フアナ・アコスタ、エルネスト・アルテリオとの別居を公表 ― 2018年07月11日 11:35
15年間のパートナー関係を解消、噂通りになりました
★訃報よりまだいいのが離婚報道、2003年、フアナ・アコスタの一目惚れで始まったパートナー関係も、彼女の「私たちはこれまで素晴らしい関係でした。娘も授かり上手くいっておりましたが、今はそれぞれ別の人生を歩むことにしました。変わる時なんです」という宣言で15年の関係に終止符が打たれました。お相手はエルネスト・アルテリオ、二人の間には12歳になるロラというお嬢さんがおります。正式には結婚していないので離婚というのは正確ではありません。アルテリオの言い分は当然異なりますが藪の中、願わくば子供のためにも節度ある対応が望まれる。大分前から噂が先行していましたが「火のない所に煙は立たぬ」というわけで現実になりました。アルテリオの激やせが取り沙汰されていますが、これが原因ではないとアコスタ、憔悴しているのは男、3ヵ月前に或る若い男性とマドリード郊外の新居に移り元気いっぱいな女、時代は変わりました。

(フォトグラマス・デ・プラタ賞授賞式に出席していた二人、2017年2月、マドリード)
★二人が出会った2003年当時、アルテリオはそれなりの実績があったが、アコスタはスペインでは駆けだしでした。活躍するのは関係を結んからの2005年以降でした。イタリア映画『おとなの事情』のリメイク版、アレックス・デ・ラ・イグレシアの「Perfectos desconocidos」(17)で危機を迎えた夫婦役を演じましたが、実は撮影時にはすでにぎくしゃくしていたようです。「フアナは仕事の不満を家まで持ち込んで・・」とアルテリオ、アコスタが猪突猛進タイプなのは間違いありません。デ・ラ・イグレシア監督もいささか複雑な心境とか。以下に駆け足でキャリア紹介をしておきます。

(アコスタとアルテリオ、「Perfectos desconocidos」から)
★エルネスト・フェデリコ・アルテリオ・バカイコア(1970、ブエノスアイレス、47歳)は、ルイス・プエンソがアルゼンチンに初のオスカー賞をもたらした『オフィシャル・ストーリー』(85)に出演したエクトル・アルテリオが父親。ファーストネームのエルネストはチェ・ゲバラ、セカンドネームのフェデリコはガルシア・ロルカに因んでつけられたが、子供によっては迷惑なこともあるでしょう。ブエノスアイレス生れだが、政治的に左派だった両親が軍事独裁制を嫌い、1975年、家族でスペインに渡ったからスペインが長い。国籍は父親同様アルゼンチンでは珍しくない二重国籍です。アルゼンチン映画よりもスペイン映画やTVシリーズ出演が多い。
★1990年代からスペインのTVシリーズに出演、映画ではフェルナンド・コロモの「Los años bárbaros」(98)でゴヤ賞新人賞にノミネートされた。続いてダビ・セラノ・デ・ラ・ペーニャの「Días de fútbol」(03)でゴヤ賞主演賞にノミネートされたが逃した。この年に父親がゴヤ栄誉賞を受賞、女優の妹マレナと一緒にトロフィーを手渡した。そのほかスペイン俳優組合主演男優賞のノミネーションも受けた。2005年マルセロ・ピニェイロの話題作「El método」でシネマ・ライターズ・サークル賞(スペイン)助演男優賞ノミネートされた。アルゼンチン・西・ブラジル合作、実話に基づいた軍時独裁時代の地下潜伏生活を少年の視点で描いた「Infancia clandestina」(11)では、アルゼンチン映画アカデミー賞スール主演男優賞を受賞、シルバー・コンドル賞にもノミネートされ、グアダラハラ映画祭2013では男優賞を受賞するなど高い評価をえた。マラガ映画祭2015に正式出品されたアレホ・フラのデビュー作「Sexo fácil, películas tristes」で銀のビスナガ男優賞を受賞した。

(アルテリオ、ビスナガ男優賞を受賞した「Sexo fácil, peliculas tristes」から)
★父エクトル・アルテリオはカルロス・サウラの『カラスの飼育』(75)、『アントニエッタ』(82)、ハイメ・デ・アルミニャンの『エル・ニド』(80)などの名作に出演して、ゴヤ賞2003栄誉賞を受賞するなど、父を超えるのは容易でない。同じ世界で仕事をする場合には、メリットとデメリットが常に共存して、「七光り」も時には厳しいものがある。

(父エクトル・アルテリオと、2005年12月のツーショット)
★フアナ・アコスタ(1976、コロンビアのカリ、41歳)は、最初から女優を目指していたわけではなく、コロンビアで美術を学んでいた。しかし間もなく女優に志望変更、フアン・カルロス・コラッサ(アルゼンチン出身)が1990年にマドリードで開校した「コラッサ俳優養成所」に入学、演技を学ぶ。コロンビアとスペインの二重国籍者。1996年、コロンビアTVシリーズ「Mascarada」でデビュー、映画はリカルド・コラルの「Es mejor ser rico que pobre」(99)でデビュー、続いてラウル・ガルシアの話題作「Kalibre 35」(00、コロンビア)に出演、2000年ごろに軸足をスペインに移し、スペインTVシリーズに起用されるようになる。特に2002年4月から放映が開始された長寿TVシリーズ「Hospital Central」(~2012年12月)38話に出演して認知度を高めた。
★2005年、フアン・ビセンテ・コルドバ「A golpes」、エミリオ・マルティネス=ラサロ「Los 2 lados de la cama」(『ベッドサイド物語』)にアルテリオと共演、2006年ダビ・トゥルエバ「Bienvenido a casa」、2015年には、アンドレス・ルケ&サムエル・マルティン・マテオス「Tiempo sin aire」とジャック・トゥールモンド・ビダル「Anna」(コロンビア・仏)の2作に主演した。後者ではマコンド賞2016女優賞を受賞、イベロアメリカ・プラチナ賞2017女優賞ノミネーションと高評価だったが、『ナチュラルウーマン』のダニエラ・ベガの強力パンチに敗れた。

(アコスタ、「Anna」のポスター)
★最近では、ロジャー・グアルの「7 años」(16)がネットフリックスに登場している。アレックス・ブレンデミュール、パコ・レオン、フアン・パブロ・ラバ、マヌエル・モロンなどの芸達者とわたり合うサイコ・サスペンス、途中からフィナーレが見えてしまうのだが、それなりに最後まで楽しめた。最新作は脚本家セルジオ・バレホンのデビュー作、コメディ「Jefe」、既に7月6日封切られた。ゴヤ賞2017で作品賞を受賞した『物静かな男の復讐』に出演、主演男優賞にノミネートされたルイス・カジェホを翻弄する役どころです。

(フアナ・アコスタと上司のルイス・カジェホ、「Jefe」ポスター)
*「Tiempo sin aire」の紹介記事は、コチラ⇒2015年04月26日
*「Perfectos desconocidos」の紹介記事は、コチラ⇒2017年12月17日
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