ドゥニア・アヤソ賞にエレナ・マルティン*サンセバスチャン映画祭2023 ㉔2023年10月07日 16:54

          エレナ・マルティンの「Creatura」にドゥニア・アヤソ賞

             

            

           (在りし日のドゥニア・アヤソ監督)

 

★ビクトル・エリセのドノスティア栄誉賞の授賞式が一番大きなイベントだが、その前に数ある賞の残りを纏めておきたい。日本の作品が受賞したことで初めて知った賞が、グリーンピース賞ギプスコア学芸協会賞の二つ、前者は浜口竜介の『悪は存在しない』が受賞、後者は近浦啓の『大いなる不在』との発表があった。藤竜也の主演俳優賞受賞スピーチ、夫婦長続きのコツは「ありがとう、ごめんねで充分」に、観客席から大きな拍手が送られていたが、およそ半世紀前に撮られた大島渚の『愛のコリーダ』を見ていた観客がいたでしょうか。とにかく本賞も嬉しい受賞でした。

 

ドゥニア・アヤソ賞は、カナリア諸島出身のドウニア・アヤソ19612014)監督へのオマージュとして、2018年に設けられた賞。同郷のフェリックス・サブロソ監督と結婚以来、二人三脚で問題作を製作中、52歳の若さで肝臓癌に倒れた。その業績を讃える賞で女性監督が受賞対象者、今となっては男性差別になりかねない。今回はエレナ・マルティン・ヒメノの「Creatura」が受賞した。監督自身が主役を演じている。カンヌ映画祭と併催の「監督週間」に出品され、ラベル・ヨーロッパ・シネマズを受賞している。スペシャルメンションにクラウディア・ピント・エンペラドールのドキュメンタリー「Mientras seas tú」が受賞した。アルツハイマー型認知症の診断を受けているカルメ・エリアスも現地入りして監督とフォトコールに応じていた。

 

フェロス・シネマルディア賞には、イサベル・コイシェの「Un amor」が選ばれ、セバスティアン賞には、マラガ映画祭の金のビスナガを受賞したエスティバリス・ウレソラの「20,000 especies de abejas」が受賞した。アカデミー賞スペイン代表作品の最終候補3作に残っていましたが、J..バヨナ監督の『雪山の絆』に敗れました。

 

ネスト賞(ザ・メディアプロ・スタジオ)30分以内の短編部門です。インドのNehal Vyas 監督の「Amma ki katha」(21分、ヒンズー語・ウルドゥー語)、現在はロサンゼルスを拠点に活動しているようです。スペシャルメンションにはベルギーのマリー・ファリス の「Entre les autres」(23分、フランス語)と女性監督が受賞、共にインタビューは英語でした。(印は作品紹介)

 

 

ドゥニア・アヤソ賞 副賞5,000ユーロ

Creatura」(カタルーニャ語、メイド・イン・スペイン部門)

監督エレナ・マルティン・ヒメノ  

     

      

        (中央が監督のエレナ・マルティン・ヒメノ、929日)

     

  

   (エレナ・マルティン・ヒメノ監督)

       

 スペシャルメンション

Mientras seas tú」(メイド・イン・スペイン部門)

監督クラウディア・ピント・エンペラドール  

    

         

      

            (監督とカルメ・エリアス、9月25日)

 

ネスト賞(ザ・メディアプロ・スタジオ)

Amma ki Katha」製作国インド

監督Nehal Vyas(インド)

     

    

         (受賞スピーチをする Nehal Vyas 監督、929日)

 

   

 

 スペシャルメンション

Entre les autres」製作国ベルギー

監督マリー・ファリス(ベルギー)

    

   

      (受賞スピーチをするマリー・ファリス監督、929日)

       

 

 

フェロス・シネマルディア賞

Un amor」(セクション・オフィシアル)

監督イサベル・コイシェ  

    

     

    

セバスティアン賞

20,000 especies de abejas」(シネミラ部門)スペイン

監督エスティバリス・ウレソラ  

    

   

         (エスティバリス・ウレソラ監督、929日)


       

   

         

グリーンピース賞

悪は存在しない』(ペルラク部門、日本)

監督浜口竜介

    

  

     

ギプスコア学芸協会賞

大いなる不在』(セクション・オフィシアル、日本)

監督近浦啓

    

   

        (近浦監督と藤竜也、929日のプレス会見)


★ほかにバスク・カントリー賞というバスク自治州の特産物を宣伝する親善大使2023にマリサ・パレデス選ばれた。

    

    

(左側はホセ・ルイス・レボルディノスSSIFF総ディレクター、マリサ・パレデス)