クロージング・セレモニー&受賞結果*サンセバスチャン映画祭2021 ㉖ ― 2021年09月27日 20:33
女性シネアストたちが大賞を独占した授賞式
(金貝賞を手にした製作者ガブリエラ・スーチウとアリナ・グリゴレ監督)
★金貝賞はルーマニアの二人の若い女性シネアスト、製作者ガブリエラ・スーチウ(セベシュ1987)とアリナ・グリゴレ監督(ブカレスト1984)の「Crai nou / Blue Moon」が受賞、審査委員長のデア・クルムベガシヴィリ監督(ジョージアの監督)から金貝賞のトロフィーを受け取りました。彼女は昨年の金貝賞、銀貝監督・脚本賞3冠の受賞者(「Beginning」)です。審査員特別賞はルシール・アザリロヴィックの「Earwig」(英・仏・ベルギー)、銀貝監督賞はテア・リンデブルクの「Du som er i himlen / As in Heaven」(デンマーク)、銀貝撮影審査員賞はクレア・マトン、ティエリー・ド・ペレッティの「Enquete sur un scandale D'etat / Undercover」(仏)を手掛けました。黒一点が脚本審査員賞のテレンス・デイビスの「Benediction」(英)でしたが欠席、代理の人が受け取りました。
★総合司会は俳優のアルベルト・サン・フアンがスペイン語で、タバカレラ理事会総ディレクターのエドゥルネ・オルマサバルが例年のようにバスク語で、その他の言語(英語、仏語、露語、デンマーク語など)の受賞者のスピーチは同時通訳された。
(アルベルト・サン・フアン、エドゥルネ・オルマサバル)
★セクション・オフィシアルの審査員は、委員長デア・クルムベガシヴィリ(ジョージア、監督・脚本家)、マイテ・アルベルディ(チリ、監督・脚本家)、オドレイ・ディワン(レバノン=フランス、監督・脚本家)、スシ・サンチェス(スペイン、女優)、テッド・ホープ(アメリカ、製作者)の5名、若手の女性監督3名という偏りが否めない布陣でした。金貝賞に2作品が選ばれることはありません。また今回からベルリン映画祭と同じく俳優賞に男女の区別を撤廃しました。それもあってか主演俳優賞に2人、助演俳優賞がグループ受賞となりました。
(審査員委員長デア・クルムベガシヴィリ)
*第69回サンセバスチャン映画祭受賞結果*
★セクション・オフィシアル
◎金貝賞(作品賞)
「Crai nou / Blue Moon」(ルーマニア)
製作者ガブリエラ(ガビ)・スーチウ、監督アリナ・グリゴレ
*プレセンターは審査委員長のデア・クルムベガシヴィリ
(アリナ・グリゴルとガビ・スーチウ)
◎審査員特別賞(イギリス、フランス、ベルギー)
「Earwig」 監督ルシール・アザリロヴィック
*プレセンターは、審査員テッド・ホープ
◎銀貝監督賞監督
テア・リンデブルク 「Du som er i himlen / As in Heaven」(デンマーク)
*プレセンターは、審査員オドレイ・ディワン
◎銀貝主演俳優賞(ex-aequo二人)
フローラ・オフェリア・ホフマン・リンダル
「Du som er i himlen / As in Heaven」 監督テア・リンデブルク (デンマーク)
*プレセンターは、審査員スシ・サンチェス
ジェシカ・チャステイン
「The Eyes of Tammy Faye / Los ojos de Tammy Faye」監督マイケル・ショウォルター(アメリカ)
*プレセンターは、審査員スシ・サンチェス
◎銀貝助演俳優賞
「Quién lo impide / Who/s Stopping Us」 監督ホナス・トゥルエバ(スペイン)
*プレセンターは、審査員マイテ・アルベルディ
(8人のグループが受賞、代表挨拶は女優のマルタ・カサド)
◎脚本審査員賞
テレンス・デイビス
「Benediction」 監督テレンス・デイビス(イギリス)
(欠席のためビデオ・レター)
◎撮影審査員賞
クレア・マトン
「Enquete sur un scandale D'etat / Undercover」監督ティエリー・ド・ペレッティ(フランス)
*プレゼンターは、審査員委員長デア・クルムべガシヴィリ
(マトン欠席のため代理が受け取った)
(トロフィーとクレア・マトン)
★ホライズンズ・ラティノ、ペルラス、サバルテギ-タバカレラなど各部門(スペシャル・メンションは割愛)
◎クチャバンク-ニューディレクターズ賞
Nich’Ya / Unwanted 監督レナ・ランスキーLena Lanskih (ロシア)
◎ホライズンズ・ラティノ部門オリソンテス賞
Noche de fuego 監督タティアナ・ウエソ (メキシコ、独、ブラジル、カタール)
*スペイン協同賞、RTVE「もう一つの視点」賞の3冠
(涙のスピーチをするウエソ監督)
(3 冠の証書を披露するウエソ)
◎サバルテギ-タバカレラ賞
Vortex 監督ガスパル・ノエ (フランス)
◎ネスト賞
U Sumi / In The Woods 監督Sara Grguric (短編、クロアチア)
◎観客賞ドノスティア/サンセバスティアン市
Petite maman 監督セリーヌ・シアマ (フランス)
◎観客賞ヨーロッパ映画、ドノスティア/サンセバスティアン市
Ouistreham / Between Two Worlds(En un muelle de Normandia)
監督エマニュエル・カレール (フランス)
◎バスク映画イリサル賞
Maixabel 監督イシアル・ボリャイン、製作者コルド・スアスア(スペイン)
(マイシャベルと娘マリアに感謝のスピーチをしたコルド・スアスア)
◎WIP Latam Industria 賞
La hija de todas las rabias / Daughter of Rage
監督ラウラ・バウメイスター、ロッサナ・バウメイスター
(ニカラグア、メキシコ、オランダ、独、仏、ノルウェー)
◎WIP Latam EGEDA(視聴覚著作権管理協会)プラチナ賞
Vicenta B 監督カルロス・レチュガ (キューバ)
◎WIP ヨーロッパ賞&WIP ヨーロッパIndustria 賞
Carbon 監督イオン・ボルス (モルドバ共和国、ルーマニア)
★音楽は、トランペットからサックス、オーボエ、フルート、ハーモニカと何でもこなす神話的なミュージシャン’Pirata’ のルイス・マリ・モレノ(エレンテリア1973)の演奏で、シンガーソングライターのオラツ・サルバドール(サンセバスティアン1990)が歌いました。ピラタはオープニング、ジョニー・デップのドノスティア栄誉賞の授賞式とセレモニーには出ずっぱりでした。
(オラツ・サルバドール)
(‘Pirata’ ルイス・マリ・モレノ)
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