マリオン・コティヤールにドノスティ栄誉賞*サンセバスチャン映画祭2021 ⑱2021年09月02日 16:04

           65人目のドノスティア栄誉賞にマリオン・コティヤール

 

      

 

824日、65人目のドノスティア栄誉賞にマリオン・コティヤールがアナウンスされ、2017年のアニエス・ヴァルダ以来4年ぶりにフランスのシネアストが選ばれました。女優としては受賞順にカトリーヌ・ドヌーヴジャンヌ・モローイザベル・ユペール4人目になります。ジュリエット・ビノシュが先と予想していましたが、コティヤール受賞はカンヌ映画祭2021レオス・カラックスが監督賞を受賞したミュージカル『アネット』主演でグッド・タイミングです。917日のオープニングに授賞式が予定されており、メイン会場のクルサールです。本祭での上映作品はジョニー・デップ同様ありません。ということで過去の話題作ジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の『サンドラの休日』1494日、ジョニー・デップはジム・ジャームッシュの『デッドマン』9599日上映されることになりました。

   

      

          (二人のドノスティア栄誉賞受賞者の特別上映)

 

★キャリア&フィルモグラフィーは日本語版ウイキペディアに詳細があり、公開作品も多くオンラインで配信されておりますので大枠だけアップします。マリオン・コティヤール(パリ1975)はフランスの女優。両親はともに舞台俳優、オルレアンの演劇学校を首席で卒業している。少女の頃から父親ジャン=クロード・コティヤールの舞台に出演、ほかTVシリーズにも出演している。1994年に映画デビュー、1996年アルノー・デプレシャンの『そして僕は恋をする』で大学生に扮した。ブレイクしたのはリュック・ベンソン製作・脚本のカーアクション・コメディ3部作TAXi、第1作(98、監督ジェラール・ピレス)と第2TAXi 200、監督ジェラール・クラヴジック)でセザール有望賞にノミネートされ、第3TAXi 302、同監督)にリリー・ベルティノー役でファンを獲得した。

 

★本国で大ヒットしたヤン・サミュエルの『世界でいちばん不運で幸せな私』03)で後にパートナーとなるギヨーム・カネと共演、ハリウッド・デビューのティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』03)、ジャン=ピエール・ジュネの『ロング・エンゲージメント』04)でカンヌ映画祭新人女優賞セザール助演女優賞に初受賞した(主役はオドレイ・トトゥ)。リドリー・スコットの『プロヴァンスの贈りもの』(06)、そしてマリオンといえばまず引用されるのが、オリヴィエ・ダアンの『エディット・ピアフ~愛の讃歌』07)のピアフ役、米アカデミー賞、セザール賞、ゴールデン・グローブ賞(ミュージックコメディ部門)、英バフタ賞以下書ききれないほどの主演女優賞を受賞した。同じ年、マイケル・マンのアメリカの犯罪映画『パブリック・エネミーズ』でジョニー・デップやクリスチャン・ベールと共演した。

 

     

     (大ヒット作『エディット・ピアフ』でのマリオン・コティヤール)

 

★ロブ・マーシャルがフェデリコ・フェリーニの自伝的映画『8 1/2』をミュージカル化したNINE09)に、ダニエル・デイ=ルイスが演じたグイドの妻役ルイザに起用され、ソフィア・ローレン、ジュディ・デンチ、ニコール・キッドマン、ペネロペ・クルスなど、有名女優と競演し、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされた。これ以降、2014年の『サンドラの休日』までの活躍は特筆に値する。クリストファー・ノーランの『インセプション』09)、ギヨーム・カネの『君のいないサマーでイズ』10)、ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』11)、ジャック・オディアールの『君と歩く世界』12)では受賞こそなかったが、ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)、セザール賞、バフタ賞ほか多数のノミネーションを受けた。2012年には再びノーランの『ダークナイト・ライジング』、ハリウッド映画で初めて主役を演じた、ジェームズ・グレイの『エヴァの告白』13、全米、ニューヨーク、ボストン、トロントなどの各映画批評家協会賞を受賞)、そして2度目となるオスカー賞ノミネートの『サンドラの休日』と続く。セザール賞はノミネートに終わったが、ヨーロッパ映画賞女優賞を筆頭に受賞歴を誇るマリオンの代表作になった。

 

    

        (『サンドラの休日』のマリオン・コティヤール)

 

★ニコール・ガルシアの『愛を綴る女』15)、グザヴィエ・ドランの『たかが世界の終わり』16)、ブラッド・ピットとの不倫噂がつきまとったロバート・ゼメキスの『マリアンヌ』16)では、終戦末期のロンドンで他人の人生を歩かざるを得なかった悲劇の二重スパイを演じた。最新作が上述したレオス・カラックスのミュージカル『アネット』でアダム・ドライバーと夫婦役を演じている。今年のカンヌにはインドネシアの環境を破壊しているプラスチックゴミをテーマにしたフロール・ヴァスールのドキュメンタリー「Bigger Than Us」が特別上映され、彼女は共同製作者の一人として、こちらのフォトコールにも出席していた。SSIFF でも9月18日にビクトリア・エウヘニア劇場で特別上映される。

        

    

    (『アネット』のカラックス監督とアダム・ドライバーと、カンヌFF2021

     

   

        (ヴァスール監督とコティヤール、フォトコール)

 

★フランスのアニメーションのヴォイス出演もあり、マーク・オズボーンの『リトルプリンス星の王子さまと私』14)、クリスチャン・デスマール他の『アヴリルと奇妙な世界』15)の主役アヴリル役、ロフティングの児童文学『ドリトル先生』シリーズをアニメ化した『ドクター・ドリトル』20、米)では、アカメギツネのチュチュを担当した。最近では製作も手掛けており、トータルではTVシリーズを含めるとIMDbによると90作に及ぶが、まだ45歳である。私生活では2007年からのパートナーである俳優で監督のギヨーム・カネとのあいだに11女がある。

   

     

         (パートナーのギヨーム・カネとマリオン、2020年)

 

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://aribaba39.asablo.jp/blog/2021/09/02/9418470/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。