特別賞ビスナガ・シウダ・デル・パライソ*マラガ映画祭2020落穂ひろい ⑰ ― 2020年09月02日 20:04
アルゼンチンのオスカル・マルティネスもビデオ出演

(ビデオで受賞スピーチのオスカル・マルティネス、8月27日)
★特別賞のうち一番の大賞がマラガ・スール賞ですが、予定されていたガエル・ガルシア・ベルナルが来マラガできないこともあって中止になりました。そのほかハビエル・フェセル監督のマラガ栄誉賞も同様に中止、授賞式は来年回しになったのでしょうか。本当に異例ずくめのマラガでした。
★今年は特別賞ビスナガ・シウダ・デル・パライソは2人、マラガ出身の女優キティ・マンベールについてはアップ済み、彼女は、ベルナベ・リコが観客賞を受賞した「El inconveniente」出演でマラガ女優賞も受賞しましたから喜びもひとしおだったでしょう。
*キティ・マンベールの紹介記事は、コチラ⇒2020年08月27日
★もう一人がアルゼンチンの俳優、作家、舞台演出家のオスカル・マルティネス(ブエノスアイレス1949)でした。来マラガできないのでビデオ出演でした。本邦ではダミアン・ジフロンの『人生スイッチ』(14)やガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーンのシリアス・コメディ『笑う故郷』(16)で主役のノーベル賞作家を演じたことで人気度も高い。トロフィーはコロナ感染(8月10日公表)から回復したアントニオ・バンデラスの手から渡されたということです。バンデラスは「マラガの顔」だから間に合って何よりでした。
*『人生スイッチ』の紹介記事は、コチラ⇒2015年07月29日
*『笑う故郷』の紹介記事は、コチラ⇒2016年10月13日/同年10月23日

(『人生スイッチ』の一場面から)

(映画祭巡りをした勲章を入れた『笑う故郷』のポスター)
★深々と椅子に腰をおろすと「じゃ、始めますか」と受賞者、成功の快楽と受賞の喜びの中で凍えていますと。アルゼンチンの季節は冬なのです。もう義務のように生きていますが、この瞬間を楽しむことが重要だと感じています。とても嬉しいですが、翌日か数日後には忘れてしまいます。皮肉屋のマルティネスらしいスピーチです。「自分はマラガには借りがあります。マラガはとても寛大で、2度も賞を頂きました」。これは2016年の助演男優賞(セバスティアン・ボレンステインの「Kóblic」『コブリック大佐の決断』DVDタイトル)と2019年の男優賞(サンティ・アモデオの「Yo, mi mujer y mi mujer muerta」)のことです。今回の受賞でトロフィーが3個、コレクションが増えました。
*「Kóblic」の紹介記事は、コチラ⇒2016年04月30日
*「Yo, mi mujer y mi mujer muerta」の受賞記事は、コチラ⇒2019年04月18日

(マラガ映画祭2019男優賞の授賞式にて)
★現在はもっぱら映画に出演していますが、俳優としてのキャリアを磨いたのは長い舞台生活でした。舞台は「役者としての道具を鍛え、演技に磨きをかける場所だから」とコメントした。自分はまだ青年だと思っており、物語に魅せられると、どの仕事に打ち込むか分からないで二者択一を迫られる。戯曲を書いたり、俳優という職業についてのエッセイも3冊出版している。71歳はまだ鼻垂れ小僧、可能性に満ちている。
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