第12回ガウディ賞2020*結果発表 ― 2020年01月23日 14:31
作品賞はカルロス・マルケス=マルセの辛口コメディ「Els dies que vindran」
★ガウディ賞の正式名称は「カタルーニャ映画アカデミー<ガウディ賞>」、2002年から始まったバルセロナ映画賞がその前進、第1回は2009年でした。カタルーニャ語映画に特化した映画賞ですが、別枠にカタルーニャ語以外の映画賞もあって、こちらにゴヤ賞やフォルケ賞にノミネートされた作品が並ぶことになります。しかし当然傾向は異なり、どちらかというとバルセロナ派の作品が選ばれています。アカデミー会員は年々増える傾向にあり、現在では400名を超えていると思いますが、メンバーの投票で決定します。授賞式の規模も大きく派手になってきております。マドリード派への対抗意識が強く、それがゴヤ賞とは異なる受賞結果になっています。
★作品賞(カタルーニャ語)は、カルロス・マルケス=マルセの「Els dies que vindran」(スペイン語題「Los días que vendrán」)、カタルーニャ語以外の作品賞は、ベレン・フネスの「La hija de un ladrón」が受賞しました。フネス監督は監督賞、共同執筆者マルサル・セブリアンと脚本賞も受賞しました。両作ともゴヤ賞作品賞にはノミネートされておりません。またゴヤ作品賞ノミネートの5作は、ガウディ賞ではノミネーションはゼロでした。21カテゴリーのうちメイン・カテゴリーの受賞作品は以下の通りです。
◎作品賞(カタルーニャ語)
Els dies que vindran 監督カルロス・マルケス=マルセ、脚本カルロス・マルケス=マルセ、クララ・ロケル、コラル・クルス
製作:Lastor Medias / Avalon Productora Cinematográfica 協賛TV3カタルーニャTV
*作品紹介は、コチラ⇒2019年04月11日
(カルロス・マルケス=マルセ監督)
◎作品賞(カタルーニャ語以外)
La hija de un ladrón 監督ベレン・フネス、脚本ベレン・フネス&マルシャル・セブリアン
製作:Obelon Cinematográfica / Bteam Pictures 協賛TV3カタルーニャTV
(実のエドゥアルドとグレタのフェルナンデス父娘が主役を演じた)
◎監督賞
ベレン・フネス 映画「La hija de un ladrón」
(ベレン・フネス監督)
◎脚本賞
ベレン・フネス、マルサル・セブリアン 映画「La hija de un ladrón」
(ベレン・フネス、マルサル・セブリアン)
◎主演女優賞
マリア・ロドリゲス 映画「Els dies que vindran」
(撮影中は大きなお腹を抱えて奮闘したマリア・ロドリゲス)
〇サンセバスチャン映画祭2019女優賞受賞のグレタ・フェルナンデス(「La hija de un ladrón」)と予想しましたが外れました。
◎主演男優賞
カラ・エレハルデ 映画『戦争のさなかで』(監督アレハンドロ・アメナバル)
(ノミネーションの山でしたが、やっと1賞しました)
〇他の候補者は、エドゥアルド・フェルナンデス(「La hija de un ladrón」)、ダビ・ベルダゲル(「Els dies que vindran」)などでした。
◎助演女優賞
ライア・マルル 映画「La inocencia」(監督ルシア・アレマニー)
(大喜びのライア・マルル)
(主演女優賞ノミネートのカルメン・アルファと母娘を演じたライア・マルル)
〇意外だったか意外でなかったかは人によるでしょう。他の候補者はアルモドバルの「Dolor y gloria」出演のフリエタ・セラノとノラ・ナバスなどでした。
*「La inocencia」の作品紹介は、コチラ⇒2019年07月24日
◎助演男優賞
エンリク・アウケル 映画「Quíen a hierro mata」(監督パコ・プラサ)
(受賞のアナウンスに白のロングコートで走り回って喜んだエンリク・アウケル)
〇フェロス賞の映画部門&TV シリーズ部門で2冠だったエンリク・アウケル、これで3冠となりました。ゴヤ新人賞が楽しみになってきました。対抗馬は『戦争のさなかで』のエドゥアルド・フェルナンデス、ロドリゴ・ソロゴジェンの「Madre」出演のアレックス・ブレンデミュール、「La hija de un ladrón」のアレックス・モネールでした。
◎プロダクション賞
オリオル・マイモ 映画「Quíen a hierro mata」
(パコ・プラサ監督のスリラー「Quíen a hierro mata」のポスター)
◎編集賞
アナ・プファフ、カルロス・マルケス=マルセ、オスカル・デ・ジスペルト
映画「Els dies que vindran」
(アナ・プファフ、カルロス・マルケス=マルセ)
◎撮影賞
マウロ・エルセ 映画『ファイアー・ウィル・カム』(監督オリベル・ラシェ)
〇本作では オリベル・ラシェがヨーロッパ映画賞の栄誉賞も受賞しました。
(やっと1賞したオリベル・ラシェ監督)
◎美術賞
マルタ・バサコ 映画「La hija de un ladrón」
★簡単でしたが以上です。去る1月19日(現地)に結果発表になっておりましたが、大分遅れてしまいました。いよいよ25日のゴヤ賞が目前となりましたが、どんな結果になるでしょうか。監督賞ノミネーションの4人の監督が出席して行われる恒例座談会(エル・パイス紙主催)で、それぞれ思いを語っていますが、今回はアルモドバルが取るのではないでしょうか。
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