「Brava」ロセル・アギラルの第2作*マラガ映画祭2017 ― 2017年03月11日 14:40
罪と苦しみから抜け出す出口を模索する女性の物語

★ロセル・アギラルRoser Aguilarは、1971年バルセロナ生れ、監督、脚本家、バルセロナ派に属する。新作「Brava」は長編2作目にあたります。バルセロナ・オーディオビジュアル大学でジャーナリズムを専攻、続いてバルセロナ大学付属のカタルーニャ・シネマ・オーディオビジュアル学校ESCACで監督演出を学ぶ。数編の短編を撮った後、2007年「La mejor de mí」をロッテルダム映画祭に正式出品、ヒロインのマリアン・アルバレスが最優秀女優賞を受賞するなど高い評価を受ける。監督自身も国内のサンジョルディ賞、トゥリア賞、他を受賞している。主な短編、「Cuando te encontré」(1999、14分)、「Ahora no puedo」(2011)は、ガウディ賞2012の短編部門で作品賞、アルカラ・デ・エナーレス短編映画祭ではヒロインのクリスティナ・ブランコが女優賞を受賞した。

*「Brava」* 2016、スペイン
製作:Setmagic Audiovisual / Iberrota Films / TV ON Producciones(カタルーニャTV3)
後援 ICCA / Media Desarrollo / IVAC(バレンシア映画協会)他
監督・脚本:ロセル・アギラル
脚本(共):アレハンドロ・エルナンデス
音楽:ビンセント・バリエレ
撮影:ディエゴ・ドゥスエル
編集:リアナ・アルティガル、フランク・グティエレス
製作者:(エグゼクティブプロデューサー)オリオル・マルコス、パロマ・モラ、他
データ:製作国スペイン、スペイン語、2016年、ドラマ、91分、撮影地バレンシア、本映画祭「オフィシャル・セクション」がプレミア、3月21日上映。
キャスト:ライア・マルル(ジャニーヌ、ジャニネ?)、ブリュノ・トデスキーニ(ピエール)、フランセスク・オレリャ、エミリオ・グティエレス・カボ、ミケル・イグレシアス(ルベン)、セルヒオ・カバリェロ(マルティ)、エンパル・フェレール、マリア・リベラ、他
プロット:母親の死にあいながらもジャニーヌの人生はすべて順調に過ぎていくように思えたが、それもメトロで強盗にあうまでの話だった。以来、歯車が狂って罪の意識と不安に苛まれるようになる。恋人から離れて、内なる苦しみから抜け出そうと父親が暮らしている小さな村を目指して出発する。そこで鉄で彫刻をしている風変わりな男ピエールと出会う。自分の罪と恐れを悟られないように寛いでいるように振舞うが、内実は自己破壊的な悪循環に陥っていた。自身の人生を立て直す唯一つの出口は現実と対峙することだが、果たして痛みを乗り越えて罪を明らかにすることができるだろうか。

(ライア・マルルとブリュノ・トデスキーニ、映画から)

(ライア・マルル、映画から)
★ヒロインのライア・マルルLaia Marullは、1973年バルセロナ生れ、TVドラ、舞台でも活躍。ミゲル・エルモソの「Fugitivas」(00)でゴヤ賞2001新人女優賞を受賞、イシアル・ボリャインの『テイク・マイ・アイズ』(03)でルイス・トサールとタッグを組んで夫婦役を演じた。本作でゴヤ賞2004に二人揃って主演男優・主演女優賞を受賞、他に作品賞、監督賞、脚本賞、マルルの妹役を演じたカンデラ・ペーニャも助演女優をもらった話題作。他にゴヤ賞助演女優賞を取ったアグスティ・ビリャロンガの『ブラック・ブレッド』(02)と出演数が少ないわりには女優がもらえる3賞を獲得している。昨年のマラガ映画祭コンペティション出品のポル・ロドリゲスのブラック・コメディ「Quatretondeta」(16)に出演していた。こちらでより詳しいキャリアをご紹介しております。
*「Quatretondeta」の作品紹介記事は、コチラ⇒2016年4月22日

★ピエール役のブリュノ・トデスキーニBruno Todeschiniは、1962年スイス生まれ。パトリス・シェロー監督のシリアス・ドラマ『ソン・フレール 兄との約束』(03、フランス映画)が公開されている。ベルリン映画祭2003銀熊賞受賞作品。難病に冒され死期の迫った兄と彼を見守る弟の関係、また生と死が描かれた。彼は十数キロ体重を落として兄を演じて話題を呼んだ。

(ブリュノ・トデスキーニ、『ソン・フレール』から)
最近のコメント