第23回フォルケ賞2018*ノミネーション・リスト ― 2017年12月24日 15:38
フォルケの生れ故郷サラゴサで初めて開催される

★今年初めてマドリード以外のセビーリャで開催されたフォルケ賞授賞式、2018年もマドリードを離れて1月13日、ホセ・マリア・フォルケ(1923)の生れ故郷サラゴサで開催されます。サラゴサにはスペインの守護聖母「ピラールの聖母」が祀られているピラール聖母教会があり、サラゴサ観光の目玉でもある。さらにスペイン映画の第1作は、ヒメーノ親子が1896年に撮影した『サラゴサのピラール聖母教会でのミサ後の退出風景』だった。アラゴン州は古くはフローリアン・レイ、アントニオ・サウ、ルイス・ブニュエル、今年の栄誉賞を受賞するカルロス・サウラなどのシネアストを輩出している。

(長編映画賞候補の5作品)
★フォルケ賞はゴヤ賞に比較して地味だが、ゴヤ賞を占う前哨戦的な意味合いがあった。しかしフェロス賞(第1回2014年1月)ができてからは、カテゴリーの数が7部門と少ないぶん、少し様子が変わってきています。ゴヤ賞が監督に光を当てる映画賞なら、フォルケ賞は製作者にスポットを当てる映画賞、したがって監督賞はありません。そもそも選考母体が異なりますから当然です。ゴヤ賞はスペイン映画科学アカデミー、フォルケ賞はEGEDAオーディオビジュアル著作権管理協会*です。EGEDAの初代会長ホセ・マリア・フォルケの功績を讃えて創設されたのが本賞でした。もっとも作品賞は、ホラー「Verónica」(『エクリプス』)がコメディ「Abracadabra」に入れ替わっただけですから、ゴヤ賞に影響するかもしてません。
*EGEDAについては、コチラ⇒2016年12月30日
◎長編映画賞(フィクションとアニメーション)
「Abracadabra」 ARCADIA MOTION PICTURES他 (監督パブロ・ベルヘル)
「El autor」★ ALEBRIJE CINE Y VIDEO S.A. 他 (監督マヌエル・マルティン・クエンカ)
「La libreria」★ A CONTRACORRIENTE FILMS他 (監督イサベル・コイシェ)
「Verano 1993」『夏、1993』★ AVALON PRODUCTORA CINEMATOGRAFICA S.L. 他
(監督カルラ・シモン)
「Handia」★ AUNDIYA FILM A.I.E. 他 (監督アイトル・アレギ&ジョン・ガラーニョ)

(カルラ・シモンと主演女優賞ノミネートのブルナ・クシ)
◎長編ドキュメンタリー賞
「Alberto Garcia-Alix: La lineade la sombra」 監督ニコラス・コンバロ
「Dancing Beethoven」 監督アランチャ・アギーレ ★
「Muchos hijos, un mono y un castillo」 監督グスタボ・サルメロン ★
「Sauras (s)」 監督フェリックス・ビスカレト ★
「Sara Baras: Todas las voces」 監督ラファ・モレス&ペペ・アンドレウ
◎短編映画賞
「Los desheredados」ドキュメンタリー (監督ラウラ・フェレス 製作Inicia Films)★
「Madre」 (監督ロドリゴ・ソロゴジェン 製作Caballo Films)★
「Tabib」 (監督カルロ・ドゥルシD'Ursi 製作Potenza Produciones)
◎主演男優賞
アンドレス・ヘルトルディス ★ 「Morir」 監督フェルナンド・フランコ
ダビ・ベルダゲル ★助演 「Verano 1993」
ハビエル・グティエレス ★ 「El autor」
フアン・ディエゴ 「No sé decir adiós」 監督リノ・エスカレラ
◎主演女優賞
アデルファ・カルボ ★助演 「El autor」 監督マヌエル・マルティン・クエンカ
アンナ・カスティーリョ ★助演 「La llamada」『ホーリー・キャンプ!』
監督ハビエル・カルボ&ハビエル・アンブロッシ
マリアン・アルバレス 「Morir」
マリベル・ベルドゥ ★ 「Abracadabra」
ブルナ・クシ ★新人 「Verano 1993」『夏、1993』
ナタリエ・ポサ ★ 「No sé decir adiós」

◎長編ラテンアメリカ映画賞
「La cordillera」『サミット』(アルゼンチン) 監督サンティアゴ・ミトレ
「Las hijas de Abril」(メキシコ) 監督ミシェル・フランコ
「Mi Mundial」(アルゼンチン=ブラジル=ウルグアイ) 監督カルロス・モレリィ
「Ultimos días en La Habana」(キューバ) 監督フェルナンド・ぺレス
「Una mujer fantástica」『ナチュラルウーマン』(チリ) 監督セバスティアン・レリオ ★
◎Cine y Educacion en Valores
「Deep」(アニメーション) 監督フリオ・ソト・グルピデ
「Handia」
「Lo que de verdad importa」 監督パコ・アランゴ
◎EGEDA金のメダル(栄誉賞)
カルロス・サウラ

(カルロス・サウラと娘アンナ・サウラ・ラモン)
*ゴチック体は当ブログ紹介作品、★印はゴヤ賞にもノミネートされています。
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