スペイン映画アカデミー名誉会長イボンヌ・ブレイク逝く2018年07月20日 14:44

         Our duty」の言葉を残して、第15代映画アカデミー名誉会長ブレイク逝く

 

        

         (常に笑みを絶やさなかったイボンヌ・ブレイク)

   

★残念なニュースですが、第15代スペイン映画アカデミー会長イボンヌ・ブレイク氏が、717日旅立ちました(享年78歳)。新年早々の13日、脳卒中でマドリードのラモン・カハル大学病院に緊急入院、以来ICUでの闘病生活を送っておりました。マンチェスター生れ(1940)ながらスペイン映画との関りは長く、4個もゴヤ賞を受賞している。国際的な服飾デザイナーとして『ニコライとアレクサンドラ』(71)でオスカー賞、『ロビンとマリリン』(76)、今は懐かしい『スーパーマン』(78)衣装の生みの親、国民映画賞受賞者、女性シネアストの地位向上など、その功績は数えきれません。生涯現役をモットーに、なり手のなかったスペイン映画アカデミー会長を引き受け、自己主張ばかり強いスペイン映画界を忍耐強く統率してきた女性だった。

 

     

      (スーパーマンの衣装を着た今は亡きクリストファー・リーヴ)

 

★ブレイク会長を支えてきた現会長マリアノ・バロッソの回想によれば、ブレイク氏から事務所に呼ばれ「副会長就任の打診を受けたときは引き受ける気などさらさらなかった。何しろ断る理由は山ほどあったからね。ところが帰るときには何故か引き受けていたんだ。彼女は『私たちで引き受けましょう、マリアノ、そして英語でIts our duty』と言ったんだ」。「イボンヌは、ひたすら情熱的に良心、献身、寛容を実行した人だった。その素晴らしい才能、その視点の確実さ、微笑、ほろ苦いユーモア、常識的な考えについての機知にとんだ言葉は皆を和ませた」とバロッソ。アントニオ・レシノスグラシア・ケレヘタが任期途中で投げ出した「スペイン映画アカデミー」という泥舟に乗らざるを得なかった経緯だった。スペイン語と込み入った話は英語で周りを説得して回った、この逞しさと優しさを兼ね備えたイギリス女性のお蔭で、シネアストのそれぞれが将来の映画について、「Our duty」とは何かについて、改めて考えることになったようだ。

 

   

               (ゴヤ賞2017授賞式で挨拶するブレイク会長とバロッソ副会長)

 

       

      (女性シネアストの機会均等に尽くしたブレイクと盟友アナ・ベレン)

 

   

(共にオスカー受賞者のブレイクとフェイ・ダナウェイ)

 

     

   (『ロビンとマリリン』のヒロイン、オードリー・ヘプバーンの衣装を整えるブレイク)

  

 

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