カルラ・シモン、イサキ・ラクエスタが金熊を競う*ベルリン映画祭2022 ― 2022年01月23日 16:11
コンペティション部門に2作ノミネートは初めて!
★1月19日、第72回ベルリン映画祭2022のノミネーション発表がありました(2月10日~20日)。カルラ・シモンの第2作め「Alcarras」、イサキ・ラクエスタの第7作め「Un año, una noche」が揃ってセクション・オフィシアルに選ばれました。もともとスペイン映画はベルリンFFを目指している監督が多くないこともあって、同時に2作はニュースです。ノミネーションは2019年のイサベル・コイシェの『エリサ&マルセラ』以来です。コイシェは『死ぬまでにしたい10のこと』(03)、「Nadie quiere la noche」(15)と最多の3回、公開されたラモン・サラサールの『靴に恋して』(02)、アレックス・デ・ラ・イグレシアの『クローズド・バル』(17)などが記憶に残ります。
★シモンは自伝的なデビュー作「Estiu 1993」(17、『悲しみに、こんにちは』)に続いてのノミネートですが、第1作はコンペではなくジェネレーション K-Plus 部門、グランプリと新人監督賞を受賞するという幸運に浴しました。マラガ映画祭では作品賞を含む5賞、2018年には3個のゴヤ賞、5個のガウディ賞、4個のフェロス賞と続き、国際映画祭の受賞は数えきれず、スペイン映画界に旋風を巻き起こしました。
*『悲しみに、こんにちは』の作品紹介は、コチラ⇒2017年02月22日
(候補作「Alcarras」から)
★一方、来日経験もある「Entre dos aguas」(18、『二筋の川』)のベテラン監督イサキ・ラクエスタは、ベルリンは今回が初めて、ラクエスタといえばゴヤ賞には恵まれませんが、金貝賞3個とサンセバスチャン映画祭の申し子です。新作には『ビート・パー・ミニット』主演のナウエル・ぺレーズ・ビスカヤートを起用しています。いずれ両作とも作品紹介を予定しています。
*『二筋の川』の作品紹介は、コチラ⇒2019年07月06日
(候補作「Un año, una noche」から)
★他のノミネーション18作には、オープニング作品のフランソワ・オゾンの「Peter von Kant」や、イタリアのパオロ・タヴィアーニの「Leonora addio」、ホン・サンスの「The Novelist’s Film」、ボリビア出身だが20年前からメキシコに移住して、フィルム編集や映画製作をしているナタリア・ロペス・ガリャルドのデビュー作「Robe of Gems」(メキシコ、アルゼンチン、米国合作)が、意外な結果を生むかもしれない。目下詳細が掴めませんが麻薬がらみの3人の女性の物語のようです。その他カナダやオーストリアの『パラダイス』三部作のウルリヒ・ザイドルなど鬼才監督の新作が金熊賞を競います。ほかパノラマ部門にもスペイン映画選ばれている。
(ナタリア・ロペスの「Robe of Gems」から)
★金熊栄誉賞にはフランスのイザベル・ユペールがアナウンスされ、授与式は2月15日です。
(イザベル・ユペール)
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