いを含めて対立した時代もあったから、感慨ひとしおだったでしょう。プレゼンターはマリサ・パレデスとホセ・コロナドでした。最多ノミネーション175賞)の『戦争のさなかで』でのアレハンドロ・アメナバルと拮抗していた。アメナバルは欠席したエドゥアルド・フェルナンデスの助演男優賞のトロフィーを受け取るため登壇しました。   

    

         

      (3人のプロデューサー、エステル・ガルシア、ペドロ、アグスティン)

 

★アルモドバルは監督・脚本賞も受賞したから言うことなしです。ノミネーション16で7賞は貰いすぎかもしれない。監督以下スタッフ陣もロス入りすることになるが、29日の赤絨毯を一緒に踏むのはペネロペ・クルスになりそうです。主演女優賞にノミネートされていましたが、本作には主演女優はいなかったのではないでしょうか。「ゴヤを受賞するのは、とても難しいのよ」と。クルスの衣装はシャネルを選ぶと思われていましたが、オートクチュール・コレクションの<ラルフ&ルッソ>の花柄のドレス、ベスト・ドレッサーの一人に選ばれました。

 

       

     (ペネロペ・クルスと監督、オリジナル脚本賞受賞で登壇する前のフォト)

    

        

         (パステル調の花柄のドレス、デザインはラルフ&ルッソ)

 

★主演女優賞を手にしたのは、フェロス賞に続いてベレン・クエスタでした。助演のノミネートはありますが主演は初めて、初受賞でした。バスクの3監督が監督したLa trinchera infinitaで主演男優賞ノミネートのアントニオ・デ・ラ・トーレと夫婦を演じ、28歳から60歳の老け役に挑戦したことが報われました。デ・ラ・トーレは昨年の受賞者でしたから自身も期待していなかったでしょう。ライバルはペネロペ・クルスの他、フォルケ賞のマルタ・ニエト、サンセバスチャン映画祭女優賞のグレタ・フェルナンデス、誰が受賞しても不思議ではなかったでしょう。クエスタのパートナーは2012年以来タマル・ノバス、「これを私の人生で一番大切な人と分かち合いたい。タマル、愛しています」と叫んで、満場の喝采を受けました。タマル・ノバスは『海を飛ぶ夢』でハビエル・バルデム演じるラモンの甥を演じた俳優です。プレゼンターは、スペイン映画アカデミー副会長ノラ・ナバスバルバラ・レニー、共に過去の受賞者です。

 

   

(背後にノラ・ナバスとバルバラ・レニー、「タマル、愛しています」とベレン・クエスタ)

 

   

          (ライバルだった「Madre」のマルタ・ニエト)

 

   

(ライバルだったグレタ・フェルナンデス、好評だったグッチのオフホワイトのミディ)

 

   

(バルバラ・レニー、デザインはカロリナ・エレーラ、アラバスター色のサテンのドレス)

 

 

★ガラの総合司会は、今年が2回目となるシルビア・アブリルアンドレウ・ブエナフエンテの奮闘もあり、ここ10年間では最高視聴率26.7%を記録した。マリアノ・バロッソ会長が「ビジュアルなガラにした」と言うだけありました。相変わらずエロチックなシーンも織り込んでいましたが、眉を顰めないのがスペイン人、シルビアとアンドレウの夫婦コンビのいくつか・・・。また招待席にはペドロ・サンチェス首相の姿もあり、結構政治的発言もあったとか。

     

   

       (レッド・カーペットに登場した見た目は婦唱夫随の総合司会者)

      

    

    

(ポップコーン売りの衣装で会場を回って配っているフォト)

 

     

(ペネロペに扮した太めのシルビア、ハビエル・バルデム役のお腹の出たアンドレウ、

 今は亡きビガス・ルナの『ハモンハモン』にオマージュを捧げて)

   

   

(愛され続けるホセ・ルイス・クエルダの不条理コメディ「Amanece, que no es poco」で

 父子を演じたアントニオ・レシネスとルイス・シヘスに扮した二人)

   

   

                      (黒の正装と思いきや後ろ姿は・・・)

 

  

 (涙を堪える新人男優賞受賞のエンリク・アウケル)

   

       

          (メイク&ヘアーのプレゼンター、これだと誰だか分かりませんが

      エルネスト・セビージャとホアキン・レイェスだそうです)

    

 (中央がペドロ・サンチェス首相)

 

       

★ちょっと珍しいショットのご紹介。

 

   

         (談笑するペネロペ・クルスとクララ・ラゴ)

 

   

(ベスト・ドレッサーに選ばれたクララ・ラゴと主演男優賞候補者のデ・ラ・トーレ、

 クララのデザインはオスカル・デ・ラ・レンタ)

 

★赤絨毯でのフォトコールから、取材を受けていたのは大体がプレゼンターのようでした。

  

  

    

    

(歩くのが大変なベレン・ルエダ、同色の長手袋、『アナと雪の女王』をイメージしたとか、

 デザインはベンハミン・フリーマン、靴は見えないが人気のジミー・チュウ)

    

   

   (パコ・カベサスの「Adiós」で助演女優賞ノミネートのモナ・マルティネス)

 

        

     (同じ「Adiós」で助演女優賞ノミネートのナタリア・デ・モリーナ、

 デザインはクララ・ラゴと同じオスカル・デ・ラ・レンタ、羽根を使用するのも流行)

   

  

      (いつも斬新なドレスのナイワ・ニムリ、デザインはロエベ)

 

   

        (バツグンのスタイルを強調したドレスのパス・ベガ)

 

   

          (黄色いドレスが目立ったエレナ・サンチェス)

   

   

(マラガ出れのマリア・バランコ、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で助演女優賞を受賞)

 

   

         (マカレナ・ゴメスとアルド・コマスのカップル)

 

    

                 (舞台とは異なる衣装のアマイア・ロメロ

   

   

       (常に冷静で礼儀正しい『戦争のさなかで』のアメナバル)

   

     

   (登壇したベネディクタ・サンチェスを慈愛の目で静かに見守っていた

      『ファイアー・ウィル・カム』のオリベル・ラシェ監督)

 

   

             (やはり人気のパコ・レオン)

  

     

       (もう誰も驚かなくなったエドゥアルド・カサノバのマント)

 

★こんなところですかね。南のアンダルシア州は「シエスタばかりして働かない税金泥棒」と北の人々は非難するけれど、アンダルシアの夏の暑さは半端じゃない。今宵は南北問題を忘れて珍しく団結して楽しんだマラガの授賞式でした。視聴者の皆さん、お疲れさまでした。

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