オリソンテス・ラティノス部門2作発表*サンセバスチャン映画祭2023 ⑤ ― 2023年07月21日 15:22
オリソンテス・ラティノス部門――散発的なノミネート発表

★去る7月14日、製作国にスペインが参加している映画14作が発表になり、うちオリソンテス・ラティノス部門にはスペインとの合作であるアルゼンチン映画2作が含まれていました。例年ですと8月初めに一挙に全作が発表になるのですが、今年は散発的です。とりあえず発表順にアップしておきます。ホライズンズ・ラティノスを今回からオリソンテス・ラティノスとスペイン語読みに変更します。
*オリソンテス・ラティノス部門 ①*
1)Blondi(アルゼンチン=スペイン=米国)2023年、スペイン語、88分
2023年4月、BAFICI(ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭)でプレミアされ、アルゼンチンでは6月1日に公開されています。
監督:ドロレス・フォンシ(ブエノスアイレス1978)は、女優としてたびたびサンセバスチャン映画祭に参加していますが、今回はデビュー作「Blondi」の監督として訪れることになります。監督だけでなく脚本、製作、出演とエネルギーを爆発させています。フォンシの監督デビューには誰も驚かないはずです。10代で母親になった女性とその息子の特殊な関係が描かれ、母親ブロンディをフォンシ自身が演じます。夫君サンティアゴ・ミトレ監督がプロデューサーの一人として参加しています。リタ・コルテセやレオナルド・スバラリアなど、アルゼンチン映画ではお馴染みさんが共演しています。

★本祭との関りは、セクション・オフィシアルにファビアン・ヒエリンスキーの「El aura」(05)、セスク・ゲイの『しあわせな人生の選択』(15)、クラウディア・リョサのサイコスリラー「Distansia de rescate」(21『悪夢は苛む』Netflix)、オリソンテス・ラティノス部門にはサンティアゴ・ミトレの『パウリーナ』(15)と『サミット』(17)などに出演しています。当ブログでは以下にキャリア&フィルモグラフィをアップしています。
*『パウリーナ』の紹介記事は、コチラ⇒2015年05月21日
*『サミット』の紹介記事は、コチラ⇒2017年10月25日/同年05月18日
*『しあわせな人生の選択』の紹介記事は、2016年01月09日/コチラ⇒2017年08月04日
*『悪夢は苛む』の紹介記事は、コチラ⇒2021年07月28日/同年11月03日
キャスト:ドロレス・フォンシ(ブロンディ)、カルラ・ペターソン(マルティナ)、リタ・コルテセ(ぺパ)、トト・ロビト(ミルコ)、レオナルド・スバラリア(エドゥアルド)、他多数
ストーリー:ブロンディとミルコは親友同士である。彼らは一緒にいるのが楽しい、同じ音楽を聴き、同じ映画を観て、二人ともマリファナが好きで、リサイタルも一緒に行き、互いの友人も同じ、すべてがパーフェクトである。ただほとんど同年代に見えますが、ブロンディはミルコの母親だということです。

(ミルコ役のトト・ロビトと)

(ぺパ役のリタ・コルテセと)
2)El castillo / The Castle(アルゼンチン=フランス=スペイン)2023年
ドキュメンタリー、スペイン語、78分 WIP Latam & Egeda Platino
監督:マルティン・ベンチモル(ブエノスアイレス1985)は、ドキュメンタリー監督、脚本家、撮影監督。本作はベルリン映画祭2023パノラマ部門観客賞ノミネート、香港FFヤングシネマ部門監督賞を受賞、グアダラハラFFで撮影監督のニコ・ミランダがドキュメンタリー撮影賞を受賞、ほかイスラエルの DocAviv 映画祭、テッサロニキ・ドキュメンタリーFF、カルタヘナFFなどに出品されている。製作者マイラ・ボテロ、共同製作者ハイディ・フライシャー、フリア・パラティアン。


(左から、ニコ・ミランダ、ベンチモル監督、ハイディ・フライシャー、
フリア・パラティアン、ベルリン映画祭2023、2月19日フォトコール)
★2017年、パブロ・アパロと共同監督したドキュメンタリー・ミステリー「El espanto」(65分)は、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭の中編ドキュメンタリー賞を受賞しているほか、ラスパルマスFF、ドキュメント・バルセロナTV3賞にノミネートされている。2012年にパブロ・アパロと監督した「La gente del río」は、150人しか住んでいない川沿いのエルネスティナ村が舞台。住民は村を訪れる人々が川を楽しむだけでなく、破壊行為で汚していると訴えます。BAFICI 2013 で上映された。
出演者:フスティナ・オリボ、アレクア・カミノス・オリボ
解説:フスティナは人生のすべてを家政婦として働いてきた。彼女はアルゼンチンのパンパの奥深くに建つ大邸宅を、元の雇用主から生涯にわたる献身が報われて相続しました。条件は唯一つ、決して売ってはならないということだった。


(相続した大邸宅でくつろぐフスティナ・オリボ、アレクサ・カミノス・オリボ)

(マルティン・ベンチモル、ドロレス・フォンシ)
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