パコ・デ・ルシアのドキュメンタリー*ゴヤ賞2015ノミネーション ⑨ ― 2015年01月31日 19:23
息子が語る天才ギタリストの人生と音楽
★新人監督賞に唯一ドキュメンタリーから選ばれたのが本作のクーロ・サンチェス・バレラ。天才ギタリストの息子と2人の娘が製作したドキュメンタリー。2014年2月25日、メキシコのリゾート地カンクンで心臓発作のため急死したニュースは世界を駆け巡りました。まだ66歳でしたから、この早すぎる死は家族も驚かせたことだった。ノミネーション3個は以下の通り:
“Paco de Lucía : la búsqueda”
長編ドキュメンタリー賞:Ziggurat
Films(アンホ・ロドリゲス、ルシア・サンチェス・バレラ)
新人監督賞:クーロ・サンチェス・バレラ
編集賞:ホセ・M・G・モヤノ、ダリオ・ガルシア
データ:スペイン、スペイン語、2014年、ドキュメンタリー、95分、スペイン公開9月20日
解説:主に2010年から死去の2014年までのインタビューで構成されており、7歳でギターを手にしてから最後のディスクとなった“Canción Andaluza”まで、60年間の軌跡を辿るドキュメンタリー。出演者はパコの兄でギタリストのペペ・デ・ルシアの他、チック・コリア、ジョン・マクラフリン、ルベン・ブラデス、ピラニャ、アントニオ・セラーノなどのミュージシャンが多数スクリーンに現れる。
★プロデューサーのルシア・サンチェス・バレラとノミネートされなかったが脚本の共同執筆者カシルダ・サンチェスは監督の姉妹。3年前からの企画、急逝したから製作したというわけではないそうで、半分ほど進捗していた最中に訃報に接した。「悲しみが大きくて再開できそうにもなかったが、自分を鼓舞してフィルム編集に没頭した。そうやって僕は父を取り戻したんです」とサンチェス・バレラ監督。デビュー作がいきなりゴヤ賞にノミネーション、評価も高く、受賞も夢ではないか。
★クーロ・サンチェス・バレラFrancisco Curro Sanchez Varela:30歳、オーディオビジュアル・コミュニケーションと映画を専攻。ドキュメンタリーを撮りたいと考えているが、「次回作はミュージカルではない。そういう提案を受けたが断った。勿論、再び父の映画を撮ることはないと思う。彼はカタルシスをおこさせる」と。賢明ですね。
★日本でも多くのファンをもつパコ・デ・ルシア、「ラテンビート2015」上映なら映画ファンのみならず、フラメンコ・ギターやカンタオールの音楽ファンも喜ぶのではないか。日本はアンダルシアについでフラメンコ・ファンが多い国とか。
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