セクション・オフィシアル追加作品*サンセバスチャン映画祭2022 ⑤2022年08月09日 16:27

          70回セクション・オフィシアル追加作品

   

★セクション・オフィシアルの追加4作、2017年の『家族のように』以来、久々の登場となったアルゼンチンのディエゴ・レルマンの「El suplente / The Substitute」、カンヌ・シネフォンダシオン・レジデンスに選ばれて製作したアメリカのマリアン・マタイアスのデビュー作「Runner」、ポルトガルのマルコ・マルティンスがイギリスを舞台にポルトガル出稼ぎ労働者をテーマにした「Great Yarmouth-Provisional Figures」、コロンビアのラウラ・モラがメデジンの10代のアマチュア5人を起用して撮った第2作目「Los reyes del mundo / The Kings of the World」、以上4作のご紹介。

         

9)El suplente / The Substitute」 アルゼンチン

ヨーロッパ-ラテンアメリカ共同製作2019 

監督:ディエゴ・レルマン(ブエノスアイレス1976)は、監督、脚本家、製作者、舞台監督。新作は6作目になる。本祭との関りは、2014年、ホライズンズ・ラティノ部門に4作目「Refugiado」がノミネート、2017年、5作目となる「Una especie de Familia」がコンペティション部門に正式出品され、新作でも共同執筆者であるマリア・メイラと脚本賞を受賞した。ラテンビート2017で『家族のように』の邦題で上映されている。2010年、3作目の「La mirada invisible」が国際東京映画祭で『隠れた瞳』として上映された折り、ヒロインのフリエタ・シルベルベルクと来日している。

 

データ:製作国アルゼンチン=伊=仏=西=メキシコ、スペイン語、ドラマ、110分、脚本マリア・メイラ、レルマン監督、ルチアナ・デ・メロ、フアン・ベラ、製作Arcadiaスペイン / Bord Cadre Films / El Campo Cine アルゼンチン/ Esperanto Kinoメキシコ / Pimienta Filma / Vivo Filmイタリア、製作者ニコラス・アブル(エグゼクティブ)、ディエゴ・レルマン、他多数、撮影ヴォイテク・スタロン、編集アレハンドロ・ブロダーソンBrodersohn、美術マルコス・ペドロソ、主要スタッフは前作と同じメンバーが多い。トロント映画祭202298日~18日)でワールドプレミアム。

 

キャスト:フアン・ミヌヒン(ルシオ)、アルフレッド・カストロ(エル・チレノ)、バルバラ・レニー(マリエラ)、マリア・メルリノ(クララ)、レナータ・レルマン(ルシオの娘ソル)、リタ・コルテセ(アマリア)、他

ストーリー:ルシオは名門ブエノスアイレス大学の文学教授ですが、このアカデミックな生活に倦んでいる。自分の生れ育ったブエノスアイレスのバリオの学校で自分の知識を活用させたいと思っている。彼は復讐のため地域の麻薬組織のボスに追いまわされている学生ディランを救おうとして事件に巻き込まれていく。

代行教師の邦題で Netflix 配信されました

 

  

                 (ルシオ役のフアン・ミヌヒン、フレームから)

 

   

         (フアン・ミヌヒン、監督、バルバラ・レニー)

 

 

10)「Runner」アメリカ

監督マリアン・マタイアス Marian Mathias(シカゴ1988)監督、脚本家、デビュー作。ニューヨークのブルックリン在住。カンヌ・シネフォンダシオン・レジデンス2018に選出されたほか、トリノ・ヒューチャーラボ201950.000ユーロ)、ベネチア映画祭プロダクション・ブリッジ・プログラム2020、ニューヨーク芸術財団などの資金援助を受けて製作されている。

データ:製作国アメリカ=ドイツ=フランス、2022年、英語、ドラマ、製作 Killjoy Films ドイツ / Man Alive アメリカ / Easy Riders フランス、脚本マリアン・マタイアス、撮影ジョモ・フレイ、製作者ジョイ・ヨルゲンセン、音楽Para One、キャスティングはケイト・アントニート、衣装スージー・フォード、撮影地ミシシッピー、イリノイ。トロント映画祭ディスカバリー部門でプレミアされ、ヨーロッパは本祭がプレミアとなる。

 

     

      (製作者ジョイ・ヨルゲンセンとマタイアス監督、トリノ・ラボ2019

 

キャスト:ハンナ・シラー(ハース)、ダレン・ホーレ(ウィル)、ジーン・ジョーンズ、ジョナサン・アイズリー

ストーリー18歳になるハースは、ミズリー州の孤立した町で父親に育てられた。突然父親が亡くなり一人残された。ミシシッピー川沿いの生れ故郷に埋葬して欲しいという父親のかつての願いを叶えるため出立する。厳しい気候や不景気と闘っているコミュニティで芸術的な魂を持っているウィルと出会う。彼は家族を養うため遠く離れた土地から出稼ぎに来ていた。彼はハースに引き寄せられ、彼女はウィルに引き寄せられる。彼はハースに生きることを教え、彼女はウィルに感じることを教え、お互いを発見します。ハースの愛と喪失、ふたりの友情と別れが語られる。

   

         

             (ハースとウィル、フレームから)

 

 

11)「Great Yarmouth-Provisional Figures」ポルトガル マルティンス?

監督マルコ・マルティンス Marco Martins (リスボン1972)監督、脚本家。本祭との関りは今回が初めてだが、2005年製作の「Alice」がカンヌ映画祭「ある視点」部門の作品賞を受賞した他、ラス・パルマスFF(新人監督)、マル・デル・プラタFF(監督・FIPRESCI)、ポルトガルのゴールデン・グローブ賞などを受賞している。他ベネチアFFのオリゾンティ部門にノミネートされた「Sao Jorge」(16)では、新作でも主演しているヌノ・ロペスが男優賞を受賞、ほかに「How to Draw a Perfect Circle」(09)が代表作。

 

    

     (中央が監督、右ヌノ・ロペス、第73回ベネチア映画祭フォトコールにて)

 

データ:製作ポルトガル=フランス=イギリス、ポルトガル語・英語、2022年、ドラマ、113分。製作Damned Films / Les Films de IApres-Midi / Uma Pedra no Sapato、脚本リカルド・アドルフォと監督の共同執筆、製作者カミラ・ホドル、フィリパ・レイス、(エグゼクティブ)イアン・ハッチンソン、サスキア・トーマスほか、撮影ジョアン・リベイロ、衣装イザベル・カルモナ、撮影地イギリスのグレート・ヤーマス

 

キャスト:ベアトリス・バタルダ(タニア)、ヌノ・ロペス、クリス・ヒッチェン、ボブ・エリオット、ヴィクトル・ローレンソ、リタ・カバソ、ロメウ・ルナ、ピーター・コールドフィールド(ジョー)、ウゴ・ベンテス(カルドソ)、アキレス・Fuzier(ロマの少年)、セリア・ウィリアムズ(看護師)、ほか

 

ストーリー201910月、ブレグジットの3ヵ月前、英国ノーフォーク州グレート・ヤーマスに何百人ものポルトガル人出稼ぎ労働者が、地元の七面鳥工場での仕事を求めて押しよせてきた。タニアはこれらの養鶏場で働いていたが、現在はイギリス人のホテルの経営者と結婚している。彼女はポルトガルの労働者にとって頼りになる人だったが、今では英国の市民権も取り、夫所有の使われていないホテルを高齢者向け施設に改装して、このやりがいのない仕事を辞めたいと夢見ていた。

 

     

                (フレームから)

 

 

12)「Los reyes del mundo / The Kings of the World」 コロンビア

監督ラウラ・モラ(メデジン1981)は監督、脚本家。新作は第2作目。メルボルン・フィルムスクールRMITで映画制作と監督を専攻する。本祭との関りは、2017年ニューディレクターズ部門に出品されたデビュー作「Matar a Jesús / Killing Jesús」がクチャバンク賞スペシャル・メンション、ユース賞、Fedeora 賞、SIGNIS 賞を受賞している。2002年に殺害された父親の実体験から構想された力作。カイロ映画祭で銀のピラミッド監督賞以下、コロンビアのマコンド賞、カルタヘナFF観客賞、フェニックス賞、シカゴ、パナマ、パーム・スプリングス、各映画祭受賞歴多数。他にTVシリーズ「Pablo Escobar: El Patrón del Mal」(12120話のうち83話を監督する。これは『パブロ・エスコバル 悪魔に守られた男』の邦題でNetflix 配信されている。

新作はプロフェッショナルな女性スタッフの協力と、演技経験のないアマチュアの15歳から22歳の若者5人とのトークを重ねながらクランクインできた。モラ監督は「この映画は男らしさを反映した映画ですが、撮影、録音以外は女性が手掛けています」と。本祭プレミアが決定した折りには「遂に映画をリリースできて、とても嬉しいです。非常に長く厳しいプロセスでしたから。それにサンセバスチャンの公式コンペティションで、私たちが深く尊敬している監督たちに囲まれて初演できることを光栄に思います」と語っている。

 

    

             (新作について語るラウラ・モラ)

 

データ:製作国コロンビア=ルクセンブルク=フランス=メキシコ=ノルウェー、スペイン語、2022年、ドラマ、脚本は『夏の鳥』(18)の脚本を執筆したマリア・カミラ・アリアスと監督との共同執筆、製作 Ciudad Lunar Productions / La Selva Cine、製作者は『彷徨える河』(15)のプロデューサー、『夏の鳥』の監督兼製作者のクリスティナ・ガジェゴと、TVシリーズを数多く手掛けているミルランダ・トーレス資金提供メデジン市。撮影地メデジン、配給 Film Factory Entertainment、公開コロンビア106

キャスト:カルロス・アンドレス・カスタニェダ、ダビッドソン・アンドレス・フロレス、ブライアン・スティーブン・アセベド、クリスティアン・カミロ・ダビ・モラ

 

   

 

  (5人の王たち、フレームから)

 

ストーリー:メデジンのストリートチルドレン、ラー、クレブロ、セレ、ウィニー、ナノの5人の若者の不服従、友情、誇りについての物語。5人の王たちには王国も法律も家族もなく、本当の名前すら知らない。最年長のラーは、かつて民兵組織が祖母から押収した土地に関する政府からの手紙を受け取った。彼と仲間は約束の地を求めて旅の準備に着手する。破壊的な物語は荒々しいが深遠なグループを通して現実と妄想が交錯する。すべてが生じた無に向かっての旅が語られる。


 

       

      (左から、ディエゴ・レルマン、マリアン・マタイアス、

       マルコ・マルティンス、ラウラ・モラ)

セクション・オフィシアル追加発表*サンセバスチャン映画祭2022 ④2022年08月06日 16:34

           コンペティション部門の追加12作品を発表、全16作が出揃った

    

      

 

★去る82日、セクション・オフィシアルの追加発表があり、アルゼンチンのディエゴ・レルマン、フランスのクリストフ・オノレ、チリのセバスティアン・レリオのベテランから、デビュー作2編を含む12作、スペイン映画の4作を加えて全16作が出揃いました。うちアニメーション『バケモノの子』(15El niño y la bestia)の製作者として本祭に参加した経験のあるゲンキ・カワムラ川村元気の『百花』と、アメリカのマリアン・マティアスの「Runner」がデビュー作です。前回アップしたミケル・グレアを含めて、3人の新人が金貝賞を競う展開になりました。ラテンアメリカ諸国の監督映画4作があり、別途紹介を予定しております。3回に分けてアップします。

 

 

             ◎70回セクション・オフィシアル追加12作品

 

5)「Pornomelancolía / Pornomelancolia」アルゼンチンWIP Latam 2021作品

監督マヌエル・アブラモヴィッチ(ブエノスアイレス1987)、監督、脚本家。長編4作目、本祭との関りでは、サバルテギ-タバカレラ部門に数作選出されている。脚本は監督とフェルナンド・クラップ。製作者はヘマ・フアレス・アジェン、クラリサ・オリベリほか、編集アナ・レモン、プロダクション・マネージメントはマルセラ・アレナス。

 

データ:製作国アルゼンチン=フランス=ブラジル=メキシコ、スペイン語、ドラマ、98分、製作Gema Filmsアルゼンチン / Desvia Productionsブラジル / Dublin Films フランス / Mart Filmsメキシコ、撮影地メキシコ、201910月、20211月。サンセバスチャン映画祭のIkusmira Berriak 2018、タバカレラ現代文化国際センター、エリアス・ケレヘタ映画学校の支援を受けている。

キャスト:ラロ・サントス

 

解説31歳になるラロはメキシコ南部の山間の町オアハカに住んでいる。工場で働いており、彼の両親は彼がセックス・インフルエンサーなのも、HIVなのも知らない。自身のヌード写真を撮り、自家製のポルノビデオを、ソーシャルメディアの何千人ものフォロアーに投稿している。ラロは自身の人生を統制していたが、実際の私生活では長いあいだ鬱でふさぎ込んでいた。彼はメキシコ革命に関するポルノ映画でエミリアノ・サパタ役のオーディションに合格する。ポルノグラフィーを出発点として、ハイパーコネクテッドな世界における私的なものと公的なもの、現実と仮想との境界を考察している。

    

     

 

 

 

6)「Le Lycréen / Winter Boy」フランス

監督クリストフ・オノレChristophe Honore(カレ=プルゲール1970)は、監督、脚本家、作家。本祭の関りでは、2008年「La belle personne / The Beautiful Person」(『美しいひと』)、キアラ・マストロヤンニに主役した2009年「Non ma fille,tu n/iras pas danser / Making Plans for Lena」がセクション・オフィシアルにノミネートされている。前者は未公開だがフランス映画祭2009で上映され、DVDが発売された。今回は父親の死で危機に陥った少年についてのフィルム「Le Lycreen / Winter Boy」で戻ってきました。ドノスティア栄誉賞を受賞するジュリエット・ビノシュが共演している。

 

データ:製作国フランス、フランス語、2022年、ドラマ、122分。製作者フィリップ・マルタン、デビット・シオン、撮影レミー・シェヴラン、公開フランス20221123

キャスト:ポール・キルヒャー(ルカス)、ヴィンセント・ラコステ、ジュリエット・ビノシュ、クリストフ・オノレ、アドリアン・カッセ、パスカル・セルボ、ザビエル・ジャンノリ、ヴィルフリート・カペ―、イザベル・テヴヌー、ジャン=フィリップ・サレリオ

 

     

   (ポール・キルヒャー、フレームから)

   

    

   (主演のポール・キルヒャー、ヴィンセント・ラコステ、ジュリエット・ビノシュ)

  

解説17歳の高校生ルカスは、父親の死にあって粉々になっている。彼の人生は手なずけねばならない凶暴な獣のようだと感じている。パリに住んでいる兄と今は一人暮らしの母親のあいだで、希望と愛を征服するために闘わねばならない。

 

  

7)『百花 / A Hundred Flowers』 日本

監督ゲンキ・カワムラ 川村元気(横浜1979)は、製作者、監督、作家。デビュー作。本祭との関りは製作者として、2015年セクション・オフィシアルにノミネートの細田守のアニメーション『バケモノの子』、新海誠の『君の名は。』が2016年にコンペティション部門で特別上映されている。今回は監督としてアルツハイマーの母親をめぐる実写映画で金貝賞を競うことになった。

   

     

 

データ:製作国日本、日本語、2022年、ドラマ、104分。監督の同名小説の映画化。脚本は監督と平瀬謙太朗、音楽は網守将平、撮影は今村圭佑、製作はAOI Pro. 配給TOHO(日本)、GAGA.(海外)、日本公開は映画祭開催前の202299

キャスト:菅田将暉(葛西泉)、原田美枝子(母・葛西百合子)、長澤まさみ(妻・葛西香織)、永瀬正敏(浅葉洋平)、北村有起哉(大澤哲也)、岡山天音(永井翔太郎)、他

 

     

        (泉役の菅田将暉と母百合子役の原田美枝子、フレームから)

    

ストーリー:レコード会社に勤務する泉と、ピアノ教室を営む母親は、過去のある事件をきっかけに、互いの心の溝を埋められないまま過ごしてきた。そんななか、突然、母親が不可解な言葉を発するようになる。「半分の花火が見たい・・・」それは、母が息子を忘れていく日々の始りだった。母の記憶が消えゆくなか、息子は封印された記憶に手を伸ばす。「半分の花火」とはなにか、謎が解けたとき、息子は母の本当の愛を知ることになる。(公式サイトの抜粋から)

 

 

8)「The Wonder」チリ

監督セバスティアン・レリオ(アルゼンチン、メンドサ1974)、監督、脚本家、フィルム編集者。本祭との関りでは、2013年の『グローリアの青春』がペルラス部門、2017年の『ナチュラルウーマン』がホライズンズ・ラティノ部門、そして今回の「The Wonder」がコンペティション部門に選出された。19世紀後半のアイルランドの寒村を舞台にした、エマ・ドナヒューの同名小説に着想を得て映画化した。脚本をアリス・バーチ、原作者、監督が共同執筆している。前2作はチリを舞台にしたスペイン語映画でしたが、新作の言語は英語とアイルランド語です。


原作者エマ・ドナヒュー(ダブリン1969)は、アイルランド系カナダ人の作家、文学史家、脚本家。2010年のベストセラー Room はレニー・アブラハムソンが映画化し、作家が脚本を手掛けた。第88回アカデミー賞2016作品賞にノミネートされている。また『部屋』として翻訳書も出ている。

    

      

           (エマ・ドナヒューの原作 The Wonder の表紙)

 

データ:製作国イギリス=アイルランド、英語・アイルランド語、サイコスリラー、103分、製作 Element Pictures / Element / House Productions / Screen Ireland (プロダクション・マネージメント)LSG Productions、撮影地アイルランド、20218月クランクイン、配給 Netflix

キャスト:フローレンス・ピュー(英国人看護師エリザベス・ライト/リブ)、キラ・ロード・キャシディ(アナ・オドネル)、キアラン・ハインズ(神父)、トム・バーク(ジャーナリスト)、トビー・ジョーンズ(アナの主治医)、エレイン・キャシディ(アナの母)、ニアフ・アルガー(キティ・オドネル)、ほか

  

ストーリー:舞台は1862年、アイルランドのミッドランド地方の小さな村、イギリス人の看護師リブ・ライトは、11歳の誕生日以来何ヵ月も食べていないという少女アナ・オドネルの真否を観察するために村に派遣されてくる。アナを一目見ようと巡礼者や観光客が殺到し、新聞記者もやってくる。アンナの背後にある真相を突き止めるための委員会が結成され、リブ・ライトは、一部の人が宗教上の奇跡と見なしている医学的驚異を理解するには、誰が信頼できるのかを判断しなければならない。もしかすると天の恵みで生きている聖女として村人が囲っているのではないか、あるいはもっと邪悪な動機があるのだろうか。19世紀に典型的だった断食少女の奇怪な出来事にインスパイアされたサイコスリラー。オドネル家の秘密、宗教的ヒステリー、医学的仮説(科学と信仰の衝突)、イギリスとアイルランドの対立(リブ・ライトは故国に敵対的なアイルランドの村に唯一人でいる)、何が起こっているのかではなく、なぜ起こっているのかが語られる。

 

      

       

     (リブ・ライト役フローレンス・ピュー、アナの主治医役トビー・ジョーンズ)

   

 

    

 (マヌエル・アブラモヴィッチ、クリストフ・オノレ、川村元気、セバスティアン・レリオ)

  

イサベル・コイシェのドキュメンタリー*サンセバスチャン映画祭2022 ③2022年08月03日 14:44

        イサベル・コイシェの「El techo amarillo」は特別上映

       

               

  

★セクション・オフィシアルの特別上映となったイサベル・コイシェ(バルセロナ1960)の新作「El sostre groc / El techo amarillo」は、2001年から2008年のあいだにリェイダの演劇学校で行われていた青少年への性的虐待のドキュメンタリーです。Aula de Teatro de Lleidaリェイダ演劇講堂で犯されていた性的暴力に現在でも苦しんでいる9人の元生徒たちの証言と裁判にいたるまでのプロセスが語られる。Me Too運動を反映させたドキュメンタリー。コイシェの本祭との関りはメイド・イン・スペイン部門での上映を除くと、デビュー作「Demasiado viejo para morir joven」(88108分、カタルーニャ語)が、ニューディレクターズ部門に出品されただけである。その際、批評家から酷評されたショックで立ち直るのに時間がかかったという。しかし翌春マドリードとバルセロナで公開され1990年から始まったゴヤ賞新人監督賞にノミネートされた。スペイン文化省が授与する映画国民賞の授賞式はサンセバスチャン映画祭で行われることになっており、彼女は2020年の受賞者としてホセ・マヌエル・ロドリゲス・ウリベス大臣の手から証書を受け取った。

 

     

   (映画国民賞を手にしたイサベル・コイシェ、2020920日、SSIFF2020にて)

 

 

 「El sostre groc / El techo amarillo / The Yellow Ceiling」スペイン

監督:イサベル・コイシェ、視覚効果はララ・ビラノバ。キャリア&フィルモグラフィーについては以下に紹介しています。

データ:製作国スペイン、2022年、ドキュメンタリー、94分、製作Miss Wasabi、撮影地バルセロナとリェイダ。撮影に1年半、40時間に及ぶフィルム編集が終わったのが20221月、最初は4月公開がアナウンスされていたが、本祭の特別上映枠でプレミアされることになった。

出演者:アイダ・フリックス、ヌリア・フアニコ(報告書の執筆者)、マルタ・パチョン、ミリアム・フエンテス、ゴレッティ・ナルシス、アルベルト・リィモス(報告書の執筆者)、ヴァネッサ・スプリンゴラ(フランの作家・編集者・映画監督)、ビオレタ・ポルタ、他

 

解説2018年、カタルーニャ州リェイダ(スペイン語レリダ)県の演劇学校の教師アントニオ・ゴメスを性的虐待で告発した女性たちのドキュメンタリー。2020523日、ARA(カタルーニャの日刊紙)が、リェイダ演劇学校で学ぶ未成年者を含む何十人にも及ぶ生徒が、2人の教師から受けていた性的虐待の報告書を公けにした。映画は9人の元生徒の証言を元に、センターの指導官、教員、告発者の家族、現生徒、元生徒、ARA紙の記者、アルベルト・リィモスやヌリア・フアニコのような報告書の執筆者などで構成されている。作家ガブリエル・マツネフに14歳から性的虐待を受けていたというフランスの作家、出版編集者ヴァネッサ・スプリンゴラの名前もクレジットされている。2020年に刊行した回想録「Le Consentement」(「同意」)はベストセラーとなり、フランス社会のエリート著名人、政財界に激震を引き起こした。ここでは深入りしないが、彼女が何を語るかも興味のあるところです。

 

ARA紙の記事から1年後、コイシェは「虐待に苦しんだ瞬間から、それを司法に報告する決心をするまでのプロセスを反映するために、証言に声を与えるドキュメンタリーの準備をはじめた」と製作の動機を語っている。「あの記事を読んだとき、私はある特別な感動を覚えました。彼女たちの話をもっと聞かねばならない、ドキュメンタリーを通じてより多くのことを語ってもらい、そうすることで別の側面をもたらすことができると考えたのです」と付け加えた。

 

★監督は、被害者意識を遠ざけたいと思った。「みんな自分が悲劇の女王だと思っているが、涙を流すだけでは何の解決にもならない、涙にはある種の限界があるのです。虐待についてのドキュメンタリーには、常に不満をもっていたので、涙を排除した視点から撮りたいと思った。泣いてる女性を見るのは好きではない」とコイシェはインタビューに応えている。男尊女卑が幅を利かす映画界で奮闘してきた監督らしい。泣き寝入りをしない女性たちの応援歌になっているのかもしれない。

 

キャリア&フィルモグラフィーについては、以下の作品紹介でアップしています。特に『マイ・ブックショップ』17)、Netflixストリーミング配信の『エリサ&マルセラ』19)で紹介しています。海外に軸足をおいて英語で製作しているせいか、長編、短編、ドキュメンタリー、オムニバス映画などを含めると優に30作を超えます。2022年のドノスティア栄誉賞を受賞するジュリエット・ビノシュを主役にして撮ったNobody Wants the Night15は、後にEndress Nightと改題している。またイギリスのキャスト陣を主軸にしたスリラーNieva en Benidorm20)は、ゴヤ賞2021の監督賞・プロダクション賞(トニ・ノベリャ)にノミネートされている。

 

 

 コイシェ監督関連記事

Nieva en Benidorm」の紹介記事は、コチラ20210211

『エリサ&マルセラ』の紹介記事は、コチラ20190211同年0612

『マイ・ブックショップ』の紹介記事は、コチラ20180107

『しあわせへのまわり道』(14)の紹介記事は、コチラ20150829

Nobody Wants the Night」(「エンドレス・ナイト」)の記事は、コチラ20150301

Another Me」(13)の紹介記事は、コチラ20140727

 

セクション・オフィシアル*サンセバスチャン映画祭2022 ②2022年08月01日 13:45

   金貝賞を競うセクション・オフィシアルにスペイン映画4作がノミネート

  

 


★現在のところノミネート発表はどの部門もスペイン映画に限られ、全体像が見えてくるのはこれからです。ベテランのハイメ・ロサーレスの「Girasoles silvestres」、中堅のフェルナンド・フランコの「La consagración de la primavera」、若手のピラール・パロメロの「La maternal」とバスクの新人ミケル・グレアの「Suro」の4作、特別上映となったイサベル・コイシェの「El sostre groc」、アウト・オブ・コンペティションは、前回アップしたアルベルト・ロドリゲスのオープニング作品「Modelo 77」とロドリゴ・ソロゴジェン以下5人の監督による「Apagón」の7作がアナウンスされました。作品に情報のばらつきがあり、入手できたデータで紹介しておきます。

 

                      70SSIFFセクション・オフィシアル

    

1Girasoles silvestres / Wild Flowles (スペイン=フランス)

監督ハイメ・ロサーレス(バルセロナ1970)は監督・脚本家・製作者。コンペティション部門のノミネーションは、2008年の「Tiro en la cabeza」以来14年ぶり、本作で国際映画批評家連盟FIPRESCI 賞を受賞している。もともとカンヌFFに焦点を合わせている監督なのでプレミアは少ない。コンペ以外ではカンヌFFと併催の「監督週間」に正式出品された後、ペルラス部門に出品された「Petra」(18)は、後に『ペトラは静かに対峙する』の邦題で公開された。メイド・イン・スペイン部門には多数エントリーされている。

 

スタッフ:脚本はロサーレス監督とバルバラ・ディエス、製作者は『マイ・ブックショップ』のマヌエル・モンソン、撮影はアメリカ映画『ロスト・ドーター』(21)やブラジル映画『見えざる人生』(19)など国際的な活躍をしているフランスのエレーヌ・ルヴァールLouvart、編集は『ペトラは静かに対峙する』のルシア・カサル、などベテラン揃いの布陣です。

 

     

   

データ:製作国スペイン=フランス、スペイン語、ドラマ、107分、2022年、製作:Fresdeva Films / A Contracorriente Films / Oberon Media  撮影地バルセロナ

キャスト:アンナ・カスティーリョ(フリア)、オリオル・プラ(オスカル)、キム・アビラ(マルコス)、リュイス・マルケス(アレックス)、マノロ・ソロ(ロベルト)、カロリナ・ジュステ(マイテ)

ストーリー:フリアはまだ22歳だが既に二人の子供がいる。オスカルを好きになり、親しい関係をもち始めている。一緒に過ごすなかで、もしオスカルが本当に自分に必要な人なら、家族の幸せのために一緒に人生を歩んでいくだろう。

 

    

    

            (フリアとオスカルと子供たち、フレームから)

 

 

2La consagración de la primavera / The Rite of spring (スペイン)

監督フェルナンド・フランコ(セビーリャ1976)の3作目、監督・脚本家。「La herida」(13)で鮮烈デビュー、審査員特別賞、主演のマリアン・アルバレスが女優(銀貝)賞を受賞している。第2作目「Morir」(17)が特別上映作品に選ばれるなど、本映画祭一筋の監督。

 

スタッフ:脚本はフランコ監督とベゴーニャ・アロステギ、製作総指揮は「Morir」やイシアル・ボリャインの「Maixabel」をプロデュースしたグアダルーペ・バラゲル・トレリェス、他ハイメ・オルティス・デ・アルテニャーノ、コルド・スアスア、撮影は『悲しみに、こんにちは』や『マリアの旅』のサンティアゴ・ラカ、編集は「Morir」、『さよならが言えなくて』、『マリアの旅』のミゲル・ドブラド、美術&プロダクションデザインを手掛けるのがカルメン・アルバセテ・ゴメス、などの布陣。

    

    

 

データ:製作国スペイン、スペイン語、2022年、109分、製作Lazona / Kowalski Films / Ferdydurke Films、協賛/ Canal Sur Radio y Television / Comunidad de Madrid / Movistar+、ICAAより資金提供を受けている。撮影地グラナダとマドリード、221日~3月末。

キャスト:バレリア・ソローリャ(ラウラ)、テルモ・イルレタ(ダビ)、エンマ・スアレス(ダビの母親イサベル)

ストーリー18歳になるラウラは大学で化学を学ぶためマドリードに着いたばかりである。コンプレックスと不安を抱えているが新しい生活に適応しようとしている。ある夜、偶然に脳性麻痺のダビと母親のイサベルと知り合いになる。二人との信頼関係が増すにつれ、その込み入った不安を乗り越える必要にラウラは直面する。物語は、すべてが可能になるある瞬間についての、または思いがけない出会いが私たちの人生をどのように決定づけてしまうかについての物語。

 

    

                    (ラウラとダビ、フレームから)

 

   

             (撮影中の監督と主演者3人)

 

 

3La maternal (スペイン)

監督ピラール・パロメロ(サラゴサ1980)は監督、脚本家。本作は第2作目になります。2020年のデビュー作「Las niñas」(『スクールガールズ』として2021年公開)がメイド・イン・スペイン部門で上映されている。ベルリン映画祭2020ゼネレーションKplus部門でワールド・プレミアされ、続いてマラガ映画祭セクション・オフィシアル作品に正式出品、見事金のビスナガ作品賞を受賞した。翌年のゴヤ賞2021の作品賞・新人監督賞・オリジナル脚本賞の3冠、ゴヤ賞の話題をさらった。デビュー作は11歳の少女が主人公でしたが、本作も14歳の未成年者が母親になるプロセスが語られるようです。

 

スタッフ:脚本はパロメロ監督、製作者はデビュー作を手掛けたバレリー・デルピエール、アレックス・ラフエンテ、撮影はミケル・グレアの「Suro」も手掛けたフリアン・エリサルデ、以下編集のソフィア・エスクデ、美術のモニカ・ベルヌイはデビュー作と同じ、キャスティングのイレネ・ロケはロサーレスの「Girasoles silvestres」、『エリサとマルセラ』やTVミニシリーズ『イノセント』など数多くのTVシリーズを手掛けているベテランです。

   

    

 

データ:製作国スペイン、スペイン語、2022年、ドラマ、100分、製作:Aragon TV / BTeam Pictures / Inicia Films 他協賛Movistar/ ICAA / RTVE / TV3など。配給BTeam Pictures、公開スペイン1118

キャスト:カルラ・キレス(カルラ)、アンヘラ・セルバンテス(母親ペネロペ)、ホルダン・アンヘル・デュメス(エフライン)、ルベン・マルティネス、ペペ・ロレンテ、ネウス・パミエス、オルガ・ウエソ、ガル・ラ・サバテ、他

ストーリー14歳になるカルラは反抗的で扱いにくい年頃の少女である。若いシングルマザーと一緒に町外れの街道沿いにある古いレストランに住んでいる。学校をサボって男友達のエフラインと時間を潰している。ソーシャルワーカーが妊娠5カ月に気づいて、未成年の母親を収容するセンター〈ラ・マテルナル〉に入所することになる。カルラと同じような境遇の娘たちと日々を過ごすことになる。母親との変わりやすい複雑な関係も含めて、準備する時間を与えられずに赤ん坊と一緒に大人になる困難、成熟、コミュニケーションの欠如、恐怖が語られる。

 

   

    

        (未成年のまま母親になる娘たち、フレームから)

 

 

4)Suro (スペイン)

監督ミケル・グレア(サンセバスティアン1985)監督、脚本家、戯曲家。本作が長編デビュー作。バルセロナのUPFを卒業後、ロンドン・フィルム・スクールで修士号を取得、彼の戯曲はロンドンやマドリードのフェルナンド・フェルナン・ゴメス劇場で初演されている。2021年、スーパー16ミリで撮った「Heltzear」(2117分)がベネチア映画祭「オリゾンティ」部門に出品され、ベネチアが歴史上初めて上映するバスク語映画でした。サバルテギ-タバカレラ部門でも上映された。タイトルのHeltzearは掴む、成長するという意味。2000年サンセバスティアンが舞台のドラマ、15歳のクライマーであるサラは不在の兄に手紙を書きながら、人生でもっとも厳しい登山に向けてトレーニングをしている。

   

    

             (短編「Heltzear」のポスター)

 

最初の短編「Primo」(0813分)、「The cats on the roof」(0918分)、イソナ・リガウと共同監督した「Rojo en el agua」(1012分)は、サンゴがなぜ赤いのかという伝説を絡ませたドラマ、どれも不思議な魅力をたたえている短編、他にロンドン・ロイヤル・バレエでバスク出身の最初のソリストとなったイツィアル・メンディサバルを追ったドキュメンタリー「Txoria / The bird」(1322分)も発表している。

 

スタッフ:脚本はグレア監督とフランシスコ・コステルリツ、製作総指揮アリアドナ・ドット、クラウディア・マルエンダ、ラウラ・ルビロラ、製作者ハビエル・ベルソサ、撮影は「La maternal」も担当したフリアン・エリサルデ、編集はアルベルト・セラとタッグを組むことの多いアリアドナ・リバス、プロダクション・デザインはイソナ・リガウ、などバルセロナ派の布陣で臨んでいる。

 

データ:製作国スペイン、カタルーニャ語、2022年、スリラー、ドラマ、90分、イクスミラ・ベリアクIkusmira Berriak 2016作品が金貝賞を競うセクション・オフィシアルにノミネートされるのは初めて。公開スペイン2022122日、

キャスト:ヴィッキー・ルエンゴ(エレナ)、ポル・ロペス(イバン)、イリヤス・エル・ウアダニIlyass El Ouahdani

ストーリー:子供を欲しいと思っているエレナとイバンは、コルク農園で新しい人生を始めようと都会を離れてコルクガシの森に移住してきた。しかし新しい土地でどのように生きていくか、夫婦として将来にどのように立ち向かうかについて、二人の思いはそれぞれ異なっていた。

 

      

             (イバンとエレナ、フレームから)

  

     

          (左から、フランコ、グレア、パロメロ、ロサーレス)

 

第70回サンセバスチャン映画祭2022*ドノスティア栄誉賞発表 ①2022年07月26日 18:04

ドノスティア栄誉賞にダヴィッド・クローネンバーグとジュリエット・ビノシュ

 

      

      (第70SSIFFの顔はフランス女優ジュリエット・ビノシュ)

 

★スペイン最大の国際映画祭サンセバスチャン映画祭 SSIFF のニュースが入ってきています。今年も対面イベントとして916日から24日までの9日間です。例年通りメイン会場はクルサール・ホール、第70回という節目の年になりますが、10年前のようにはいかないでしょう。今年の映画祭の顔にはフランス女優ジュリエット・ビノシュが選ばれ、ポスター制作者は同じフランス出身、ニューヨークで活躍する写真家ブリジット・ラコンブです。各セクションの公式ポスター、ドノスティア栄誉賞(デヴィッド・クローネンバーグとジュリエット・ビノシュ)、セクション・オフィシアル以下サバルテギ-タバカレラ部門などのノミネーションが発表になっています。ただし目下のところはスペイン映画だけですが、ぼちぼち紹介し始めます。

 

         

              (各セクションの公式ポスター)

 

77日にアナウンスされたセクション・オフィシアルのオープニング作品は、アルベルト・ロドリゲスの久々の新作「Modelo 77Prison 77」、アウト・オブ・コンペティション上映作品、当ブログでもお馴染みのミゲル・エラン、ハビエル・グティエレス、ヘスス・カロサ、フェルナンド・テヘロ、ハビ・サエスの男性陣に、カタリナ・ソペラナがクレジットされています。

   

★ポスト・フランコのいわゆる民主主義移行期の1977年、バルセロナのモデロ刑務所で起きた実話にインスパイアされた作品、ミゲル・エラン扮するマヌエルは、スペインが新しい憲法の草案で変化を経験しているとき、塀の中は依然として独裁的な形態が機能していることに気づきます。友情、団結、自由が語られる。ダニエル・モンソンの『プリズン211』(09)とは切り口が異なるプリズンもの。脚本は監督とベテランのラファエル・コボスの共同執筆。

 

      

        (左から、監督、ハビエル・グティエレスとミゲル・エラン)

 

★金貝賞を競うセクション・オフィシアルには、フェルナンド・フランコミケル・グレアピラール・パロメロハイメ・ロサーレス4作品と特別上映のイサベル・コイシェ、アウト・オブ・コンペティションには、上記のアルベルト・ロドリゲスの「Modelo 77Prison 77」ほか、ロドリゴ・ソロゴジェンラウル・アレバロイサ・カンポアルベルト・ロドリゲスイサキ・ラクエスタ5監督による5章からなる「ApagónOffworld」がエントリーされている。

 


      (左から、フランコ、グレア、パロメロ、ロサーレス、コイシェ)

 

   

    (左から、ソロゴジェン、アレバロ、カンポ、ロドリゲス、ラクエスタ)

 

★次回から、ドノスティア栄誉賞受賞者のキャリア&フィルモグラフィー、セクション・オフィシアルの作品紹介をしていきます。