ニューディレクターズ部門に2作品ノミネート*SSIFF 2025 ⑦ ― 2025年08月12日 13:57
イラティ・ゴロスティディ・アギレチェとホセ・アラヨン

(ニューディレクターズ部門の公式ポスター)
★バスク出身のイラティ・ゴロスティディ・アギレチェ(1988)のデビュー作「Aro berria」と、テネリフェ出身のホセ・アラジョン(1980)の第2作め「La lucha / Dance of the Living」の2作がノミネートされました。当部門は1作めから2作目が対象です。8月5日にノミネート全作品が発表になっており、日本からもユカリ・サカモト(坂本悠花里/ユカリ、東京1990)の『白の花実』(12月26日公開)がクロージング作品として選ばれています。招待作品ということで賞には絡まないのかもしれません。他、中国、コスタリカ、デンマーク、インド、イギリス、ロシア、スウェーデン、台湾、トルコ、計13作です。当ブログでは、スペイン映画2作をアップします。まずはイラティ・ゴロスティディ・アギレチェの「Aro berria」からアップします。

(ニューディレクターズ13作入りの公式ポスター)
1)「Aro berria / Anekumen」
Ikusmira Berriak 2020 作品
データ:製作国スペイン、2025年、スペイン語・バスク語、歴史ドラマ、110分、長編デビュー作。イクスミラ・ベリアクの他、ロカルノ・レジデンス2023,FIDLab、インディ・リスボア・共同プロダクション・フォーラムなどに参加している。
監督・脚本:イラティ・ゴロスティディ・アギレチェ、製作:Apellaniz y de Sosa SL / Anekumen Pelikula AIE / Leire Apellaniz & Claudia Salsedo / SEÑOR y SEÑORA、ICAA、RTVE、EiTBから資金提供を受けている。製作者:レイレ・アベリャニス、カルメン・ラカサ、撮影:イオン・デ・ソーサ、衣装デザイン:ハビエル・ベルナル・ベルチ、プロダクションデザイン:クラウディア・サルセド

キャスト:マイテ・ムゲルサ・ロンセ、オスカル・パスクアル・ロペス、アイマル・ウリベサルゴ、エドゥルネ・アスカラテ、ジョン・アンデル・ウレスティ、ナタリア・スアレス、(特別出演)ヤン・コルネ、オリベル・ラシェ、ハビエル・バランディアン
ストーリー:1978年5月、フランコのスペインは終焉を迎え、民主主義移行への興奮が感じられたサンセバスティアンの郊外では、水道メーター工場の労働者が集まり、ストライキについての集会を開いていた。最終的には失敗に終わり、幻滅した彼らのなかで最もラディカルな若いグループは工場を去り、社会変革より個人的なより仲間内の領域に向かい始めます。人里離れた山中に籠り、カタルシス体験を共有することで激しい探求への旅を企てますが、彼らの願望は深い矛盾にぶつかり、彼らが求めていた理想は揺らぎ始めます。フランコ没後の1970年代の実話に着想を得て製作された。

監督紹介:イラティ・ゴロスティディ・アギレチェ、1988年ナバラ州エゲシバル生れ、監督、脚本家。ビルバオとバルセロナで芸術と映画を学び、フルブライト奨学金を得て、ニューヨークに留学。本祭関連では、短編「Unicornio」(18分、シネミラ・キムアク部門2021)ほか。「Contadores」(19分、サバルテギ-タバカレア部門2023)は、カンヌ映画祭併催の「批評家週間」でライツ・シネ・ディスカバリー賞にノミネートされた他、グアナファト映画祭、ヴィラ・ド・コンデ映画祭などにもノミネートされた。アルカラ・デ・エナレス短編映画祭2023でイオン・デ・ソーサが撮影賞を受賞した。本作は「Contadores」で探求された世界を掘り下げたものであり、当時の歴史的再現やドキュメンタリー資料を駆使してアプローチしている。

(イラティ・ゴロスティディ・アギレチェ監督)

(イオン・デ・ソーサ、監督、製作者カルメン・ラカサ、SSIFF 2025、8月5日)
★次回、ホセ・アラヨンの「La lucha / Dance of the Living」を予定しています。
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