モンソンの『エル・ニーニョ』16個*ゴヤ賞2015ノミネーション ② ― 2015年01月15日 17:28
『エル・ニーニョ』は何個取れる?
★トータル110作から選定された(フィクション64、ドキュメンタリー42、アニメーション4)。イベロアメリカ映画賞部門は15作から。ノミネーション・フィエスタは1月19日にマドリードのTeatros del Canal で開催される。授賞式は2月7日の土曜日夜から翌朝にかけて、マドリードのホテル・オーディトリアムで開催。総合司会ダニ・ロビラ、演出フアン・ルイス・イボラ、実行プロダクションはエミリアノ・オテギ。
ダニエル・モンソン『エル・ニーニョ』16個!
★授賞式が近づいてきましたので、しばらくゴヤ賞中心にアップします。今年はラテンビート上映作品が3作あり、マラガ、カンヌ、サンセバスチャン、モントリオール、トロントなどの映画祭で既に紹介している作品も多く、加えて『エル・ニーニョ』と“La isla mínima”の2作にノミネーションが集中しているので比較的ラクと踏んでますが、時間切れになるかも。作品賞(5作品)と監督賞(4作品)が重なるのも恒例になっています。毎年この季節になると、「いったい誰が、どういうポリシーで、ノミネーションしているのかしら?」と考え込んでしまいます。
★フォルケ賞では無冠におわりましたモンソンの『エル・ニーニョ』(邦題ラテンビート2014)については、スタッフ・キャスト紹介、プロット、鑑賞後のコメントも既にアップ済み、詳細はこちらへワープして下さい。 (⇒2014年9月20日/11月3日)

El Niño 『エル・ニーニョ』ノミネーション16カテゴリー
作品賞:Telecinco
Cinema / IkiruFilms / Vaca Films 他
監督賞:ダニエル・モンソン
脚本賞:ホルヘ・ゲリカエチェバリア/ダニエル・モンソン
撮影賞:カルレス・グシ
編集賞:クリスティナ・パストール
オリジナル作曲賞・オリジナル歌曲賞:ロケ・バーニョス
美術賞:セラフィン・ゴンサレス
衣装デザイン賞:タティアナ・エルナンデス
メイクアップ・ヘアーメイク:ラケル・フィダルゴ/ノエ・モンテス、他多数
特殊効果賞:フェリックス・ベルヘス/ダビ・カンポス/DDT SFX クルー、他多数
録音賞:オリオル・タラゴー/アルベルト・リバス/ジョルディ・リバス、他多数
プロデューサー:ホルヘ・ツゥカ(テレシンコ代表)/Ghislain バロイス(テレシンコ)/ハイメ・オルティス・デ・アルティニャノ/(エグゼクティブ)ビクトリア・ボラス(IkiruFilms)/(同)ジョルディ・ガスル/(同)エマ・ルストレス、他多数
キャスト
新人男優賞:ヘスス・カストロ(エル・ニーニョ)
助演女優賞:バルバラ・レニー(エバ)
助演男優賞:エドゥアルド・フェルナンデス(セルヒオ)
★以上がスタッフ、キャスト合計16カテゴリーにノミネートされた。スタッフ陣は、モンソンの前作『プリズン211』、アメナバルの『アレキサンドリア』、バヨナの『インポッシブル』、最近ではパコ・レオンの“Carmina y amén”、マルティネス= ラサロの“Ocho apellidos vascos”を手掛けたTV局テレシンコ・シネマやプロダクションのメンバーたちです。「他多数」としたカテゴリーは数が多いためピックアップして載せています。
★アルベルト・ロドリゲスの“La isla mínima”がフォルケ賞「作品賞」と「男優賞」を獲得しているので、『プリズン211』のように主要な賞を独占することはないと予想しています。このスリラー2作の一騎打ちになることは間違いありません。『エル・ニーニョ』は8月末に封切られて既に5ヵ月経ちましたが、未だ45館で上映中ということなので、作品賞と監督賞が分かれることもあり得ると思っています。「お金の掛けすぎだなぁ」がラテンビート鑑賞後の第一印象、中だるみも気になってスリラーの136分は長すぎるのではないかと感じた。『プリズン211』を見たときの高揚感、実はトサールはこういう役がやりたかったんだという驚きもなかった。ハリウッド嫌いのアカデミー会員の反発があるかもしれないし、個人的には監督賞はロドリゲスにとって欲しい。
★撮影賞、特殊効果賞、録音賞などは確率が高いと思われるが、撮影賞は“La isla mínima”のアレックス・カタラン、特殊効果賞は唯一ノミネートされた“Trente 5”のグループに、など個人的な感情が入るので予想できない。
★キャストで最短距離にいるのが、新人男優賞のヘスス・カストロ、ライバルは“Ocho apellidos vascos”のダニ・ロビラ、ガラの総合司会者でもある。

★助演女優賞のバルバラ・レニーは、“Magical Girl”で主演女優賞にノミネーションを受けているので多分そちらが本命(フォルケ賞を受賞)、そもそもダブル・ノミネーション自体好ましいことではないと思っている。(写真下、映画『エル・ニーニョ』から)

★助演男優賞のエドゥアルド・フェルナンデス、このカテゴリーは誰が貰ってもおかしくない。アントニオ・デ・ラ・トーレ、ホセ・サクリスタン、カラ・エレハルデと拮抗している。中でサクリスタンは2013年“El muerto y ser feliz”で主演男優賞を受賞しているので外れるかな。“La isla mínima”のデ・ラ・トーレは、2007年『漆黒のような深い青』で助演を受賞、“Ocho apellidos vascos”のカラ・エレハルデは、2011年『雨さえも―ボリビアの熱い一日―』で助演を受賞している。エドゥアルド・フェルナンデスも2002年に“Fausto 5.0”で主演、2004年“En la ciudad”で助演を受賞している。各自受賞歴はありますが、作品賞が“La isla mínima”ならデ・ラ・トーレが貰うかも。

(エドゥアルド・フェルナンデス)
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