ラテンアメリカから現地入りしたスター*サンセバスチャン映画祭2024 ㉜2024年10月05日 16:36

        マイテ・アルベルディ、マリアナ・ロンドン、ディエゴ・レルマン・・・

    


  

★オリソンテス・ラティノス部門にノミネートされたグループには、チリのマイテ・アルベルディ、ベネズエラのマリアナ・ロンドンマリテ・ウガス、アルゼンチンのディエゴ・レルマンなど受賞歴のあるシネアストが現地入りしました。既にオリソンテス賞を受賞したルイス・オルテガの「El jockey」のグループはアップしております。以下は入手できたセクション・オフィシアルとオリソンテス・ラティノス部門ノミネートのグループです。作品紹介は長短ありますが、すべてアップしております。

*「El jockey」のフォトは、コチラ20240926

 

★ドキュメンタリー作家としてアカデミー賞にノミネートされた、マイテ・アルベルディの初となる長編ドラマ「El lugar de la otra」のグループ。監督は開幕前から現地入りしておりましたが、今回は無冠に終わりましたが、『イン・ハー・プレイス』の邦題で間もなくNetflix配信が始まります。

 

  

           (マイテ・アルベルディ監督、923日)

 

  

                    (フランシスカ・ルーウィン)

 


              (エリサ・スルエタ)

  

   

             (プレス会見、9月23日)

 

★チリのホセ・ルイス・トーレス・レイバの「Cuando las nubes esconden las sombras」のグループ、マリア・アルチェが主演した。

       

     

 (監督、マリア・アルチェ、919

 


          (参加者レッドカーペットに、921日)

 

★パナマのアナ・エンダラ・ミスロフ監督の「Querido trópico」は孤独がテーマ、チリのベテラン女優パウリナ・ガルシアが認知症を患う女性を演じています。

 

  

           (アナ・エンダラ・ミスロフ、920日)

 

   

     (中央が監督とパウリナ・ガルシア、レッドカーペット、920日)

   

 

                        (右がエンダラ監督)

 

  

         (パウエル・ガルシア、プレス会見、921日)

 

★ベネズエラのマリアナ・ロンドン&マリテ・ウガス共同監督の「Zafari」のグループ。ロンドンはSSIFF2013でPelo malo」が金貝賞を受賞しています。

 

  

      (左から、マリテ・ウガス、マリアナ・ロンドン、920日)

 

  

         (両監督以下参加者レッドカーペットに、921日)

 

  

                  (マリアナ・ロンドン、プレス会見、923日)

 

   

(主役を演じたダニエラ・ラミネス)

 

★アルゼンチンのフェデリコ・ルイス監督の「Simón de la montaña」のグループ。

 

   

                    (フェデリコ・ルイス、921日)

 

  

         (左から2番目がルイス監督)4人水色ズボン

 

★ディエゴ・レルマンの「El hombre que amaba los platos voladores」は、セクション・オフィシアルです。20世紀に実在したテレビ・レポーターが主人公でレオナルド・スバラリア(スバラグリア)が演じます。ディエゴ・レルマン、レナータ・レルマンの父娘など大勢で参加していましたが、前作『代行教師』のように今回は賞に絡むことはできませんでした。10月18日からNetflix配信が始まります。

 

     

             (ディエゴ・レルマン監督、924日)

 

     

    (主役のレオナルド・スバラリア)

 

    

                (ニコラス・アブル)

 

     

                    (前回助演俳優賞を受賞したレナータ・レルマン)

 

     

       (モニカ・アジョス)



       

LGTBIAQをテーマにした作品に贈られるセバスティアン賞を受賞したロラ・アリアスのドキュメンタリー「Reas」のグループ、監督以下出演者ノエリア・ラディオサなどが現地入りしました。

   


          (右から3人目が監督、2人目がラディオサ)

 

  

                    (左から、ラディオサ、ロラ・アリアス監督)



   (第25回ガラには市長やドラッグクイーン、審査員アンナ・カステーリョ、

         同エネコ・サガルドイなどが賑やかに出席した)

 

 

★アルゼンチンのセリナ・ムルガ監督の「El aroma del paso recién cortado」、主演のホアキン・フリエルが現地入りしました。

 

     

                 (セリナ・ムルガ)

 

     

    (ホアキン・フリエル、918

 

    

              (ムルガ監督とホアキン・フリエル)


オリソンテス・ラティノ部門14作ノミネート発表*サンセバスチャン映画祭2024 ⑫2024年08月20日 15:14

        オリソンテス・ラティノス部門14作、最多はアルゼンチンの5

   

       

 

88日、オリソンテス・ラティノス部門のノミネート14作が一挙発表になりました。スペイン語、ポルトガル語に特化した部門、例年だと1012作くらいなので多い印象です。ラテンアメリカの映画先進国アルゼンチンの監督が5人と最多、チリ、メキシコ、ブラジル、パナマ、ベネズエラ、ペルーと満遍なく選ばれています。3回ぐらいに分けてアップします。オープニングはチリのホセ・ルイス・トーレス・レイバの「Cuando las nubes esconden las sombras」、クロージングはアルゼンチンのセリナ・ムルガの「El aroma del pasto recién cortado」です。新人登竜門の立ち位置にある部門ですが、「Pelo malo」で2013年の金貝賞を受賞したマリアナ・ロンドンの新作もノミネートされております。作品賞にあたるオリソンテス賞には副賞として35.000ユーロが与えられます。 

 

            オリソンテス・ラティノス部門

 

1)Cuando las nubes esconden las sombras / When Clouds Hide The Shadow

チリ=アルゼンチン=韓国

 オープニング作品 2024年、スペイン語、ドラマ、70

監督ホセ・ルイス・トーレス・レイバ(サンティアゴ1975)は、監督、脚本家、編集者。「El cielo, la tierra, la lluvia」がロッテルダムFF2008FIPRESCI賞、ヒホン、ナント、サンタ・バルバラ、トライベッカ、全州チョンジュFFほか多くの国際映画祭にノミネートされている。「Verano」はベネチアFF2011オリゾンティ部門でプレミアされている。本祭関連ではSSIFF2019の「Vendrá la muerte y tendrá tus ojos」で金貝賞やセバスティアン賞を争った他、マル・デル・プラタ映画祭でスペシャル・メンションを受賞している。サバルテギ-タバカレア部門には、「El viento sepa que vuervo a casa」(16、カルタヘナFFドキュメンタリー賞)、短編「El Sueño de Ana」(17)、「Sobre cosas que me han happens」(18)が紹介されている。新作でセクション・オフィシアルに戻ってきた。

映画祭・受賞歴:全州チョンジュ市映画祭プレミア、SSIFFオリソンテス・ラティノス部門

 

キャスト:マリア・アルチェ

ストーリー:マリア・アルチェは、映画で主人公を演じるために世界最南端の港町プエルト・ウィリアムズを訪れている女優です。激しい暴風雨が予定通りの撮影クルーの到着を阻んでおり、一人で待つしかありません。背中のひどい痛みの手当てを探しに、彼女は世界南端の村々を歩き回ることになるでしょう。彼女の人生で気がかりな物語の一つ、と同時に希望の物語であり、マリアと大陸の最南端の自然とその村人たちの間に起きる思いがけない出会いの物語である。

   

       

 

2)El aroma del pasto recién cortado / The Freshly Cut Grass

アルゼンチン=ウルグアイ=米国=メキシコ=ドイツ

 クロージング作品 2024年、ヨーロッパ=アメリカ・ラテン共同製作フォーラム 2020

 ドラマ、114分、脚本ガブリエラ・ララルデ、セリナ・ムルガ、ルシア・オソリオ、他

映画祭・受賞歴:トライベッカFF 2024脚本賞受賞(6月)、SSIFFオリソンテス・ラティノス部門

監督セリナ・ムルガ(アルゼンチンのパラナ1973)は監督、脚本家、製作者。1996年映画大学で映画監督の学位を取得、制作会社「Tresmilmundos Cine」の共同設立者、映画研究センターで後進の指導に当たっている。本祭との関連では、話題のデビュー作「Ana y los otros」がオリソンテス2003、ボゴタFF作品賞、リオデジャネイロFFFIPRESCI賞、ほか国際映画祭での受賞歴多数、「Una semana solos」がシネ・エン・コンストルクション2007、ミュンヘンFF2009 ARRI/OSRAM賞を受賞している。「The Side of The River」がオリソンテス・ラティノス2014にノミネートされている。

 

キャスト:ホアキン・フリエル(パブロ)、マリナ・デ・タビラ(ナタリア)、ルチアナ・グラッソ(ベレン)、アルフォンソ・トルト、ベロニカ・ヘレス(ルチアナ)、ロミナ・ペルフォ(カルラ)、オラシオ・マラッシ(ロベルト)、クリスティアン・フォント(マルセロ)、ロミナ・ベンタンクール(ソニア)、ほか多数

   

ストーリー:ブエノスアイレス大学の教授であるパブロは結婚していて2人の息子がいる。彼の学生であるルチアナと不倫関係にある。浮気が発覚すると仕事と家族を失うと脅されます。ここから同じ大学の教授であるナタリアの物語が始まります。彼女も結婚していて2人の娘がいる。彼女も生徒のゴンサロと不倫関係を始めます。二つの物語は、同じコインのウラオモテであり、男女間で確立された力関係と、事前に確立された性別の解体に向けた新たな道を問いかけることになる。ありきたりの倦怠期夫婦の危機が語られるが、新味がないのにパブロとナタリアの不倫が交差することはなく、その独創的な構成と達者な演技で上質のドラマになっている。

 

   

    

 

     (左から、ホアキン・フリエル、ムルガ監督、マリナ・デ・タビラ)

 

 

3)「Reas」アルゼンチン=ドイツ=スイス

 WIP Latam 2023 作品 ドキュメンタリー、ミュージカル、82分、 

映画祭・受賞歴:ベルリンFF2024フォーラム部門ドキュメンタリーでプレミア、テッサロニキ・ドキュメンタリーFF金のアレクサンダー賞&マーメイド賞、ルクセンブルク市FFドキュメンタリー賞、シネラティノ・トゥールーズ2024ドキュメンタリー部門観客賞受賞、ほかノミネート多数、SSIFFオリソンテス・ラティノス部門

 

監督ロラ・アリアス(ブエノスアイレス1976)は、監督、脚本家、戯曲家、シンガーソングライター、舞台女優、演出家と多才、キャリア&フィルモグラフィーはドキュメンタリーのデビュー作「Teatro de guerra」(18)がサバルテギ-タバカレア部門にエントリーされた折、作品紹介とキャリアを紹介しています。新作は長編2作目で昨年のWIP Latamに選出され完成が待たれていた。

監督キャリア&フィルモグラフィーは、コチラ20180805

 

キャスト:ヨセリ・アリアス、イグナシオ・ロドリゲス(ナチョ)、カルラ・カンテロス、ノエリア・ラディオサ、エステフィー・ハーキャッスル、パウラ・アストゥライメ、シンティア・アギーレ、パト・アギーレ、ハデ・デ・ラ・クルス・ロメロ、フリエタ・フェルナンデス、ラウラ・アマト、ダニエラ・ボルダ、ほか多数

 

ストーリー:麻薬密売が発覚して空港で逮捕された若いヨセリは、背中にエッフェル塔のタトゥーをしている。ヨーロッパ旅行を夢見ていたからだが、規則、制約、友情、連帯、愛で構成されたチームに参加することにした。ナチョは詐欺罪で逮捕されたニューハーフでロックバンドを結成している。もう使用されなくなっているブエノスアイレスの刑務所の敷地が、ドキュメンタリー、ミュージカル、ドラマを組み合わせた本作の舞台となる。過去に収監されていた人々が刑務所での記憶をフィクション化して再現します。控え目な人も荒っぽい人も、ブロンドも剃毛も、長期囚も最近入所した人も、シスもトランスも、ここには自分の居場所があります。このハイブリットなミュージカルでは踊り、歌い、フィクション化して自分の人生を追体験し、自身の可能性のある未来を創造します。

   

   


 

  

4)Querido Trópico / Beloved Tropic」パナマ=コロンビア

 2024年、スペイン語、ドラマ、108分、脚本アナ・エンダラ、ピラール・モレノ

映画祭・受賞歴:トロントFF2024「コンテンポラリー・ワールド・シネマ」部門でプレミア(97日)、SSIFFオリソンテス・ラティノス部門

監督アナ・エンダラ・ミスロフ(パナマシティ1976)は、ドキュメンタリーを専門とする監督、脚本家、製作者。フロリダ州立大学で社会学を専攻、キューバの国際映画テレビ学校で映画を学んでいる。2001年、ドイツのケルンにある芸術メディア・アカデミーの奨学金を得る。広告代理店のプロとして、ドキュメンタリーやオーディオビジュアルのプロジェクトを制作している。2013年コメディ・ドキュメンタリー「Reinas」でトロントFFグロールシュ・ディスカバリー賞、2016年「La Felicidad de Sonido」でコスタリカFFの審査員賞、イカロFF2017のドキュメンタリー賞を受賞している。マドリード女性映画祭2023の審査員を務めている。本作が最初のフィクションです。

 

キャスト:パウリナ・ガルシア、ジェニー・ナバレテ、フリエタ・ロイ

ストーリー:トロピカルな庭園は、時を共にすることになる二つの孤独の出会いの舞台になります。過去のすべてが奪われていく裕福だが認知症を患う女性、その介護者はたった一人で怖ろしい秘密から逃れてパナマに移民してきた女性、監督は二人の孤独を痛烈に解き明かします。

    

   

(コロンビア女優ジェニー・ナバレテ、チリのベテラン女優パウリナ・ガルシア)

   

 

    

     

(左から、ホセ・ルイス・トーレス・レイバ、セリナ・ムルガ、ロラ・アリアス、

 アナ・エンダラ・ミスロフ)


★トロント映画祭2024は、95日から15日までとSSIFFに先行して開催されます。


セクション・オフィシアル(コンペ部門)③*マラガ映画祭2023 ⑥2023年03月08日 17:24

9La pecera (仮題「金魚鉢」)

データ:製作国プエルトリコ=スペイン、2023年、スペイン語、ドラマ、92分、長編デビュー作、本作のプロジェクトはハバナ映画祭の未発表脚本に対するサンゴ賞、トライベッカ基金、マラガFFMAFIZ EAVE賞を受賞している。サンダンス映画祭2023ワールド・コンペティション部門正式出品、ヨーテボリ映画祭デビュー作部門出品、公開スペイン421

 

          

      (主役のイセル・ロドリゲスと監督、サンダンス映画祭2023にて)

 

監督紹介グロリマー・マレロ・サンチェス1978年プエルトリコのバランキータス生れ、学際的な映画製作者でアーティスト。テーマはアイデンティティ、植民地主義、ジェンダー問題に関連している。シカゴ大学とマサチューセッツ現代美術館のアーティスト・イン・レジデンス、プリンストン大学ラテンアメリカ研究プログラムの客員アーティストに選ばれている。フィルモグラフィーは、2013短編「Tokio」、2016Todavia」と「Biopsia」、2017Revuelo en la Roosvelt」、2018年ドキュメンタリー「Juana(s) matos」を撮っている。

     

     

キャスト:イセル・ロドリゲス(ノエリア)、モデスト・ラセン、カローラ・ガルシア、ヘオルヒナ・ボッリ、アナミン・サンティアゴ、マキシミリアノ・リバス、マガリ・カラスキーリョ、ナンシー・ミリャン

ストーリー:癌が進行するにつれ、治療を望まないアーティストのノエリアは、生れ故郷のビエケス島に戻ろうと決心する。自身の運命を決断するために自由になることが必要だった。彼女は60年間にわたる軍事演習のためアメリカ海軍が残した汚染処理に携わっている友人や家族と再会することになる。

   

        

   

  

 

10)Las buenas compañías  (仮題「親切な仲間」)

データ:製作国スペイン=フランス、2023年、スペイン語、ドラマ、93分、撮影地サンセバスティアン、バスク自治州から資金提供を受けている。公開スペイン55日予定

監督紹介シルビア・ムント1957年バルセロナ生れ、女優、監督、脚本家、舞台演出家。女優として50作以上の映画に出演、なかでもフアンマ・バホ・ウジョア監督の「Alas de mariposa」(蝶の羽)主演でゴヤ賞1992主演女優賞、シネマ・ライターズ・サークル賞を受賞した。ほかに1989モンチョ・アルメンダリスの『心の秘密』、ペドロ・オレアの「Akelarrre84)など。女優レティシア・ドレラの監督デビュー作、コメディ「Requisitos para ser una persona normal」(15)を最後に監督に専心する。

 

         

        

                  (ゴヤ賞主演女優賞のシルビア・ムント、1992年)

  

TVムービーを含む監督フィルモグラフィーは、1999年に短編ドキュメンタリー「Lelia」で監督としてのキャリアを始め、翌年ゴヤ賞2000短編ドキュメンタリー賞を受賞、2001年「Quia」で長編デビュー、2004年長編ドキュメンタリー「Gala」がトゥデラ・オペラ・プリマ映画祭で受賞、TVムービー「Coses que passen」(06)でマラガFF 2006 TVムービー部門観客賞、バルセロナ映画賞を受賞した。「Pretextos」はマラガFF 2008 銀のビスナガ監督賞を受賞した他、トゥールーズFF、カルロヴィヴァリFFなどに出品。TVムービー「Mentiders」(12)、同「El Café de la Marina」(14)、2015年ドキュメンタリー「La Granjas del Pas」(カタルーニャ語)は、バジャドリード映画祭でプレミアされ、ドキュメンタリー賞を受賞ほか、ガウディ賞にノミネートされた。

   

キャスト:アリシア・ファルコ(ベア)、エレナ・タラッツ(ミレン)、イツィアル・イトーニョ(フェリ)、アイノア・サンタマリア(ベレン)、マリア・セレスエラ(トト)、ナゴレ・セニソ(アスン)、イバン・マサゲ(ラファ)、イツィアル・アイスプル(サグラリオ)ほか

ストーリー1976年の夏、16歳のベアは、スペイン全土が騒然として怒涛の変化をしているなか、フェミニストの大義を目に見えるようにと、尊厳ある中絶の権利を要求する女性グループに協力していた。この血がたぎるような反逆の行為は、予想もしない感情とごちゃ混ぜになっていた。それはベアが少し年上の良家の女の子ミレンと非常に特別な友情を築くからです。その夏起きたことがベアの人生を決定的に変えてしまうでしょう。実際の出来事に基づいている。

   

  

 


 11)Las hijas (仮題「娘たち」英題「Sister Sister」)

データ:製作国パナマ≂チリ、2023年、スペイン語、ドラマ、80分、撮影地パナマ、長編デビュー作(監督・脚本・製作)、マラガと同時期開催のSXSWサウス・バイ・サウスウエスト映画祭グローバルセクション出品され、31日ワールドプレミアされる。

監督紹介カティア・G・スニィガ、パナマ系コスタリカ人、監督、脚本家、女優、製作者。コスタリカ大学で理学療法とオープンダンスの学位を取得、女優としてスタートした。アレホ・クリソストモ監督の「Nina y Laura」(15)に主演、イカロ・シネ・ビデオ映画祭で女優賞美術監督賞を受賞、ほかパス・ファブレガの「Viaje」(15)に主演、さまざまな視聴覚プロジェクトで製作や女優として活躍。2012年短編「Es Cecilia」(23分)で監督デビューした。2017年に「Cosas que no se rompen」(14分)、2019年にはクリソストモのSFLive Cinema Astronauta Fantasma」に主演、脚本も執筆した。「Las hijas」ではクリソストモが製作と撮影を手がけている。

    

     

キャスト:アリアナ・チャベス・ガビラン(マリナ17歳)、カラ・ロセル・カンポス(ルナ14歳)、フェルナンド・ボニーリャ、ミラグロス・フェルナンデス、ほか

ストーリー:夏休み、マリアナとルナの姉妹は、コスタリカからパナマに、不在の父親を探す旅に出る。二人の間に時おり吹きだす軋轢に対処しながら、彼女たちの望み、新しい友情、恋人、スケートボードを楽しむ空間を見つけだす。ただぶらぶらと時間をつぶすことの長所を学びながら自分たちを解放していく旅であった。熱帯地方の町で姉妹愛を深める親密で愛情のこもった物語であり、多感な青春時代の深遠な肖像画でもある。監督の半自伝的な要素を盛り込んでいる。

   

         

   

   

 

12)Matria (仮題「マトリア」)

データ:製作国スペイン、2023年、ガリシア語、字幕上映、社会派ドラマ、99分、長編映画デビュー作、脚本も執筆、ベルリン映画祭2023パノラマ部門でプレミアされた。2017年の短編と同じタイトル。

監督紹介アルバロ・ガゴ1986年ガリシア州のビゴ生れ、監督、脚本家。バラエティ誌のスパニッシュ・タレント、スクリーン・インターナショナル誌のトゥモロー・スターに選出されている。ポンテベドラで視聴覚コミュニケーションと音楽、シカゴで演劇、ロンドン映画学校で映画を学び、2013年卒業。卒業制作の短編「Curricán」がマラガ映画祭2013に出品された。2017年「Matria」を撮り、ゴヤ賞2018短編映画部門にノミネートされ、サンダンス映画祭審査員賞を受賞、続いて「16 de decembro」もゴヤ賞2019にノミネート、ロカルノ映画祭で上映された。現在、長編2作目「Posto alegre」が進行中である。

    

      

       

       (アルバロ・ガゴ監督とラモナ役のマリア・バスケス)

 

キャスト:マリア・バスケス(ラモナ)、サンティ・プレゴ(アンドレス)、ソラヤ・ルアセス(エストレーリャ)、スサナ・サンペドロ(カルメ)、E. R. クーニャ・タタンCunha Tatán(ソセ)

ストーリー:ラモナは40歳、ガリシアの海辺の町で、個人的に張り詰めた不安定な労働環境に没頭して暮らしている。彼女は娘のエストレーリャが苦労しないで、より良い未来が描けるよう掛け持ちで仕事をこなしている。しかし娘が自分の道を歩む準備ができると、自分自身のために何かできるのではないかと初めて気づくのでした。長年母親業に徹していた女性の鮮やかな肖像画。ガリシア地方の家父長制神話を解体する社会派ドラマ、数年間監督の祖父の介護者だった女性に触発されている。

 

     

(荒々しい魅力で観客を酔わせたマリア・バスケス)

    

 


第25回マラガ映画祭2022*受賞結果 ③2022年05月14日 14:53

      金のビスナガ賞は「Cinco lobitos」と「Utama」が受賞

        


       

3年ぶりに恒例の3月開催となったマラガ映画祭、セクション・オフィシアル作品をアップしただけで頓挫、作品紹介もスール賞以下の特別賞も未紹介のまま休眠してしまいました。去る327日、マラガ市のセルバンテス劇場で授賞式が開催されました。というわけで受賞結果くらいはと重い腰をあげた次第。最高賞の作品賞〈金のビスナガ〉は、スペイン映画とイベロアメリカ映画に分けて与えられ、それぞれ副賞として10.000ユーロが貰えます。今年はアラウダ・ルイス・デ・アスアCinco lobitosと、ウルグアイ映画のUtamaが受賞、ただしアレハンドロ・ロアイサ・グリス監督はボリビア出身です。作品賞以外は銀賞です。セクション・オフィシアルの主な受賞結果は以下の通りです。

  


                    (第25回マラガ映画祭の受賞者たち)

 

金のビスナガ(スペイン映画)

Cinco lobitos 製作国スペイン、2022年、104分、監督・脚本アラウダ・ルイス・デ・アスア

★他に監督が脚本賞、ベテランのスシ・サンチェスとライア・コスタが女優賞を受賞しています。初めて母親になったばかりの若いアマイアは、バスクで暮らす両親の元へ帰郷する。ラモン・バレアやミケル・ブスタマンテの男性陣が脇を固めています。

 

   

         (受賞スピーチをするルイス・デ・アスア監督)

   

      

 

金のビスナガ(イベロアメリカ映画)

Utama 製作国ウルグアイ=ボリビア=フランス、2022年、87分、ケチュア語・スペイン語、デビュー作、監督・脚本アレハンドロ・ロアイサ・グリス

★ボリビアの高原を舞台に、旱魃に襲われたケチュアの老夫婦を主人公にして、厳しい人生の岐路に立つ羊飼いの現実が語られる。ボリビアのマルコス・ロアイサ監督が父親、製作者の一人として現地入りしていた。サンティアゴ・ロアイサ・グリシは兄弟。他に監督賞、音楽賞、批評家賞を受賞している。

   

     

(左から3人の製作者、フェデリコ・モレイラ、サンティアゴ・ロアイサ・グリシ、

 スピーチしているのが監督の実父マルコス・ロアイサ)

   

 

  

 

審査員特別賞(銀賞)

Mi vacío y yo 製作国スペイン、2022年、89分、監督・編集アドリアン・シルベストレ

アドリアン・シルベストレはバレンシア生れ、オーディオビジュアル情報学、映画監督、現代芸術史をマドリード、ローマやハバナで学ぶ。2016年「Los objetos amorosos」で長編デビュー、セビーリャ映画祭でFIPRESCI国際映画批評家連盟賞を受賞した。本作は第2作目、ロッテルダム映画祭正式出品作品。他にドキュメンタリー「Sedimentos」(21)は、BFIロンドン、サンセバスチャン、マラガ、テッサロニキ、トゥールーズ・スパニッシュ、ほか国際映画祭に出品している。

 

        

 

    

審査員スペシャル・メンション

The Gigantes 製作国メキシコ=米国、2021年、94分、監督ベアトリス・サンチス、脚本はマーティ・ミニッチと共同執筆

★本作はロスアンジェルスやメキシコを舞台にしたロード・ムービー。他に撮影賞を受賞している。監督のベアトリス・サンチスはバレンシア生れ、本作は2014年の「Todos están muertos」に続く第2作目。デビュー作はマラガ映画祭2014審査員特別賞受賞作品、ゴヤ賞新人監督賞にノミネートされている。当時パートナーだったエレナ・アナヤがヒロイン、本作を機に5年間続いた関係を解消している。

紹介記事は、コチラ2014041120150130

 

   

    (ベアトリス・サンチス監督)

   

  

   (メキシコの製作者ロドリゴ・コヨテルと監督、フォトコールにて)

   

 

監督賞(銀賞)

 アレハンドロ・ロアイサ・グリス Utama

1985年ボリビア生れ、監督、脚本家、製作者。撮影監督としてスタートしたが、2016年からTVシリーズや短編、ビデオ「Laberinto」(17)を発表、今回長編デビューした。父マルコス・ロアイサの「Averno」の製作を手掛けている。

 

    

 

女優賞(銀賞)Hotel AC Málaga Palacio

ライア・コスタ スシ・サンチェス 「Cinco lobitos

★本作で母と娘を演じている。ライア・コスタ1985年生れ、2012年「Tengo ganas de ti」で映画デビュー、代表作はドイツのゼバスティアン・シッパーのスリラー「Victoria」で主役の家出娘ヴィクトリアを演じた。ベルリン映画祭の銀熊賞ほか国際映画祭のを多数受賞している。東京国際映画祭2015ワールドフォーカス部門に『ヴィクトリア』の邦題でエントリーされた。コスタはシネヨーロッパ賞にノミネート、ガウディ賞、サンジョルディ賞の女優賞を受賞している。カタルーニャ語、仏語、英語ができる。スシ・サンチェスは度々紹介しており割愛。

   

       

    

(金のビスナガ受賞作のシーンから、スシ・サンチェスとライア・コスタ)

 

男優賞(銀賞)

レオナルド・スバラグリア 「Almost in love」(Ámame)アルゼンチン=ブラジル=チリ=オランダ、112分、監督・脚本レオナルド・Brzezicki

★本人欠席のため、特別賞の一つレトロスペクティブ賞受賞のため現地入りしていたメルセデス・モランがトロフィーを受け取った。受賞者は本映画祭とは相性がよく、2017年のマラガ-スール賞、男優賞に続いて3個目をゲット、過去のトロフィーを手にしてビデオ・メッセージに参加した。

   

     

       (代理でトロフィーを受け取ったメルセデス・モラン)

 


    

助演女優賞(銀賞)

デボラ・マリア・ダ・シルヴァ 「La madre」(A mae)ブラジル、2021年、87分、ポルトガル語

監督クリスティアノ・ブルラン

★本作はポルトガル語、字幕入りで上映された。物売りをして家庭を支える移民の母親と突然行方不明になった息子の物語、生死の分からない息子を探し回る母親たちのブラジル版。デボラ・マリア・ダ・シルヴァは映画デビューしているが、ブラジルの〈五月の母親たち〉運動の創設者、ガラには欠席している。ブルラン監督は舞台演出家、教授。本作は長編デビュー作だが、短編20数本、ドキュメンタリー、2015年の戯曲4部作「Blanco y negro」を演出、ブラジル・フェスティバルで受賞している。

    

  

    (左から、製作者イヴァン・メロ、クリスティアノ・ブルラン監督、

     出演のダンスティン・ファリアス、フォトコールから

     

    

 

助演男優賞(銀賞)

ニコラス・ポブレテ 「Mensajes privados」チリ、2021年、77分、監督マティアス・ビセ

★コロナウイリス感染によるパンデミックのさなかにリモートで製作されたマティアス・ビセの新作。ニコラス・ポブレテは、今作では脚本にも参加、真実の物語と自伝的なことを独白、精神科医の叔父について妹と一緒に苦しんだ性暴力を非難した。

 

      

 

      

 

脚本賞(銀賞)

アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Cinco lobitos

1978年バラカルド生れ、バスク自治州でオーディオビジュアル情報学を学び、後マドリードに移りECAMの映画監督科卒。2005年から数本短編を撮ったのち、今回長編デビューを果たした。

 

    

 

音楽賞(銀賞)

セルヒオ・プルデンシオ 「Utama

    

   

            (撮影中の監督と3人の主演者)

 

   

撮影賞(銀賞)

ニコラス・ウォン・ディアス 「The Gigantes

 

     

 

編集賞(銀賞)

ロドリゴ・サケル 「Mensajes privados

★受賞者は欠席。監督が代理で受け取った。

   

           

      

(左から、製作者アドリアン・ソラル、ビセンタ・ウドンゴ、ニコラス・ポブレテ、

 マティアス・ビセ監督、フォトコールから)

 

ZONAZINE部門も作品賞(銀賞)は、スペイン映画とイベロアメリカ映画に分かれており、副賞6.000ユーロ、監督賞、女優賞、男優賞、観客賞などがある。特別賞としてマラガ栄誉賞(カルロス・サウラ)、スール賞(現スペイン映画アカデミー会長マリアノ・バロッソ)、レトロスペクティブ賞(アルゼンチンの女優メルセデス・モラン)、マラガ才能賞(ロス・ハビことハビエル・カルボ&ハビエル・アンブロッシ)などが受賞者でした。また〈金の映画〉には、1970年のペドロ・オレアの「El bosque del lobo」が選ばれていました。

 

第94回アカデミー賞2022ショートリスト発表*国際長編映画賞部門2021年12月25日 10:01

            ショートリスト15作中スペイン語映画3作が残る!

   

   

★ベロニカ・フォルケを悼む記事が続いていますが、気を取り直して来年のアカデミー賞の話題に切り替えます。第94回のガラは、2022327日、以前のドルビー・シアターに統一して開催されるということです。それに先立つ1221日に、国際長編映画賞部門のセミ・ファイナリスト(ショートリスト)15作が発表されました。92ヵ国から応募があり、スペイン代表フェルナンド・レオン・デ・アラノアEl buen patorón、メキシコ代表タティアナ・ウエソPrayer for the Stolen(原題Noche de fuego)、パナマ代表アブナー・ベナイムPlaza Catedral3作が残りました。ノミネーションが正式に発表になるのは、来年28日がアナウンスされていますが予定です。パナマ作品は未紹介ですが、データを後述します。濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』のような強敵も残りましたから、ファイナルリスト4作に残るのは容易じゃありません。ましてや受賞となると結構長い道程です。

        

      

 (スペイン代表作品「El buen patorón」のポスター)

     

         

                 (メキシコ代表作品Noche de fuego」のポスター

 

     

          (パナマ代表作品「Plaza Catedral」のポスター)

 

El buen patorón」の主な作品紹介記事は、コチラ20210810

Noche de fuego」の主な作品紹介記事は、コチラ20210819

 

★監督紹介:パナマ代表作品Plaza Catedral」は、アブナー・ベナイムの長編第2作め。1971年パナマ生れ、監督、製作者、脚本家、造形アーティスト。米国ペンシルバニア大学で国際関係学を専攻、映画はテルアビブのカメラ映画学校で学んだ。映画はドキュメンタリーでスタートを切り、ドキュメンタリー作家としての評価は高い。2004年パナマで制作会社Apertura Films を設立、2005年ドクメンタリー・シリーズEl otora lado11エピソード)で、ニューヨークTVフェスティバルの作品賞を受賞している。2009年長編映画デビュー作Chanceは興行的にも成功し、埼玉県で開催される「スキップ・シティD シネマフェスティバル2011」に『チャンス!男メイドの逆襲』)の邦題で上映され、脚本賞を受賞している。

 

   

           (新作撮影中のアブナー・ベナイム監督)

 

2014年のInvasionは、1989年のアメリカによるパナマ侵攻をめぐる捏造された集団記憶のドキュメンタリー。本作はパナマのIFF映画祭で観客賞ほか受賞歴多数、第87回アカデミー賞(ドキュメンタリー部門)に選ばれたがノミネートはされなかった。コロンビアのバランキージャFFドキュメンタリー賞、マラガ映画祭観客賞ほかを受賞している。2018年のRuben Blades is Not My Nameも第91回アカデミー賞代表作品に選ばれたが、ノミネートには至らなかった。

 

      

      (ドキュメンタリー「Ruben Blades is Not My Name」ポスター)

 

★オスカー賞3回目のパナマ代表作品となる新作「Plaza Catedral」は、パナマ=メキシコ=コロンビア合作、スリラー・ドラマ、94分、スペイン語・英語、撮影地パナマシティ、製作Apertura Films。既にパナマ映画祭2021の観客賞を受賞しているほか、グアダラハラ映画祭MEZCAL賞にノミネートされ、フェルナンド・ハビエル・デ・カスタが男優賞を受賞したが、その前にパナマで射殺されるという悲劇に見舞われていた。ダンサーでサッカー選手でもあった少年の死は、パナマでは珍しいことではない。他にキャストはメキシコのベテラン女優イルセ・サラス、コロンビアのマノロ・カルドナなど。イルセ・サラス(メキシコ・シティ1981)は、『グエロス』の監督アロンソ・ルイスパラシオスと結婚、2児の母親でもある。マラガ映画祭2019金のビスナガ賞を受賞したアレハンドラ・マルケス・アベジャLas niñas bien(邦題『グッド・ワイフ』公開)で主役を演じている。カルドナはハビエル・フエンテス=レオンの話題作『波に流されて』09)で日本に紹介されている(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭、レインボー・リール東京FFに改名)。本作でマコンド賞2010助演男優賞を受賞している。

      

       

        (彼の才能を惜しんだイルセ・サラスとフェルナンド)

 

    

  (イルセ・サラスとフェルナンド・ハビエル・デ・カスタ)

     

   

                      (サラスとマノロ・カルドナ、フレームから)

 

イルセ・サラスのキャリア&フィルモグラフィーは、コチラ20190414


<続>ホライズンズ・ラティノ部門*サンセバスチャン映画祭2020 ⑧2020年09月09日 17:28

 

★ホライズンズ・ラティノ部門の残り4作のラインナップ、女性シネアストの活躍が目につきました。既に他の先行映画祭でプレミアされています。

  

 Selva trágica Tragic Jungle)メキシコ=フランス=コロンビア 2020

監督:ユレネ・オライソラ、脚本:ルベン・イマス、ユレネ・オライソラ、撮影:ソフィア・Oggioni、音楽:アレハンドロ・オタオラ、編集:ルベン・イマス、ユレネ・オライソラ、イスラエル・カルデナス、他

映画祭・受賞歴:ベネチア映画祭オリゾンティ部門、サンセバスチャン映画祭ホライズンズ・ラティノ部門正式出品

データ:ユレネ・オライソラ(メキシコシティ1983)の長編第3作目、ドキュメンタリーで出発評価を得る。他にルベン・イマスとの共同作品がある。ドラマ、96分、スペイン語、マヤ語、英語

キャスト:インディラ・ルビエ・アンドレウィン(アグネス)、ヒルベルト・バラサ(アウセンシオ)、Dale Carley(カシーケ)、ラサロ・ガビノ・ロドリゲス(エル・カイマン)、他

ストーリー1920年、メキシコとベリーズの国境地帯、マヤのジャングルの奥深く、そこには法は存在せず神話が支配していた。ゴム栽培で働くメキシコの労働者たちは、ベリーズのミステリアスな美貌のアグネスに魅了されていた。彼女の存在が男たちの性的興奮、幻想、欲望を掻き立てていた。新しい生命力に溢れた彼らは、ジャングルの中心から見張っている伝説のXtabayを目覚めさせたことにも気づかずに運命と向き合うことになる。

    

 

      

 

 Sin señas particulares Identifying Features)メキシコスペイン

監督:フェルナンダ・バラデス、脚本:フェルナンダ・バラデス、アストリッド・ロンデロ、撮影:クラウディア・べセリル・ブロス、編集:フェルナンダ・バラデス、アストリッド・ロンデロ、スーザン・コルダ、音楽:クラリス・ジェンセン

データ:フェルナンダ・バラデス(グアナフアト1981)は監督、脚本家、製作者、編集者、長編デビュー作、ドラマ、99

映画祭・映画賞SSIFF2019シネ・エン・コンストルクシオン36の受賞作、サンダンス映画祭2020ワールド・シネマ部門観客賞&審査員特別脚本賞受賞、他

キャスト:メルセデス・エルナンデス(マグダレナ)、ダビ・イジェスカス(ミゲル)、フアン・ヘスス・バレラ(ヘスス)、アナ・ラウラ・ロドリゲス、ラウラ・エレナ・イバラ、他

ストーリー:マグダレナは合衆国との国境沿いで行方不明になった息子を探すための旅に出る。マグダレナのメキシコの荒涼とした風景をめぐる道のりで、最近アメリカから退去を余儀なくされたという青年ミゲルに出会う。二人は連れ立って、マグダレナは息子を、ミゲルは失踪した母親を探す。二人の被害者は加害者たちが猛威を振るう不法地帯を一緒にさまよう。

追加情報『息子の面影』の邦題で、ラテンビート2020の上映が決定。

 

    

 

(マグダレナ、映画から)

  

 

 (ミゲル、映画から)

  

 

 

 Todos os mortos  All The Dead Ones)ブラジルフランス、2020

監督・脚本:カエタノ・ゴタルゴマルコ・デュトラ、撮影:Helena Louvarto、編集:カエタノ・ゴタルゴ、マルコ・デュトラ、ジュリアナ・ホジャス、Gui Braz

データ:カエタノ・ゴタルゴ(ビラ・ベルア1981)、マルコ・デュトラ(サンパウロ1980)、言語ポルトガル、ドラマ、120分、公開予定ブラジル、フランス

映画祭・受賞歴:ベルリン映画祭2020コンペティション部門正式出品、リスボン・インデーズ映画祭銀賞受賞、グラマド映画祭(ブラジル)ノミネート、サンセバスチャン映画祭ホライズンズ・ラティノ部門ノミネート

キャスト:カロリナ・ビアンチ(アナ・ソアレス)、Mawusi Tulani(イナ・ナシメント)、クラリッサ・キステ(マリア・ソアレス)、タイア・ぺレス(アナの母イサベル)、Rogerio Brito(アントニオ)、Agyel Augusto(イナの息子)、他

ストーリー1899年サンパウロ、奴隷制が廃止されてから数十年経つ。町は急速に発展している。以前は領地と奴隷を所有していたソアレス一家の3人の女性がサンパウロに戻ってきたばかりである。最後の使用人が亡くなると、ブラジルの急激な変化に順応していけない。一方ソアレス農場で奴隷として働いていたナシメント一家は、自由の身にはなったが黒人の居場所がない社会に向き合っている。ブラジルの過去と現在の中で、すべての人々が生きる残るために闘っている。

 

   

              (主演者5人を配したポスター)

   

    

                       (アナ役のカロリナ・ビアンチ)

 

(母親イナと息子)

 

           

 

   

(マリア役のクラリッサ・キステと母イサベル役のタイア・ぺレス)

 

 

 Visión nocturnaNight Shot)チリ 2019

監督・撮影:カロリナ・モスコソ、脚本:カロリナ・モスコソ、マリア・パス・ゴンサレス、編集:フアン・エドゥアルド・ムリーリョ、音楽:カミラ・モレノ

データ:カロリナ・モスコソ(サンティアゴ1986)は監督、編集者、チリ大学、バルセロナのポンペウ・ファブラ大学で映画を学ぶ。ドキュメンタリー、80分、本作が長編デビュー作。

映画祭・受賞歴:バルディビア映画祭201910月)特別審査員賞、FIDマルセーユ映画祭20207月)インターナショナル部門グランプリ受賞、サンセバスチャン映画祭ホライズンズ・ラティノ部門正式出品

ストーリー8歳のときサンティアゴ近郊の海辺で襲われた、若いシネアストが性暴力を受けた被害者の疵と沈黙について物語る。被害者は自分を責め、恥ずかしさのため沈黙する。実際にレイプとは一体何か、被害者に寄り添うにはどうしたらよいか、そして何時終わるのか、友情と援助、柔軟で親密さに溢れたドキュメンタリー。

   

  

 

   

 

 

 

★金貝賞を競うコンペティション部門のクロージング作品にフェルナンド・トゥルエバ監督のEl olvido que seremosForgotten We'll Be)が選ばれました。本作は最初のエントリーには含まれていなかった作品です。カンヌ映画祭2020にコロンビア映画としてノミネートされたものですが、結局カンヌは開催されませんでしたから想定内の決定と思われます。詳細についてはアップ済みです。

El olvido que seremos」の内容紹介は、コチラ20200614

   

    

ホライズンズ・ラティノ部門9作品*サンセバスチャン映画祭2020 ⑦2020年09月07日 16:37

      ホライズンズ・ラティノのオープニングはアルゼンチン映画「El prófugo

 

         

 

ホライズンズ・ラティノ部門は、長編映画のデビュー作あるいは第2作までの作品が対象です。従って情報が少なく予告編も未完成が含まれ、紹介するには情報不足が多い。特に今回は新型コロナウイリス感染者拡大もあって、なんとか滑り込みセーフで開催されたベルリン映画祭でプレミアされたものが目立っており、急ごしらえの感が否めない。ラテンアメリカ諸国といっても、今回は21ヵ国のうちアルゼンチン、チリ、メキシコに集中した9作品が選ばれている。取りあえず2回に分けてアップいたします。

 

         ホライズンズ・ラティノ部門

 

El prófugoThe Intruder アルゼンチン=メキシコ

監督・脚本:ナタリア・メタ、撮影:バルバラ・アルバレス、編集:エリアネ・カッツ 

データ2020年、サイコ・スリラー、90

映画祭・受賞歴:ベルリン映画祭2020コンペティション部門上映

キャスト:エリカ・リバス(イネス)、ナウエル・ぺレス・ビスカヤート(アルベルト)、セシリア・ロス(母マルタ)、ダニエル・エレンデル(レオポルド)、他

ストーリー:イネスは夢想好きな歌手だが映画の吹替をして働いている。楽園のような休暇のあいだ、立ち直れないほどのトラウマを抱えて苦しんでいる。それ以来、夢についてのトラブルを抱えている。容易に目が覚められない真に迫った悪夢を体験する。

作品&監督キャリア紹介はベルリンFF2020コチラ20200227

 

   

 

 

Edición ilimitadaUnlimited Edition アルゼンチン

監督:エドガルド・コサリンスキーサンティアゴ・ロサ

   ビルヒニア・コシンロミナ・パウラ

解説4人の作家、俳優、監督、劇作家などが映画で出会う。この多様性に富んだ仕事に関わる監督の4つの短編、4つの物語、4人の登場人物(男女2名ずつ)で構成されている。作品の内容は情報が入手できず分かりませんが、4人の顔ぶれだけで興味がもたれる。出身は別として現在はアルゼンチンで活動している。エドガルド・コサリンスキー(1939)もサンティアゴ・ロサ(1971)もベテラン級、ビルヒニア・コシン(カラカス1973)は5歳でアルゼンチンに移住して両方の国籍を持っている作家、映画デビューかもしれない。ロミナ・パウラは(1979)はサンセバスチャン映画祭2019のホライズンズ・ラティノ賞を受賞している。年齢からしても4人の組み合わせがユニークです。

サンティアゴ・ロサのキャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ20190219

ロミナ・パウラのキャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ20190910

 

 

La Verónica チリ

監督:レオナルド・メデル、エグゼクティブプロデューサー:フアン・パブロ・フェルナンデス

キャスト:マリアナ・ディ・ジロラモ(ベロニカ)、アントニア・Giesen、アリエル・マテルナ(ハビエル)、ホセフィナ・モンタネ、他

ストーリー:ベロニカはソーシャル・ネットワーク上の人気モデル、サッカー界の国際的なスター選手と結婚したが、10年前に起きた長女殺害の捜査のなかで第一容疑者であることが分かって窮地に陥る。捜査の圧力に晒され、夫婦関係も危機に見舞われていき、最近生まれた娘アマンダに嫉妬を感じるようになる。

 

   

       (マリアナ・ディ・ジロラモ扮するベロニカ、映画から)

 

 

Las Mil y UnaOne in a Thousand)アルゼンチン=ドイツ、2020120

監督・脚本:クラリッサ・ナバス(長編2作目)

映画祭・受賞歴:ベルリン映画祭2020パノラマ部門上映、チョンジュ映画祭作品賞受賞、グアダラハラ映画祭、サンセバスチャン映画祭ホライズンズ・ラティノ部門など

キャスト:ソフィア・カブレラ(イリス)、アナ・カロリナ・ガルシア(レナタ)、マウリシオ・ビラ(ダリオ)、ルイス・モリナ(アレ)、他

ストーリー:イリスは複雑な過去をもつレナタと知り合ったとき、たちまち彼女の虜になった。恐怖を乗り越え、初恋を体験するための不安に直面しなければならないだろう。物語は敵意に張り巡らされているものの優しさに溢れている。うわさ話が時には武器にもなり変わるだろう。LGBTQIAがテーマの一つ。

   

     

 

 

Mamá, Mamá, MamáMum, Mum, Mum)アルゼンチン、202065

監督・脚本:ソル・ベルエソ・ピチョン=リビエレ、製作者:フロレンシア・デ・ムヒカ、エグゼクティブ:ラウラ・タブロン、撮影:レベッカ・シケイラ

映画祭・受賞歴:ベルリン映画祭2020ジェネレーション部門

キャスト:アグスティナ・ミルスタイン、マティルデ・クレイメル・チアブランド、シウマラ・カステーリョ、Chloe Cherchyk、カミラ・ソレッツィ、他

ストーリー:うだるような夏のある朝、一人の少女が自宅のプールで溺れて死んでしまう。彼女の体は母親が見つけるまでそのままにされている。母親はもう一人の娘クレオを部屋に何時間も一人にしておく。しばらくするとクレオの伯母が従姉妹3人を連れてやってくる。それぞれの少女たちは秘密のサインや儀式を共有し、特殊なミクロの宇宙に没入していく。

 

         

   (映画から)

   

      

 

『彷徨える河』の監督、8人の女性からセクシャルハラスメントで訴えられる2020年06月30日 14:42

          チロ・ゲーラ「悪意のこもった嘘八百」と法廷対決を辞さない構え

  

    

       (『彷徨える河』のポスターをバックにしたチロ・ゲーラ監督)

 

625日、エル・パイス紙以下の各新聞が一斉にコロンビアの監督チロ・ゲーラのセクシャルハラスメントと性的虐待の記事を報道しました。真偽のほどが分からない段階で、つまり性暴力の被害者側の話だけを信じてのブログアップは少々躊躇されますが、話半分としても事実なら残念の一言です。現在監督は、アマゾンプライムビデオのシリーズ「エルナン・コルテスとモクテスマ」撮影のためメキシコ入りしています。以前記事にしたようにハビエル・バルデムがコルテスに扮します。どうもケチがついて嫌な予感がします。

 

★各紙ともほぼ内容は似たり寄ったりです。発端はデジタルのフェミニスト雑誌Volcánicasに、コロンビアのジャーナリストであり作家でもあるマティルデ・デ・ロス・ミラグロス・ロンドニョと作家のカタリナ・ルイス・ナバロによって執筆されたレポートが掲載されたからです。マティルデによると、今年の初め、男性の友人から「チロ・ゲーラからセクシャルハラスメントを受けた事実を伝えたいという女性の連絡を受けた」という。すると次々に同じ経験をしたという声が入り合計8人に上った。それぞれお互いを知らない8人はチャットで出会い、その苦しみを語りあっていた。

 

8人のケースは似通っていて、すべて国際映画祭、カンヌ、ベルリン、コロンビア、カルタヘナのイベント中であることが分かった。女性たちは告発すると仕事を失う恐怖があると推察します。7人がセクシャルハラスメント、残る1人が性的虐待です。2013年から19年、特に『彷徨える河』(15)がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた以降に集中していたことが分かり、ノミネートの名声を嵩にかけて強要したことがはっきりしたという。ある女性は監督から「私がカンヌ映画祭の批評家週間の審査員になったのを知ってるでしょ」と言って、強引にキスをされたという。被害者の調査に数ヵ月を費やし、データの事実確認をして公にしたという。勿論監督は告発を全面否定、自分を守るために法廷に行くと語っている。

 

★被害者の名前は、すべてテレサだのカロリナだの仮名で現れ、刑法上の裁判を望むものではないという。なぜなら被害者は過去に受けた自身の苦しみを法廷で公にすることの恐怖、大衆の嘲笑を望まないからである。ジェンダーの専門家であるビビアナ・ボールケス弁護士は「ここコロンビアの裁判官は少なく見積もっても70パーセントが男性だから、脚に触ったの、キスを無理強いされたの、虐待されたのと訴えても、誇張しているだけと考えます」。今年同じような事案6例を検察に提出しましたが、加害者をのさばらせる結果に終わりました。コロンビアの裁判制度に問題があるのですと弁護士は語っています。

 

★生々しいレイプ体験を語ったアドリアナ(仮名)は「彼の体重の重さに抵抗できず、頭を押し付けられたりしたことが蘇えり、頭で追体験したり、法廷で質問に答えたりしたくない」と加わるのを躊躇したという。昨年11月に開催されたボゴタ映画祭のときに起きたという。アドリアナのケースでは傷口がまだ開いたままだから尻込みするのは当然でしょう。

  

          チロ・ゲーラの事案は氷山の一角、映画界に蔓延するセクシャルハラスメント

 

★コロンビアのオーディオビジュアルの組合員にセクシャルハラスメントについてのアンケートを実施したところ、イエスが81%、そのうち報告しないで泣き寝入りをした人が84%という結果になった。うち一人は「プロデューサーはその事実を把握しているが、慣れろと言われただけ」という。非難した人は逆に嘲笑され、問題があるのはアナタとして村八分に会い、あげく解雇されることもある。失業したくなかったら黙るしかない。「一人では無力でも連帯すれば勝てるのだが、今不足しているのがその連帯」と、ボールケス弁護士。8人は告訴を望んでいないが、コロンビアのMe Too 運動の今後が試されます。

 

★メキシコに滞在している監督は「自身の名誉にかけて法廷闘争も辞さない」と決意のほどを語っていますが、潔白なら無実を証明していただきたい。『彷徨える河』の製作者、『夏の鳥』(18)を共同監督したクリスティナ・ガジェゴとのあいだに二人の子供がいるが、『夏の鳥』完成前に離婚していた。女性の権利拡大の推進者、イベロアメリカ・フェニックス賞2018で作品賞を受賞した折には、緑のハンカチを手に巻いて登壇していた。彼のセクシャルハラスメント問題が一因だったのだろうか。

 

   

  (緑のハンカチを手に巻いてイベロアメリカ・フェニックス賞2018授賞式に臨む

        クリスティナ・ガジェゴ監督、中央のグリーンのドレス)

 

 関連記事

『彷徨える河』の作品紹介記事は、コチラ2015052420161201

『夏の鳥』の作品紹介記事は、コチラ201805181117

 

続ホライズンズ・ラティノ部門*サンセバスチャン映画祭2019 ⑨2019年08月11日 18:48

          アレハンドロ・ランデルの問題作「Monos

 

La broncaペルー=コロンビア、ディエゴ&ダニエル・ベガ兄弟

 第23回リマ映画祭2019815日上映)、長編3作目、カナダで撮影された最初のペルー映画

キャスト:ホルヘ・ゲーラ、ロドリゴ・パラシオス、ロドリゴ・サンチェス・パティニョ、イサベル・ゲラード、Sandrine Poirier-Allard、シャーロット・オービン、ルナ・マセド、他

監督キャリア&作品紹介は、コチラ⇒2019年08月23日

          

    

 

 

Los sonámbulos / The Sleepwalkersアルゼンチン=ウルグアイ

  パウラ・エルナンデス

キャスト:エリカ・リバス、オルネジャ・デリア、マリル・マリーニ、ルイス・Ziembrowski、ダニエル・エンドレル、バレリア・ロイス、ラファエル・フェデルマン、他

パウラ・エルナンデスの第4作目、第3Un amor以来7年ぶりにメガホンをとった。

 

     

 

Los tiburones / The Sharksウルグアイ=アルゼンチン=スペイン

  ルシア・ガリバルディ

  Cine en Construcción 342018)の技巧賞、フィルム・ファクトリー賞受賞作品。他にサンダンスFFワールド・シネマ部門の監督賞、BAFICI審査員特別賞など受賞歴多数

キャスト:ロミナ・ベタンクール、フェデリコ・モロシニ、ファビアン・アレニジャス、バレリア・ロイス、他

監督キャリア&作品紹介は、コチラ⇒2019年09月04日

     

    

        

    

         

 

Monosコロンビア=アルゼンチン===スイス=ウルグアイ

  アレハンドロ・ランデス

 サンダンスFFワールド・シネマ部門の審査員特別賞受賞、ベルリンFFパノラマ部門上映作品、カルタヘナFFコロンビア作品賞受賞など受賞歴多数。

キャスト:ジュリアンヌ・ニコルソン、モイセス・アリアス、フリアン・ヒラルド、ソフィア・ブエナベントゥラ 、カレン・キンテロ、デイビー・ルエダ、他多数

デビュー作CocaleroLBFF2008『コカレロ』の邦題で上映されている。

長編3作目、ウィリアム・ゴールディングの小説『蠅の王』の映画化。過去に何回か映画化されている。別途作品紹介予定。

新作の紹介記事は、コチラ⇒2019年08月21日

       

          

   

                                                                 

 

Nuestras madres / Our Mothersグアテマラ=フランス=ベルギー

  セサル・ディアス  

 カンヌFF併催の「批評家週間」2019正式出品、カメラドール受賞作品、監督デビュー作

キャスト:アルマンド・エスピティア、エンマ・ディブ、アウレリア・カアルCaal、フリオ・セラノ、ビクトル・モレイラ、他

カメラドール受賞は、セサル・アセベド『土と影』15)以来4年ぶり。

監督キャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ20190507

      

       

 

  

 

Temblores / Tremorsグアテマラ=フランス=ルクセンブルク

  ハイロ・ブスタマンテ  ベルリンFFのパノラマ部門上映作品

キャスト:フアン・パブロ・Olyslager、ディアネ・バザン・エバンズ、マウリシオ・アルマス・セバドゥア、他

長編第2作目、デビュー作は『火の山のマリア』、第3作目がクロージング作品La Llorona(コンペティション外)、別途作品紹介予定。

新作の紹介記事は、コチラ⇒2019年08月19日

    

   

 

 

La ola verde (Que sea ley)アルゼンチン=ウルグアイ=フランス

  フアン・ソラナス  コンペティション外特別上映作品、カンヌFF2019特別上映作品

アルゼンチンの妊娠中絶合法化運動のドキュメンタリー

ドキュメンタリー第2作目。長編映画デビュー作Nordesteは、カンヌFF2005「ある視点」正式出品作品、第2作目Upside Down12、カナダ=フランス合作)の言語は英語。別途作品紹介予定。

 

     

 (カンヌの赤絨毯を踏む中絶合法化のシンボル緑のハンカチ運動の女性たち、519日)

 

★以上がコンペティション部門13作、特別上映、コンペティション外各1作、合計15作のラインナップです。以後、公開が期待できる作品、話題作などをできるだけ紹介したいと思います。


ホライズンズ・ラティノ、全15作が発表*サンセバスチャン映画祭2019 ⑧2019年08月08日 14:52

       オープニング作品はパトリシオ・グスマンのドキュメンタリー

 

    

 

★去る86日、ホライズンズ・ラティノ部門15作品が一挙に発表されました。うちコンペティション外2作品を含んでいます。映画祭上映、または公開が期待できる映画も混じっているセクションです。既に終了している映画祭、カンヌやサンダンスの受賞作、ベルリンやベネチアでノミネートされた作品も目につきます。アルゼンチン、ブラジル、チリ、ウルグアイ、メキシコ、キューバ、グアテマラ、ペルーの監督作品、なかには当ブログで記事に取り上げた作品も含まれており、まずはタイトル名・製作国・監督名・キャスト名を列挙しておきます。

 

オープニング作品はパトリシオ・グスマンのドキュメンタリーLa cordillera de los sueñosが選ばれていますが、本作はカンヌFFで特別上映され、最優秀ドキュメンタリー賞(ゴールデン・アイ)を受賞した作品です。15作品のうちクロージング作品に選ばれたグアテマラのハイロ・ブスタマンテLa lloronaはコンペティション外作品、他にベルリンFFのパノラマ部門で上映された作品Temblores / Tremorsも選ばれるなど、これは珍しいケースではないでしょうか。

 

La cordillera de los sueños / The Cordillera of Dreamsチリ=フランス、

  パトリシオ・グスマン  オープニング作品

  カンヌFF2019特別上映作品、ドキュメンタリー、84

『光のノスタルジア』『真珠のボタン』に続く「ピノチェト三部作」の完結編

カンヌFF2019特別上映での作品紹介は、コチラ20190515

 

     

 

La lloronaグアテマラ=フランス、ハイロ・ブスタマンテ   クロージング作品

 コンペティション外、VIIヨーロッパ・アメリカラティナ共同製作フォーラム作品

キャスト:マリア・メルセデス・コロイ、サブリナ・デ・ラ・ホス、フリオ・ディアス、マルガリタ・ケネフィック、フアン・パブロ・Olyslager、アイラ・エレア・ウルタド、マリア・テロン

 デビュー作『火の山のマリア』の作品紹介は、コチラ201508281025

 

    

 

Agosto / Augustキューバ=コスタリカ=フランス、アルマンド・カポ

 IIIヨーロッパ・アメリカラティナ共同製作フォーラム、Cine en Construcción 32作品

キャスト:ダミアン・ゴンサレス・ゲレーロ、ロラ・アモレス・ロドリゲス、ラファエル・ラエラ・スアレス、ベロニカ・ライン・ロペス、グレンダ・デルガド・ドミンゲス、他

 

     

 

Araña / Spiderチリ=アルゼンチン=ブラジル、アンドレス・ウッド

キャスト:メルセデス・モラン、マリア・ベルベルデ、マルセロ・アロンソ、ペドロ・フォンテイン、ガブリエル・ウルスア、フェリペ・アルマス、他

『マチュカ 僕らの革命』『サンティアゴの光』『ヴィオレータ、天国へ』の監督

 監督キャリア&フィルモグラフィー紹介記事は、コチラ20180304

新作「Araña」の作品紹介は、コチラ⇒2019年08月16日

   

     

 

Así habló el cambista / The Moneychangerウルグアイ=アルゼンチン=独、

  フェデリコ・ベイロー

キャスト:ダニエル・エンドレル、ドロレス・フォンシ、ルイス・マチン、ベンハミン・ビクニャ、ヘルマン・デ・シルバ、他

『アクネ ACNE』『映画よ、さようなら』『信仰を捨てた男』「Belmonte」の監督

 監督キャリア&フィルモグラフィー紹介記事は、コチラ20180803

 

     

 

Chicuarotesメキシコ、ガエル・ガルシア・ベルナル

 カンヌ映画祭2019特別上映作品、2019年、監督第2作目

キャスト:ベニー・エマニュエル、ガブリエル・カルバハル、レイディ・グティエレス、ドロレス・エレディア、ダニエル・ヒメネス⋍カチョ、他

カンヌFF2019特別上映での作品紹介は、コチラ20190513

  
       

 

De nuevo otra ves / Again Once Againアルゼンチン、ロミナ・パウラ

 ロッテルダム映画祭2019上映作品、女優ロミナ・パウラの監督デビュー作

キャスト:ロミナ・パウラ、モニカ・ランク、ラモン・コーエン、マリアナ・チャウド、パブロ・シガルエステバン・ビリアルディ、デニーズ(ドゥニーズ)・Groesman、他

 

     

 

El príncipe / The Princeチリ=アルゼンチン=ベルギー

  セバスティアン・ムニョス

 Cine en Construcción 34作品、監督デビュー作、ベネチアFF「批評家週間」正式出品

キャスト:アルフレッド・カストロ、フアン・カルロス・マルドナド

 

   

 

★女性監督が少ないのが気になりますが、全15作と分量が多いので2回に分けて、⑨以下は次回にアップします。パトリシオ・グスマンのドキュメンタリー三部作の完結編、しばらく製作に没頭していたアンドレス・ウッドの監督復帰、ガエル・ガルシア・ベルナルの第2作、ハイロ・ブスタマンテの2作同時上映など、秋の映画祭が楽しみになってきました。