オリソンテス・ラティノス部門12作が出揃う*サンセバスチャンFF26 ⑧ ― 2026年08月12日 16:26
コスタリカの「Siempre soy tu animal materno」がオープニング作品

★8月10日、オリソンテス・ラティノス部門のオープニング作品を含む7作が発表になり、既にアナウンスされていた5作(ディエゴ・ルナ、フェルナンダ・トバルm、マヌエラ・マルテッリ、マルセロ・マルティネッシ、フェルナンド・エインビッケ、各監督)の合計12作が出揃い、オリソンテス賞を競うことになりました。今回はオープニング作品バレンティナ・モーレル(コスタリカ)の「Siempre soy tu animal materno」、フアン・ミゲル・ヘラシオ&エステバン・オヨス・ガルシア共同監督(コロンビア)の「Cinco años. Cuatro meses」、ロレンソ・フェロ&ルーカス・A・ビグナレ共同監督(アルゼンチン)の「El tren fluvial」、以上3作をアップします。
*既にアップ済みの5作品紹介記事は、コチラ⇒2026年07月23日
*オリソンテス・ラティノス部門ノミネート作品②*
6)「Siempre soy tu animal materno / Forever Your Maternal Animal」
◎オープニング作品
データ:製作国ベルギー=フランス=メキシコ=コスタリカ、2026年、ドラマ、スペイン語、108分、撮影コスタリカのサンホセ、長編2作め、カンヌ映画祭「ある視点」でワールドプレミアされ、女優賞受賞作品。ほかメルボルン映画祭出品作品(8月15日)
監督・脚本:バレンティナ・モーレル、1988年コスタリカ、サンホセ生れ、監督、脚本家、映画はフランスとベルギーで学んでおり、フランスとの二重国籍を持っている。長編デビュー作「Tengo sueños eléctricos」がロカルノ映画祭2022で監督賞、ダニエラ・マリン・ナバロが女優賞、レイナルド・アミアンが男優賞の3冠に輝き、本祭SSIFFでは「オリソンテス賞」を受賞している。
キャスト:ダニエラ・マリン・ナバロ(エルサ)、マリナ・デ・タビラ(母イサベル)、マリアンヘル・ビジェガス(妹アマリア)、レイナルド・アミアン(父ナウエル)
ストーリー:ヨーロッパでの長年の留学を終え、28歳になったエルサは家族と再会するためサンホセに戻ってくる。妹アマリアがひとりきりで自宅に引き籠っている。何かに囚われている妹はエルサとも距離をおき、まるで自身の世界に潜りこんでいくかのようだった。一方、両親は自分の生活に没頭しており、父親は一連の恋のアバンチュールに溺れ、母親は母親で若い頃の官能詩を再出版することに夢中になっており、二人とも事の緊急性を全く理解していない。2作めもばらばらに崩壊しかかっている家族の肖像が語られる。
*監督キャリア &「Tengo sueños eléctricos」の紹介記事は、コチラ⇒2022年08月25日

(左から、アマリアとエルサ)

(バレンティナ・モーレル監督、カンヌFF2026フォトコールにて)

7)「Cinco años. cuatro meses / Five Years, Four Months」(仮題「4年5ヵ月」)
WIP Latam 2025
データ:製作国コロンビア=米国、2026年、ドラマ、スペイン語、84分、製作者カルロス・ピニェイロ、エステバン・オヨス・ガルシア他、撮影パウラ・モレノ・ベルガラ、編集フアン・ミゲル・ヘラシオ、音響ダニエル・ガルセス・ナハル、音楽ダニエル・ガルセス・ナハル、スコット・Barley、美術Andyerson Posso Caro
監督・脚本:フアン・ミゲル・ヘラシオ(ボゴタ1995)&エステバン・オヨス・ガルシア(ボゴタ1995)共同監督、デュオはWIP Latam 2023で、初の長編映画「Selva / Jungle」を発表、2作目で戻ってきました。既にカルロヴィ・ヴァリ映画祭でワールドプレミアされている。本作は「A la hora de poner la mesa ya no eramos cinco」のタイトルでWIP Latam 2025のEGEDA(オーディオビジュアル著作権管理協会)産業プラチナ賞を受賞している。
キャスト:ジェニー・ナバ(マルタ・バケロ)、カルミーニャ・マルティネス(サンドラ)、カロリナ・ビバス(マルタの母親)、ロサルバ・ガルシア(アビガイル)、マリア・ドリス・テハダ、ジャクリン・カステージョ(リリアナ)、ロシオ・カステージョ(グロリア)、他
ストーリー:マルタは、コロンビアの武力紛争で息子の足跡を見失ったひとりの母親です。彼女が参加した最近の遺骨掘り起こしでは一致する骨は見つからなかったという知らせを受けます。公式機関の手段を使い果たしたマルタは、女性たちの支援グループを頼って、そこでサンドラに出会います。サンドラが言うには、「平原の遠方の村では、死者が願いごとを聞いてくれる」という噂を語ります。二人は確認を求めて旅に出ます。行方不明になった息子を見つけるために、うさんくさい噂に翻弄される母親が語られる。

(マルタ役のジェニー・ナバ)

(サンドラとマルタ)

(エステバン・オヨス・ガルシア、フアン・ミゲル・ヘラシオ、カルロヴィ・ヴァリFF)

(カルロヴィ・ヴァリ映画祭のポスター)
8)「El tren fluvial / The River Train」(仮題「川の列車」)
データ:製作国アルゼンチン、2026年、成長ドラマ、スペイン語、76分、長編デビュー作、撮影トマス・グリングバーグ、編集アンドレス・メディナ、ルーカス・A・ヴィニャレ、サウンドデザイン、マルティン・ガルシア・ブラヤ、美術・衣装オリビア・シャクテル、製作者トマス・グランディオ、バレンタイン・トレへ、カシアナ・ベラ、他エグゼクティブプロデューサー
監督・脚本:ロレンソ・フェロ(ブエノスアイレス1998)は、俳優として知られ、ルイス・オルテガの『永遠に僕のもの』(18)に主演して大きな注目を集めた。本作が監督デビュー作。一方、ルーカス・A・ヴィニャレ(ブエノスアイレス1997~リオデジャネイロ2026)は、6月14日、アメリカのミュージシャン〈オリバー・ツリー〉をサポートするイベントに参加、搭乗したヘリコプター衝突事故で死去、享年28歳の若さでした。フェロと共同監督した短編「La Pación」(24)はBAFICIで受賞する。ベルリン映画祭2026で上映されている。
キャスト:ミロ・バリア(ミロ)、マリアノ・バリア(父マリアノ)、ルクレシア・パソス(母ルクレシア)、マイレン・バリア(姉マイレン)、リタ・パウルス(教師)、ファビアン・カサス、他多数
ストーリー:9歳になるミロは、アルゼンチン北部の辺鄙な村に住んでいる。マランボ・ダンサーになる教育を受けていますが、彼の本当の夢は別のところにあります。彼は列車に乗り、映画でしか見たことのないブエノスアイレスを探検することに憧れています。小さな世界から抜け出すために、思いきって新たな旅に乗り出さねばなりません。

(ミロ役のミロ・バリア)

(ロレンソ・フェロ、ルーカス・A・ヴィニャレ)

ニューディレクターズ部門14作ノミネート発表*サンセバスチャンFF26 ⑦ ― 2026年08月07日 17:26
クチャバンク賞を競うニューディレクターズ部門全14作のノミネート発表

★7月30日、ニューディレクターズ部門の全14作が出揃いました。この部門はデビュー作を含む2作めまでが対象で、クチャバンク新人監督賞には50.000ユーロが副賞として授与されます。既にスペインが主製作国の映画3作が発表になっており、ラテンアメリカ諸国(メキシコ、チリ)、アジア(日本、韓国、台湾、イラン、カザフスタン)、ヨーロッパ(ドイツ、ノルウェー、イギリス、ブルガリア、ウクライナ)が各1作ずつノミネートされています。スペイン語映画を中心に以下5作を紹介いたします。
*ニューディレクターズ部門(スペイン映画)*
1)「El mal hijo / The Bad Son」
オープニング作品
データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、ドラマ、106分
監督・脚本:ハイメ・ロレンテ(ムルシア1991)、共同脚本サルバドール・S ・モリーナ、撮影エリアス・M・フェリックス、音楽ルイスミ・グレス・ベドマル、編集レヒノ・エルナンデス
キャスト:ウーゴ・アルブエス(ルーベン)、ミゲル・アンヘル・プーロ(父)、スシ・サンチェス(祖母パスクアラ)、オスカル・デ・ラ・プエンテ(伯父ファンジ)、アベル・デ・ラ・プエンテ(少年時代ルーベン)、ナイアラ・カルモナ(母)
ストーリー:11歳のルーベンの父親が謎の失踪をして、少年はほとんど会ったことのない祖母と暮らため引っ越さねばなりません。時が止まったかのような田舎の環境で、子供は家族の傷が代々受け継がれていることを学び、成長する過程で傷を癒そうと努力するだろう。


(ミゲル・アンヘル・プーロ、アベル・デ・ラ・プエンテ)

(ハイメ・ロレンテ監督)

2)「Bloques erráticos / Erratics」(仮題「不規則なブロック」)
データ:製作国チリ=フランス=ドイツ、2026年、デビュー作、スペイン語、ドラマ、ファンタジー、92分、ロッテルダム映画祭2026でプレミア
監督・脚本:トマス・ウッドロフ(サンティアゴ1995,監督、脚本家)、エリアス・ケレヘタ・シネ・エスコラの映画アーカイブコース修了、短編「Fiebre austral」がSSIFF2019ネスト部門の特別賞を受賞、ベネチアFFオリゾンティ、トロントFF短編部門で上映された。共同脚本ヴァレリア・ホフマンアントニオ・ルコ、撮影エミリア・マルティン、製作者パスクアル・メナ、ロドリゴ・ディアス
キャスト:デニス・ラヴァン(リシュアン)、ダニエル・ムニョス
参加者:フランチェスカ・ボッツァーノ(シネマテーク・ドゥ・トゥールーズのコレクション責任者)、ドミニク・ルグピル(フランス国立科学研究センター、作家)、レイナルド・カロ(俳優)、ドミンガ・ソトマヨール(チリの監督)、フェリペ・ガルベス(チリの監督)
ストーリー:100年間パタゴニアの氷河に閉じ込められた後、自らを解放した映画監督リュシアン・カステルノーの亡霊は、未来のパタゴニアを彷徨います。そこは技術の進歩が忘れられた物語と激しく衝突しています。彼の映画遺産が見られずにいるあいだ心が休まらず、記憶から消し去られた世界を横断して、歴史のなかの場所と観客を求めて、遂に失われた作品を生き返らせる。

(フランスの名優デニス・ラヴァン)

(トマス・ウッドロフ監督)

3)「Esta soledad / This Solitude」(仮題「この孤独」)
データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、ドラマ、110分、単独監督デビュー作、公開2026年10月30日
監督・脚本:ハビエル・ギネル(ビスカヤ県バラカルド1977)、監督、脚本家、製作者。2024年、本祭アウト・オブ・コンペティションでコメディ「Yo,adicto / I, Addict」(TVシリーズ全6話の3話)をアイトル・ガビロンドと共同監督して、特別上映枠で上映された。監督自身のビオピックで主役ハビエルをオリオル・プラが演じた。短編「El amor me quedad grande」でシネフォリア賞2016監督賞、観客賞受賞、ほか短編多数。
キャスト:オリオル・プラ(レオ)、マリナ・サラス(ロレア)、ジェンマ・マルティネス(イラティ)、カイ・エチャニス、イツィアル・ラスカノ(ロレアの母親)、フアン・ビアダス(レオの父親)
ストーリー:ビルバオ、レオとロレアは愛しあっていた。もしかしたら今も愛しあっているかもしれない。しかし二人のなかで何かが壊れてしまった。5年に及ぶ二人の関係は終わってしまった。彼は病気の父親を介護しており、その責任と重くのしかかる虚ろな感情に捕らわれている。彼女は低賃金の仕事や個人的な危機に巻き込まれ、どこから手を付ければいいのか分からず、やみくもに人生を立て直そうとしている。彼らは疲れはてた孤独な二つの体であり、不安定で、解決されない、そして全てがいつも遅れてやってくるように思える或る世代の感情的な遺産が横たわっている。例えば、愛、安定、成熟、静寂、個人的な満足感など。
*「Yo,adicto」の紹介記事は、コチラ⇒2024年10月09日

(マリナ・サラス、ハビエル・ギネル監督、オリオル・プラ)

4)「Morro」(仮題「モロ」)
データ:製作国メキシコ、2026年、2作め、スペイン語、ドラマ、95分
監督・共同脚本・製作者:ロドリゴ・ガルシア・サイス(メキシコシティ生れ、監督、脚本家、製作者)、
短編「El hombre que murio de rumor」がアリエル賞1997ノミネート、2023年デビュー作「Lluvia / Rain」がマラガ映画祭2024でプレミア、マイアミ、モレリア、ハバナ、ロスアンゼルスなど各映画祭巡りをした。本作が長編2作めでサンセバスチャンにやってくる。音楽ラミロ・デル・レアル、撮影アルフォンソ・エレラ・サルセド、編集フェルナンダ・デ・ラ・ペサ
キャスト:グスタボ・サンチェス・パラ(獣医マテオ)、アンナ・ディアス(イサベル)、エルネスト・メレンデス(ポンチョ)、アルフォンソ・エスコベド(ダニ)、ホセ・サビノ(ロヘリオ)
ストーリー:獣医のマテオは息子が亡くなって以来、静かな悲しみのなか、譬えようもない罪悪感に満ちた人生を送っている。小さな町の暴力は、終わりのない木霊のように、そこに潜んで直ぐには目に見えない。この壊れやすいバランスは、マテオが地元のマフィアのボスの負傷した犬モロを治療することで崩れます。この動物の日常的な世話は思いがけない絆を生みだし、判断も言葉もない関係を築き、彼は人生の意味を再び取り戻すことになるだろう。
*マラガFF2024ノミネート「Lluvia」の紹介は、コチラ⇒2024年03月04日


(グスタボ・サンチェス・パラとモロ)

(ロドリゴ・ガルシア・サイス監督)

5)「Sieben tage februar / February, Seven Gays / Siete días de febrero」(仮題「2月の7日間」)
WIP Europa 2025
データ:製作国ドイツ=オーストリア=スペイン、2026年、デビュー作、ドラマ、ドイツ語、ロシア語、ウクライナ語
監督・脚本:タチヤナ・ムチニク(ウクライナ、キーウ1988、ドイツ系ウクライナ人、監督、脚本家)、2014年、本祭ネスト部門に短編「Der letzte kuss / The Last Kiss」で参加している。短編、TVミニシリーズ(22)を手がけている。
キャスト:セルゲイ(セルヒー)・コルシコフ(アルカディ)、ヴォロディミル・ホロスニャク、マリア・シュトファ(マリナ)、アルセニ・マルコフ、モイセイ・バジジャン(グランパ・グリシャ)、ダリア・ギトブート(ダシャ)
ストーリー:ウクライナ戦争が勃発する前日のこと、ドイツのシュトゥットガルトに暮らすアルカディは、オデッサから疎遠だった兄とその息子の訪問を受けます。母親の埋葬をするためです。家族の素性についての二つの考え方の違いで対立が生じてしまいます。ロシアによる自国侵攻を背景に、ドイツで再会する兄弟の確執が語られる。

フォト

(タチヤナ・ムチニク監督)

セクション・オフィシアルに追加発表7作*サンセバスチャンFF26⑥ ― 2026年08月04日 10:39
パブロ・ラライン「Mis muertos tristes」他、アルゼンチン映画

★7月28日、セクション・オフィシアルに7作の追加発表がありました。ニコール・ガルシア(アルジェリア)、マハ・ハラダ(日本)のデビュー作、パブロ・ラライン(チリ)、マイク・リー(イギリス)、ハンス・ペッター・モランド(ノルウェー)、ベンハミン・ナイシュタット(アルゼンチン)、イェシム・ウスタオル(トルコ)の7監督が、金貝賞に参戦します。既に発表になっていた3作に加えて10作が明らかになり、これで約半分です。詳細は別途アップするとして、簡単な作品紹介をしておきます。
*セクション・オフィシアル追加7作品*
4)「7:40 ce matin-là / Milo」(仮題「マイロ」)
データ:製作国フランス、2026年、フランス語、ドラマ、114分
監督・脚本:ニコール・ガルシア(アルジェリア、オラン1946)、監督、脚本家、女優
キャスト:マリオン・コティヤール(アリス)、テオドール・ペレラン(マイロ)、アルトゥス、ロール・カラミー、アレクシス・マネンティ、アンヌ・ブロシェ、エリック・エルモスニーノ、シャルル・ベルリング
ストーリー:出所したアリスは静かな地方の都市に到着し、地元のカフェでウエイトレスとして働きはじめます。自分のものではない生活に自然に溶け込んでいきますが、彼女が此処にいるのは偶然ではありません。それは近くのガレージで働く若い整備士マイロのせいです。しかし彼にとってアリスは他人、しかし彼女にとってマイロは決して離れることのできない過去に縛られた存在なのです。埋もれていた緊張が表面化し、マイロが不確かな境地へ深く入り込むと、二人は岐路に立たされます。何十年も前に壊れた絆を再び取り戻すことはできるでしょうか。

(母マリオン・コティヤールと息子テオドール・ペレラン)

(ニコール・ガルシア監督)

5)「Artakalan / What Remains」
データ:製作国トルコ=フランス=ルクセンブルク=ブルガリア、2026年、ドラマ、130分、
監督:イェシム・ウスタオウル(トルコ、1960)、サンセバスチャンFF2008で『パンドラの箱』が金貝賞を受賞、主演のツィラ・シェルトンが女優賞を受賞している。
キャスト:オイク・カラエル、メティン・アクデュルガー、アリ・カイラ・クル、イリヤス・サルマン
ストーリー:女性詩人は、内なる声と良心に再び向きあうため息苦しい生活の秩序から抜けだします。伝統的な家族の概念や人生の意味に疑問を投げかけ、自身と家族のために新たな道を切り開こうとします。


(イェシム・ウスタオル監督)

6)「Glaxo」(仮題「グラクソ」)
データ:製作国ブラジル=アルゼンチン、2026年、スペイン語、ドラマ、106分、トロント映画祭正式出品
監督・脚本:ベンハミン・ナイシュタット(アルゼンチン、ブエノスアイレス1986)
キャスト:ラリ・エスポシート、マルセロ・スビオット、エステバン・ビリアルディ、エステバン・ラモテ、マヌ・ファネゴ、アラン・サバグ
ストーリー:チビルコイ、1957年、グラクソの工場がある静かなアルゼンチンのの町で、引退した不吉な警察署長とその魅力的な妻の登場が、若者4人の永遠の友情を断ち切ってしまう。数十年後、過去が再び蘇り、彼らは古傷や罪悪感、そして無垢を失った国での復讐の可能性と向きあわざるを得なくなる。エルナン・ロンシノの同名小説の映画化。
◎監督キャリア&フィルモグラフィー紹介を予定しています。


(ベンハミン・ナイシュタット監督)

7)「Markens Grode / Growth of the Soil」(仮題「土壌の成長」)
データ:製作国ノルウェー=デンマーク=ドイツ、2026年、ノルウェー語、ドラマ、155分、撮影地:ノルウェー、2025年6月~12月。トロント映画祭特別プレゼンテーション部門でワールドプレミアされる。公開ノルウェー8月28日、デンマーク、スウェーデン10月30日
監督・脚本:ハンス・ペッター・モランド(ノルウェー、オスロ1955、監督、脚本家)、原作はクヌート・ハムスンの同名小説(1920年刊)の映画化、ガード・B・エイズウォルトが脚本を共同執筆。
キャスト:ハーバート・ノードルム(イサク・セランラー)、アスタ・カンマ・アウグスト(インゲル・セランラー)、ガード・B・エイズウォルト(ガイスラー)
ストーリー:山の向こうに彼独特の決断を携えた一人の見知らぬ男が現れる。過去をもたないイサクは、土地を耕しながら人生を切り開き、定住する場所を探しています。木立の上方の高い場所に、彼は厳しく不毛ながらも約束の土地を見つけます。この過酷な土地が彼を限界まで試しますが、やがて彼はインゲル(インガー)という孤独な女性に出会います。彼女は強靭さと静かな秘密主義に鍛えられています。二人は一緒に自然に耐え、季節の移り変わりに合わせて土壌と家族を築いていきます。しかし年月が過ぎ、世界が狭まるにつれ、時間と困難、欲望が彼らを作り変えていきます。


(ハンス・ペッター・モランド監督)

8)「Mis muertos tristes / My Sad Dead」
データ:製作国アルゼンチン=チリ、アルゼンチン映画、2026年、スペイン語、TVミニシリーズ(4話186分)、心理的ホラー、ファンタジー。撮影のロケ地はアルゼンチン、室内はチリ、2025年6月クランクイン、Netflix日本語字幕入り配信決定
監督・脚本:パブロ・ラライン(チリ、サンティアゴ1976、監督、脚本家、製作者)、共同脚本:アナスタシア・アヤジ、ギジェルモ・カルデロン、原作マリアナ・エンリケスの短編4作
キャスト:メルセデス・モラン(エマ)、ドロレス・フォンシ(ジュリー)、アレハンドラ・フレッチェネル、カロリナ・サンチェス・アルバレス、カルロス・ポルタルッピ、ヘルマン・デ・シルバ、カルロス・ドノソ、ルス・ヒメネス
ストーリー:母親の死後、引退した医師エマは姪のジュリーの予期せぬ訪問を受けます。姪はエマと同じ不穏なギフトを共有しています。家族の再会が癒えることのなかった秘密や傷を再び浮上させることになるが、同時に誰も無傷で生きられない奇妙な現象も現れます。近隣全体が彼方からの気配を感じとり、自分たちの死者の特徴的な声を聞くことになります。生と死の境界が曖昧になり、社会が隠している恐怖が語られることになるだろう。死者の姿を見聞きできるエマを描いた、アルゼンチンの作家マリアナ・エンリケスの作品を原作としている。
◎作品詳細、原作者、監督キャリア&フィルモグラフィー紹介を予定しています。

(エマ役メルセデス・モラン)

(ジュリー役ドロレス・フォンシ)

(パブロ・ラライン監督)

9)「Muyou no Hito / In My Father’s Room」『無用の人』
データ:製作国日本、2026年、ドラマ、109分、デビュー作、公開2027年1月予定
監督・脚本:原田マハ(東京都小平市1962、作家、キュレーター、大学教員、監督デビュー作)、著書『リボルバー』(2023年刊)、2024年『坂上に咲く』で第52回泉鏡花文学賞受賞、他受賞歴多数
キャスト:蒼井優(羽島聡美)、イッセー尾形(父唯一)、永山瑛太(古道具屋店主タク)、渡辺えり(母柊子)
ストーリー:聡美は美術館で監視員として働いていたが、美術館に謎の「鍵」が入った封筒が届いた。亡き父がかつて所有していた見知らぬ部屋へと聡美を導いていきます。父は1ヵ月前に一人で他界していた。この小さな物に引き寄せられ、彼女は父の最期の日々を辿ることになります。社会に忘れられたかのように見えながら、言葉や茶道芸術、そして繊細な美への献身に支えられていた。孤独の痕跡を通して、聡美はゆっくりと自分が住む世界の静かな優雅さを発見していきます。『あなたは、誰かの大切な人』収録作「無用の人」の映画化。


(聡美役の蒼井優)

(原田マハ監督)

10)「Tender Loving Care」
データ:製作国イギリス=米国=シンガポール、2026年、英語、コメディ・ドラマ、トロント映画祭正式出品、公開米国2026年12月4日予定
監督・脚本:マイク・リー(ブロケット・ホール1943、監督、脚本家、舞台監督)、SSIFF2024セクション・オフィシアルに「Hard Truths」(『ハード・トゥルーズ 母の日に願うこと』)で登場以来、本作で戻ってきました。『ネイキッド』(93)、『秘密と嘘』(カンヌFF1996パルムドール)、『人生は、時々晴れ』(カンヌFF2002ノミネート)、『ヴェラ・ドレイク』(ベネチアFF2004金獅子)など。
キャスト:マリオン・ベイリー、ポール・ジェッソン、ケイト・オフリン、アリス・ベイリー・ジョンソン
ストーリー:カンヌ映画祭のパルムドール受賞者にして、複数回オスカー賞ノミネートのマイク・リーの新作、現代世界への洞察に満ちた探求を続けています。本作が最後の作品となる可能性を示唆している。
*『ハード・トゥルーズ 母の日に願うこと』の作品紹介は、コチラ⇒2024年08月08日


(マイク・リー監督)

特別上映(アウト・オブ・コンペティション)*サンセバスチャンFF26 ⑤ ― 2026年07月30日 18:49
特別上映部門に『雪山の絆』その後を追ったドキュメンタリー・シリーズ

(TVシリーズ「Más allá de la sociedad」ポスター)
★賞に絡まないアウト・オブ・コンペティションですが、特別上映が充実しています。まず『雪山の絆』(原題「La sociedad de la nieve」)を手がけた J.A.バヨナが創案、カルロス・トーレスが監督したドキュメンタリー「Más allá de la sociedad」(TVシリーズ3話、150分)、本作はベネチア映画祭2023アウト・オブ・コンペティションのクロージングでワールドプレミアされ、サンセバスチャン映画祭ではペルラス部門で上映され、サンセバスティアン市観客賞を受賞した。さらに翌年のゴヤ賞では作品賞以下12冠、オスカー賞にもノミネートされた作品です。そのほか『プリズン211』のダニエル・モンソンの「Ruega por nosotras / Pray for Us」、3年ぶりにサンセバスチャンに戻ってきたフェルナンド・トゥルエバの「Bajañí」など長編4作が上映されます。まだ断片的な情報しか入手できておりませんが、カルロス・トーレスの「Más allá de la sociedad」を紹介します。
★ノミネーション発表のあった当日には、カルロス・トーレス監督とプロデューサーのサンドラ・エルミダが出席しました。本祭の総ディレクターを長年務めてきたホセ・ルイス・レボルディノスは、今年が最後になり、来年からは現在副ディレクターを務めているマイアレン・ベロキになります。

(左から、ホセ・ルイス・レボルディノス、サンドラ・エルミダ、カルロス・トーレス、
第75回から総ディレクターに就任するマイアレン・ベロキ,2026年7月17日)
1)「Más allá de la sociedad / Beyond Society」
製作:Apaches Entertainment / Misión de Audaces Films,S.L. / Netflix
クリエーター:J.A.バヨナ、カルロス・トーレス
監督:カルロス・トーレス
脚本:パブロ・ヴィエルチ、ピアズ・ポール・リード、フランク・マーシャル
製作者:ベレン・アティエンサ・アスコナ、サンドラ・エルミダ・ムニィス、J. A. バヨナ
データ:製作国スペイン、2026年、TVミニシリーズ、ドキュメンタリー、スペイン語、150分(3話)、Netflix 2026年12月18日配信予定
映画祭・受賞歴:第74回サンセバスチャン映画祭2026、アウト・オブ・コンペティション特別上映
解説:1972年、アンデス山脈に激突したウルグアイ空軍機571便遭難事故の物語は、救出された日で終わったわけではありません。生存者たちが故郷に戻ったとき、もう一つの困難な物語が始まりました。そこには戻れなかった仲間たちの家族が待っていたのでした。世界が彼らの悲劇を普遍的な物語に変えるなか、生存者たちは自分たちに起こったことの重みと共に生きることを学ばなければなりませんでした。一方、半世紀にわたるこのシリーズでは、生者と死者のあいだに横たわる亀裂を探り、物語を語りなおすことで、私たちが立ち向かえる方法を描いています。
★1972年に起きたアンデス航空事故を描いたバヨナ監督の『雪山の絆』(23、原題「La sociedad de la nieve」)については、作品ほか、主なスタッフ、キャスト、実際の搭乗者、乗務員5名、チリ開催のラグビー試合に参加するため搭乗していたステラマリス大学のラグビー・チームの選手団と、その家族や友人など40名を紹介しています。バヨナ監督のキャリア&フィルモグラフィー紹介は、マラガ映画祭2018の特別賞の一つ「レトロスペクティブ賞」を受賞した折にアップしております。
* J.A.バヨナのキャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ⇒2018年03月24日
*『雪山の絆』作品 & スタッフ紹介記事は、コチラ⇒2023年11月04日
*『雪山の絆』主な搭乗者・キャスト紹介記事などは、コチラ⇒2023年11月14日

(J. A. バヨナ『雪山の絆』のNetflix ポスター)
★監督紹介:カルロス・トーレス Carlos Torres、1985年アリカンテ生れ、監督、脚本家、製作者。代表作は、バルセロナで起きた有名な殺人事件をめぐるドキュメンタリー「Crims / Crímenes」(20、カタルーニャTVシリーズ、全62話の監督2話、脚本10話、カタルーニャ語)、「Pajares & CIA」(20~22、TVシリーズ、全6話、監督)、脚本家としてTVシリーズ、ダビ・カブレラ他の「Astral」(16)、「Malas compañías」(17、全4話の2話)、インタビュー番組「Salvados」(13~17、全360話の99話)を手がけている。

(「Más allá de la sociedad」撮影中のカルロス・トーレス)
★脚本家紹介:
◎パブロ・ヴィエルチ Pablo Vierci、1950年ウルグアイのモンテビデオ生れ、作家、ジャーナリスト、脚本家。J. A. バヨナが『雪山の絆』で採用した ”La sociedad de la nieve”(2009年刊)の原作者、本作で2009年、ゴールデンブック賞を受賞している。原作者は生存者16名と同じモンテビデオのステラマリス大学の同窓生、構想から三十数年かけて、生きて戻れた人の証言だけでなく、証言することが叶わなかった死者にも敬意をはらって「声を与えた」ことが、バヨナ監督に映画化を決意させた。他に生存者の一人で当時医学生だったロベルト・カネッサとの共著 “Tenia que sobrevivir” がある。

(帰還者16名を配した ”La sociedad de la nieve” の表紙)
◎ピアズ・ポール・リード、1941年生れ、イギリスの歴史家、ノンフィクション作家、1974年、このウルグアイ空軍機571便遭難事故をテーマにした “Alive: The Story of the Andes Survivors” を刊行、『生存者ーアンデス山中の70日』として翻訳された。1993年、アメリカのフランク・マーシャル(1946)が映画化、日本では『生きてこそ』(英題「Alive」126分)の邦題で公開された。これには一部フィクションが含まれており、いわゆるドクドラ(ドキュメンタリー・ドラマ)である。
サバルテギ-タバカレアにスペイン映画5作*サンセバチャンFF26 ④ ― 2026年07月27日 11:13
サバルテギ-タバカレアにはイサキ・ラクエスタのドキュメンタリーなど5作品

★サバルテギ-タバカレアは、フィクション、ドキュメンタリー、短編映画、何でもありが個性的な部門です。賞には絡まないので作品紹介を後回し、結局時間切れで終わってしまうことが多かった。今年のスペイン関連映画にはユニークな作品が多そうなので紹介したい。オスカル・アレグリア・スエスクン(パンプローナ1973)の「HAMALAU gau / CATORCE noches」、メリチェル・コレル・アパリシオ(バルセロナ1983)の「Lejos de los árboles / Far From the Trees」、カンヌ映画祭併催「監督週間」でプレミアされたフランスのブルーノ・デュモン(バイユール1958)の「Les Roches rouges / Red Rocks / Rocas rojas」、イサキ・ラクエスタ(ジローナ1975)のフラメンコ史のドキュメンタリー「Jaleos / Flamenco Sketches」、台湾の蔡明亮 Tsai Ming-Liang(マレーシアのクチン1957)の「Dust / La deriva」などが上映されます。
1)「Dust / La deriva」
データ:製作国スペイン=台湾、2026年、ドキュメンタリー、78分
監督:蔡明亮 ツァイ・ミンリャン(マレーシアのクチン1957)
ストーリー:旅人は美しい光に満ちた風景のサンセバスティアンに到着します。赤い帯が森の中をゆっくり動き、風と海の縁にそって、夜の喧騒と昼の静けさのあいだを進んでいる。ゆっくりとした足取りで、彼は多くの人の目の前で動きます。世界の広大さのなかで穏やかな姿を残し、見知らぬ人々の記憶に一瞬の傷跡を残します。過去と現在が融合します。創造も自然も塵となって消える。


(ツァイ・ミンリャン監督)
2)「HAMALAU gau / CATORCE noches」
データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、ドキュメンタリー、91分、
公開スペイン9月(限定)
監督:オスカル・アレグリア・スエスクン(ナバロ州パンプローナ1973)
登場人物&ボイス:ホルヘ・オテイサ(バスクの芸術家)、イニャル・サストレ(ピアニスト)、オスカル・アレグリア、ラモン・アンドレス、フリア・オチョア、ホセベ・ブランコ、ヨス・ベネロ、イバン・ウリサル、他多数
ストーリー:「この映画では夜が14回訪れます。私たちは数えています」。こうして夜に起こる音楽の旅が始まります。バスクの芸術家ホルヘ・オテイサの思考のなかを漂うもので、特に或る夜に支配されており、それはアランツァス大聖堂で過ごした夜です。そこでは教会のオルガンのかたわらで最も長い夜が訪れ、監督オスカル・アレグリア・スエスクンがピアニストのイニャル・サストレに14夜を語ります。音楽家は見なかったろう一連の映像を鍵盤を通してイメージするために呼びかけられた。このチャレンジから、同じフリーズを構成する、14の月光、14の暗闇、14の神秘のコレクションとなって出現する。14は、オテイサがこの同じ場所の正面に配置することができた使徒の数と同じであり、さらに14は、彼自身が述べたように「これ以上は置けなかった」からである。ホルヘ・オテイサの世界観を再現している。
*作品・監督紹介を予定しています。


(オスカル・アレグリア・スエスクン監督)
3)「Jaleos / Flamenco Sketches」
データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、ドキュメンタリー、78分、
公開スペイン11月13日
監督・脚本:イサキ・ラクエスタ(ジローナ1975)、音楽監督ジュディット・A・リエラ
キャスト:ロシオ・モリーナ、C. タンガナ、アルバ・フローレス、ソレア・モレンテ、ほか
ストーリー:アーカイブ資料を用い、断片的でポリフォニー的な構造を用い、フラメンコの歴史を提示する。それを近代性、大衆文化、政治と関連づけています。物語や予想外の協力を通して、さまざまな時代や状況の人物を登場させている。本作は伝統、大衆文化、現代の想像力が共存する世界とコンスタントに対話する「不純な」フラメンコを掘り下げている。


(スペイン語語版ポスター)
4)「Lejos de los árboles / Far From the Trees」
Ikusmira Berriak 2022 Proyecta 2021 Berlinale Talents 2022
データ:製作国スペイン=ペルー=イタリア、2026年、ドラマ、121分、
スペイン語・カタルーニャ語・ケチュア語
監督・脚本・編集:メリチェル・コレル・アパリシオ(バルセロナ1983)、製作者マイカ・サンス、撮影監督フリアン・エリサルデ
キャスト:アンヘリカ・カステーリョ(アデラ)、ホセ・ルイス・ロペス・カマ(ルチョ)、テレシタ・サンチェス(パウラ)、カテリナ・ラミレス・グアラル(アデリータ)、アンヘル・サントス、アンナ・ムクサト、ウォルター・ユーリ
ストーリー:メキシコのサウンドアーティストのアデラは、ガイド兼通訳のルチョと共にジャングルからペルーのアンデスへ旅をします。メキシコに亡命していたカタルーニャ共和主義者である祖父の遺志を継いで足跡を辿り、彼女は絶滅危惧言語のサウンドマップを紡ぎだします。死の恐怖に襲われると、現実は粉々に砕け散ります。アデラの旅は、幼少期の家族への親密な旅となります。存在の儚さ、そして記憶すること、耳を傾けること、愛することの必要性についての物語に満ちています。


(スペイン語版ポスター)

(メリチェル・コレル・アパリシオ監督)
5)「Les Roches rouges / Red Rocks / Rocas rojas」
データ:製作国ポルトガル=仏=伊=西=カタール、フランス語、ドラマ、90分、
カンヌ映画祭併催「監督週間」プレミア作品、公開フランス9月23日
監督・脚本:ブルーノ・デュモン(フランス北部バイユール1958)、撮影監督カルロス・アルフォンソ・コラル、製作者ジャン・ブレハ、ほか多数、助監督リサ・アーヌルド
キャスト:ケイロン・ランセル(ゲオ)、ケルシー・ヴェルデイユ(イヴ)、ルイーズ・ポドルスキ(マノン)、モハメド・コリー(ルーベン)、アレサンドロ・ピケラ(B)、メリル・ピレス(ドゥ)
ストーリー:コートダジュール(フレンチ・リヴィエラ)では、子供たちの二つのチームがお気に入りのゲーム、地中海の赤い崖から飛び降りるゲームで競いあいます。まだ5歳にも満たないゲオ、ジェオは、夏のあいだに友情とライバル意識が混ざりあい、心の最初の動きが緊張の源となる世界を発見します。


(フランス語版ポスター)

(ブルーノ・デュモン監督、カンヌFF2026)
コンペティション他ノミネーション発表*サンセバチャンFF26 ③ ― 2026年07月23日 14:50
サンセバスチャン映画祭コンペティション部門にスペイン映画が3作ノミネート

★第74回サンセバスチャン映画祭2026(9月18日~26日)のセクション・オフィシアル以下、特別上映、ニューディレクターズ、オリソンテス・ラティノス、サバルテギ-タバカレア、ペルラス(ペルラク)、ベロドロモ各部門のスペイン製作の25作(長編23作、TVシリーズ2作)が発表になりました。スペインはワールドカップ2026で二度目のチャンピオンになり、目下のところ興奮の坩堝です。フィリップ6世国王もサルスエラ宮殿でお出迎え、サンチェス首相は「二度あることは三度ある」と次回の優勝を示唆、200万人が出迎えるなど大騒動です。メディアもラミネ・ヤマルはメッシでなくブラジルのペレを手本にしていると皮肉り、ゴールを決めたフェラン・トーレスは「スペイン国民4700万のゴール」と饒舌、しかし一番褒められていいのは、わずか1失点におさえた19歳のDFクバルシではないか? 取りあえずしばらくは失業も金欠も忘れて過ごせそうです。

★セクション・オフィシアル(金貝賞を競うコンペ部門)には、ハビエル・ルイス・カルデラ(ビラデカンス1976)の「5 minutos más / 5 more minutes」(ハビエル・カマラ主演)、ロベルト・ブエソ(バレンシア1986)の3作め「El mal padre」(エドゥアルド・フェルナンデス主演)、ミケル・グレア(サンセバスティアン1985)の「Sants / Saints」(ビクトリア・ルエンゴ主演)の長編3作がノミネートされました。順次紹介記事をアップしていきます。
1)「5 minutos más / 5 more minutes」
データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、ドラマ、87分
監督:ハビエル・ルイス・カルデラ(バルセロナ県ビラデカンス1976)
キャスト:ハビエル・カマラ、ベルト・ロメロ、ベレン・クエスタ、カルロス・ベルナルディノ、マルク・ソレル、クラウディア・メロ
ストーリー:危機にある夫婦が、人里離れた田舎で週末を過ごすことにする。到着すると仲介業者が家を案内し鍵を手渡すと、奇妙なことに時間が5分巻き戻り・・・

2)「El mal padre」
データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、コメディドラマ、120分
監督:ロベルト・カルロス・サンチェス・ブエソ(バレンシア1986)
キャスト:エドゥアルド・フェルナンデス(サンティアゴ・バルメス)、アダム・Jezierski、フランセスコ・カリル、メリチェル・カルボ、クリスティナ・プラサス
ストーリー:子供たちと長年疎遠だった著名な作家で学者のサンティアゴ・バルメスは、最後に三人の子供たちを呼び戻します。かつて子供たちと夏の休暇をとった別荘でクリスマスを過ごそうとします。

3)「Sants / Saints」
データ:製作国スペイン=イタリア、2026年、ドラマ、103分
監督:ミケル・グレア(サンセバスティアン1985)
キャスト:ビクトリア・ルエンゴ(ラリ)、アリアドナ・ヒル、エウラリア・ラモン、コジモ・フスコ
ストーリー:さし迫る母親の死を逃れるように、ラリは宗教的な遺物を盗む或る窃盗団に加わります。


★オリソンテス・ラティノス(ラテンアメリカ諸国の作品)には、カンヌ映画祭から2作、ベルリン映画祭から3作と、既にワールドプレミアされた5作品が選ばれています。メキシコのフェルナンド・エインビッケの「Moscas / Flies」、ディエゴ・ルナの6作め「Ceniza en la boca / Ashes」、チリのマヌエラ・マルテッリの「El deshielo / The Meltdown」(カンヌ「ある視点」)など当ブログで一番関係ある部門です。
1)「Ceniza en la boca / Ashes」
データ:製作国メキシコ=スペイン、2026年、ドラマ、
監督:ディエゴ・ルナ(メキシコシティ1979)
キャスト:アンナ・ディアス、アドリアナ・パス、ルイサ・ウエルタス、ギジェルモ・リオス、セルヒオ・バウティスタ、ベニー・エマニュエル、テレサ・ロサノ、アドリアナ・ハコメ(ジャコメ)
ストーリー:より良い生活を求めて、ルシラは兄ディエゴとともにメキシコを離れ、8年間不法滞在している母親の住むマドリードを目指します。遂に到着するが、母親にに支えられながらも、想像以上に厳しい現実が待ち受けていた。

2)「Chicas tristes / Sad Girlz」
データ:WIP Latam 2025、Proyecta 2022
製作国メキシコ=スペイン=フランス、2026年、ドラマ、90分
監督:フェルナンダ・トバル(メキシコシティ1991、メキシコ系スペイン人)、デビュー作
キャスト:ロシオ・グスマン(ラ・マエストラ)、ダラナ・アルバレス(パウラ)
ストーリー:16歳のラ・マエストラとパウラは、メキシコ・チームのなかで最高の泳ぎ手であり親友でもあった。しかしあるパーティでの出来事がすべてを変えてしまった。激しい気性のラ・マエストラは、親友の変化に気づき悲しんでいる。真実が明らかになると、二人は不可能な決断を迫られる。パウラは沈黙を守りたい、ラ・マエストラは正義を求めたい。かつての友情は試練にさらされる。

3)「El deshielo / The Meltdown」
データ:Proyecta 2022、製作国チリ=USA=スペイン=メキシコ、2026年、スリラー、110分
監督:マヌエラ・マルテッリ(サンティアゴ・デ・チリ1983)
キャスト:マヤ・オロウルケ、サスキア・ローゼンダール、マイア・ラエ・ドマガラ、ヤクブ・ギエルザル、パウリナ・ウルティア
ストーリー:チリ、1992年。祖父母の山のホテルに滞在しているあいだ、イネスはドイツ人スキーヤーのハンナと友達になります。ハンナが跡形もなく姿を消したことで、彼女の隠された真実が明らかになっていく。

4)「Moscas / Flies」
データ:WIP Latam 2025、製作国メキシコ=スペイン、2026年、ドラマ、99分
監督:フェルナンド・エインビッケ(メキシコシティ1970)
キャスト:テレシタ・サンチェス(オルガ)、バスティアン・エスコバル
ストーリー:オルガは大きな喪失以来、自分の世界に閉じこもっている。しかし足の親指の手術代を払うお金がなく、オルガが住んでいる大型アパートの部屋を妻が近くの医療センターに入院したという男トゥリオに部屋を貸すことにする。彼が数日間留守にすることになったとき、秘かに9歳になる息子クリスチャンを住まわせていたことが分かる。オルガと少年が交わることになり、オルガの人生が変化していく。

5)「Narciso」
データ:ヨーロッパ・ラテンアメリカ共同製作フォーラム2020
パラグアイ=西=ウルグアイ=ブラジル=ポルトガル=独=仏、2026、ドラマ、101分
監督:マルセロ・マルティネッシ(パラグアイのアスンシオン1973)
キャスト:ディロ・ロメロ(ナルシソ)、モナ・マルティネス(ネヌチャ)、ナウエル・ペレス・ビスカヤルト(ミスター・ウエッソン)
ストーリー:パラグアイ、1959年。息苦しい軍事政権のもと、ナルシソはブエノスアイレスからロックンロールの熱を帯びて帰国する。神秘的でカリスマ性のある彼は、男女双方の欲望の対象になる。やがてラジオのスターとなり、自由のシンボルとなる。しかし最後のショーの後、遺体となって発見される。沈黙が支配し恐怖が真実を覆い隠す国で、誰がナルシソを殺害したのか。


(左から、フェルナンド・エインビッケ、ディエゴ・ルナ、マヌエラ・マルテッリ、
マルセロ・マルティネッシ、フェルナンダ・トバル、各監督)
★監督を含めてスタッフ、キャストなど、賞に絡みそうな作品を紹介していく予定です。次回はサバルテギ-タバカレア部門を予定しています。
フェルナンド・メンデス=レイテがスペイン映画アカデミー会長に再選 ― 2026年07月02日 18:49
スペイン映画アカデミー会長に現職フェルナンド・メンデス=レイテが再選

(新執行部、トゥセル・サンチェス、メンデス=レイテ、アンヘラ・セルバンテス)
★6月20日、スペイン映画アカデミー会長改選があり、第18代会長に現職のフェルナンド・メンデス=レイテが再選されました。2人の副会長に製作者のフェリックス・トゥセル・サンチェスと、女優のアンヘラ・セルバンテスが選出されました。2022年の時点で最高齢78歳の会長でしたから、今回自身で記録を塗り替えたことになります。高齢でなくても任期4年はなかなか大変です。労多くして功少なしでなり手がなく苦労した時代もありましたが、前任者のマリアノ・バロッソが大胆な立て直しをして風通しがよくなり、それを映画愛では人後に落ちない老練のメンデス=レイテが引き継ぎました。それには16代、17代の副会長を2期務めた製作者ラファエル・ポルテラの功績あってのことでしょう。会員数は約3000人と急激に増加しており舵取りの困難さが予想されています。副会長職に若い2人が選ばれた新執行部が信頼と期待に応えられるか、既にゴヤ賞2027の準備が始まっています。

(2006年に監督した、スペインを代表する製作者エリアス・ケレヘタについての
ドキュメンタリー「El productor」から)
★フェルナンド・メンデス=レイテ(マドリード1944、監督、脚本家)のキャリア&フィルモグラフィー紹介は、前回2022年の改選記事でアップしています。第37回ゴヤ賞2023(セビーリャ開催)から授賞式を指揮していますが、この年のゴヤ栄誉賞の受賞者は、急逝したばかりのカルロス・サウラ、登壇したのは夫人のエウラリア・ラモンと家族、プレゼンターは、久しくガラから遠ざかっていたカルメン・マウラを引っ張り出し、会場を感動の渦に巻き込みました。第38回は103歳でも現役のフィルム修復家のフアン・マリネ・ブルゲラ、第39回は最年少の30歳で会長職(1998~2000)に就任した女優のアイタナ・サンチェス=ヒホン、プレゼンターはレオノール・ワトリングとガラのホストを務めたマリベル・ベルドゥ、そして今年の第40回は、製作者、脚本家でもあるゴンサロ・スアレス監督、プレゼンターにポルトガルの女優マリア・デ・メデイロスを招くなどの采配を揮った。

(ゴヤ賞2025年ガラの立役者に囲まれたフェルナンド・メンデス=レイテ、
レオノール・ワトリング、アイタナ・サンチェス=ヒホン、マリベル・ベルドゥ)
★また前触れもなく旅立った〈スペイン映画界のレジェンダ〉マリサ・パレデス追悼(39回)、第36回から新設された国際ゴヤ賞に、ジュリエット・ビノシュ、シガニー・ウィーバー、リチャード・ギア、スーザン・サランドンを選んでいる。彼が手がけたTVシリーズ「La Regenta」(95、3話)で主役の裁判官夫人を演じたアイタナ・サンチェス=ヒホンは、当時を思い出して、彼は「いかなる時も、どんな問題に直面しても、冷静さを失わない」と語っている。また第36回の栄誉賞受賞者ホセ・サクリスタンは「フェルナンドと友達になりたくない人なんていない」、「メンデス⋍レイテの悪口を言う人は愚か者」とも。
*フェルナンド・メンデス=レイテのキャリア紹介と前回2022年選挙についての記事は、
★副会長フェリックス・トゥセル・サンチェスは、1990年マドリード生れ、製作者。マドリードのカルロス3世大学でオーディオビジュアル情報学を専攻、同大学で映画産業管理の修士号取得、2011年からスペイン最古の制作会社「Estela Films エステラ・フィルム」(祖父ジョルディ・トゥセル・コルが1948年創業)の代表者。2017年からスペイン映画アカデミーの会員。カルロス3世大学の映画産業管理マスターコースで教鞭をとっている。またバルセロナのカタルーニャ映画視聴覚上級学校 ESCAC で映画製作における企画、資金調達、マーケティングなど一連の映画ビジネスについて後進の指導にあたっている。
★代表作はゴヤ賞2022短編映画賞を受賞した「Tótem Loba」(故ベロニカ・エチェギの監督デビュー作)、ゴヤ賞2025短編映画賞にノミネートされた「El Trono」(ルシア・ヒメネス)はマラガ映画祭2024短編映画賞受賞作品です。他に「Los del Túnel」(16、ぺポン・モンテロ)、「Tiempo después」(18、ホセ・ルイス・クエルダ)、「Video blues」(19、エンマ・トゥセル)、TVシリーズでは、「Dos años y un día」(22、エルネスト・セビージャ、ラウル・ナバロ)、「Rafaela y su loco mundo」(25~26、8話、エルネスト・セビージャ、アニバル・ゴメス)などがある。

(フェリックス・トゥセル・サンチェス)
★副会長アンヘラ・セルバンテスは、1993年バルセロナ生れ、女優。ゴヤ賞2026で「Sorda」で助演男優賞を受賞したアルバロ・セルバンテスは実兄、アンヘラもジェマ・ブラスコの「La furia」で主演女優賞にノミネートされたが叶わなかった。本作でマラガ映画祭2025銀のビスナガとガウディ賞を受賞した。長編デビューは遅く、2021年のカロル・ロドリゲス・コラスの「Chavalas / Girlfrends」ですから新人枠かもしれません。前任者スシ・サンチェスの芸歴およそ半世紀とは比較になりません。しかし確かな演技力、バランスの取れたブレない判断力に、メンデス=レイテ会長が白羽の矢を立てたのでしょう(選挙は原則3人一組で立候補する)。詳しいキャリア&フィルモグラフィーは既にアップしています。
*キャリア&フィルモグラフィー紹介記事は、コチラ⇒2026年02月25日

(銀のビスナガ受賞のアンヘラ・セルバンテス)

(「La furia」主演でゴヤ賞2026にノミネート)
リカルド・ダリンのキャリア & フィルモグラフィー*サンセバチャンFF26 ② ― 2026年06月27日 15:00
公式ポスターの顔リカルド・ダリンのキャリア&フィルモグラフィー

★第66回サンセバスチャン映画祭2018年のイザベル・ユペールから始まった公式ポスターの顔に今年はアルゼンチンの俳優でプロデューサー、監督のリカルド・ダリンが選ばれました。出演した作品紹介の折にキャリア&フィルモグラフィーを断片的にアップしてきましたが、今回纏めてみました。出演映画は既に3桁、40を超える受賞歴、5歳でTVシリーズにデビューして以来、はや半世紀になります。大衆向けと作家性の強い映画をバランスよく交互に演じてきました。飽きのこない俳優として、国内外の多くの監督に愛され、例えばアドルフォ・アリスタライン、フアン・ホセ・カンパネラ、ファビアン・ビエリンスキー、フェルナンド・トゥルエバ、パブロ・トラペロ、セスク・ゲイ、サンティアゴ・ミトレ、エトセトラ。悪い噂が皆無というわけではありませんが、ラテンアメリカを代表する演技派の一人であることは万人が認めるところでしょう。

(ドノスティア栄誉賞を受賞、65SSIFF2017、ガラにて)
★経歴:1957年ブエノスアイレス生れの69歳、俳優、製作者、監督。両親とも俳優でアルゼンチンのショービジネス界と深い繋がりのある家庭で育った。テレビシリーズ出演は5歳、演劇デビューは両親との共演で10歳、以来テレビや映画での成功にもかかわらず演劇から離れることはない。1990年には舞台演出家としてデビューしています。舞台出演で演技を磨いたダリンの映画デビューは、1972年、カトラノ・カトラニの「He nacido en la ribera」、生れながらのサッカー選手ミゲル・ノタリの少年時代を演じてスタートさせた。フリオ・ポーターの「La carpa del amor」(79)で主演、フェルナンド・シロの「La canción de Buenos Aires」(80)のミュージカル・コメディ、今年4月鬼籍入りしたアドルフォ・アリスタライン初期のロマンチックコメディなど若者向け映画に出演した。1984年、ダビ・リプシックのドラマ「La Rosales」で、エクトル・アルテリオやオスカル・マルティネス、ウリセス・デュモンなどの演技派俳優と共演した。
★演技が注目され始めたのは90年代からで、アルベルト・レッキのデビュー作、スリラー「Perdido por perdido」(93)で心ならずも悪に手を染めてしまう工場経営者を演じた。エドゥアルド・ミニョニャのスペインとの合作「El faro」に出演、本作はゴヤ賞スペイン語外国映画賞1999にノミネートされた作品、更にアルゼンチンの国家破産を目前にしていた時代に撮られた、フアン・ホセ・カンパネラのラブストーリー「El mismo amor, la misima lluvia」で、共演者のソレダード・ビジャミルとアルゼンチン映画批評家協会賞2000銀のコンドルを初めて受賞した(合計7回受賞している)。これは2000年代から始まる国際的な評価を獲得するうえで重要な作品となった。

(フアン・ホセ・カンパネラの「El mismo amor, la misima lluvia」のポスター)
★2000年、ファビアン・ビエリンスキーの「Nueve reinas」にガストン・パウルスと共演、アルゼンチンの金融危機のさなかに詐欺師となった男を好演して不動の地位を確保した。2001年、エドゥアルド・ミニョニャの犯罪スリラーでミゲル・アンヘル・ソラ、ノルマ・アレアンドロなどベテランと共演、本作はゴヤ賞2002のスペイン語外国映画賞を受賞した作品。再びカンパネラのコメディ「El hijo de la novia」にアルテリオやアレアンドロ、ナタリア・ベルベケなどと共演、銀のコンドル他受賞、アカデミー賞2002外国語映画賞ノミネート作品です。
★マルセロ・ピニェイロの「Kamchatka」では、1976年に起きた軍事独裁クーデタから逃亡者となった人権派弁護士を演じた。タイトルの〈カムチャツカ〉は理想郷の代名詞になっている。アカデミー賞のアルゼンチン代表作品でしたがノミネートされなかった。メルセデス・モランやエドゥアルド・ブランコと共演したカンパネラの「Luna de Avellaneda」(04)、ファビアン・ビエリンスキーの「El aura」で剝製師に扮して、ドロレス・フォンシと共演、銀のコンドル、クラリン・エンターテイメント賞、本作もアカデミー賞アルゼンチン代表作品に選ばれている。
★2007年、ルシア・プエンソの「XXY」がカンヌ映画祭併催の「批評家週間」でグランプリを受賞したことで国際映画祭巡りをした。日本でも『XXY』の邦題でラテンビートLBFF07で上映された。10代のインターセックスの娘の父親を演じた。人生の選択権は誰にあるかというのがテーマ、主役を演じたイネス・エフロンが銀のコンドルを受賞、プエンソ監督は国際映画祭の作品賞を数多受賞した。BSスカパーで『XXY~性の意思』として放映された。同年エドゥアルド・ミニョニャが未完のまま遺した「La señal」に主演、マルティン・ホダラと共同で監督デビューを果たした。ディエゴ・ペレッティに銀のコンドル助演男優賞をもたらした。
★2009年、カンパネラのサスペンス・ミステリー「Secreto de sus ojos」が大ヒット、アカデミー外国語映画賞を筆頭に受賞歴は列挙しきれない。銀のコンドルは主なスタッフ、キャストのほぼ全員が受賞するなどした。ダリンに限ると男優賞として、銀のコンドル、ハバナ映画祭、クラリン賞、SESC映画祭(ブラジル)ほか、ノミネートはゴヤ賞2010主演男優賞ほか多数でした。東京で2009年12月に開催された「スペイン映画祭」で『瞳の奥の秘密』の邦題で上映され、翌年夏公開された。同じ映画祭で上映されたフェルナンド・トゥルエバの「El baile de la victoria」(『泥棒と踊り子』)では金庫破りの名人に扮し、こちらはゴヤ賞助演男優賞にノミネートされ、主演・助演のカテゴリーに同時にノミネートされた初の外国人俳優となりました。

(アカデミー外国語映画賞受賞の『瞳の奥の秘密』のポスター)
★2010年代になると、ラテンビート映画祭(LBFF)に代表されるスペイン語ポルトガル語に特化したミニ映画祭での上映が増えるにつれ、公開、ネット配信、DVDなどで良作が字幕入りで鑑賞できるようになった。例えば、パブロ・トラペロの「Carancho」(『カランチョ』LBFF2010)の交通事故専門の弁護士役、「Elefante blanco」(『ホワイト・エレファント』LBFF2012)のスラム地区に派遣された司祭役など、ワールドプレミアされた年に鑑賞できた。ダリンが初めてサンセバスチャン映画祭に参加したのは、ファビアン・ビエリンスキーの「El aura / The Aura」がセクション・オフィシアルにノミネートされた2005年でした。それから9回も訪れています。その代表が2017年に受賞したドノスティア栄誉賞と、2015年にセスク・ゲイの「Truman」での銀貝男優賞受賞でした。

(銀貝男優賞を受賞、SSIFF2015ガラにて)
★2015年のセスク・ゲイ「Truman」(『しあわせな人生の選択』)の製作は、アルゼンチンと合作したスペイン映画、SSIFF2015の銀貝男優賞を共演のハビエル・カマラと受賞、翌年のゴヤ賞では主演男優賞を受賞した。相思相愛の妻フロレンシア・バスとガラに出席していた。勿論助演男優賞はカマラ、意気投合していた犬のトルーマンは撮影後亡くなり、ダリンは1週間以上も涙にくれたのでした。アルゼンチン以外の映画出演には、カンヌ映画祭の常連であるイランのアスガー・ファルハディの「Todos lo saben」(『誰もがそれを知っている』西仏伊合作)がある。ペネロペ・クルスの夫役、経営していた会社が倒産して失業中、ずっと仏頂面で不機嫌でした(笑)。

(ゴヤ賞2016主演男優賞のトロフィーを手にしたリカルド・ダリン)
★サンティアゴ・ミトレとは、「La cordillera」(『サミット』)のアルゼンチン大統領役、軍事クーデタの歴史に基づいた法廷ドラマ「Argentina, 1985」(『アルゼンチン1985』)の主任検事役でタッグを組んだ。本祭ではペルラス部門の観客賞を受賞、アルゼンチンに初めてゴールデングローブ賞のトロフィーをもたらして大ヒットした。現在アルゼンチンは、他のラテンアメリカ諸国同様、国家が文化芸術に敬意をはらわない国になっており、映画界も苦戦している。国際映画祭でのノミネートが先細りしており、カンヌ映画祭など、ここ数年ノミネートなしが続いている。

(ミトレの軍事政権裁判劇『アルゼンチン1985』、共演のピーター・ランサニと)
★主なフィルモグラフィー(ゴチック体は当ブログで紹介した作品)
1972「He nacido en la ribera」ミュージカル・コメディ、監督カトラノ・カトラニ
1977「Asi es la vida」コメディ、同エンリケ・カレラス
1979「La carpa del amor」ミュージカル・コメディ、同フリオ・ポーター、主演
1980「La playa del amor」ロマンチックコメディ、同アドルフォ・アリスタライン
1980「La canción de Buenos Aires」ミュージカル・コメディ、同フェルナンド・シロ
1980「La dicoteca del amor」ロマンチックコメディ、同アドルフォ・アリスタライン
1984「La Rosales」ドラマ、同ダビ・リプシック
1987「Revancha de un amigo」スリラー、同アルベルト・レッキ
1987「The Stranger / Traición y venganza」(米、英語)スリラー、ミステリー
同アドルフォ・アリスタライン
1993「Perdido por perdido」スリラー、同アルベルト・レッキ、
SSIFFニューディレクター部門、ダリンは不参加
1998「El faro」(西合作)ドラマ、同エドゥアルド・ミニョニャ
1999「El mismo amor, la misima lluvia」ドラマ、同フアン・ホセ・カンパネラ
アルゼンチン映画批評家協会賞2000銀のコンドル初受賞
2000「Nueve reinas / Nine Queens」『華麗なる詐欺師たち』犯罪スリラー、
監督ファビアン・ビエリンスキー、銀のコンドル、クラリン・エンターテイメント賞、
サン・ジョルディ賞(外国人俳優部門)、ビアリッツ・ラテンアメリカ・シネマ男優賞
2001「La fuga」犯罪スリラー、同エドゥアルド・ミニョニャ、SSIFFコンペティション部門
2001「El hijo de la novia」(西合作)コメディ、同フアン・ホセ・カンパネラ、
銀のコンドル、サン・ジョルディ(外国人俳優部門)、クラリン・エンターテイメント賞
2002「Kamchatka」ドラマ、同マルセロ・ピニェイロ
2004「Luna de Avellaneda」(西合作)コメディ・ドラマ、同フアン・ホセ・カンパネラ
2005◎「El aura / The Aura」(西仏合作)犯罪スリラー、同ファビアン・ビエリンスキー
銀のコンドル、クラリン賞受賞
2006「La educación de las hadas」(仏・ポルトガル・西合作)ドラマ、
同ホセ・ルイス・クエルダ
2007「XXY」『XXY~性の意思』心理ドラマ、同ルシア・プエンソ
2007「La señal」犯罪ドラマ、共同監督リカルド・ダリン&マルティン・ホダラ、主演
2009◎「Secreto de sus ojos / The Secret in Their Eyes」『瞳の奥の秘密』ドラマ
(西合作)、同フアン・ホセ・カンパネラ
*作品紹介は、コチラ⇒2014年08月09日
2009「El baile de la victoria / The Dance and the Thief」『泥棒と踊り子』
(スペイン映画)、同フェルナンド・トゥルエバ
2010「Carancho」『カランチョ/ハゲ鷹と女医』犯罪スリラー、監督パブロ・トラペロ
SSIFFペルラク部門、LBFF2010上映
2011「Un cuento chino」コメディ、同セバスティアン・ボレンステイン、
*簡単な作品紹介は、コチラ⇒2020年01月18日
2012◎「Elefante blanco」『ホワイト・エレファント』社会派ドラマ、同パブロ・トラペロ
LBFF2012オープニング作品、スラム地区に赴任する司祭役
2012「Una pistola en cada mano」コメディ、同セスク・ゲイ
*簡単な作品紹介は、コチラ⇒2017年08月04日
2013「Tesis sobre un homicidio」『ある殺人に関するテーゼ』(西合作)サスペンス、
元弁護士の教師役、同エルナン・ゴルドフリード、WOWOW2013放映、2014年DVD発売
2013「Séptimo」『ロスト・フロア』(西合作)サスペンス、同パチ・アメスクア、Netflix、
公開
2014◎「Relatos salvajes」『人生スイッチ』ブラック・コメディ(第4話「発破屋」主演)
同ダミアン・シフロン、公開
*主な作品紹介は、コチラ⇒2015年07月29日
2015◎「Truman」『しあわせな人生の選択』(スペイン=アルゼンチン)ドラマ、
同セスク・ゲイ、SSIFF2015銀貝男優賞、ゴヤ賞主演男優賞受賞、他受賞歴多数、公開
*作品紹介は、コチラ⇒2016年01月09日/2017年08月04日
2016「Capitán Kóblic」『コブリック大佐の決断』犯罪スリラー、
同セバスティアン・ボレンステイン
*作品紹介は、コチラ⇒2016年04月30日
2017「Nieve negra」『黒い雪』(西合作)犯罪ミスリラー、同マルティン・オダラ、Netflix
2017◎「La cordillera」『サミット』スリラー、同サンティアゴ・ミトレ
*作品紹介は、コチラ⇒2017年05月18日/同年10月25日
2018「Todos lo saben」『誰もがそれを知っている』(西仏伊合作)スリラー・ドラマ、
同アスガー・ファルハディ、カンヌ映画祭2018オープニング作品
*作品紹介は、コチラ⇒2018年05月08日/2019年06月23日
2018◎「El amor menos pensado」ロマンティック・コメディ、同フアン・ベラ、出演・製作
SSIFFオープニング作品
*作品紹介は、コチラ⇒2018年08月14日
2019◎「La odisea de los giles」『明日に向かって笑え!』アドベンチャー・コメディ、
同セバスティアン・ボレンステイン、出演・製作
*主な作品紹介は、コチラ⇒2020年01月18日
2022◎「Argentina, 1985」『アルゼンチン1985』法廷ドラマ、同サンティアゴ・ミトレ、
主演・製作、アルゼンチン初のゴールデングローブ賞受賞作品、プライムビデオ
*主な作品紹介は、コチラ⇒2022年11月23日
2024「Descansar en paz」『安らかに眠れ』同セバスティアン・ボレンステイン、製作のみ、
Netflix
*作品紹介は、コチラ⇒2024年04月16日/同年04月30日
2025「El Eternauta」『エテルナウタ』(7話、TVシリーズ、SF)
クリエーター、ブルーノ・スタグナロ
イベロアメリカ・プラチナ賞2026男優賞(TVシリーズ部門)、Netflix
★主なフィルモグラフィーは以上です。ラテンアメリカの俳優としては知名度もずば抜けています。受賞歴は作品紹介にアップしています。なお◎印はサンセバスチャン映画祭に参加した年です。2019年には初めて共演した息子チノ・ダリンと現地入りしました。最近では若い人から「リカルド・ダリンってチノ・ダリンのパパなんだってよ」といわれる由、いえいえ、それはまだ早い、「チノがリカルド・ダリンの息子」です。

(現地入りしたダリン親子、SSIFF2019,フォトコール)
公式ポスターの顔にリカルド・ダリン*サンセバスチャンFF26 ① ― 2026年06月20日 17:19
第74回サンセバスチャン映画祭公式ポスターの顔にリカルド・ダリン

(リカルド・ダリンをコラージュしたコンペティション部門の公式ポスター)
★6月3日、カンヌが終わるとサンセバスチャン映画祭のニュースが入ってきます。今年が最後となる映画祭メインディレクターのホセ・ルイス・レボルディノスと、その後任者であるマイアレン・ベロキ副ディレクター立会のもと、第74回サンセバスチャン映画祭SSIFF 2026(9月18日~26日)の公式ポスターの発表がタバカレラ国際現代文化センターでありました。今年は半世紀にわたりアルゼンチンといわずラテンアメリカを代表する俳優、プロデューサー、監督のリカルド・ダリン(ブエノスアイレス1957)が映画祭の公式ポスターの顔に選ばれました。既に2017年にラテンアメリカ初のドノスティア栄誉賞を受賞しています。出演本数は3桁、40以上の受賞歴、しばしばサンセバスティアンを訪れています。いずれ纏まったキャリア&フィルモグラフィをアップいたします。断片的ですが以下にフィルモグラフィを紹介しています。
*ドノスティア栄誉賞の受賞記事は、コチラ⇒2017年09月30日
*『サミット』作品紹介は、コチラ⇒2017年10月25日

(発表するホセ・ルイス・レボルディノス、マイアレン・ベロキ)
★公式ポスターは、例年同様、サンセバスティアンに本拠をおくワリハイ・スタジオが全てをデザインしました。ダリンの写真はアルゼンチンの写真家でミュージシャンのセバスティアン・アルペセラが、2024年に撮影したフォトをもとにコラージュしたものです。セクション・オフィシアル以外の8部門の公式ポスターも同時に発表になりました。昨年の版ではジャンルに焦点が当てられましたが、今回は職業をテーマにしています。コンペティション部門は「演技」、以下ニューディレクターズ部門「脚本」、オリソンテス・ラティノス部門「録音・音響」、サバルテギ-タバカレア部門「監督」、ネスト部門「美術」、料理シネマ部門「メイクアップ」、ペルラク部門「フィルム編集」、シネミラ部門「特殊効果」、メイド・イン・スペイン部門「製作」に関連しています。

(上段左から、ニューディレクターズ、オリソンテス・ラティノス、
サバルテギ-タバカレア、ネスト)
(下段左から、料理シネマ、ペルラク、シネミラ、メイド・イン・スペイン)
★第66回 SSIFF 2018にフランスの女優イザベル・ユペール(2003年ドノスティア栄誉賞受賞者)から始まったイベントの顔は、リカルド・ダリンで9人目になります。67回からはドノスティア栄誉賞の受賞者から選ばれています。ペネロペ・クルス(2019)、ウィレム・デフォー(2020)、シガニー・ウィバー(2021)、ジュリエット・ビノシュ(2022)、ハビエル・バルデム(2023)、ケイト・ブランシェット(2024)、昨年はドノスティア栄誉賞の受賞者ではなく、前年師走に急逝したマリサ・パレデスにオマージュが捧げられました。驚いたのは、なんとパレデスが栄誉賞を受賞していなかったことでした。
*イザベル・ユペールの記事は、コチラ⇒2018年09月03日

(マリサ・パレデスを追悼した2025年公式ポスター)

(作品紹介を予定しているオリソンテス・ラティノスのポスター)

(メイド・イン・スペイン部門のポスター)
映画国民賞2026受賞者にカルメン・マチ*スペイン映画賞 ― 2026年06月17日 17:21
マラガ-スール賞2025に続いて映画国民賞を受賞するカルメン・マチ

(映画国民賞2026の受賞者カルメン・マチ)
★映画国民賞2026受賞者にカルメン・マチ(マドリード1963)のアナウンスがありました。毎年6月に入るとスペイン文化スポーツ教育省が授与する国民賞の発表があります。文学、スポーツ、科学、映画など各分野ごとに選ばれます。映画関係の選考母体は文化省とスペイン映画アカデミーで、授与式は秋に開催されるサンセバスチャン映画祭の会期中と決まっています。副賞は3万ユーロと多額ではありませんが、とても名誉な賞です。因みに昨年はエドゥアルド・フェルナンデスでした。受賞理由は、「スペイン映画史におけるコメディといわず全てのジャンルをカバーできる最も重要な俳優の一人。数多の製作者の企画をよく理解して、かつ大衆化が損なわれないように努めて、多くの観客を惹きつける術を知っている」でした。審査員全員の満場一致、反対する理由なんてないでしょう。

(第29回ゴヤ賞2015助演女優賞のトロフィーを手にしたカルメン)
★受賞の知らせを受けて、「びっくりしています。受賞の知らせに感動して、感謝の言葉もありません」と。テレビのコメディではアドリブもあるのではないかと思っていましたが意外や、「台本が優れていれば、それを演じればいい。セリフを捉えて、コンマ一つ変えません。シェイクスピア劇を演じるのと同じことで、脚本家に最大級の敬意をはらっています」ということでした。舞台一筋だったせいか、長編映画出演はペドロ・アルモドバルの『トーク・トゥ・ハー』の看護婦役でした。彼の映画には『抱擁のかけら』、『私が、生きる肌』、『アイム・ソー・エキサイテッド!』、最新作「Amarga Navidad」など。キャリア&フィルモグラフィーは、マラガ-スール賞を受賞した折にアップしましたが、マラガFF以降のフィルモグラフィーを追加して以下に再録しておきます。
*マラガ-スール賞、キャリア&フィルモグラフィの記事は、コチラ⇒2025年4月06日
◎主なフィルモグラフィー◎
1999「Lisa」短編、カルロス・プジェ
2002「Hable con ella」『トーク・トゥ・ハー』ペドロ・アルモドバル、看護婦役
2003「Descongélate!」『チル・アウト』ドゥニア・アヤソ&フェリックス・サブロソ
「Torremolinos 73」『トレモリーノス73』パブロ・ベルヘル、美容院の客
2004「Escuela de seducción」ハビエル・バラゲル、ウエートレス役
2005「Vida y color」『色彩の中の人生』サンティアゴ・タベルネロ
2006「Lo que sé de Lola」ハビエル・レボーリョ
2009「Las abrazos roto」『抱擁のかけら』ペドロ・アルモドバル
「La mujer sin piano」ハビエル・レボーリョ、主役ロサ、
カセレス・スペインFF女優賞受賞
2010「Pájaros de papel」『ペーパーバード 幸せは翼にのって』エミリオ・アラゴン、
ラテンビート2010女優賞受賞
「Que se mueran los feos」ナチョ・G・ベリリャ、主役ナティ
2011「La piel que habito」『私が、生きる肌』ペドロ・アルモドバル、結婚式招待客
2013「Los amantes pasajeros」『アイム・ソー・エキサイテッド!』ペドロ・アルモドバル
2014「Ocho apellidos vascos」エミリオ・マルティネス=ラサロ、メルチェ役、
ゴヤ賞2015助演女優賞受賞
2015「Perdiendo el norte」『夢と希望のベルリン生活』ナチョ・G・ベリリャ、
ベニ・マリン役
「Mi gran noche」『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』アレックス・デ・ラ・イグレシア
2015「Ocho apellidos catalanes」『オチョ・アペリードス・カタラネス』
E・マルティネス=ラサロ、メルチェ / カルメ役
2016「Las furias」ミゲル・デル・アルコ、カサンドラ役
「La puerta abierta」マリナ・セレセスキー、娼婦ロサ、スペイン俳優組合賞受賞
2017「El bar」『クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的』サスペンス、
アレックス・デ・ラ・イグレシア
「Pieles」『スキン~あなたに触らせて』エドゥアルド・カサノバ
2018「Thi Mai, rumbo a Vietnam」『ティ・マイ 希望のベトナム』パトリシア・フェレイラ、
主役カルメン・ガラテ
「La tribu」『ダンシング・トライブ』フェルナンド・コロモ、母親ビルヒニア役
モンテカルロ・コメディ映画祭2018主演女優賞受賞
2019「Perdiendo el este」パコ・カバジェロ、ベニ・マリン役
「Lo nunca visto」マリナ・セレセスキー、主役テレサ
2020「Nieva en Benidorm」ネオノワール、イサベル・コイシェ、警官マルタ役
「Un efecto óptico」フアン・カベスタニー
2021「El cover」ミュージカル、セクン・デ・ラ・ロサ、マリエ・フランセ役
2022「Amor de madre」『僕とママの ”じゃない”ハネムーン』パコ・カバジェロ、母親役
「Rainbow」ミュージカル、パコ・レオン
「La voluntaria」政治ドラマ、ネリー・レゲラ
「Cerdita」『PIGGYピギー』コメディ・ホラー、カルロタ・ペレダ、母親役
2024「Tratamos demasiado bien a las mujeres」シリアスコメディ、クララ・ビルバオ、主演
「Verano en diciembre」カロリナ・アフリカ、主演母親役
2025「La viuda negra」犯罪ドラマ、カルロス・セデス、刑事役
「Día de caza」スリラー・ドラマ(サウラの『狩り』の女性版)、ペドロ・アギレラ
2026「Aída y vuelta」パコ・レオン、アイーダ・ガルシア・ガルシア役
「Los justos」コメディ、ホルヘ・ララ&フェルナンド・ぺレス、主役
「Amarga Navidad」悲喜劇、ペドロ・アルモドバル、医師ガルシア訳
「53 domingos」『53回の日曜日』コメディ、セスク・ゲイ、ナタリア役
「El director」ドラマ、ダニ・デ・ラ・オルデン(11月公開予定)

(カルメン・マチとカラ・エレハルデ、「Ocho apellidos vascos」のフレームから)
*原題ゴチック体は当ブログで紹介記事をアップしております。Netflix配信中の『53回の日曜日』は、3人の兄弟姉妹ハビエル・グティエレス、カルメン・マチ、ハビエル・カマラ、そのパートナーであるアレクサンドラ・ヒメネスが進行役のシリアスコメディ。認知症の傾向が見え始めた一人暮らしの老父の面倒は誰がみる? 今年11月公開予定の「El director」では、ダビ・ベルダゲルとアルベルト・サン・フアンと共演、両作とも鉄壁の布陣です。TVシリーズ、舞台出演については前回で紹介しています。

(『53回の日曜日』ポスター)
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