『ブランカニエベス』ヨーロッパ映画賞「衣装デザイン賞」受賞2013年11月02日 17:47

★もう古くなって≪ニュース≫でなくなっているものもありますが、一応最新ニュースをお届けいたします。


★「ヨーロッパ映画賞2013」技術部門 6 部門のうち衣装デザイン賞に『ブランカニエベス』の服飾デザイナー、パコ・デルガド受賞の発表がありました(1026日)。彼は既に本作で2013年のゴヤ賞衣装賞も受賞しています。作品賞以下10部門に輝いた作品。LBFFでも上映、12月劇場公開が決定しています。

今年から技術部門 6 部門はノミネート発表なしの結果発表に決まっていました。作品賞以下、主要作品のノミネートは、セビリャで開催されるヨーロッパ映画祭期間中の119にアナウンスされる予定す。授賞式は本部のあるベルリンで127日に行われます。


   

             (ゴヤ賞2013授賞式でのパコ・デルガド)

 

★年末恒例のスペイン国営「クリスマス宝くじ」が近づいてきました。キャンペーン・コマーシャルは毎年思わず買いたくなるような素晴らしいもの。今年は『ブランカニエベス』の監督パブロ・ベルヘルが撮ります。既に撮影に入っており、出演者には往年のソプラノ歌手モンセラット・カバーリェ(!)、ラファエル(!)、ダビド・ブスタマンテ、スペイン・ポップの女王マルタ・サンチェス、フラメンコ歌手カンタオーラのニーニャ・パストリという豪華版。荒海で沈みそうなスペイン丸救助の一助になれるでしょうか。

 

    

      (左より、サンチェス、ブスタマンテ、カバーリェ、ラファエル、ニーニャ・パストリ)

 

★来年29日開催のゴヤ賞イベロアメリカ映画賞部門のアルゼンチン代表に『ワコルダ』が決定しました。エルナン・ゴルドフリードのTesis de un homicidio29.87%)を押さえて、過半数の50.65%を獲得しての選出でした。他に2010年アカデミー賞外国語映画賞受賞の『瞳の奥の秘密』のフアン・ホセ・カンパネラのMetegolなどがライバルでした。31万人の観客が映画館に足を運んだそうです。ゴヤ賞のノミネート候補には残れそうですが、アカデミー賞はどうでしょうか。なにしろ76カ国がエントリーしていますからね。

 

アルゼンチン以外の主なスペイン語映画

*スペイン15 años y un dia15 Years +1 Day)グラシア・ケレヘタ

*メキシコ『エリ』アマ・エスカランテ

*チリ『グロリア』セバスチャン・レリオ

*コロンビアLa playa フアン・アンドレス・アランゴ

*ペルーEl limpiadorThe Cleaner)アドリアン・サバ

 

★グラシア・ケレヘタの15 años y un diaは、マラガ映画祭のグランプリ受賞作品。マリベル・ベルドゥが出演。エリアス・ケレヘタの一人娘。父親はカルロス・サウラ、ビクトル・エリセ、グティエレス・アラゴン、フェルナンド・レオン、グラシア・ケレヘタ等々の代表作を製作した名プロデュサーにして脚本家、監督でもあった。201369日に鬼籍入り、享年78歳でした(死因は公表されていない)。数々の問題作を世に問い、彼抜きでスペイン映画史を語ることはできない≪偉大な≫足跡を残した人でした。個人的にはこれ以外の作品を予想していたので少し意外でした。

★コロンビアのLa playa は、フアン・アンドレス・アランゴのデビュー作、2012年カンヌ映画祭「ある視点」に出品、サンセバスチャン映画祭「ホライズンズ・ラティーノス」部門でも上映された作品。

★ペルーのEl limpiadorは、2012年サンセバスチャン映画祭「ニュー・ディレクターズ」部門の受賞作品。深いメタファーを帯びた作品で、ペルー映画の新しい波を予感させる秀作だが候補作には残れないと思う。

 

★シカゴ国際映画祭「ニュー・ディレクターズ」部門の最優秀作品賞に、メキシコのディエゴ・ケマーダ=ディエスLa jaula de oroThe Golden Dream)が受賞しました。英語題は意訳してあるようです。‘jaula’はここでは無蓋貨車のこと、これに乗ってグアテマラからメキシコへ、更にもっと北ノルテを目指す二人の若者の物語。勿論デビュー作です。『ワコルダ』と同様、カンヌの「ある視点」で上映されました。LBFFか東京国際FFにくるかなと期待してましたが、空振りに終わった作品。