サンティアゴ・セグラのコメディがナンバーワン*スペイン映画の2020年2021年01月04日 15:09

              スペインの映画館の興行成績72%ダウンの嘆き

 

2020年年明けの12月は増加傾向にあった客足も、新型コロナウイルスが到着すると事態は一変する。自宅監禁状態では映画どころではない、ということで1年間の興行成績はトータルで72.%ダウン下落した。なかで気を吐いたのが、729日に封切りされたサンティアゴ・セグラの新作コメディPadre no hay más que uno 2La llegada de la suegra(「Father There is Only One 2」)で、観客動員数2.317,888人、12,938,628ユーロ、第2位のサム・メンデス1917 命をかけた伝令』は、1,573,320人、9,661,458ユーロ、第92回アカデミー賞の話題をさらったポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』は、987,089人、6,044,369ユーロで第7位、これもコメディですが笑いの質が違うようです。

サンティアゴ・セグラの新作コメディの記事は、コチラ20200912

 

      

 

Padre no hay más que uno 2」は2019年に公開されたPadre no hay más que unoの続編で、コメディ好きの観客には続編が待たれていたから、ある程度は想定内のことでした。「トレンテ」のようにシリーズ化されるのかどうか分かりませんが、巣ごもりでイライラしていた向きには格好の清涼剤でした。子供と犬が活躍するコメディはヒット率が高い。セグラは12歳を頭に4歳までのこましゃくれた5人姉弟の父親ハビエルに扮する。サンセバスチャン映画祭2020メイド・イン・スペイン部門でも上映された。「映画館を潰したくなかった」と監督、同感です。

 

      

         (自作自演のサンティアゴ・セグラと子役たち、映画から)

 

★スペイン映画の第2位は、サルバドール・カルボAdúで、ポン・ジュノを抜いて第5位と健闘した。1,088,469人、6,371,655ユーロ、セグラ・コメディの半分にも満たなかったが、サハラ以南の難民問題というテーマで勝負している。カルボ監督は、デビュー作1898:スペイン領フィリピン最後の日』16Netflix)で当ブログに登場させています。同じルイス・トサールとアルバロ・セルバンテスをキャスティング、スタッフも音楽をロケ・バニョス、編集をハイメ・コリスなどとタッグを組んでいます。本作はフォルケ賞2021の作品賞にノミネートされています。

 

    

 

★こちらも西アフリカに位置するベナン共和国生れ、当時6歳だった男の子ムスタファ・ウマルがタイトルのアドゥ役で主演しています。本作もNetflixが一枚噛んでおり、データベースでは各国一斉に配信開始(630日)され、日本も含まれていますが検索できません。いずれにしろゴヤ賞最終ノミネートに残るのは間違いないと予想しますので、アップ予定作品の一つです。

追記Adú」はスペイン語、ほか英語の字幕入りで配信されておりました。