金貝賞を競うスペイン映画は2作*サンセバスチャン映画祭2020 ④ ― 2020年08月02日 12:49
セクション・オフィシアルにパブロ・アグエロ
(セクション・オフィシアルのポスター)
★7月30日、コンペティション部門、コンペティション外ほか、ニューディレクターズ部門、サバルテギ-タバカレラ部門などがアナウンスされました。スペイン映画はコンペにパブロ・アグエロの「Akelarre」とアントニオ・メンデス・エスパルサの「Courtroom 3H」(「Sala del Juzgado 3H」)の2作が金貝賞を競うことになりました。他にアウト・コンペティションには、ロドリゴ・ソロゴジェンのTVシリーズ「Antidisturbios」(全6話のうち2話)、特別上映作品としてアイトル・ガビロンドの「Patria」がエントリーされた。コンペ外のウディ・アレンの新作「Rifkin's Festival」はオープニング作品です(アップ済み)。
◎セクション・オフィシアル◎
①「Akelarre」 (スペイン=フランス=アルゼンチン)2020
製作:Sorgin Films / Kowalski Films / Lamia Producciones
監督:パブロ・アグエロ
脚本:パブロ・アグエロ、Katall Guillou
撮影:ハビエル・アギーレ
音楽:マイテ・アロタハウレギ、アランサス・カジェハ
編集:テレサ・フォント
録音:ウルコ・ガライ、ホセフィナ・ロドリゲス
特殊効果:マリアノ・ガルシア、アナ・ルビオ、他
製作者:フレド・プレメル、グアダルーペ・バラゲル・Trellez、(エグゼクティブ)コルド・スアスア、他
データ:製作国スペイン、フランス、アルゼンチン、言語スペイン語・バスク語、2020年、スリラー・ドラマ、90分、撮影地ナバラ州レサカ、公開予定スペイン10月2日、フランス2021年3月24日
映画祭・受賞歴:サンセバスチャン映画祭2020セクション・オフィシアル
*パブロ・アグエロ(メンドサ1977)は、本映画祭2009ニューディレクターズ部門に「77 Doronship」で登場、同2015セクション・オフィシアルに「Eva no duerme」、当ブログではノミネート紹介だけでしたが、ガエル・ガルシア・ベルナルやイマノル・アリアスなどが出演していて、今回の「Akelarre」と同じくアルゼンチン西仏合作でした。アルゼンチンのメンドサ出身だがスペインやフランスとの合作が多く、バスクに軸足をおいている監督です。今回のノミネート作品も17世紀のバスクを舞台にした魔術による裁判のプロセスに着想を得た歴史ドラマで、長編第5作めになる。
(パブロ・アグエロ監督)
キャスト:アレックス・ブレンデミュール(ロステギ裁判官)、アマイア・アベラスツリ(アナ)、ジョネ・ラスピウル(マイデル)、ガラシ・ウルコラ、ダニエル・ファネゴ、ダニエル・チャモロ、他多数
ストーリー:1609年バスク、この地方の男たちは海に出かけてしまっている。アナは村の娘たちと一緒に森で行われるフィエスタに出かけていく。この地方にはびこる魔術による裁判を浄化するよう国王フェリペ3世に依頼された裁判官ロステギは、彼女たちを逮捕して魔術を告発する。彼は魔術の儀式アケラーレについて知る必要があるだろうと決心、おそらく悪魔が操っているにちがいないと調査に着手する。17世紀初頭の為政者による、一つの考え方、一つの言語、一つの宗教を強制することを願った魔女狩り裁判、地方文化の否定が語られる。
(撮影中の魅力的な魔女たち)
★ペドロ・オレアが1984年に撮った同名の映画「Akelarre」の舞台は、バスク州の隣りナバラ州でした。ナバラもアケラーレが行われていた。アレックス・デ・ラ・イグレシアの『スガラムルディの魔女』(13)の舞台もナバラ州の小村スガラムルディ、親子三代にわたる魔女軍団の物語。
*『スガラムルディの魔女』の作品紹介は、コチラ⇒2014年10月12日
★アントニオ・メンデス・エスパルサの「Courtroom 3H」(「Sala del Juzgado 3H」)は次回にします。
最近のコメント