ホナス・トゥルエバ”Los exiliados romanticos”*マラガ映画祭2015 ⑦ ― 2015年04月23日 14:37
トゥルエバ一家の期待を背負って「青春の夢を叶える」映画を撮る
★もたもたしているうちに去る17日、既に映画祭は開幕してしまいましたがマイペースで。ホナス・トゥルエバは、父フェルナンド、母クリスティナ・ウエテ、叔父ダビ、それぞれ全員ゴヤ賞受賞者とスペイン映画界でも指折りの毛並みの良さを誇っています。父親は既にオスカー監督、『ふたりのアトリエ~ある彫刻家とモデル』がラテンビート2013で上映されたのを機に初来日しております。母親はトゥルエバ作品を一手に引き受けている辣腕プロデューサー、叔父は“Vivir es fácil con los ojos cerrados”で昨年念願のゴヤ監督賞他を受賞しました。
*フェルナンド・トゥルエバの記事はコチラ⇒2013年
*クリスティナ・ウエテの記事はコチラ⇒2014年1月12日/2月13日
*ダビ・トゥルエバの記事はコチラ⇒2014年1月30日/2月6日

“Los exiliados románticos” ホナス・トゥルエバ 2015 スペイン 青春ドラマ 70分
製作:Los Ilusos Films
監督・脚本:ホナス・トゥルエバ
キャスト:ビト・サンス、フランセスコ・カリル、ルイス・E・パレス、レナタ・アントナンテ、イサベル・ストフェル、ミレン・イサ、バイナ・ジオカンテ
解説:これといった動機もなく三人の若者は冒険旅行に着手する。ある者は青春最後の背水の陣を敷こうじゃないかと言うが、一方他の者は男性性の衰退を嘆いている。つまりそれほど重要とは思えないことどもだ。そうこうするうちに、彼らは彼ら自身も驚くような或るミッションをもった快い束の間のアモールに遭遇、それは彼らに生きる喜びを感じさせるだろう。
★監督紹介&フィルモグラフィー
*ホナス・トゥルエバ Jonás Rodriguez Huete は1981年マドリード生れ、監督、脚本家、俳優。叔父ダビ・トゥルエバの“La buena vida”(96)に高校生に扮して出演。2000年、ホナス・グローチョの名前で短編コメディ“Cero en conciencia”(14分)で監督・脚本家デビュー。以後脚本家としてビクトル・ガルシア・レオンの“Más pena que Gloria”(2000)と“Vete de mí”(05)に監督と共同執筆(当時の恋人がバルバラ・レニー、長編第1作に出演している)、父フェルナンドの“El baile de la Victoria”(09)でも脚本を父と共同執筆し、ゴヤ賞の脚色賞に親子でノミネートされた。本作は「スペイン映画祭2009」で『泥棒と踊り子』の邦題で上映され、その後アカデミー賞スペイン代表作品にも選ばれた。リカルド・ダリンとアリアドナ・ヒルが出演していた。日刊紙「エル・ムンド」のブログに映画評を執筆、監督と‘Dirección Cinematográfica’の教師の仕事を両立させている。

(“Los
ilusos”撮影中の監督)
★監督・脚本を手掛けたのは:
2010
“Todos las canciones hablan de mí”第1作、コメディ、ゴヤ賞新人監督賞ノミネーション
2013 “Los ilusos”第2作、サンセバスチャンやロンドン映画祭上映、トゥルーズ(スペイン)映画祭で「金のバイオレット」賞を受賞ほか、ノミネーション多数
2015“Los exiliados románticos”第3作、マラガ映画祭2015正式出品
★トレビア
*Los Ilusos Filmsは、監督自身が設立した製作会社、第2作を撮るために起ち上げた。ということは母親が代表者の「フェルナンド・トゥルエバP.C.S.A」を頼らないことにしたわけだから、これはなかなかいいね。監督によれば「軽妙なタッチが見どころの映画を作りたかったが、登場人物も取り巻く状況も重苦しい。肩の凝らない、ドラマチックな展開も盛りこまず、見せかけだけの期待も持たせず、だってそれが人生だからね。少なくとも人生の断片を描こうとしていたら、これは友情についての映画を作っていたことに気づいたんです」と。
*ロドリーゴ・ソロゴイェンの“Stockholm”(13)や、ホルヘ・ナランホの長編デビュー作“Casting”(13)と似通ったテーストの青春友情ドラマのようです。昨夏12日間で撮影したローコスト作品ながら、夏公開も決定しています。
*“Stockholm”はマラガ映画祭2013で監督賞他を受賞した作品。webで資金援助を呼び掛け、集まった資金で製作した。作品紹介記事はコチラ⇒2014年6月17日
*“Casting”もマラガ映画祭2013に正式出品、複数で男優賞・女優賞を受賞したコメディ。

*若者3人のプロフィール:ビト・サンスVito Sanz は“Los ilusos”に脇役で出演、トゥルエバ作品は2度目、他に短編やTVドラにも出演している。今回初めて主役の一人に選ばれた。

フランセスコ・カリル Francesco Carril は“Los ilusos”の主役に起用され、期待に応えてブエノスアイレス・インディペンデント・シネマフェスティバル2013とトゥルーズ・シネエスパーニャでベスト男優賞を受賞している。

ルイス・E・パレス Luis E. Parésは、ルイス・ロペス・カラスコの“El futuro”(13)に脇役で出演、共同脚本にも加わっている。共演者イサベル・ストフェル Isabelle Stoffelは、“Los ilusos”や“Todos las canciones hablan de mí”などトゥルエバ作品に出演している。

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