カルラ・ソフィア・ガスコンとフェルナンダ・トーレス*アカデミー賞20252025年01月28日 17:11

 主演女優賞にカルラ・ソフィア・ガスコンとフェルナンダ・トーレスがノミネート

         

  

 (ゴールデングローブ賞作品賞のトロフィーを手にしたカルラ・ソフィア・ガスコン)  

 

123日、第97回アカデミー賞2025のノミネート発表がありました(授賞式は32日、日本は翌日午前中)。山火事がロス全体に広がったため発表が遅れていましたが、ガラは予定通り開催の予定です。作品賞だけ10作、他のカテゴリーは5作品です。作品賞に当ブログ紹介のジャック・オーディアールの「Emilia Pérez」(フランス、スペイン語、『エミリア・ぺレス』328日公開)と、ウォルター・サレスAinda estou aqui / Aún estoy aquí」(ブラジル、ポルトガル語、『アイム・スティル・ヒア』2025年公開予定)の2作が踏みとどまりました。2作とも国際映画賞部門にもノミネートされています。なかでも前者は12部門(13個)と最多ノミネートになりました。ノミネート数で決まるわけではありませんが1つか2つ取りたいところです。

『エミリア・ぺレス』の作品&キャスト紹介は、コチラ20240604

   

  

      (監督とキャスト陣、ゴールデングローブ賞2025ガラ)

  

★予想では、作品賞はショーン・ベイカーの『アノーラ』が頭一つ抜けでているようですが、本命不在の年だそうです。テレビ視聴率は期待できないかもしれない。『エミリア・ぺレス』は、先だって15日開催されたゴールデングローブ賞の映画部門(コメディ&ミュージカル)で作品賞・非英語作品賞・助演女優賞・歌曲賞を受賞しています。カルラ・ソフィア・ガスコンも主演女優賞にノミネートされていましたが、『サブスタンス』のデミ・ムーアが受賞、カルラと共演したゾーイ・サルダナ助演女優賞を受賞して涙のスピーチをしました。満場一致の高評価で彼女のアカデミー賞受賞は期待できそうです。

   

       

   (オスカー像も夢ではないゾーイ・サルダナ、ゴールデングローブ賞2025ガラ)

  

★主演女優賞は、『アノーラ』のマイキー・マディソンが有力で、カルラも『アイム・スティル・ヒア』のフェルナンダ・トーレスも涙を飲む確立が高そうです。仮にカルラが受賞すると、スペイン人ではウディ・アレンの『それでも恋するバルセロナ』(08)で受賞したペネロペ・クルス以来となります。1972年マドリード生れ、国籍はスペインですが2009年メキシコに転居、2018年に女性への性別転換手術を受けたトランスジェンダー、仏教徒の由、ゴールデングローブ賞にも黄色の袈裟風のドレスで登壇しました。『エミリア・ぺレス』は、国際映画賞助演女優賞歌曲賞(「エル・マル」歌手ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、「ミ・カミーノ」歌手セレナ・ゴメス)などが有力視されています。異色ミュージカルとして話題になっていますが、評価は賛否両論、舞台となったメキシコでは麻薬マフィアやトランスジェンダーの描き方にブーイングと評判は良くない。しかし投票権があるのはアカデミー会員(現在9905人、うち20%以上が海外の有権者)でメキシコの視聴者ではないから分かりません。

 

             

       二人のフェルナンダ、母モンテネグロ、娘トーレス

   

        

★ウォルター・サレスの1970年代の軍事独裁政権時代を舞台にした政治ドラマ『アイム・スティル・ヒア』は、作品賞国際映画賞主演女優賞3カテゴリーにノミネートされています。カルラ・ソフィア・ガスコンと同じく受賞は厳しいと思います。フェルナンダ・トーレス(リオデジャネイロ1965)は、ゴールデングローブ賞の映画部門(ドラマ)で主演女優賞を受賞しました。ニコール・キッドマン、アンジェリーナ・ジョリー、ティルダ・スウィントンなどをおさえての受賞でした。ゴールデングローブ賞受賞が火付け役になってノミネートされたようですが、今後のプロモーション次第で混戦模様になりそうです。ジーナ・ローランズ級の演技力と絶賛されています。

『アイム・スティル・ヒア』の紹介記事は、コチラ20240906

   

     

 (トロフィーを手にしたフェルナンダ・トーレス、ゴールデングローブ賞2025ガラ)

 

★受賞スピーチで「このトロフィーを母に捧げたいと思います。皆さまご存じないでしょうが、私の母は25年前、この同じ場所にいたのです」と。母親とはフェルナンダ・モンテネグロのこと、本作でも二人は共演しています。1999年、ウォルター・サレスの『セントラル・ステーション』98)でブラジル人初の主演女優賞ノミネートでした。アカデミー賞にもノミネートされたほか、ベルリン映画祭、バフタ賞、ハバナ映画祭など国内外の国際映画祭での受賞歴多数。サレス監督にとっても国際舞台へ躍りでるきっかけになった映画でした。

   

100年近いアカデミー賞の歴史でも、母娘揃って主演女優賞にノミネートされたのは2組だけ、ジュディ・ガーランド(『スタア誕生』)とライザ・ミネリ(『キャバレー』受賞)親子、2組めがこの「二人のフェルナンダ」です。母娘揃ってガラに姿を現すでしょうか。モンテネグロは1929年生れだから95歳になる。

   

     

  (二人のフェルナンダ、モンテネグロが女優賞を受賞したベルリン1998ガラ)


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://aribaba39.asablo.jp/blog/2025/01/28/9750615/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。