ロス・ハビスの新作「La bola negra」にペネロペ・クルスが出演 ― 2025年07月04日 11:04
フェデリコ・ガルシア・ロルカの未完の小説 ”La bola negra” をベースに

(ハビエル・アンブロッシ、ハビエル・カルボ、グラナダの詩人ガルシア・ロルカ)
★5月19日、カンヌのイベントでロス・ハビスの新作「La bola negra」(スペイン=フランス合作)にペネロペ・クルスとシンガーソングライターのギタリカデラフエンテの出演が発表になりました。ハビエル・カルボ&ハビエル・アンブロッシ(通称ロス・ハビス)が、監督、脚本、製作する映画です。ロス・ハビスの制作会社「Suma Contento」とフランスの「Le Pacte」が製作し、パートナーに Movistar Plus+ が参画、販売権はフランスのGoodfellas が取得しました。2026年公開予定で劇場公開後にモビスター・プラスが独占ストリーミング配信します。

(ペネロペ・クルス)

(スクリーン・デビューをするギタリカデラフエンテことアルバロ・ラフエンテ)
「La bola negra」
製作:Suma Contento Films / Le Pacte / Movistar Plus+
監督:ハビエル・アンブロッシ、ハビエル・カルボ
脚本:ハビエル・アンブロッシ、ハビエル・カルボ、アルベルト・コネヘロ
音楽:ラウル・フェルナンデス・ミロ(ニックネーム ’リフリー’)
撮影:グリス・ホルダナ
編集:アルベルト・グティエレス
美術:ロジャー・ベレス
衣装デザイン:アナ・ロペス・コボス
メイクアップ:アンヘラ・センテノ、マリロ・オスナ
製作者:ハビエル・アンブロッシ、ハビエル・カルボ
データ:製作国スペイン=フランス、スペイン語、ドラマ、撮影地スペイン、8月クランクイン、12週間の予定、公開予定2026年、公開後Movistar Plus+ にて独占ストリーミング配信
キャスト:ペネロペ・クルス、ミゲル・ベルナルドー、ロラ・ドゥエニャス、カルロス・ゴンサレス、アルバロ・ラフエンテ・カルボ(ギタリカデラフエンテ)
解説:ガルシア・ロルカの未完の小説「La bola negra」と、アルベルト・コネヘロの戯曲「La piedra oscura」に触発されて製作された映画。三つの異なる時代(1933、1937、2017)を舞台に、三人のゲイの人生を織り交ぜ、セクシュアリティ、社会階級、宗教、欲望、痛み、遺産をテーマにして、スペインにおけるゲイとは何か、何を意味しているかを探ります。「私たちは、最大限の敬意をはらって、内省的な探求と歴史的研究の旅に出ます。今までは女性やトランスジェンダーの人々についての物語を綴ることで、クィアであることはどういうことか検証してきました。ゲイの男性を主役に据えた作品は今回が初めてです」と、アンブロッシはモビスター・プラスのプレゼンテーションで語った。

(Movistar Plus+ のプレゼンテーション、テレフォニカビル、1月22日)
★フェデリコ・ガルシア・ロルカ(グラナダ1898~1936)の「La bola negra」は、1936年、劇作家で詩人、舞台演出家のシプリアノ・リバス・チェリフに宛てて送った4ページにわたる小説。その年の8月18日にグラナダのアルファカルの道端で暗殺集団〈黒部隊〉によって銃殺された詩人は、永久に完成させることが叶わなかった。今回〈戯曲〉と紹介されている記事も目にしましたが、ロルカの最初にして最後の小説が正しいようです。リバス・チェリフ(マドリード1891~メキシコシティ2067)は、数ある〈ロルカ伝〉のどれにも度々登場する舞台演出家で、1934年の『イエルマ』をマドリードのスペイン劇場で初演している。フランスでナチに捕らえられた後、フランコ政府に引き渡され1945年釈放、1947年に家族でメキシコに亡命、彼の地で亡くなった。小説の主人公は裕福な家庭の息子、父親は信望のある会員制社交クラブに加入させようとしているが、それには一種の踏み絵があった。賛成なら白いボール bola blanca、反対なら黒いボール bola negra を投票箱に入れる。息子は結局加入しなかった。ゲイが原因で受け入れられなかった。
*「ロルカの死をめぐる謎」については、コチラ⇒2015年09月11日

(現在発表になっているポスター)
★アルベルト・コネヘロは、1978年アンダルシア州ハエン県ビルチェス生れの劇作家、王立演劇芸術学校で舞台演出と劇作法を学び、マドリードのコンプルテンセ大学博士課程卒。戯曲 “La piedra oscura”(2013刊)は、2015年に初演(60分)され、翌年演劇界の最高賞マックス脚本賞を受賞している。舞台はサンタンデール近くの陸軍病院の病室、出演者は互いに面識のなかった2人の入院患者(30代の砲兵大佐ラファエル、若い兵士セバスティアン)。ラファエルは1937年8月18日、サンタンデールの陸軍病院で25歳で亡くなったロルカの恋人ラファエル・ロドリゲス・ラプン、その最後の日々が語られる。ラファエルは知る由もないが、奇しくも1年前のロルカの命日に旅立っている。

(アルベルト・コネヘロ)

(戯曲 “La piedra oscura” の表紙)
★スタッフ紹介:ロス・ハビスは、TVシリーズ「La Mesías」(23)のスタッフを全員呼び戻したようです。それぞれ手掛けた作品のうち当ブログで作品紹介をしているものを追加しました。
ラウル・フェルナンデス・ミロ(音楽、「Un año, una noche」ガウディ賞、『二筋の川』)
クリス・ホルナダ(撮影、「Soy Nevenka」ゴヤ賞ノミネート、『リベルタード』ガウディ賞)
アルベルト・グティエレス(編集、『ホーリー・キャンプ!』「Casa en llamas」)
ロジャー・ぺレス(美術、『ホーリー・キャンプ!』『記憶の行方』)
アナ・ロペス・コボス(衣装、『シークレット・ヴォイス』『Madre』)
アンヘラ・センテノ(メイク、「Saben aquell」『レインボー』「Libertad」)
マリロ・オスナ(メイク、『パラレル・マザーズ』『誰もがそれを知っている』『ボルベール 帰郷』など)
*以上いずれも受賞歴のあるベテランです。
★キャスト紹介:ペネロペ・クルスやロラ・ドゥエニャスの紹介は不要ですが、二人とも原作には登場しない登場人物、どのように絡ませるのか、もう少し情報が欲しいところです。ロス・ハビスはクルスとのタッグは初めて、数週間前の初会合では「子供のときから映画館でしか見たことのなかった人」を目の前にして、かなり感動したようです。ドゥエニャスの演技力については「La Mesías」で体験済み、シンガーソングライター、ギタリスト、俳優のギタリカデラフエンテ(バレンシア州カステリョン県ベニカシム1997)は、今作が映画デビューと宣伝していますが、検索かけたらホアキン・マソンの「El casoplón」というコメディに出演していました(2025年4月公開)。まだクランインしていない映画ですので、後日纏めて紹介したい。
★ロス・ハビスは、「Pedro x Javis」(25、3話)というドキュメンタリーをMovistar Plus+ で製作したばかりです。既に配信されているようです。ペドロとはペドロ・アルモドバルのこと、他の出演者は、ロス・ハビス自身、アントニオ・バンデラス、カルメン・マチ、レオノール・ワトリング、ロッシ・デ・パルマ、作曲家アルベルト・イグレシアス、撮影監督ホセ・ルイス・アルカイネ、新作「La bola negra」出演のペネロペ・クルスやロラ・ドゥエニャスは勿論のこと、アルバロ・ラフエンテ、ラウル・フェルナンデス・ミロなどもクレジットされています。とにかく二人は、好き嫌いは別として、スペインでは話題提供のシネアストです。


(撮影中のハビエル。アンブロッシ、ペドロ・アルモドバル、ハビエル・カルボ)

(アントニオ・バンデラス、ロス・ハビス、後ろ向きはホセ・ルイス・アルカイネ)

(ロス・ハビス、ペネロペ・クルス、歌手アマイア・ロメロ)

(ビビアナ・フェルナンデス、ローレス・レオン、ロッシ・デ・パルマ)
★ハビエル・アンブロッシ(マドリード1984)とハビエル・カルボ(マドリード1991)のデビュー作『ホーリー・キャンプ!』(17)の紹介記事は、コチラ⇒2017年10月07日
エドゥアルド・フェルナンデスに映画国民賞2025のニュース ― 2025年07月13日 18:28
「Marco」と「El 47」のエドゥアルド・フェルナンデスに映画国民賞2025

(「Marco」でゴヤ賞2025主演男優賞を受賞したフェルナンデス、右は娘グレタ)
★6月30日、今年の映画国民賞受賞者の発表がありました。選考母体はスペイン文化スポーツ教育省と映画部門はスペイン映画アカデミー、副賞は30.000ユーロ、主に前年に映画界で活躍、貢献した人が選ばれます。授与式は秋開催のサンセバスチャン映画祭期間中(2025年は9月19日~27日)と大枠は変わっておりません。エドゥアルド・フェルナンデス(バルセロナ1964)は、マルセル・バレナの「El 47」とアイトル・アレギ&ジョン・ガラーニョの「Marco」の演技が評価され受賞しました。昨年12月から今年にかけてスペインで開催される映画賞、前者でガウディ賞、ディアス・デ・シネ賞、後者でフォルケ賞を皮切りに、ゴヤ賞、イベロアメリカ・プラチナ賞、シネマ・ライターズ・サークル賞、フォトグラマス・デ・プラタ、スペイン俳優組合賞、フェロス賞、ディアス・デ・シネ賞、文化省が授与する金のメダル芸術功労賞と貰える賞のほとんどを制覇しておりましたので、発表を待たずとも受賞は確実視されておりました。ゴヤ胸像4個保持者はカルメン・マウラと故ベロニカ・フォルケに続く3人目とか。

(実在の詐欺師を演じた「Marco」のポスター)
★細切れにキャリア&フィルモグラフィーを紹介しておりますが、国民賞受賞を機会に公開作品もかなりありますので、代表作、受賞作を中心に紹介しておきます。1964年8月バルセロナ生れ、映画・舞台・TV俳優、2024年、短編「El otro」で監督デビュー、バジャドリード映画祭でプレミア上映されました。舞台俳優としてスタートをきる。シェイクスピアの『ハムレット』(マックス賞2013)、『テンペスト』、『ジョン王』、サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』(観客賞)などに出演している。1990年作家のエスメラルダ・ベルベルと結婚、1995年グレタ・フェルナンデス誕生、2015年離婚、現在のパートナーはアイノア・アルダノンド。

(パートナー、アイノア・アルダノンドとフェルナンデス)

(シェイクスピアの『ハムレット』から、今は亡きマリサ・パレデスと)
★TVシリーズに出演した後、1994年ロサ・ベルヘスの「Souvenir」で長編映画デビュー、マリアノ・バロッソのスリラー「Los lobos de Washington」(99)でハビエル・バルデムと共演、翌年ゴヤ新人賞にノミネート、サンジョルディ賞、オンダス賞を受賞した。マヌエル・ビセントの同名小説を映画化したビガス・ルナの「Son de mar」(01)は『マルティナは海』の邦題で公開された。本作はフェルナンデス日本初登場となった作品。アレックス・オレ、イシドロ・オルティス、カルロス・パドリサ、演劇集団ラ・フラ・デルス・バウスのホラー・ファンタジー「Faust 5.0」で現代のメフィストフェレス役でゴヤ賞2002主演男優賞受賞の他、シッチェスFF、サンジョルディ賞などを受賞した。ファウスト博士にミゲル・アンヘル・ソラが扮した。セスク・ゲイのアンサンブルドラマ「En la ciudad」でゴヤ賞2004助演男優賞を受賞、本作は『イン・ザ・シティ』の邦題でミニ映画祭で上映された。

(ゴヤ賞主演男優賞を手にした「Faust 5.0」のポスター)

(レオノール・ワトリングと共演した『イン・ザ・シティ』のポスター)
★マル・コルがゴヤ賞2010新人監督賞を受賞した「Tres dies amb la família」に主演、マラガ映画祭2009銀のビスナガ男優賞を受賞した。『家族との3日間』の邦題で東京国際女性映画祭2010で上映された。2010年は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの「Biutiful」(『ビューティフル』)、アグスティ・ビリャロンガの「Pa negra」(『ブラック・ブレッド』)と収穫の多い年となった。2011年ペドロ・アルモドバルの「La piel que habito」(『私が、生きる肌』)、2014年ダニエル・モンソンの「El niño」(『エル・ニーニョ』)でゴヤ賞2015助演男優賞にノミネート、2015年のイマノル・ウリベの「Lejos del mar」では、エレナ・アナヤとタッグをくんで ETA の元テロリストを演じた。2016年は、アルベルト・ロドリゲスのスリラー「El hombre de las mil caras」(『スモーク・アンド・ミラーズ』)で実在したスペイン政府の元諜報員フランシスコ・パエサを演じて、サンセバスチャン映画祭2016の銀貝男優賞とガウディ賞は受賞したが、ゴヤ賞は逃した。

(サンセバスチャンFF 2016 銀貝男優賞を受賞した『スモーク・アンド・ミラーズ』)
★2016年、エンリケ・セレソがプロデュースしたサルバドール・カルボの「1898, Los últimos de Filipinas」『1898:スペイン領フィリピン最後の日』に指揮官エンリケ・デ・ラス・モレナスに扮し、ルイス・トサールやハビエル・グティエレス、カラ・エレハルデなどと共演した。アレックス・デ・ラ・イグレシアの群像劇「Perfecta desconocidos」(17)、アスガー・ファルハティ「Todos lo saben」『誰もがそれを知っている』(18)、アレハンドロ・アメナバルの「Mientras dere la guerra」(『戦争のさなかで』19)では、哲学者ウナムノを毛嫌いするホセ・ミリャン・アストライ将軍に扮し、2回目のゴヤ賞助演男優賞を受賞した。

(フランコ総統の盟友、隻眼片腕のホセ・ミリャン・アストライ将軍を演じた)
★2019年、ベレン・フネスの「La hija de un ladrón」は、愛娘グレタ・フェルナンデスと初共演、グレタは銀貝女優賞を手にした。親子で銀貝賞を受賞したことになり、自身の受賞よりも何倍も嬉しかったに違いない。スペイン映画賞のノミネートの山を築いたマルセル・バレナの「Mediterráneo」(21)では、受賞こそなかったが監督との絆を固め、次の「El 47」主演に繋がった。オリオル・パウロ「Los lengrones torcidos de Dios」(22)は、邦題『神が描くは曲線で』でネット配信された。上述したアイトル・アレギ&ジョン・ガラーニョの「Marco」、マルセル・バレナの「El 47」の字幕入りを期待したい。2018年、バジャドリード映画祭栄誉スパイク賞を受賞した。
★主なフィルモグラフィー(短編、TVシリーズは割愛、太字代表作)
1994「Souvenir」コメディ、ロサ・ベルヘス
1999「Zapping」フアン・マヌエル・チュミリャ
1999「Los lobos de Washington」スリラー、マリアノ・バロッソ、ゴヤ賞新人賞ノミネート
2000「El portero」ゴンサロ・スアレス
2001「La voz de su amo」フィルムノワール、エミリオ・マルティネス=ラサロ
2001「Son de mar」『マルティナは海』ビガス・ルナ、ゴヤ賞助演男優賞ノミネート
2001「Faust 5.0」ファンタジー、アレックス・オレ、イシドロ・オルティス、
カルロス・パドリサ、ゴヤ賞2002主演男優賞、他受賞歴多数
2002「El embrujo de Shanghai」フェルナンド・トゥルエバ
2002「Smoking room」ロヘル・グアル、J.D. Wallovits、マラガFF 銀のビスナガ男優賞
2003「En la ciudad」『イン・ザ・シティ』セスク・ゲイ、ゴヤ賞助演男優賞、
スペイン俳優組合賞
2004「Cosas que hacen que la vida valga la pena」マヌエル・ゴメス・ペレイラ、
ゴヤ賞主演男優賞・スペイン俳優組合賞ノミネート
2005「Hormigas en la boca」マリアノ・バロッソ、マラガFF銀のビスナガ男優賞
2005「Obaba」モンチョ・アルメンダリス
2005「El método」マルセロ・ピニェイロ、スペイン俳優組合賞受賞、
ゴヤ賞主演男優賞ノミネート
2006「Ficción」セスク・ゲイ
2006「Alatriste」『アラトリステ』アグスティン・ディアス・ヤネス
2008「3 días」『アルマゲドン・パニック』フランシスコ・ハビエル・グティエレス
2009「Amores locos」ベダ・ドカンポ・フェイホー
2009「Tres dies amb la família」『家族との3日間』マル・コル、
マラガFF銀のビスナガ男優賞、ブタカ賞受賞、ガウディ賞主演男優賞、
シネマ・ライターズ・サークル賞ノミネート
2009「Luna caliente」『ザ:レイプ 獣欲』ビセンテ・アランダ
2010「Biutiful」『BIUTIFUL ビューティフル』アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、
ゴヤ賞助演男優賞ノミネート
2010「La mosquitera」コメディ、アグスティ・ビラ、ガウディ賞主演男優賞受賞、
フォルケ賞ノミネート
2010「Pa negra」『ブラック・ブレッド』アグスティン・ビリャロンガ
2011「La piel que habito」『私が、生きる肌』ペドロ・アルモドバル
2012「Miel de naranjas」イマノル・ウリベ
2012「Una pistola en cada mano」セスク・ゲイ、ガウディ賞助演男優賞
2013「Todas las mujeres」マリアノ・バロッソ、フォルケ賞・サンジョルディ賞受賞、
ゴヤ賞主演男優賞・シネマ・ライターズ・サークル賞・フェロス賞ノミネート
2014「Marsella」ベレン・マシアス
2014「El niño」『エル・ニーニョ/ザ・トランスポーター』ダニエル・モンソン
ゴヤ賞助演男優賞ノミネート
2015「Felices 140」コメディ、グラシア・ケレヘタ
2015「Truman」『しあわせな人生の選択』セスク・ゲイ
2015「Lejos del mar」スリラー、イマノル・ウリベ
2016「La noche que mi madre mató a mi padre」コメディ、イネス・パリス
2016「El hombre de las mil caras」『スモーク・アンド・ミラーズ』
アルベルト・ロドリゲス、サンセバスチャンFF銀貝男優賞、ガウディ賞、
シネマ・ライターズ・サークル賞
2016「1898:Los últimos de Filipinas」『1898:スペイン領フィリピン最後の日』
サルバドール・カルボ
2017「Perfecta desconocidos」ブラックコメディ、アレックス・デ・ラ・イグレシア
2018「Todos lo saben」『誰もがそれを知っている』アスガー・ファルハティ
ゴヤ賞助演男優賞ノミネート
2019「Mientras dere la guerra」『戦争のさなかで』アレハンドロ・アメナバル、
ゴヤ賞助演男優賞、シネマ・ライターズ・サークル賞
2019「La hija de un ladrón / A thief’s daughter」ベレン・フネス、
ガウディ主演男優賞ノミネート
2021「Mediterráneo」マルセル・バレナ、ゴヤ賞主演男優賞、フォルケ賞、ガウディ賞、
フェロス賞、イベロアメリカ・プラチナ賞、各男優賞ノミネート
2022「Los renglones torcidos de Dios」『神が描くは曲線で』オリオル・パウロ
ガウディ賞助演男優賞ノミネート
2024「Marco」アイトル・アレギ&ジョン・ガラーニョ、ゴヤ賞主演男優賞、
フォルケ賞男優賞、プラチナ賞、シネマ・ライターズ・サークル賞、
スペイン俳優組合賞ほか多数
2024「El 47」マルセル・バレナ、ガウディ男優賞、ディアス・デ・シネ賞
★働き者ですね、出演本数の多さ、多彩さにアップして驚きました。このほかに短編、TVシリーズ、例えば最近では、Netflix 配信中の『鉄の手』(8話)、「30 Monedas」(16話、HBO MAX)に主演しており、さらに舞台にも出演しています。
★スペイン映画だけですが、サンセバスチャン映画祭2025のセクション・オフィシアル他ノミネート発表がありましたので、そろそろ作品紹介を予定しています。
◎主な関連記事
*『エル・ニーニョ』紹介は、コチラ⇒2014年09月20日/2015年01月15日
*「Lejos del mar」紹介は、コチラ⇒2014年11月30日
*「Felices 140」紹介は、コチラ⇒2015年01月07日
*「Marsella」紹介は、コチラ⇒2015年02月02日
*『スモーク・アンド・ミラーズ』紹介は、コチラ⇒2016年09月24日
*『1898:スペイン領フィリピン最後の日』紹介は、コチラ⇒2017年01月05日
*「Perfecta desconocidos」紹介は、コチラ⇒2017年02月26日
*『誰もがそれを知っている』紹介は、コチラ⇒2018年05月08日
*「La hija de un ladrón」紹介は、コチラ⇒2019年07月23日
*『戦争のさなかで』紹介は、コチラ⇒2019年11月26日
*「Mediterráneo」紹介は、コチラ⇒2021年12月13日
*「Marco」とキャリア紹介は、コチラ⇒2024年09月03日
*「El 47」紹介は、コチラ⇒2024年12月28日
アグスティン・ディアス・ヤネスの新作はNetflix*SSIFF2025 ① ― 2025年07月16日 10:49
「Un fantasma en la batalla」の主役は1990年代のETA潜入捜査官

★アグスティン・ディアス・ヤネスの新作「Un fantasma en la batalla / She Walks in Darkness」が、Netflix で配信されるニュースに接しデータを集めていたところにサンセバスチャン映画祭のノミネーション発表が飛び込んできました。まだスペイン映画に限定した部分的な発表ですが、アウト・オブ・コンペティション部門上映が決まったようです。セクション・オフィシアルのスペイン映画には、ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギのコンビがタッグを組んだ「Maspalomas」と、サンセバスチャンに25年ぶりに戻ってきたホセ・ルイス・ゲリンの「Historias del buen valle / Good Valley Stories」、アルベルト・ロドリゲスの「Los Tigres」の3 作がノミネートされていました。追い追いアップしていく予定です。
★アグスティン・ディアス・ヤネスの新作は、1990年代からおよそ10年間を、ETAバスク愛国主義のテロ組織に潜入して諜報活動をした若い治安警備隊員の実話に触発されて製作されました。1995年1月、サンセバスティアン市長選挙に国民党PPから立候補していたグレゴリオ・オルドーニェスが投票前日に暗殺される前から始まるようです。5年前からの構想ということで、今春クランクイン、フランス側バスクで撮影が開始されています。ヒロインのアマイアにスサナ・アバイトゥアが扮しますが、架空の人物です。ETAのテロリスト・グループに潜入した女性捜査官はアランサス・ベラドレ・マリン(偽名、本名はエレナ・テハダ)たった一人で、彼女をベースに人物造形をしたそうです。この女性潜入捜査官を主役にした、アランチャ・エチェバリアの「La infiltrada」ではカロリナ・ジュステが演じて、ゴヤ賞2025主演女優賞を受賞、エチェバリア監督もマルセル・バレナの「El 47」と作品賞を分かち合いました。
*「La infiltrada」の作品紹介記事は、コチラ⇒2025年01月15日

(スサナ・アバイトゥア、フレームから)
★製作スタッフは、『雪山の絆』を手掛けた、J. A. バヨナ、ベレン・アティエンサ、サンドラ・エルミダ、ラウル・ギベルトなどが全員集合しています。

(監督、製作者、メインキャストが勢揃い)
「Un fantasma en la batalla / She Walks in Darkness」
(邦題『そして彼女は闇を歩く』)
製作:Producción de Bayona / Netflix
監督・脚本:アグスティン・ディアス・ヤネス
撮影:パコ・フェメニア
音楽:アルナウ・バタリェル
美術:ハイメ・アンドゥイサ
プロダクションデザイン:アライン・バイネー
キャスティング:フアナ・マルティネス
衣装デザイン:サイオア・ララ
メイクアップ:ベアトリス・ブスタマンテ
製作者:J. A. バヨナ、ベレン・アティエンサ、サンドラ・エルミダ、ラウル・ギベルト
データ:製作国スペイン、2025年、スペイン語、歴史、政治サスペンス、テロリズム、105分、撮影地ギプスコア県、フランス領バスク地方イパラルデ Iparralde、スペイン公開10月3日、Netflix 配信10月17日が決定
映画祭・受賞歴:サンセバスチャン映画祭2025アウト・オブ・コンペティション上映
キャスト:スサナ・アバイトゥア(アマイア)、アンドレス・ゲルトルディスク、イライア・エリアス、ラウル・アレバロ、アリアドナ・ヒル、エドゥアルド・レホン、アントン・ソト(エタラ)、イニャキ・バルボア(ボリナガ)、エネコ・サンス(チェリス)、アンデル・ラカジェ(アンドニ)
ストーリー:若い治安警備隊員アマイアがETAテロ組織に潜入した約10年間が語られる。舞台は1990年代から2000年にかけての南フランスのバスク、アマイアのミッションはテロ組織が隠し持つ秘密兵器のアジト(スロス)を突き止めることでした。テロとの直接の闘いに関与し、スペインの歴史的、政治社会的文脈に根ざした捜査官たちの生活と経験に触発されて製作された。
★アグスティン・ディアス・ヤネス監督紹介:1950年マドリード生れ、監督、脚本家、作家。本作は7年ぶりの監督作品になる。本祭関連の映画として、1995年のデビュー作「Nadie hablara de nosotras cuando hayamos muerto」があり、審査員特別賞を受賞したほか、主役のビクトリア・アブリルが銀貝女優賞を受賞した。翌年のゴヤ賞でも8冠を制した。1997年『死んでしまったら私のことなんか誰も話さない』の邦題で劇場公開されている。

(アグスティン・ディアス・ヤネス)
★2001年「メイド・イン・スペイン」部門で2作目「Sin noticias de Dios」(『ウェルカム!ヘヴン』)、本作は当時のスペインで破格の製作費を費やして製作され、ペネロペ・クルス、ビクトリア・アブリル、ガエル・ガルシア・ベルナル、エルサ・パタキーなどが出演、撮影費の高いパリでも撮影された。そして2006年、ビゴ・モーテンセンをリクルートしたヒット作「Alatriste」は、ベストセラー作家アルトゥーロ・ペレス=レベルテの小説の映画化、2年後の2008年にはアブリル、新作出演のアリアドナ・ヒル、ピラール・ロペス・デ・アヤラ、エレナ・アナヤ、ディエゴ・ルナなどスターを起用して撮った「Solo quiero caminar」(『4人の女』DVD)、2017年「Oro」は、16世紀のアマゾン熱帯雨林に伝説の黄金都市を探し求めるアドベンチャー歴史ドラマ、ホセ・コロナド、オスカル・ハエナダ、新作出演のラウル・アレバロ、バルバラ・レニーなどが出演した。

(邦題『アラトリステ』の最後のシーン)
★当ブログ初登場のキャスト紹介:
*スサナ・アバイトゥア(バスク自治州ビトリア1990)、エレナ・タベルナの「La buena nueva」でトゥールーズ・シネスパニャ2008で新人女優賞受賞、ロドリゴ・ソロゴジェン「Stockholm」(13)、アンヘル・ゴンサレスのホラー「Compulsión」でタブロイド・ウォッチ賞助演女優賞受賞、アイトル・ガビロンドの「Patria」(20)でTVシリーズ助演女優賞ノミネート、ダニ・デ・ラ・オルデンの「Loco por ella」(21『クレイジーなくらい君に夢中』)、アラウダ・ルイス・デ・アスアのラブコメ「Eres tú」(23『だから、君なんだ』)、TVシリーズ「Farad」(23『華麗なるファラド家』8話)、サルバドール・カルボの「Valle de sombras」(23)、ダニ・ロビラと共演したイボン・コルメンサナの「El bus de la vida」(24)、マラガ FF2025コンペティションのダニエル・グスマン「La deuda」(25)など、ラブコメとシリアスドラマが演じられる若手女優。

*アンドレス・ゲルトルディスク(マドリード1977)、J. A. バヨナ『永遠のこどもたち』、最近ではホナス・トゥルエバの「Volvereis」、アバイトゥアと共演した「El bus de la vida」、アルベルト・モライスの「La terra negra」など出演のベテラン。マラガ映画祭2007短編部門「Verano o Los defecos de Andrés」で銀のビスナガ男優賞受賞、「Morir」でゴヤ賞2018主演男優賞ノミネート、2018年メディナ映画祭21世紀の俳優に選ばれる。

(アンドレス・ゲルトルディスクとスサナ・アバイトゥア、フレームから)
*イライア・エリアス(1980)、アシエル・アルトゥナの「Amama」でゴヤ賞2016新人女優賞とシネマ・ライターズ・サークル賞にノミネート、コルド・アルマンドスがサンセバスチャン映画祭2018でバスク映画賞イリサル賞を受賞した「Oreina / Ciervo」に出演している。

(イライア・エリアス、デビュー作「Amama」から)

(ラウル・アレバロ、フレームから)

(アリアドナ・ヒルとスサナ・アバイトゥア、フレームから)
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第73回サンセバスチャン映画祭セクション・オフィシアル*SSIFF2025 ② ― 2025年07月24日 14:02
サンセバスティアンでデビューしたシネアストたちが戻ってきました

(SSIFF2025上映のスペイン映画一覧)
★第73回サンセバスチャン映画祭2025のノミネート作品が発表されました。まだスペイン映画に限定した部分的発表であり、全体像が見えてくるのはもう少し後です。金貝賞を競うセクション・オフィシアルには、ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギの「Maspalomas」、25年ぶりに戻ってきたホセ・ルイス・ゲリンの「Historias del buen valle / Good Valley Stories」、今回も脚本家ラファエル・コボスとタッグを組んでいるアルベルト・ロドリゲスの「Los Tigres」の3作品がノミネートされました。昨年は4作でしたが例年3~4作が選ばれています。情報に多寡がありますが、基本的なデータをアップしておきます。
*第73回SSIFFセクション・オフィシアル*
1)「Maspalomas」ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ
データ:製作国スペイン、2025年、スペイン語、ドラマ、115分、撮影地カナリア諸島ラスパルマス、公開スペイン2025年9月26日
製作:Euskal Irrati Telebista(EiTB)/ ICAA / Irusoin / Maspalomas Pelikula /
Moriarti Produkzioak / RTVE
監督:ホセ・マリ・ゴエナガ(スペイン、オルディシア1976)、アイトル・アレギ(スペイン、オニャティ1977)の共同監督、脚本:ホセ・マリ・ゴエナガ、撮影:ハビエル・アギレ、編集:マイアレン・サラスア・オリデン、キャスティング:マリア・ロドリゴ、衣装デザイン:サイオア・ララ、製作者:アンデル・バリナガ・レメンテリア、シャビエル・ベルソサ、アンデル・サガルドイ
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キャスト:ホセ・ラモン・ソロイス(ビセンテ)、ナゴレ・アランブル、カンディド・ウランガ、ソリオン・エギレオル、クリスティナ・イェラモス、ケパ・エラスティ
ストーリー:パートナーと別れた76歳のビセンテは、お気に入りのカナリア諸島のマスパロマスで人生を謳歌している。毎日太陽を浴び、思う存分娯楽三昧に浸っている。ところが予期しないアクシデントが彼をサンセバスティアンに引き戻すことになる。数年前からほったらかしにしていた娘と再会する。すでに解決されたと思っていた彼自身の隠された部分に再び直面しなければならない邸宅で暮らさなければならないだろう。この新たな状況のなかでビセンテは、他の人たちと仲直りする時間が未だあるかどうか自問することになるだろう。



2)「Historias del buen valle / Good Valley Stories」ホセ・ルイス・ゲリン
データ:製作国スペイン=フランス、2025年、ドキュメンタリー、スペイン語、122分、撮影地バルセロナ郊外バルボナ地区、配給元スペインWanda Visión、公開決定
製作:Los Ilusos Films(ホナス・トゥルエバ&ハビエル・ラフエンテ)/ Perspective Films(ガエル・ジョネス&ホセ・ルイス・ゲリン)
監督・脚本:ホセ・ルイス・ゲリン(バルセロナ1960)、ベルリン映画祭1984パノラマ部門にデビュー作「Los motivos de Berta」(『ベルタのモチーフ』)プレミア、第2作「Innisfree」(『イニスフリー』)がカンヌ映画祭1990「ある視点」プレミアされ、サンセバスチャン映画祭SSIFFサバルテギ部門上映、第3作「Tren de sombras」(『影の列車』)がカンヌ映画祭1997併催の「監督週間」プレミア、第4作ドキュメンタリー「En construcción」(『工事中』)がSSIFF 2001で審査員特別賞とFIPRESCI賞を受賞した。第5作「En la ciudad de Sylvia」がベネチア映画祭2007で上映、『シルビアのいる街で』で初めて公開された。2010年の「Guest」(『ゲスト』)はベネチアFFのオリゾンティ部門でプレミアされ、SSIFF サバルテギ・スペシャル部門で上映された。セビーリャ-ヨーロッパ映画祭2015で作品賞を受賞した「La academia de las musas」は、東京国際映画祭で『ミューズ・アカデミー』の邦題で上映された。当ブログで作品紹介をしています。
*『ミューズ・アカデミー』の紹介記事は、コチラ⇒2015年10月06日/同年11月24日
解説:バルセロナ郊外のバルボナ地区は、川、鉄道、高速道路によって周囲から孤立している。農村から都市への移行を生き、中心部では根絶された生活様式を保存している。スペイン内戦後にやってきた最初の移民の家と、ベッドタウンとして新たに移住してきたブロックが共存しており、この質素な一角を本物の地球村に変えました。本作は偏見、社会的な対立、世代とアイデンティティ、都市計画と環境保護の総和を語っていますが、今日の世界を冷静に人間味のある視点で描いている。移民人口の割合がかなり高いバルセロナのバルボナ地区で3年間にわたって撮影された。
★監督によると「この映画に登場する人々が経験する夢と葛藤は、世界中のいたる所に存在している。周縁部での生活は欠乏をはらんでいますが、それは中心部では消えてしまった独特なもの、抵抗の形態、生活様式を保存しています。それは映画製作者が構想する最も刺激的で野心的な挑戦です。質素であまり知られていない地域を描くことが全世界を映しだすことができる、つまり一枚の葉っぱを観察することで木全体の性質が明らかになるというのに似ています」と。



(ホセ・ルイス・ゲリン)
3)「Los Tigres」 アルベルト・ロドリゲス
データ:製作国スペイン=フランス、2025年、スペイン語、スリラー、109分、撮影地カディス湾に面したウエルバ港、アリカンテのスタジオ Ciudad de la Luz、2024年5月6日クランクイン、公開スペイン2025年10月31日、配給ブエナ・ビスタ・インターナショナル
製作:Movistar Plus+ / Kowalski Films / Feelgood Media / Mazagón AIE / Le Pacto(仏)
監督:アルベルト・ロドリゲス(セビーリャ1971)、監督、脚本家。本祭関係映画は、ニューディレクターズ部門ノミネートの「El traje」(02)、セクション・オフィシアルの「7 virgenes」(05『7人のバージン』)では主演のフアン・ホセ・バジェスタが銀貝男優賞を受賞した。「La isra mínima」(14『マーシュランド』公開)では、ハビエル・グティエレスが銀貝男優賞、アレックス・カタランが撮影賞、監督もフェロス・シネマルディア賞を受賞、翌年のゴヤ賞では作品賞を筆頭になんと10冠を制したヒット作になった。「El hombre de las mil caras」(16『スモーク・アンド・ミラーズ』)では、主演のエドゥアルド・フェルナンデスに銀貝賞のトロフィーをもたらし、ゴヤ賞では脚色賞を受賞した。「Modelo 77」(22)はコンペ外だったがセクション・オフィシアルのオープニング作品に選ばれている。
★またTVシリーズ「La peste」(17)と「Apagón」(22)も上映されており、今年もミニシリーズ「Anatomía de un instante」の上映が決定している。新作の脚本は今回も盟友ラファエル・コボスと共同執筆している。音楽:フリオ・デ・ラ・ロサ、撮影:パウ・エステベ・ビルバ、編集:ホセ・M. G. モヤノ
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キャスト:アントニオ・デ・ラ・トーレ(アントニオ)、バルバラ・レニー(エストレーリャ)、ホアキン・ヌニェス、シルビア・アコスタ、セサル・ビセンテ、ホセ・ミゲル・マンサノバサロ”スコーン”、リカルド・ロッカ、ウルスラ・ディアス・マンサノ、カルロス・ベルナルディーノ、ホセ・ルイス・ラセロ、他
ストーリー:アントニオとエストレーリャは兄妹の物語。父親もダイバーでした。彼らは人生を通じて海と結びついています。アントニオはEl Tigre(タイガー)、無敵を誇る産業ダイバーとして仲間から一目置かれています。エストレーリャは海底生物を研究して海以外の陸にもつながっていますが、兄の働いているはしけ船で兄を手伝います。アントニオは本当に不器用な男で、将来のことはそっちのけ、生活はらくではありません。アントニオにアクシデントがおき、ダイバーとしての人生の終わりを告げられ、どん底に陥っている。しかしウエルバ港で沈没した石油タンカーの船体に隠されているコカインの密輸品を見つけることができれば、状況は好転するかもしれません。アントニオはそれに賭けることにしますが、エストレーリャは別の可能性を考えます。いつものことです。
★アントニオ・デ・ラ・トーレは、ロドリゲスの『マーシュランド』や『UNIT 7ユニット7麻薬取締第七班』(12「Grupo 7」)に出演している。バルバラ・レニーは初めてでしょうか。



(セクション・オフィシアルにノミネートされた監督)
★セクション・オフィシアル追加作品の発表がありました。アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」これで昨年と同じ4作品になりました。次回アップします。
セクション・オフィシアルの追加作品「Los domingos」*SSIFF2025 ③ ― 2025年07月27日 16:31
バスクの監督アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」

★7月23日、セクション・オフィシアルの追加発表がありました。結局これでスペイン映画は4作となりました。昨年TVミニシリーズ「Querer」(4話)がアウト・オブ・コンペティションで上映され、連続でサンセバスチャン映画祭に登場することになりました。セクション・オフィシアルにノミネートは初となるアラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」は、長編3作目、17歳になる聡明な理想主義者アイナラの選択は、家族を驚かせ深い断絶と試練をもたらします。

(左から2人目、ルイス・デ・アスア監督、中央がブランカ・ソロア)
4)「Los domingos / Sundays」アラウダ・ルイス・デ・アスア
データ:製作国スペイン=フランス、2025年、スペイン語、ドラマ、115分、撮影地ビルバオ、2025年2月20日クランクイン。配給スペインBTeam Pictures
製作:Buena Pinta Media / Encanta Films / Colose Producciones / Movistar Plus+ /
Think Studio / Sayaka Producciones
監督・脚本:アラウダ・ルイス・デ・アスア、製作者:マヌエル・カルボ、マリサ・フェルナンデス・アルメンテロス、サンドラ・エルミダ、マヒカリ・イピニャ、撮影:ベト・ロウリチ、編集:アンドレス・ジル、美術:サロア・シルアガ、衣装デザイン:アナ・マルティネス・フェセル
キャスト:ブランカ・ソロア(アイナラ)、パトリシア・ロペス・アルナイス(母マイテ)、ミゲル・ガルセス(父親)、フアン・ミヌヒン、マベル・リベラ、ナゴレ・アランブル、リエル・アラバ(ゴルカ)、他
ストーリー:聡明な理想主義者アイナラは17歳、大学でどのようなキャリアを選ぶか決心しなければなりません。少なくとも、それは家族がアイナラに期待していることです。しかし彼女は自分の将来は別の場所にあるように考えています。彼女は神のおそばに近づきたいと修道会のシスターになる計画を打ち明ける。このニュースに不意を衝かれた家族は驚愕し、家族に深い断絶と試練を引き起こすことになる。

監督紹介:アラウダ・ルイス・デ・アスア(バラカルド1978)、監督、脚本家。デウスト大学(スペイン最古の私立大学)卒業後、マドリード映画学校 ECAM の映画監督の学位を取得した。短編5作を撮ったのち、デビュー作「Cinco lobitos / Lullaby」がベルリン映画祭2022パノラマ部門で上映された。同年マラガ映画祭コンペティション部門にノミネート、金のビスナガ作品賞を含む7冠を制した。翌年のゴヤ賞では新人監督賞を受賞するほか、主演女優賞(ライア・コスタ)、助演女優賞(スシ・サンチェス)の3冠、その他フェロス脚本賞、シネマ・ライターズ・サークル新人監督賞、ディアス・デ・シネ賞、ガウディ賞ヨーロッパ映画賞など2023年は受賞ラッシュの年となった。

(ルイス・デ・アスア監督、SSIFF 2024にて)
★ 第2作ロマンチックコメディ「Eres tú / Love at First Kiss」(23、米合作)は、『だから、君なんだ』の邦題でNetflixが配信している。上述した本祭2024 のアウト・オブ・コンペティションで上映された「Querer」は、新作にも出演しているナゴレ・アランブルとペドロ・カサブランクが主演、「愛が何であるか理解している男性はいるのか」がテーマ、TVシリーズ部門のトロフィー、例えばフェロス賞(作品賞・脚本・主演女優賞)、フォルケ賞(作品・主演男優賞)、フォトグラマス・デ・プラタ観客賞、シネマ・ライターズ・サークル賞(作品・アンサンブル・スター賞)などを手にした。
*「Cinco lobitos」の作品紹介は、コチラ⇒2022年05月14日/2022年12月13日
*「Querer」の作品紹介は、コチラ⇒2024年10月09日

(デビュー作「Cinco lobitos」ポスター)
キャスト紹介:アイナラ役のブランカ・ソロアは今作でデビューです。母親役のパトリシア・ロペス・アルナイス(1981)は、昨年ピラール・パロメロの「Los destellos / Glimmers」で銀貝女優賞を受賞、ダビ・ペレス・サニュドの「Ane」でゴヤ賞2021主演女優賞とサンジョルディ賞、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレンの『ミツバチと私』でマラガ映画祭2023銀のビスナガ助演女優賞、その他グアダラハラ映画祭、香港映画祭など海外の映画祭でも評価された。ナゴレ・アランブルはフォルケ賞とフェロス賞主演女優賞を受賞した「Querer」の他、ジョン・ガラーニョ&ホセ・マリ・ゴエナガのバスク語映画『フラワーズ』(14)で日本に紹介されている。「Ane」、ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーンの『コンペティション』(21)、TVミニシリーズ「Patria」、パウル・ウルキホ・アリホの「Irati」(22、バスク語)、イボン・コルメンサナの「El bus de la vida」(24)など当ブログ紹介の良作に起用されている。マベル・リベラ(ア・コルーニャ1952)は、アメナバルの『海を飛ぶ夢』でゴヤ賞2005の助演女優賞を受賞している。

(撮影中のブランカ・ソロアと監督)

(銀貝女優賞受賞のロペス・アルナイス、「Los destellos」から)

(ナゴレ・アランブル、「Querer」から)
★ミゲル・ガルセスは、当ブログ紹介映画では、「Querer」、『ミツバチと私』、イシアル・ボリャインの「Soy Nevenka」(24)と「Maixabel」(21)、ロペス・アルナイスと共演したアンドレア・ハウリエタの「Nina」など、さらに今年は何本もTVシリーズが予定されている。フアン・ミヌヒンはブエノスアイレス生れ(1975)だが、海外の監督に起用されている。ディエゴ・レルマンの『代行教師』(22)とセバスティアン・シンデルの『天の怒り』(22)はNetflixで配信されている。フェルナンド・メイレレスの『2人のローマ教皇』(19)では、アンソニー・ホプキンスやジョナサン・プライスと共演、プライス演じるフランシスコ教皇の若い時代を演じた。ルクレシア・マルテルの『Zama サマ』(17)、銀のコンドル賞、マルティン・フィエロ賞、アルゼンチン映画アカデミー賞と受賞歴多数、TVシリーズ「El marginal」(43話、16~22)では27話に出演、タト賞2016主演男優、本作では監督(2話、22)も手掛けている。

(フアン・ミヌヒンとブランカ・ソロア、フレームから)
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*「Ane」の作品紹介は、コチラ⇒2021年01月27日
*『ミツバチと私』の作品紹介は、コチラ⇒2023年03月03日
*「Los destellos / Glimmers」の作品紹介は、コチラ⇒2024年07月30日
*「Nina」の作品紹介は、コチラ⇒2024年09月11日
*『フラワーズ』の主な作品紹介は、コチラ⇒2014年11月09日
*『代行教師』の作品紹介は、コチラ⇒2022年08月09日
*『サマ』の主な作品紹介は、コチラ⇒2017年10月13日
★大学ではなく修道女になりたいという若い女性の話は日本では分かりづらいが、監督によると本作のアイディアは、知人のお嬢さんがヒントになっているそうです。
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