第13回フェロス賞2026授賞式*落穂ひろいフォト集 ― 2026年02月03日 17:06

(ガラを締めくくった総合司会者4名)
★選考母体が異なるのに作品賞はフォルケ賞と同じアラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が受賞、主演女優賞にパトリシア・ロペス・アルナイス、主演男優賞にホセ・ラモン・ソロイス、TVシリーズ部門の主演女優賞にエスペランサ・ペドレニョ(どちらにも欠席)、主演男優賞にハビエル・カマラという同じ結果に終わりました。ゴヤ賞にはTV部門がありませんが、大方の流れは決まったように感じました。ただゴヤ賞はアカデミー会員の投票結果、年々若い会員が増加傾向にあるようで、プロモーション次第で変わるかもしれません。
★落穂ひろいとして、ノミネートされながら手ぶらの帰宅を余儀なくされたクルーのうち、認知度のある女優さんを中心にフォト集を作成してみました。主演男優賞にノミネートされながらマリオ・カサス、アルベルト・サン・フアンの二人は不参加でした。

(招待客、エレガントと高評価のヨランダ・ディアス第2副首相)

(ジャーナリスト兼テレビ司会者エレナ・サンチェス、フェロス栄誉賞プレゼンター)

(アンヘラ・セルバンテス、「La furia」主演女優賞ノミネート)

(ノラ・ナバス、「Mi amiga Eva」主演女優賞ノミネート)

(ベストドレッサー、新人ブランカ・ソロア、「Los domingos」主演女優賞ノミネート)

(ポルトガルの女優マリア・デ・メデイロス、「Una quinta portuguesa」
助演女優賞ノミネート)

(ベストドレッサー、ナタリア・デ・モリーナ、TVシリーズ助演女優賞ノミネート)

(レオノール・ワトリング、「La vida breve」同上助演女優賞ノミネート)

(ベストドレッサー、イングリッド・ガルシア=ヨンソン、同上主演女優賞ノミネート)

(カルラ・キレス、同上「Yakarta」主演女優賞ノミネート)

(脚本賞プレゼンター、脚本家のエドゥアルド・ソラ)

(カルラ・シモン、監督賞ノミネート)

(ミリアム・ガルロ、「Sorda」主演女優賞ノミネート)

(どこにいても目立ったポップシンガーのユレナ)

(右端エドゥアルド・カサノバ監督、TVシリーズ「Silencio」感動賞ノミネート)

(ベストドレッサー、レティシア・ドレラ)

(ベストドレッサー、ミレナ・スミット)

(ベストドレッサー、マリア・レオン)

(ベストドレッサー、ヴィッキー・ルエンゴ)

(ベストドレッサー、ミリアム・ガジェゴ)

(ベストドレッサー、ミレイア・オリオル)

(主演男優賞プレゼンターのマルタ・コスタとマリア・カストロ)

(女優マリア・カストロ)

(女優マルタ・コスタ)
第13回フェロス賞2026授賞式 ― 2026年01月31日 18:41
アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が大賞を独占

★1月24日、第13回フェロス賞2026の授賞式が、スペイン北西部ガリシア州ポンテペドラのポンテペドラ・オーディトリアムで開催されました。スペイン映画ジャーナリスト協会(AICE、会長はマリア・ゲーラ)が主催、各クルーごとに丸テーブルを囲み、ワインと軽食が提供され、2時間半と相変わらず長丁場のガラでした。昨年12月11日にカテゴリー21(映画部門11、TVシリーズ部門7、フェロス感動賞2、栄誉賞)のノミネーション発表があり、最多ノミネーションは「Los domingos」の9個、「Sirat」と「Maspalomas」の7個、「Romeria」と「Sorda」の6個でした。映画部門の受賞結果は、作品賞を含む「Los domingos」の監督・脚本・主演女優・助演女優の5冠はいくらなんでも貰いすぎと思いますが、演技は言うまでもなく脚本が優れているようなのです。アカデミー賞スペイン代表作品に選ばれている「Sirat」は、オリジナル音楽賞と予告編賞の2冠に甘んじましたが、ベストドレッサーに変身したオリベル・ラシェ監督は紳士的でご機嫌でした。

(AICE会長マリア・ゲーラ)

(ホスト役の左から、エリザベト・カサノバス、サマンサ・ハドソン、
ペトラ・マルティネス、アントニオ・ドゥラン)
★ガラのホスト役として総合司会者にベテラン女優のペトラ・マルティネス、歌手で女優のサマンサ・ハドソン、ガリシアの人気俳優アントニオ・ドゥラン 'モリス'、カタルーニャの女優エリザベト・カサノバスの4名、今回は各賞のプレゼンターも務めたから、4名でも大忙しであった。ゴヤ賞やフォルケ賞とは異なってミュージシャンたちの出番はなかった。冒頭にガリシアの合唱団 A Xunqueiranoが、ポップ・シンガーのユレナYurena(Tamara)の代表歌 ’No cambié’ を披露しただけでした。会場には真っ黄色のドレス姿のユレナも出席しており、波乱万丈の人生を思ってか流れる涙を拭うこともなかった。

(アントニオ・ドゥラン 'モリス'とサマンサ・ハドソン)

(修道女の衣装で登場したサマンサ・ハドソンとエリザベト・カサノバス)
*第13回フェロス賞2026受賞結果*
★映画部門
◎作品賞(ドラマ部門)
「Maspalomas」 同ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ
製作:アンデル・バリナガ=レメンテリア・アラノ、他
「Romería」 同カルラ・シモン
製作:マリア・サモラ、オリンピア・ポンテ・チャフェル、他
「Sirat」 同オリベル・ラシェ
製作:アグスティン・アルモドバル、エステル・ガルシア、他
「Sorda」 同エバ・リベルタード
製作:ミリアム・ポルテ、ヌリア・ムニョス、他
「Los domingos」 監督アラウダ・ルイス・デ・アスア
製作:マリサ・フェルナンデス・アルメンテロス、サンドラ・エルミダ、
マヌエル・カルボ、他
*プレゼンター:ペトラ・マルティネスとアントニオ・ドゥラン


◎作品賞(コメディ部門)
「Decorada」 同アルベルト・バスケス
製作:ヌノ・ベアト、ホセ・マリア・フェルナンデス・デ・ベガ、他
「Mi amiga Eva」 同セスク・ゲイ
製作:マルタ・エステバン、ライア・ボスチ
「Rondallas」 同ダニエル・サンチェス・アルバロ
製作:ラモン・カンポス、ビクトル・ファンディーニョ
「Wolfgang」 同ハビエル・ルイス・カルデラ
製作:ヌリア・バルス
「La cena」 監督マヌエル・ゴメス・ペレイラ
製作:クリストバル・ガルシア、リナ・バデネス、他
*プレゼンター:ペトラ・マルティネスとアントニオ・ドゥラン

(クリストバル・ガルシア)

◎監督賞
ノミネート:ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ「Maspalomas」、オリベル・ラシェ「Sirat」、エバ・リベルタード「Sorda」、カルラ・シモン「Romería」
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos」
*プレゼンター:アントニオ・ドゥラン

◎主演女優賞
ノミネート:アンヘラ・セルバンテス「La furia」、ミリアム・ガロ「Sorda」、ノラ・ナバス「Mi amiga Eva」、ブランカ・ソロア「Los domingos」
パトリシア・ロペス・アルナイス 「Los domingos」
*プレゼンター:バッドドレッサーと揶揄された女優兼脚本家のアンナ・マルケージ。

(涙の受賞スピーチ)

(プレゼンターのアンナと受賞者)
◎主演男優賞
ノミネート:マリオ・カサス「Muy lejos」、アルバロ・セルバンテス「Sorda」、セルジ・ロペス「Sirat」、アルベルト・サン・フアン「La cena」
ホセ・ラモン・ソロイス 「Maspalomas」
*プレゼンター:女優のマリア・カストロとマルタ・コスタ


◎助演女優賞
ノミネート:イライア・エリアス「Un fantasma en la batalla」レナ・イルレタ「Sorda」、マリア・デ・メデイロス「Una quinta portuguesa」、エルビラ・ミンゲス「La cena」
ナゴレ・アランブル 「Los domingos」
*プレゼンター:アントニオ・ドゥランとサマンサ・ハドソン。昨年のTVシリーズ部門の主演女優賞を受賞したナゴレ・アランブル、涙なしにはスピーチできない。


◎助演男優賞
ノミネート:アシエル・エチェアンディア「La cena」、ミゲル・ガルセス「Los domingos」、ホアキン・ヌニェス「Los Tigres」、ミゲル・レリャン「El cautivo」
カンディド・ウランガ 「Maspalomas」
*プレゼンター:ペトラ・マルティネス。涙の受賞者ウランガに凄い拍手が送られた。


(ペトラ・マルティネスと受賞者)
◎脚本賞DAMA
ノミネート:ホセ・マリ・ゴエナガ「Maspalomas」、カルラ・シモン「Romería」、オリベル・ラシェ「Sirat」、エバ・リベルタード「Sorda」
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos」
*プレゼンター:人気急上昇中の脚本家エドゥアルド・ソラとペトラ・マルティネス。


(やはり3個は貰いすぎでは?)
◎オリジナル音楽賞
ノミネート:アレハンドロ・アメナバル「El cautivo」、エルネスト・ピポ「Romería」、
カルロス・バジェステロス、ヘニス・セガラ「Daniela Forever」、
アランサス・カジェハ「Maspalomas」、
カングディン・レイ 「Sirat」
*プレゼンター:エリザベト・カサノバス

(受賞者欠席でオリベル・ラシェ監督が受け取った)
◎予告編賞
ノミネート:アルベルト・デ・トロ「La cena」、ミケル・ガルミリャ「Maspalomas」、アイトル・タピア、マネル・バリエレ「Los domingos」、ミゲル・アンヘル・トルドゥ、ホルヘ・ガルシア・ソト「Romería」
アイトル・タピア 「Sirat」
*プレゼンター:エリザベト・カサノバス


◎ポスター賞
ノミネート:ヒメナ・メリノ、アルバロ・レオン、ルイス・レオン、ダビ・エランス「Los domingos」、ダン・ぺトリス、ジャウマ・カルデス「Muy lejos」、ホセ・A・ペーニャ、キム・ビベス「Romería」、ダニエル・レケナ、アルバ・ベンセ、キム・ビベス「Sirat」
アナ・ドミンゲス、ラファ・カスタニェル 「Tardes de soledad」
*プレゼンター:エリザベト・カサノバス


(ポスター)
★7カテゴリーのTVシリーズ部門は受賞作のみのご紹介、コメディ部門6個ノミネーションの「Poquita fe」が作品賞を含む主演・助演女優賞の3冠、ドラマ部門は5個ノミネーションの「Yakarta」が作品賞と脚本賞DAMAと主演男優賞の3冠を受賞して、残る助演男優賞をロス・ハビスがプロデュースした6個ノミネーションの「Superestar」が受賞しました。フラン・アラウホはドラマとコメディの2部門で受賞した。フォルケ賞と似たり寄ったりでした。
★TVシリーズ部門
◎作品賞(ドラマ部門)
ノミネート:「Anatomía de un instante」「La canción」「Pubertat」
「La ruta Vol 2: Ibiza」
「Yakarta」クリエーター:ディエゴ・サン・ホセ
監督エレナ・トラぺ4話、ハビエル・カマラ1話、フェルナンド・デルガド=イエロ1話
製作:ディエゴ・サン・ホセ、フラン・アラウホ、アレハンドロ・フロレス、
ハビエル・メンデス
*プレゼンター:サマンサ・ハドソン

(製作者ハビエル・メンデスが先ず受賞スピーチした)

(左から、主役カルラ・キレス、エレナ・トラぺ監督、ディエゴ・サン・ホセ他)

(作品・主演男優・脚本賞の3冠を制したクルー)
◎作品賞(コメディ部門)
ノミネート(6作):「Animal」「Furia」「La suerte. Una serie de casualidades」「Superstar」「La vida breve」
「Poquita fe」 監督ぺポン・モンテロ
製作:ぺポン・モンテロ、フアン・マイダガン、フラン・アラウホ、ペペ・リポル
*プレゼンター:サマンサ・ハドソン。栄誉賞受賞のマルタ・フェルナンデス・ムロも出演しているので登壇していた。


◎主演女優賞
ノミネート:アンナ・カステーリョ、イングリッド・ガルシア=ヨンソン、
カンデラ・ペーニャ、カルラ・キレス
エスペランサ・ペドレニョ(「Poquita fe」)
*プレゼンター:アンナ・マルケージ

(受賞者欠席のため製作者のぺポン・モンテロが代理で受け取った)

(エスペランサ・ペドレニョ、フレームから)
◎主演男優賞
ノミネート:ラウル・シマス、リカルド・ゴメス、アルバロ・モレテ、ルイス・サエラ
ハビエル・カマラ(「Yakarta」)
*プレゼンター:女優のマリア・カストロとマルタ・コスタ。共演者で主演女優賞にノミネートされていたカルラ・キレスに感謝と応援歌を送り、座席のキレスを泣かしてしまった心優しい受賞者。


◎助演女優賞
ノミネート:マリア・ヘスス・オヨス、ロシオ・イバニェス、ナタリア・デ・モリーナ、
ベッシィ・トゥルネス、レオノール・ワトリング
フリア・デ・カストロ(「Poquita fe」)
*プレゼンター:アントニオ・ドゥランとサマンサ・ハドソン。受賞者は「レティシア王妃がどうして ’Poquita fe’ のファンだと仰ったのか分かりました。王妃になる前ジャーナリストだったから何でもご存じなのです」とスピーチした。ファッションはイマイチでした。


◎助演男優賞
ノミネート:カルロス・ベルナルディノ、エドゥアルド・フェルナンデス、ダビ・ロレンテ、
マノロ・ソロ
セクン・デ・ラ・ロサ(「Superestar」)
*プレゼンター:ペトラ・マルティネス


◎脚本賞DAMA
ディエゴ・サン・ホセ、ダニエル・カストロ、フェルナンド・デルガド=イエロ(「Yakarta」)
*プレゼンター:脚本家エドゥアルド・ソラ

(スピーチするクリエーター兼脚本家のディエゴ・サン・ホセ)

(左から、D・カストロ、D・サン・ホセ、F・デルガド=イエロ)
◎フェロス感動賞(フィクション部門)
「Ciudad sin sueño」監督ギジェルモ・ガロエ
*プレゼンター:修道女の衣装で登場したサマンサ・ハドソンとエリザベト・カサノバス


(トロフィーを手にしたギジェルモ・ガロエ監督)
◎フェロス感動賞(ノンフィクション部門)
「Tardes de soledad」 監督アルベルト・セラ
*プレゼンター:修道女の衣装姿のサマンサ・ハドソンとエリザベト・カサノバス

(アルベルト・セラ)

◎フェロス栄誉賞
マルタ・フェルナンデス・ムロ(マドリード1950、舞台、映画、テレビ女優、作家)
*プレゼンター:ベストドレッサーにも選ばれたジャーナリスト兼テレビ司会者のエレナ・サンチェス。
*受賞者のキャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ⇒2026年01月28日


★以上が21カテゴリーの受賞者です。他に「Los domingos」が2026年のフェロスSGAE賞を受賞しました。受賞ずくめですが、果たしてゴヤ賞を制覇できるでしょうか。 次回にベストドレッサー、話題になったフォトをアップします。
マルタ・フェルナンデス・ムロに第13回フェロス賞2026栄誉賞 ― 2026年01月28日 11:41
演劇、映画、テレビ女優、作家でもあるマルタ・フェルナンデス・ムロ

★昨年11月17日、スペイン映画ジャーナリスト協会(AICE)は、第13回フェロス賞2026栄誉賞に女優のマルタ・フェルナンデス・ムロ授賞を発表しました。「80年代のスペイン映画界の重要な顔であり、コメディ役を超えた深みのある演技者に授与することにした」が授賞理由。若い人たちにはTVシリーズ「Poquita Fe」(シーズン2)のラウル・シマス演じる主人公ホセ・ロマンの母親役でお馴染みですが、受賞者は映画、演劇、TVの女優として、ほぼ40年以上のキャリアの持主、また実業家でもあり、”La cabeza a pájaros” の著者でもある。
★1950年マドリード生れ、フランコ政権終焉時には20代の半ばだったことになる。4人姉妹の末っ子、父親は化学者で娘たちが大学に行くことを望んだが、末娘だけは望まなかった。ビートルズの熱烈なファン、ビートルズが来西したときには、マドリードのバラハス空港に出掛けて行った。高校を卒業すると、ヨーロッパで2年間、パリでフランス語、その後ロンドンで英語を学び、秘書や翻訳家として働いていたが、20代半ばに女優になろうと決心、アルゼンチン独裁政権を逃れてスペインに亡命していたマルティン・アドジェミアンの演劇学校に入り演技を学んだ。
★その後ニューヨークに渡り、演劇学校 HBスタジオでドイツ出身の女優でもあった演技教師ウタ・ハーゲンに演技指導を受けている。他にハーゲンの生徒でもあったジュラルディン・ペイジからも教えを受けている。二人ともアメリカで最も尊敬される演技教師としてアメリカ演劇殿堂入りを果たしている。

(イバン・スルエタの「Arrebato」から)
★映画デビューは、マルタの姉テレサの友人だったリカルド・フランコの「Los restos del naufragio」(77)だった。カンヌ映画祭1978のパルムドールにノミネートされ、監督自身も出演したほかフェルナンド・フェルナン=ゴメスやアンヘラ・モリーナと共演している。続いてフェルナンド・コロモの「“¿ Qué hace una chica como tú en un sitio como éste ?”」(78)で、人気上昇中のカルメン・マウラやアルゼンチン出身のベテラン俳優エクトル・アルテリオ、キティ・マンベルなどと共演、ハイメ・チャバリ監督がカメオ出演していた話題作。マウラもマンベルも既に女優としてのキャリアがあって、共演は「驚きの連続だった」と後に述懐している。その後、友人イバン・スルエタの「Arrebato」(79)、再びコロモの「La mano negra」(80)や「Estoy en crisis」(82)、スペインの批評家からは酷評されたが、米国では高評価、結果としてスペイン初のオスカー賞(外国語映画賞)を受賞した、ホセ・ルイス・ガルシの「Volver a empezar」(82『黄昏の恋』)に脇役だったが出演、つまりオスカー女優(!)でもある。

(オスカー像を手にした受賞者、『欲望の法則』のフレームなど)
★ペドロ・アルモドバル学校の女生徒の一人である受賞者は、「Laberinto de pasiones」(82、『セクシリア』95年公開)でイマノル・アリアスやセシリア・ロス、アルモドバル映画に初めて起用されたアントニオ・バンデラスなどと共演、フォトグラマス・デ・プラタ助演女優賞にノミネートされた。本作はサンセバスチャン映画祭にノミネートされている。続いて「La ley del deseo」(87、『欲望の法則』)では、エウセビオ・ポンセラ、再びカルメン・マウラ、加えてアントニオ・バンデラスと共演している。本作は東京で開催された「第2回スペイン映画祭1989」で上映された。

(アントニオ・バンデラスとマルタ、アルモドバルの『欲望の法則』から)

(セシリア・ロス、アルモドバル監督、マルタ、サンセバスチャンFF1982)
★検閲も廃止された80年代のスペイン映画界は、政府の助成もあり良作が量産された時代でしたが、なかでも文芸路線にシフトしたことが当たった。ノーベル賞作家カミロ・ホセ・セラの同名小説 ”La colmena” をマリオ・カムスが映画化(82『蜂の巣』)、1985年ヘスス・フェルナンデス・サントスの同名小説 ”Extramuros” をミゲル・ピカソが映画化した折にも起用されている。脇役が多いなかで、ラモン・J・センデルの短編をベースにアルフレッド・カステリョンが映画化した「Las gallinas de Cervantes」(88)では、少々風変わりだったというセルバンテスの妻カタリーナに扮した。妻の変容振りに苦悩するセルバンテスの友人としてエル・グレコも登場する風刺劇。本作は日本スペイン協会50周年を記念したミニ映画祭2008で『カタリーナ』の邦題で上映されている。

(カタリーナ役のマルタとセルバンテス役のミゲル・アンヘル・レリャン)
★1990年代には、いずれもコメディだがヘラルド・ベラの「Una mujer bajo la lluvia」(92)、スペインで最も愛された監督と言われる、ルイス・ガルシア・ベルランガの「Todos a la cárcel」(93)、ペドロ・コスタが50年代初めに起きた実話に着想をえて製作した犯罪ドラマ「El crimen del cine Oriente」(97)に出演している。またエルビラ・リンドの大ベストセラー小説『めがねっこマノリート』を映画化した、ミゲル・アルバラデホの「Manolito Gafotas」(99)では、マノリートの隣人役、本作は100万人以上が映画館に足を運んで、興行収入に大いに寄与した。脚本には作家も共同執筆者として参加している。

(マリア・アスケリノ、マルタ・フェルナンデス・ムロ、『みんなのしあわせ』から)
★2000年に製作されたアレックス・デ・ラ・イグレシアの「La comunidad」は、大ヒットしたダークコメディ。『みんなのしあわせ』の邦題で公開され、デ・ラ・イグレシアの人気も急上昇した。主演のカルメン・マウラがゴヤ賞以下、スペイン映画賞を軒並み制覇したヒット作。トンネル崩落事故を生き延びた人々のその後が語られるぺポン・モンテロの「Los del túnel」(17)、若いときからの友人でもあるエミリオ・マルティネス=ラサロの政治コメディ「Un hipster en la España vacía」にパコ・レオン、ベルタ・バスケス、マカレナ・ガルシアなど若手俳優と共演した。ダニエル・ガスコンの同名小説をベースにした笑劇。クーロ・ベラスケスのコメディ「Cuerpo escombro」(24)ではダニ・ロビラと共演している。

(左から、マルタ、ロセル・ビラホサナ、ヌリア・メンシア、「Los del túnel」)
★最近はTVシリーズ出演が多く、上記したように「Poquita Fe」(15話)では主人公ホセ・ロマンの母親役で出演、クリエーターはぺポン・モンテロ&フアン・マイダガン。アラセリ・アレバレス・デ・ソトマヨール他の「Sin gluten」(25、8話)に特別出演している。

(ホセ・ロマン役のラウル・シマスと、「Poquita Fe」から)
★バルセロナの演劇界を牽引している舞台女優で演出家のヌリア・エスペルト(1935~)や故アドルフォ・マルシラック(マルシヤック、2002年没)など著名な演劇人と舞台に立っている。エドワード・オールビーの『ヴァージニア・ウルフなんか怖くない』や、チェーホフの『カモメ』などに出演している。映画やテレビの出演料を演劇に注ぎ込んでいるようです。
★2009年、初の短編集 “Niñas malas” を出版、2年後に “Azogadas”、そして小説 “La cabeza a pájaros” を出版、フェルナンデス・ムロ家 4 代150年間にわたるサガが語られている。1867年、貧しい農民だった母方の曾祖父がマドリードに到着したところから始まっている。当時の庶民の日常生活や風景、勿論スペイン内戦、戦後の経済優先主義、進歩的な社会的自由の到来などが親密な家族史とともに語られている。評論家の評価も高く話題作となっている。

(小説 ”La cabeza a pájaros” の表紙)
★既にフェロス賞2026のガラは終わっています。栄誉賞のトロフィを手にしていますが、受賞スピーチなどは次回アップするとして、今回はフォトのみです。モニカ・ランドル、ビクトリア・アブリル、フリア&エミリオ・グティエレス・カバ、ベロニカ・フォルケ、ホセ・サクリスタンなど著名な受賞者リストの仲間入りをしました。

(第13回フェロス賞2026栄誉賞受賞のマルタ・フェルナンデス・ムロ、1月24日)
第13回フェロス賞2026*ノミネーション発表 ― 2026年01月14日 10:02
最多ノミネーションは「Los domingos」の9個

★第13回フェロス賞2026の授賞式は、1月24日、スペイン北西部ガリシア州ポンテペドラのポンテペドラ・オーディトリアムで開催されます。スペイン映画ジャーナリスト協会(AICE、会長はマリア・ゲーラ)が主催します。昨年11月17日、栄誉賞に女優マルタ・フェルナンデス・ムロの発表があり、27日に大枠が発表され、12月11日に全カテゴリー21のノミネーションと続いて全体像がはっきりしました。最多ノミネーションは「Los domingos」の9個、つづいて「Sirat」と「Maspalomas」の7個、「Romeria」と「Sorda」の6個、例年通りノミネートはゴヤ賞も含めて似たり寄ったりと予想します。

(ノミネーションを発表するミレナ・スミットとマヌ・リオス、11月27日)
★ガラのホスト役として総合司会者にベテラン女優のペトラ・マルティネス、歌手で女優のサマンサ・ハドソン、ガリシアの人気俳優アントニオ・ドゥラン 'モリス'、カタルーニャの女優エリザベート・カサノバスが手掛けることも発表されました。以下に映画部門のノミネート作品を列挙しておきます。TVシリーズは受賞結果のみアップいたします。栄誉賞受賞者のキャリア&フィルモグラフィー紹介は、別途に予定しています。

(栄誉賞受賞者マルタ・フェルナンデス・ムロ)
*第13回フェロス賞ノミネーション(映画部門)*
◎作品賞(ドラマ)
「Los domingos」 監督アラウダ・ルイス・デ・アスア
製作:マリサ・フェルナンデス・アルメンテロス、サンドラ・エルミダ、マヌエル・カルボ、他

「Maspalomas」 同ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ
製作:アンデル・バリナガ=レメンテリア・アラノ、他

「Romería」 同カルラ・シモン
製作:マリア・サモラ、オリンピア・ポンテ・チャフェル、他

「Sirat」 同オリベル・ラシェ
製作:アグスティン・アルモドバル、エステル・ガルシア、他

「Sorda」 同エバ・リベルタード
製作:ミリアム・ポルテ、ヌリア・ムニョス、他

◎作品賞(コメディ)
「La cena」 監督マヌエル・ゴメス・ペレイラ
製作:クリストバル・ガルシア、リナ・バデネス、他

「Decorada」 同アルベルト・バスケス
製作:ヌノ・ベアト、ホセ・マリア・フェルナンデス・デ・ベガ、他

「Mi amiga Eva」 同セスク・ゲイ
製作:マルタ・エステバン、ライア・ボスチ

「Rondallas」 同ダニエル・サンチェス・アルバロ
製作:ラモン・カンポス、ビクトル・ファンディーニョ

「Wolfgang」 同ハビエル・ルイス・カルデラ
製作:ヌリア・バルス

◎監督賞
ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ 「Maspalomas」
オリベル・ラシェ 「Sirat」
エバ・リベルタード 「Sorda」
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos」
カルラ・シモン 「Romería」
◎主演女優賞
アンヘラ・セルバンテス 「La furia」
ミリアム・ガロ 「Sorda」
パトリシア・ロペス・アルナイス 「Los domingos」
ノラ・ナバス 「Mi amiga Eva」
ブランカ・ソロア 「Los domingos」
◎主演男優賞
マリオ・カサス 「Muy lejos」
アルバロ・セルバンテス 「Sorda」
セルジ・ロペス 「Sirat」
ホセ・ラモン・ソロイス 「Maspalomas」
アルベルト・サン・フアン 「La cena」
◎助演女優賞
ナゴレ・アランブル 「Los domingos」
イライア・エリアス 「Un fantasma en la batalla」
エレナ・イルレタ 「Sorda」
マリア・デ・メデイロス 「Una quinta portuguesa」
エルビラ・ミンゲス 「La cena」
◎助演男優賞
アシエル・エチェアンディア 「La cena」
ミゲル・ガルセス 「Los domingos」
ホアキン・ヌニェス 「Los Tigres」
ミゲル・レリャン 「El cautivo」
カンディド・ウランガ 「Maspalomas」
◎脚本賞DAMA
アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos」
ホセ・マリ・ゴエナガ 「Maspalomas」
カルラ・シモン 「Romería」
オリベル・ラシェ 「Sirat」
エバ・リベルタード 「Sorda」
◎オリジナル音楽賞
アレハンドロ・アメナバル 「El cautivo」
カルロス・バジェステロス、ヘニス・セガラ 「Daniela Forever」
アランサス・カジェハ 「Maspalomas」
エルネスト・ピポ 「Romería」
カングディング・ライ 「Sirat」
◎予告編賞
アルベルト・デ・トロ 「La cena」
ミケル・ガルミリャ 「Maspalomas」
アイトル・タピア、マネル・バリエレ 「Los domingos」
ミゲル・アンヘル・トルドゥ、ホルヘ・ガルシア・ソト 「Romería」
アイトル・タピア 「Sirat」
◎ポスター賞
ヒメナ・メリノ、アルバロ・レオン、ルイス・レオン、ダビ・エランス 「Los domingos」
ダン・ぺトリス、ジャウマ・カルデス 「Muy lejos」
ホセ・A・ペーニャ、キム・ビベス 「Romería」
ダニエル・レケナ、アルバ・ベンセ、キム・ビベス 「Sirat」
アナ・ドミンゲス、ラファ・カスタニェル 「Tardes de soledad」
★TVシリーズ部門は受賞結果のみアップします。
第31回ホセ・マリア・フォルケ賞2025*結果発表 ― 2026年01月07日 13:31
作品賞はアラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が受賞

★ホセ・マリア・フォルケ賞の授賞式は年明け早々でしたが、第27回から前倒しの12月の半ばに変更され、2021年には1月と12月の2回開催されました。第31回は2025年11月6日にノミネート発表があり、12月13日にマドリードのパラシオ・ムニシパルで開催されました。年内にアップが間にあいませんでしたので、簡単に結果だけアップしておきます。1996年、EGEDA(オーディオビジュアル著作権管理協会)の初代会長を務めた、製作者兼監督のホセ・マリア・フォルケの偉業を讃えて創設された賞、縁の下の力持ちである製作者に与える賞としてスタートを切りました。常に光が当てられる監督賞がないのが特徴ですが、昨今では監督が製作を兼ねることが多くなり垣根が低くなりました。選考母体はEGEDAを中心にマドリード共同体、RTVEが主催、モビスター・プラス+ 他、多くの企業がコラボしています。

(総合司会者のカジェタナ・ギジェン・クエルボとダニエル・グスマン)
★映画部門はカンヌ映画祭の受賞歴を持つオリベル・ラシェの「Sirat」(オスカー賞2026のスペイン代表作品)をおさえて、アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が受賞、TVシリーズはハビエル・セルカスのノンフィクション小説をベースに、アルベルト・ロドリゲス&パコ・R・バニョスの「Anatomía de un instante」に軍配が上がりました。かつてはゴヤ賞の前哨戦と称されたフォルケ賞も、カテゴリーが少ないので目安になるかどうか分かりませんが、以下に受賞結果をアップしておきます(*印は当ブログ紹介記事あり)。
*第31回ホセ・マリア・フォルケ賞2025受賞結果*
◎作品賞(フィクション)副賞30.000ユーロ
*プレゼンターは、女優のベレン・クエスタと監督で脚本家のマルセル・バレナ、彼は前年「El 47」で作品賞と映画と価値観教育賞の2冠を制しました。作品賞ノミネートは以下の4作。
「Maspalomas」 監督ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ *

「Sirat」 監督オリベル・ラシェ *

「Sorda」 監督エバ・リベルタード *

「Los domingos」 同アラウダ・ルイス・デ・アスア *
製作者:マヌエル・カルボ、マリサ・フェルナンデス・アルメンテロス、サンドラ・エルミダ、他
*受賞作「Los domingos」の作品紹介記事は、コチラ⇒2025年07月27日

(製作者マリサ・フェルナンデス・アルメンテロス)

(アラウダ・ルイス・デ・アスア監督は「批判的な意見に敬意をはらい、
思想の教化やドグマに直面している視聴者の自主性を守りたい」とスピーチした)

(キャスト、監督、製作者たち)

◎長編アニメーション賞 副賞30.000ユーロ
*プレゼンターは、エンリケ・アルセとカルラ・ソフィア・ガスコン
「Bella」 監督マヌエル・H・マルティン、アンパロ・マルティネス・バルコ
「El tesoro de Barracuda」 同アドリアン・ガルシア
「La luz de Aisha」 同シャディ・アディブ Shadi Adib
「Decorado」 同アルベルト・バスケス
製作:Unico / Abano / Glow Animation / Sardinha em Lata
チェロ・ロウレイロ、ヌーノ・ベアト、ホセ・マリア・フェルナンデス・デ・ベガ、他

(熟年夫婦の危機が語られるとスピーチした製作者チェロ・ロウレイロ)

(ネズミに託して現代社会の自由を描いたとスピーチしたバスケス監督)

◎長編ドキュメンタリー賞 副賞6.000ユーロ
*プレゼンターは、パトリシア・ロペス・アルナイスと俳優のカルロス・サントス
「2025. Todos somos Gaza」 監督エルナン・シン
「Eloy de la Iglesia. Adicto al cine」 同ガイスカ・ウレスティ
「Tardes de soledad」 同アルベルト・セラ
「Flores para Antonio」 同エレナ・モリナ、イサキ・ラクエスタ
製作者:アルバ・フローレス、アナ・ビリャ、ブルナ・エルナンド、サラ・モントリウ、
エドゥアルド・ビリャヌエバ、チャーリー・ブホサ・コルテス

(俳優、ミュージシャンの故アントニオ・フローレスの一人娘アルバがスピーチ)


(監督、製作者たち、レッドカーペットにて)

◎男優賞 副賞3.000ユーロ
*プレゼンターは、タマル・ノバスとキラ・ミロー
アルベルト・サン・フアン 「La cena」
アルバロ・セルバンテス 「Sorda」 *
マリオ・カサス 「Muy lejos」
ホセ・ラモン・ソロイス 「Maspalomas」 *
*「Maspalomas」の紹介記事は、コチラ⇒2025年07月24日


◎女優賞 副賞3.000ユーロ
*プレゼンターは男優賞と同じ、タマル・ノバス、キラ・ミロー
アンヘラ・セルバンテス 「La furia」 *
ミリアム・カルロ 「Sorda」 *
ノラ・ナバス 「Mi amiga Eva」
パトリシア・ロペス・アルナイス 「Los domingos」 *



(パトリシア・ロペス・アルナイス)
◎短編賞 副賞3.000ユーロ
*プレゼンターは、女優兼モデルのクララ・ガジェと俳優のマヌ・ベガ
「El Cuento de una Noche de Verano」 監督マリア・エレーラ
「Una cabeza en la pared」 同マヌエル・マンリケ
「Angulo muerto」 同クリスティアン・ベテタ
製作:La Dalia Films / Robot Productions / ホセ・ルイス・ランカーニョ、パブロ・ロペス


◎ラテンアメリカ映画賞 副賞6.000ユーロ
*プレゼンターは、ラウラ・ラモス、アグスティン・デリャ・コルテ、アナ・リタ・クララ
「La misteriosa mirada del flamenco」(チリ) 監督ディエゴ・セスペデス *
「La ola」(チリ) 同セバスティアン・レリオ *
「Papeles」(パナマ) 同アルトゥーロ・モンテネグロ
「Belén」(アルゼンチン) 同ドロレス・フォンシ
製作:K&S Films(レティシア・クリスティ、マティアス・モステイリン、ウーゴ・シグマン)

(本作出演のフリエタ・カルディナリがトロフィーを受け取った)

◎映画と価値観教育賞
*プレゼンターは、女優兼監督のアントニア・サン・フアンとマルタ・ニエト
「Sorda」 監督エバ・リベルタード *
製作:ヌリア・ムニョス(Nexus CreaFilms)、ミリアム・ポルテ(Distinto Films)他
*受賞作「Sorda」の紹介記事は、コチラ⇒2025年04月14日


(ミリアム・ガルロ、監督エバ・リベルタード、アルバロ・セルバンテス)
◎観客賞
「El cautivo」 監督アレハンドロ・アメナバル
*プレゼンターは、マリア・ソレダード・サンスとマルコス・リックブール
製作:フェルナンド・ボバイラ、シモン・デ・サンティアゴ、アメナバル、他
『ドン・キホーテ』の著者セルバンテスの若き日を描いた歴史劇、東京国際映画祭で『囚われ人』の邦題で上映されている。


◎TVシリーズ賞(フィクション)副賞6.000ユーロ
*プレゼンターは、ハビエル・カルボ、アナ・ルハス
「Pubertat」 監督レティシア・ドレラ
「Animal」 同ビクトル・ガルシア・レオン
「Poquita Fe」(シーズン2) 同ぺポン・モンテロ、フアン・マイダガン
「Anatomía de un instante」 同アルベルト・ロドリゲス、パコ・R・バニョス *
製作者:ホセ・マヌエル・ロレンソ、フラン・アラウホ、マヌエラ・オコン
*受賞作「Anatomia de un instante」の紹介記事は、コチラ⇒2025年08月01日

(クリエーターのホセ・マヌエル・ロレンソ)

(ロドリゲス監督、脚本家ラファエル・コボスなど)
◎TVシリーズ賞男優賞 副賞3.000ユーロ
*プレゼンターは、バラバラ・レニーとミキ・エスパルベ
アルバロ・モルテ 「Anatomia de un instante」
ルイス・サエラ 「Animal」
ラウル・シマス 「Poquita Fe」(シーズン2)
ハビエル・カマラ 「Yakarta」


(プレゼンターのバルバラ・レニーからお祝いのキス)

◎TVシリーズ賞女優賞 副賞3.000ユーロ
*プレゼンターは男優賞と同じ、バラバラ・レニーとミキ・エスパルベ
カンデラ・ペーニャ 「Furia」
カロリナ・ジュステ 「La cancion」
イングリッド・ガルシア・ヨンソン 「Superestar」
エスペランサ・ペドレーニョ 「Poquita Fe」(シーズン2)

(受賞者エスペランサ・ペドレーニョ欠席)

◎フォルケ賞金のメダル
エンマ・ルストレス(製作者)
*プレゼンターは、勿論EGEDA会長のエンリケ・セレソ、会長がトロフィを手渡した。家族(共同設立者)が会場から見守るなか、2週間前のインタビューで「きっと泣いてしまう」という予告通り、登壇する前から涙、最後まで止まりませんでした。男性優位の製作現場での苦労を思えば涙も許されるでしょう。「独立系の製作者は、刷新を心がけること、新しい才能に新しいチャンスを与えること」とスピーチした。女性初の受賞者とか。

(「偉大な才能の持主」と賞賛したセレソ会長)

★Vaca Filmsを夫と創設した。代表作品『プリズン211』(ゴヤ賞2010作品賞)、『インベーダー・ミッション』(Invasor 12)、『暴走車ランナウェー・カー』(El desconocido メストレ・マテオ賞2016)、『バンクラッシュ』(Cien años de perdón 16)、『ガン・シティ動乱のバルセロナ』(La sombra de la ley 18)、「Hasta el cielo」(20)、「Quien a hierro mata」(24)など、ダニエル・モンソン、ダニエル・カルパルソロ、ダニ・デ:ラ・トーレ、パコ・プラサなど硬派の作品を手掛けている。




★地味だったフォルケ賞もカテゴリーが増えたりプレゼンターが豪華になったりと、年ごとにショー化して長くなりましたが、視聴率アップは至上命令ですから仕方ありません。TVシリーズ作品賞受賞作「Anatomía de un instante」の製作者ホセ・マヌエル・ロレンソがフランコ時代を知らない若い人たちに、現在手にしている自由をもち続けることの難しさと自由を手放さないための闘いを訴えるために製作したとスピーチしたのが印象的でした。また映画と価値観教育賞のプレゼンターとしてアントニア・サン・フアンが登壇したのに驚かされました。9月初旬に喉頭がんの診断を受け、当日はまだ化学療法を受けていたからです。その後大晦日に自身のインスタグラムで他臓器への転移もなく完治したと公表、「新たな人生を生きたい」という喜びの涙に〈いいね!〉が何万も投稿され、衰えないアントニアの人気の高さを実感したことでした。

(レッドカーペットでインタビューを受けるアントニア・サン・フアン)
★エル・デセオが製作したオリベル・ラシェの「Sirat」は無冠に終わりましたが、プロデューサーのアグスティン・アルモドバルやエステル・ガルシアの二人もレッドカーペットでのインタビューを受けていました。大体インタビューを受けた人が受賞しているので何かの賞に絡むと思っていましたが残念でした。
★今宵会場とお茶の間を楽しませたミュージシャンたち、“Ojos verde” を歌ったルス・ロレンソ、“Más bonita que ninguna” を歌ったシャイラ・ドゥカル、“Nada de nada” を歌ったアマラルとマファルダ・カルデナル、"Toda una vida" をデュエットしたシャネルとニル・モリネル、サウラの『カラスの飼育』でアナ・トレントとコンチ・ぺレスの姉妹がデュエットした "Porque te vas" をクロエ・バードが歌い始めると往年の大歌手ジャネットも登場して二人でデュエット、会場のシニアたちも乗せられて口ずさみ始め大いに盛り上がりました。

(シャネルとルス・ロレンソ)


(ジャネットとクロエ・バード)

(シャネルとニル・モリネル)
ゴヤ賞2026栄誉賞にゴンサロ・スアレス*ゴヤ賞2026 ② ― 2025年12月25日 18:48
「アクション!」&「カット!」を懐かしむゴンサロ・スアレス

(ゴヤ賞2026栄誉賞受賞者ゴンサロ・スアレス)
★前回予告した通り、ゴヤ賞2026栄誉賞受賞者ゴンサロ・スアレスのキャリア&フィルモグラフィー紹介です。バルセロナ派の先駆者の一人、バルセロナで開催される第40回ゴヤ賞2026ガラで授与されます(2月28日)。貰ったトロフィは「我が家で一番目立つところに置く」そうです。2020年にEGEDA(オーディオビジュアル著作権管理協会)が選考母体のホセ・マリア・フォルケ賞「金のメダル」を受賞した折に簡単なキャリア&フィルモグラフィーを紹介しております。記事がダブりますが、ゴヤ栄誉賞受賞を機に改めてスペイン映画界でも異色の監督をご紹介します。60年にわたるスペインの映画と文学に貢献してきた功績が授賞理由。受賞の知らせに「映画を作らなくなって郷愁を感じるけれど、受賞はとても嬉しい。『アクション!カット!』と言うのが大好きなんだ。だって映画はアクションだからね」と。「どこに行くか決めずに知らない場所に行くのが好き。どこに辿りつくのか分からないのが冒険」とも語っている。

(フォルケ賞〈金のメダル〉を手にした受賞者、2020年1月18日)
★およそ20作くらいの長編を撮った監督は、2007年のコメディ「Oviedo Express」を最後に引退したかと思ったが、80代半ばで中編「El sueño de Malinche」(19)と短編「Alas de teniebla」(21)というアニメーションを撮っている。「いくつかの例外はあるが、自作を見返すということはしない。もしそんなことをしたら似たものが出来てしまうからね。映画が完成したら、それはそれで終わり、自分はそうやってきた」と。自分にとって時間は常に大きな謎、彼が映画に求めるものは挑戦すること。
*フォルケ賞〈金のメダル〉受賞の記事は、コチラ⇒2020年01月13日
★ゴンサロ・スアレス Gonzalo Suárez Morilla 1934年、アストゥリアス州オビエド生れ、監督、脚本家、製作者、俳優、ジャーナリスト、作家(ペンネームはマルティン・ジラール)と多才。2年後の1936年、スペイン内戦が勃発した。彼はマドリードのインターナショナル・リセ・フランセに入学できた10歳まで学校教育をは受けていない。当時父親ゴンサロ・スアレス・ゴメスは、15世紀半ばのフランス最初の近代詩人と言われるフランソワ・ヴィヨンの専門家でマドリードの大学の特任教授でしたが、社会主義者という理由で追放の身であった。

(受賞の知らせを受けたスアレス、2025年7月18日、マドリード)
★1951年、マドリードで哲学と文学を学び始める。戯曲執筆や舞台俳優としてアメリカのウィリアム・サローヤンの『君が人生の時』、ギリシャ三大悲劇詩人エウリピデスの『メディア』、シェイクスピアの『テンペスト/あらし』などを演じていた。しかしフランコ独裁政権下での勉学は厳しく、故国を捨ててパリに向かい、彼の地では一時しのぎの仕事に甘んじていた。1958年、妻のエレーヌ・ジラールを伴ってバルセロナに到着、マルティン・ジラールのペンネームでジャーナリズム界に入り成功するも、当時流行していた自然主義的なものとは断絶した著作に専念する。1963年 ”De cuerpo presente” を手始めに刊行することができた。そのうち何作かを後に脚色して映画化している。映画デビューは1966年、短編「El horrible ser nunca visto」、撮影を手掛けたカルロス・スアレス(1946~2019)は実弟、彼は兄の1970年代以降のほぼ全作を担当している。こうして映画製作と著作の二足の草鞋を履く人生が始まった。

(ゴンサロ & カルロス・スアレス・モリーリャ兄弟)
★以下に主なフィルモグラフィーを列挙するが、話題作に触れておきたい。ベルリナーレ1970にノミネートされたファンタジー「El extraño caso del doctor Fausto」は、ファウスト博士を狂気の世界に堕落させる美しい女性の物語、ファウスト博士にビクトル・プイグを起用、自身はナレーションを担当、他にスアレス映画の常連チャロ・ロペスがクレジットされている。モスクワ映画祭1975にノミネートされた「La Regenta」は、レオポルド・アラス、ペンネーム〈クラリン〉の小説『ラ・レヘンタ』(1988刊行)の映画化、オビエドを舞台に年の離れた元裁判官と結婚した若いアナ・オソレス(エンマ・ペネーリャ)を苦しめる地方の偽善、宗教的抑圧が描かれる。「Parranda」は、ホセ・サクリスタンがサンジョルディ賞男優賞を受賞したドラマで、他にホセ・ルイス・ゴメス、アントニオ・フェランディス、チャロ・ロペス、フェルナンド・フェルナン=ゴメスなど有名どころが共演している。酒とセックス、暴力に溺れる3人の友人が奈落の底に落ちていく奇抜な人生が語られる。

(「El extraño caso del doctor Fausto」のポスター)

(フェルナン=ゴメスと3人の悪友、「Parranda」から)
★カンヌ映画祭1984外国映画部門のユース賞受賞した「Epilogo」は、他にフランシスコ・ラバルがフォトグラマス・デ・プラタ1985主演男優賞を受賞、チャロ・ロペスが女優賞にノミネートされた。ロカブルノ(ラバル)とディティランボ(ホセ・サクリスタン)は、一緒に小説を書き、同じ女性(チャロ・ロペス)に恋をしていましたが二人は別れました。10年後ディティランボは「エピローグ」を共に執筆しようとロカブルノを訪れます。キャストの演技が光った秀作、スアレス自身の小説がもとになっている。


(ラバル、ロペス、サクリスタン、「Epilogo」のフレームから)
★監督にゴヤ賞監督賞をもたらしたミステリーホラー「Remando al viento」(西=英合作)は、英語映画ということもあって『幻の城 バイロンとシェリー』という邦題で初めて劇場公開された映画。バイロン卿にヒュー・グラント、詩人パーシー・シェリーにヴァレンタイン・ペルカ、彼の婚約者メアリー・シェリーにリジー・マキナニー(『フランケンシュタイン』の著者)が扮し、彼女の異母妹クレア・クレアモントにエリザベス・ハーレー、バイロン卿の元恋人で秘書の主治医ポリドリをホセ・ルイス・ゴメスが演じ、衣装デザインを後にスペイン映画アカデミー会長を務めたイヴォンヌ・ブレイクが手掛けた豪華版だった。

★ゴヤ賞オリジナル脚本賞ノミネートの「El detective y la muerte」(西=仏合作)は、シュルレアリスムの雰囲気があるフィルムノワール、キャストは人気上昇中のハビエル・バルデム(サンセバスチャンFF銀貝賞男優賞受賞)、常連カルメロ・ゴメス(フォトグラマス・デ・プラタ主演男優賞受賞)、ポルトガルとフランスの国籍を持つマリア・デ・メデイロス、エクトル・アルテリオ、チャロ・ロペスなどの豪華版。混乱したプロット、捩じれた陰謀、幻想的な事件などで好みが二分された。

(刑事役バルデムを配した「El detective y la muerte」のポスター)
★サンジョルディ賞作品賞を受賞した「Portero」は、スペインのプレミアリーグのゴールキーパー、ラミロ・フォルテサの物語。ラミロ役にまたしてもカルメロ・ゴメスを起用、マリベル・ベルドゥ、治安警備隊員のアントニオ・レシネス、エルビラ・ミンゲス、「マキ」に扮したエドゥアルド・フェルナンデスなど最高のキャスト陣、内戦後のアストゥリアスが舞台。実話に着想を得たサッカーと内戦後のマキを絡ませたドラマ。

(GKを演じたカルメロ・ゴメスを配したポスター)
★長編としては最後となる「Oviedo Express」は、ゴヤ賞7部門ノミネートでしたが無冠に終わり、評価も毀誉褒貶でした。弟の撮影監督カルロスとの二人三脚にも終止符が打たれた。カルメロ・ゴメス、アイタナ・サンチェス=ヒホン、ナイワ・ニムリ、マリベル・ベルドゥ、アルベルト・ヒメネス、ホルヘ・サンス、新人バルバラ・ゴエナガを登場させた。フォルケ賞金のメダル受賞の記事で紹介しています。

(カルメロ・ゴメス、マリベル・ベルドゥ、フレームから)

(左から、アルベルト・ヒメネス、アイタナ・サンチェス=ヒホン、スアレス監督、
バルバラ・ゴエナガ、カルメロ・ゴメス、バジャドリード映画祭、2007年10月28日)
◎主なフィルモグラフィー
1966「El horrible ser nunca visto」(17分、モノクロ、ホラーコメディ)
監督・脚本・製作・出演
1967「Ditirambo vela por nosotros」(26分、モノクロ)監督・脚本・出演
1967「Ditirambo」(103分)監督・脚本・出演(ディティランボ役)
1969「El extraño caso del doctor Fausto」(ファンタジー)監督・脚本・製作、ナレーション
ベルリナーレ1970正式出品
1972「Morbo」(スリラー)監督・脚本 主演アナ・ベレン、ビクトル・マヌエル
1973「Al diablo con el amor」(ミュージカル)監督・脚本・出演
主演アナ・ベレン、ビクトル・マヌエル、ルイス・シヘス
1974「La Regenta」監督、レオポルド・アラス〈クラリン〉の同名小説の映画化
モスクワFF 1975正式出品、ブニュエル賞受賞
1977「Parranda」(ドラマ)監督・脚本
サンジョルディ賞男優賞(ホセ・サクリスタン)
1984「Epilogo」監督・脚本、カンヌFF外国映画部門ユース賞受賞、シカゴFFノミネート
1988「Remando al viento」(ミステリーホラー、英語)『幻の城 バイロンとシェリー』
サンセバスチャンFF監督賞、ゴヤ賞1989監督賞受賞、オリジナル脚本賞ノミネート、
カルロス・スアレス撮影賞受賞、リオデジャネイロFF審査員特別賞受賞
フォトグラマス・デ・プラタ作品賞、サンジョルディ作品賞受賞
1991「Don Juan en los infiernos」シネマ・ライターズ・サークル監督賞受賞
1992「La reina anónima」主演カルメン・マウラ、マリサ・パレデス
1994「El detective y la muerte」ゴヤ賞脚本賞・サンセバスチャンFF作品賞ノミネート
シネマ・ライターズ・サークル撮影賞受賞(カルロス・スアレス)
2000「Portero」ゴヤ賞2001脚色賞ノミネート、サンジョルディ賞2001作品賞受賞
2007「Oviedo Express」(コメディ)ゴヤ賞2008オリジナル脚本賞ノミネート、
ナント・スパニッシュFFジュール・ヴェルヌ、スペシャルメンション
トゥールーズFFスペイン2008作品賞ノミネート、音楽賞・撮影賞受賞、他
2019「El sueño de Malinche」(アニメーション、中編)
(ボイス)マリアン・アルバレス、アナ・アルバレス、カルメロ・ゴメス
2021「Alas de teniebla」(アニメーション、短編)脚本を妻エレーヌ・ジラールと共同執筆
(ボイス)アナ・アルバレス、ホセ・サクリスタン、チャロ・ロペス
◎バルセロナ派の代表作と言われるビセンテ・アランダの「Fata Morgana」(66)は、スアレスの同名小説の映画化、彼もアランダと脚本を共同執筆している。カルロヴィ・ヴァリ映画祭、カンヌ映画祭併催の「批評家週間」にノミネートされた。スペイン語版ウィキペディアによると、カミロ・ホセ・セラの同名小説をマリオ・カムスが映画化した「La colmena」(82、『蜂の巣』)にも共同脚本家として参画している由。俳優として自作には度々スクリーンに顔を出しているが、自作以外にもアルモドバルの『グロリアの憂鬱』(84)、オスカル・ラドワールの「A contratiempo」(82)などに出演している。

(スアレス監督と脚本家エレーヌ・ジラール)
◎上記以外の主な受賞歴
1991年、映画国民賞受賞
2003年、ナチョ・マルティネス賞
2011年、シッチェス映画祭マリア栄誉賞
2013年、フォトグラマス・デ・プラタ生涯功労賞
2016年、賢者アルフォンソX世大十字勲章(映画作家では最初の受章者)
2020年、ホセ・マリア・フォルケ賞金のメダル
2021年、第49回ウエスカ映画祭ブニュエル賞受
ヒホン映画祭アイザック・デル・リベロ賞
2024年、アビレス・アクシオン映画祭トリビュート賞
2026年、第40回ゴヤ栄誉賞
公式部門の受賞結果②*SSIFF2025 ⑳ ― 2025年10月05日 17:14
ニューディレクターズ-クチャバンク賞にデンマークのエミリー・タルンド

★クロージングの舞台に登壇できる部門は、セクション・オフィシアル以外では、ニューディレクターズのクチャバンク賞、オリソンテス・ラティノスのオリソンテス賞、バスク映画のイリサル賞、社会派のテーマが多かったというネスト(短編)のネスト賞、他にサンセバスティアン市観客賞などがあります。人気のアウト・オブ・コンペティション、メイド・イン・スペイン、ベロドロモ部門などは賞に絡みません。
★ニューディレクターズ部門のクチャバンク賞には、デンマーク映画「Vaegtloes / Weightless」のエミリー・タルンドが受賞、作品賞なので2人の製作者が登壇した。他にスペシャル・メンションにスペイン映画、オリソンテス・ラティノス部門のオリソンテス賞には、コロンビアのシモン・メサ・ソトの「Un poeta / A Poet」、他スペシャル・メンション2作が選ばれています。ウルグアイのダニエル・エンドレルは、セクション・オフィシアルのオープニング作品にも選ばれ、2部門ノミネートは珍しい。
◎クチャバンク賞(ニューディレクターズ部門)
「Vaegtloes / Weightless」製作国デンマーク
監督エミリー・タルンド(デンマーク)
製作者アンナ・ダムメガール・ソレステッド、クララ・ジャンツェン・クレイノエ

(左から、審査員のマルコ・ミューラー、プロデューサーの両人)

(アンナ・ダムメガール・ソレステッド、クララ・ジャンツェン・クレイノエ)


◎オリソンテス賞(オリソンテス・ラティノス部門)
「Un poeta / A Poet」製作国コロンビア=ドイツ=スウェーデン
監督シモン・メサ・ソト(コロンビア)
★カンヌ映画祭2025「ある視点」審査員賞受賞作品
*作品紹介は、コチラ⇒2025年05月14日

(シモン・メサ・ソト)

(背後は審査員のピラール・パロメロ、クリストフ・フリーデル、タティアナ・レイテ)

*スペシャル・メンション(2作品)
「Hiedra / The Ivy」製作国エクアドル=メキシコ=フランス=スペイン
監督アナ・クリスティナ・バラガン(エクアドル)
★ベネチア映画祭2025オリゾンティ部門の脚本賞受賞作品

「Un cabo suelto」製作国ウルグアイ=アルゼンチン=スペイン
監督ダニエル・エンドレル(ウルグアイ)
★ベネチア映画祭2025スポットライト部門で上映、WIP Latam 2024 受賞作品

◎サバルテギ-タバカレラ賞
「La tour de glace / The Ice Tower / La torre de hielo」製作国フランス=ドイツ
監督ルシール・アザリロビック Lucile Hadzihalilovic(フランス)
★ベルリン映画祭2025のコンペティション部門芸術貢献賞(銀熊賞)受賞作品



* ’Flechazo’
「Two Times Joao Liberada」製作国ポルトガル
監督パウラ・トマス・マルケス(ポルトガル)

*スペシャル・メンション
「Blue Heron」製作国カナダ=ハンガリー
監督ソフィー・ロンヴァリ(カナダ)
★ベルリン映画祭2025視点部門上映、ロカルノ映画祭オペラ・プリマ賞、トロント映画祭カナディアン・ディスカバリー賞受賞作品

◎メディアプロ・スタジオ・ネスト賞(短編)
「How To Listen To Fountains」製作国スロバキア
監督エヴァ・サヤノバ Sajanova(スロバキア)

*スペシャル・メンション
「The Old Bull Knows, Or Once Knew」製作国インド
監督ミラン・クマル(インド)

*モビスター・プラス賞
「The Loneliness of Lizards」製作国スペイン=ポルトガル
監督イネス・ヌネス(ポルトガル)

*タバカレラ賞
「Life Is Like That And Not Otherwise」製作国ドイツ
監督レニア・フリードリッヒ(ドイツ)

◎クイナリー・シネマ賞(ガストロノミー映画部門)
「Mam」製作国フランス
監督ナン・フェイクス(フランス)

(ナン・フェイクス、製作者マリーヌ・ガルニエ、プレゼンターのアンナ・カスティーリョ)


◎エウスコ・ラベル Eusko Label賞第1席
「Hatsa / Soul(Alma)」製作国スペイン
監督ホス・オサイタ・アスピロス(スペイン)


*エウスコ・ラベル Eusko Label賞第2席
「Gatz harana / Salt Valley(Valle salado)」製作国スペイン
監督サイオア・ミゲル(スペイン)

◎ロテリアス賞第1席
「Maruja」製作国スペイン
監督アルバロ・G・コンパニー(スペイン)

*ロテリアス賞第2席
「Medusas / Jellyfish」製作国スペイン
監督イニャーキ・サンチェス・エリエタ(スペイン)

◎イリサル賞(バスク映画部門)
「Los domingos / Sundays」製作国スペイン=フランス
監督アラウダ・ルイス・デ・アスア(スペイン)
★金貝賞とFIPRESCI賞に続いてイリサル賞も受賞した。

(アラウダ・ルイス・デ・アスア監督)

(FIPRESCI賞も受賞したアラウダ・ルイス・デ・アスア)
*スペシャル・メンション
「El último arrebato / The Last Papture」(スペイン)
監督マルタ・メディナ(スペイン)、エンリケ・ロペス・ラビグネ(スペイン)
★サバルテギ-タバカレラ部門にノミネートされたの2人監督ともデビュー作。
あああ

◎ドノスティア(サンセバスティアン)市観客賞
「The Voice of Hind Rajab(La voz de Hind)」製作国チュニジア=フランス
監督カウテール・ベン・ハニア Kaouther Ben Hania(チュニジア)
★ドキュメンタリー・ドラマ、ペルラス部門ノミネート、ベネチア映画祭2025審査員大賞(銀獅子)受賞作品

(出演者オデッサ・ラエ、モタズ・マルヒース)


◎ヨーロッパ映画ドノスティア(サンセバスティアン)市観客賞
「Amélie et la métaphysique des tubes / Little Amélie or The Character of Rain(Little Amélie)」製作国フランス
監督マイリス・ヴァラード(仏)、リアン・チョ・ハン・ジン・クアン(仏)
★カンヌ映画祭2025特別上映作品、アヌシー・アニメーション映画祭観客賞受賞作品

(マイリス・ヴァラード、プレゼンターのキラ・ミロ)


(リアン・チョー・ハン・ジン・クアンとマイリス・ヴァラード)

◎スペイン協同賞
「Historias del buen valle / Good Valley Stories」製作国スペイン=フランス
監督ホセ・ルイス・ゲリン

◎RTVE「ある視点」賞
「Las corrientes」製作国スイス=アルゼンチン
監督ミラグロス・ムメンタラー
★受賞者帰国のため、主演のイサベル・アイメ・ゴンサレスが受け取った。

(イサベル・アイメ・ゴンサレス、背後はプレゼンターの審査員)

(ミラグロス・ムメンタラー監督、9月23日フォトコール)
◎ DAMA ユース賞
「La misteriosa mirada del flamenco」製作国チリ=仏=独=西=ベルギー
監督:ディエゴ・セスペデス(チリ)
★カンヌ映画祭2025「ある視点」賞、LGBTIQA+作品に与えられるセバスティアン賞受賞作品
*キャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ⇒2025年05月12日/同年09月13日



★最後にクロージング作品「Winter of the Crow」(ポーランド=英=ルクセンブルク)のカシア・アダミク監督、主演のレスリー・マンヴィル、製作者のスタニスワフ・ジエジッチが登壇して挨拶した。

(アダミク監督)


ジェニファー・ローレンスのドノスティア栄誉賞授与式*SSIFF2025 ⑱ ― 2025年10月01日 09:29
最年少の受賞者ジェニファー・ローレンスの栄誉賞授与式

★9月27日、第73回サンセバスチャン映画祭は、アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos / Sundays」(西仏)が金貝賞を受賞して閉幕しました。結果スペインの監督が3年連続で受賞したことになりました。今回は2番目の大賞である審査員特別賞もホセ・ルイス・ゲリンの「Historias del buen valle / Good Valley Stories」(西仏)が受賞、国際映画祭として少し問題かなと思いました。受賞結果は次回に回して、前日にクルサール・ホールで授与式のあったジェニファー・ローレンス(ケンタッキー1990)のドノスティア栄誉賞の記事をアップします。
*ジェニファー・ローレンスのキャリア&フィルモグラフィーは、コチラ⇒2025年09月18日

(プレゼンターのJ.A. バヨナからトロフィーを受け取る受賞者、9月26日)
★エステル・ガルシアに続いて二人目の受賞者となったローレンスは、受賞したことは「信じられないほど幸運なことで・・・率直に言って畏敬の念を抱きました」と、この〈魅惑的で並外れた栄誉賞〉に感謝し、「人々が映画、ストーリーを語る芸術や作品の魂を心から愛する映画祭に出席できたことは、本当に特別なことです、有難うございます」とスピーチした。

★授与式の司会者はイニェゴ・ガステシ、プレゼンターはセクション・オフィシアルの審査委員長J.A. バヨナ、女優、プロデューサー(2018年制作会社「エクセレント・カダバー」設立)、監督でもあるローレンスは、1986年の開催以来、最年少の受賞者となりました。若干35歳というのは如何にも若い。先の受賞者として挙げた「比類なきメリル・ストリープ(2008)、レジェンドのペドロ・アルモドバル(2024)、象徴的なローレン・バコール(1992)」のようなアーティストの一人に自分が数えられたことが〈信じられない幸運〉だったのである。

(大歓迎を受ける受賞者)
★2019年の受賞者ドナルド・サザーランド(2024年没)が、数年前に「彼女の演技力は偉大な英国俳優と同じくらい優れているから、ジェニファー・ローレンス・オリヴィエに変更することを提案したこと」をプレゼンターは思い出した。「オリヴィエと同じように自然な流れをもち、鋭く、明快で、カリスマ性がある」。彼女の多様性、冷静で情熱的、大胆で繊細さをあげ、「ローレン・バコールにもジーナ・ローランズにも、同じ映画のなかで両方を同時に演じることさえできる。自分が望むものに何でもなれる」と称賛を惜しまなかった。

(プレゼンターのJ.A. バヨナ)
★授与式の後、リン・ラムジーの最新作「Die, May Love」(25)が上映された。本作について受賞者は「ストーリーはとても生々しく、ユニークで、生の感情、複雑さ、そして抑えのきかないパンクを巧みに織り交ぜています」と、産後鬱でアイデンティティの危機に瀕したヒロインを分析した。本作は配給元も決まり、公開が予定されています。


(共演者のロバート・パティンソンと、カンヌ映画祭2025のフォトコール)
エドゥアルド・フェルナンデスの映画国民賞授与式*SSIFF2025 ⑰ ― 2025年09月26日 18:00
エドゥアルド・フェルナンデスの映画国民賞2025授与式

(エドゥアルド・フェルナンデス、サンセバスチャン映画祭、9月20日)
★9月20日、エドゥアルド・フェルナンデスの映画国民賞2025の授与式がありました。選考母体はスペイン文化スポーツ教育省と映画部門はスペイン映画アカデミー、映画だけでなく文学、音楽、スポーツなど各分野ごとに選ばれます(発表は6月30日でした)。映画部門は演技者だけでなく、製作者、監督、脚本家、技術部門など幅広く、授与式はサンセバスチャン映画祭開催中と決まっています。プレゼンターは文化大臣で、今年はエルネスト・ウルタスン(バルセロナ1982)、彼は2023年11月から現職を務めています。フェルナンデスの授賞理由、キャリア&フィルモグラフィー紹介は既にアップしております。
*フェルナンデス映画国民賞2025受賞の記事は、コチラ⇒2025年07月13日

(プレゼンターのエルネスト・ウルタスン文化大臣と)

(パレスチナ連帯のスカーフを手に)
★今回選ばれたのは、マルセル・バレナの「El 47」のマノロ・ビタル役、とアイトル・アレギ&ジョン・ガラーニョの「Marco」のエンリック・マルコ役の演技が認められたからでした。写真で分かるようにパレスチナ連帯のスカーフを肩にかけて登壇しています。賛否両論あると思いますが・・・「ガザで起きていることは野蛮な行為である」と、ガザでのジェノサイドは人間の本質から外れた解決すべき問題という立場を明らかにしました。

(マル・コル、受賞者、ジョン・ガラーニョ)
★お祝いに馳せ参じたのは、文化大臣のほか、第2副首相兼労働社会経済大臣ヨランダ・ディアス、スペイン映画アカデミー会長フェルナンド・メンデス=レイテ、ジョン・ガラーニョ監督は、「この賞は彼のような豊かな才能の持主には小さい。共同監督した同僚(アイトル・アレギ)や私が賞賛の言葉を述べるのは恐れ多い」と述べた。デビュー作『家族との3日間』の監督マル・コルは、「最初の作品は複雑だったけれど、私の父親を演じてくれた。私を振り回すような手法を採らず、まだ25歳だった小娘を助けてくれた」と感謝の言葉を述べた。

(ウルタスン文化大臣、受賞者、背後にヨランダ・ディアス第2副首相、20日)

(ハグしあうマル・コルと受賞者)

(勢揃いした出席者たち)
ウォルター・サレスに大賞FIPRESCI賞*SSIFF2025 ⑯ ― 2025年09月25日 18:21
大賞FIPRESCIは『アイム・スティル・ヒア』のウォルター・サレスの手に

★ドノスティア栄誉賞授与式の他、国際映画批評家連盟が選考母体の大賞、FIPRESCI賞に「Ainda estou aqui / I'm Still Here / Aúun estoy aquí」のブラジルの監督ウォルター・サレス(リオデジャネイロ1956)が選ばれました。8月に『アイム・スティル・ヒア』の邦題で劇場公開されました。ジャーナリストで映画プログラマー、評論家のカルメン・グレイからトロフィーを受け取りました。サレス監督は本作を「記憶と抵抗についての」映画と定義しました。「特に忘却との闘いやデモクラシーの擁護に尽力している」FIPRESCIのメンバーに感謝のスピーチをした。サレスとサンセバスチャン映画祭との関係は深く、『セントラル・ステーション』や『モーターサイクル・ダイヤリーズ』も、「ここブニュエルの国で」上映された。「マリサ・パレデスのことは忘れることができない」とスピーチを締めくくった。
*『アイム・スティル・ヒア』関連記事は、コチラ⇒2025年03月02日/2024年09月06日


★開幕当日には、女優ジュリエット・ビノシュ(パリ1964)が初めて監督するドキュメンタリー「In-I in Motion」(156分、仏語・英語、アウト・オブ・コンペティション)の特別上映で登場、パレデスが果たした功績やパレスチナで起きている虐殺にも言及した。また映画祭前半に上映される監督、キャスト、スタッフがレッドカーペットでファンの歓迎を受けていた。セクション・オフィシアルの審査員メンバー全員が登壇しての紹介があった。
*ジュリエット・ビノシュ関連記事は、コチラ⇒2022年09月17日/同年09月20日

(第70回2022のドノスティア栄誉賞受賞者でもあったジュリエット・ビノシュ)

(9月20日)
★締めくくりはセクション・オフィシアルのオープニング作品「27 noches / 27 Nights」のダニエル・エンドレル(モンテビデオ1976)監督・出演、共演者のカルラ・ペターソン、製作者のサンティアゴ・ミトレ、アグスティナ・ジャンビなどが現地入りした。本作は Netflix で10月17日からの配信が決定しており、いずれアップの予定。

(第73回のオープニング作品「27 noches / 27 Nights」)

(ダニエル・エンドレル、19日、プレス会見にて)

(カルラ・ペテルソン、同上)

(左から、アグスティナ・ジャンビ、カルラ・ペテルソン、エンドレル監督、
サンティアゴ・ミトレ、20日)
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