チリ映画「Hangar Rojo」フアン・ペドロ・サジャト*マラガ映画祭2026 ⑨2026年04月28日 16:09

     フアン・パブロ・サジャトのデビュー作「Hangar Rojo――観客賞など4

 

      

 

★今年のマラガ映画祭はイベロアメリカの映画が気を吐いた。チリのフアン・パブロ・サジャトのデビュー作「Hangar Rojo / The Red Hangar」は、1973911日チリの首都サンティアゴで勃発した軍事クーデタの実話に着想を得てモノクロで撮影された政治映画です。ベルリン映画祭2026「視点」部門でワールドプレミアされ、マラガ映画祭で男優賞編集賞エル・パイス観客賞特別批評家審査員賞の「銀のビスナガ」4冠を制しました。スペイン語圏で「もう一つの9.11」と称されるチリの軍事クーデタは、陸軍総司令官ピノチェトがアジェンデ社会主義政権を転覆した事件、その後ピノチェトはチリ大統領として19903月に失脚するまで独裁者として君臨した。パトリシオ・グスマンのドキュメンタリー『光のノスタルジア』を含む「チリ三部作」、パブロ・ララインの『Noノー』を含む「ピノチェト政権三部作」や『伯爵』、ニコラス・アクーニャのTVシリーズ「Los mil dias de Allande」など数々の名作が世に送り出された。では、サジャトの「赤い格納庫」がどんな切り口で語られるのか探ってみたい。

 

    

   (来マラガしたクルー、中央がサジャト監督、マラガFF37日フォトコール)

 

 

 「Hangar Rojo / The Red Hangar

製作:Villano Producciones / Brava Cine / Rain Dogs / Caravan / Berta Film /

      協賛:INCAA / Corfo / Mendoza Film Commission / Programa Ibermedia / 

      Florenz(イタリア) 他

監督:フアン・パブロ・サジャト(サラト)

脚本:ルイス・エミリオ・グスマン

   フェルナンド・ビジャグランの著作 Disparen a la bandada

音楽:アルベルト・ミケッリ、マッテオ・マレッラ

撮影:ディエゴ・ペケーニョ

編集:バレリア・エルナンデス、セバスティアン・ブラム

美術:ニコラス・グラム

衣装デザイン:フリオ・レボッタロ

製作者:フアン・イグナシオ・サバティーニ(Villano)、フアン・パブロ・サジャト(同)、(共同プロデューサー)ライカ・ホスラヴィ、ステファノ・ムトロ、カロリナ・ペッツィーニ、バレンティナ・クアランティーニ、他

 

データ:製作国チリ=アルゼンチン=イタリア、2026年、スペイン語、政治スリラー・ドラマ、モノクロ、81分、撮影は202410月、チリと国境を接するアルゼンチンのメンドーサ市、約3週間。公開チリ202610月予定

映画祭・受賞歴:ベルリン映画祭2026視点部門、マラガ映画祭セクション・オフィシアル、銀のビスナガ主演男優賞(ニコラス・サラテ)、編集賞(バレリア・エルナンデス、セバスティアン・ブラム)、エル・パイス紙観客賞(フアン・パブロ・サジャト)、批評家審査員特別賞(同)を受賞、フリブール映画祭(スイス、3月)、第44回ウルグアイ映画祭俳優賞(ニコラス・サラテ)特別メンション受賞、以下4月から開催されるグアダラハラ、マイアミ、シアトル、ロンドンなどの映画祭上映が予定されている。

 

キャスト:ニコラス・サラテ(ホルヘ・シルバ空軍大尉)、マルシアル・タグレ(ヤーン大佐)、ボリス・ケルシア、カタリナ・ストゥアルド(ロサ)、アロン・エルナンデス(エルナンデス軍曹)、フランシスコ・カラスコ(カラスコ中尉)、フアン・カノ(ムヒカ軍曹)、レンゾ・フィオレッティ(フェルナンド・ビジャグラン)、タイウ・ブラベル・イオソビッチ(フェリペ・アグエロ)、他

  

ストーリー:チリの首都サンティアゴ、1973911日に勃発した軍事クーデタが全国で展開するなか、元空軍諜報機関の長官だったホルヘ・シルバ空軍大尉は、彼の人生を永遠に変える命令を受け取る。それは、現在若い士官候補生を訓練している空軍士官学校を、逮捕者の尋問、並びに拘留と拷問の拠点に変えることでした。シルバは傍観者でいようとするが、かつてのライバルであったヤーン大佐が絶大な権力をもって到着すると、過去だけでなく信念とも深く向きあわざるを得なくなる。格納庫がトラックで運ばれてくる逮捕者でいっぱいになり、軍の権力が日増しに容赦なくなるにつれ、シルバは服従と良心の板挟みになる。不服従は命の危険をともなうかもしれないが、従順もまた命を落とす可能性があるからでした。ピノチェト独裁政権初期の軍の内情を描いた実話に着想を得ている。抑制された語り口とモノクロで撮影された政治的スリラー。

 

     

       (格納庫に集められた逮捕者を見つめるシルバ、フレームから)

 

 

       「シルバという人物の心の葛藤」に寄り添うモノクロ撮影

 

★監督紹介:フアン・パブロ・サジャト Juan Pablo Sallato1978年サンティアゴ生れ、監督、製作者、脚本家、制作会社「Villano Producciones」をフアン・イグナシオ・サバティーニと共同で設立した。2004年、ニコラス・グラムと短編「El duelo」(13分)で監督デビューする。2010年、チリで最も視聴されたというチリ代表サッカー・チームの8年間の敗北と勝利を掘り下げたドキュメンタリー「Ojos Rojos / Red Eye」をフアン・イグナシオ・サバティーニと共同監督、TVミニシリーズには、「Adictos al Claxon」(138話)、「La Cultura del sexo」(156話)、「Libre」(218話)などがある。また製作で自作以外に手掛けた映画にはフアン・イグナシオ・サバティーニの「Matar a Pinochet」(20)、TVシリーズでは、ダニエル・サムディオ事件に触発された「Zamudio」(154話)、謎の失踪事件に基づいた犯罪スリラー「La Caceria: En el fin del mundo」(2425)などが挙げられる。

 

     

         (インタビューを受けるサジャト監督、マラガ映画祭)

 

    

               (メンドーサで本作撮影中のフアン・パブロ・サジャト)

 

  

(ドキュメンタリー「Ojos Rojos」のポスター)

 

★モノクロで撮影した理由を訊かれたサジャト監督は、理由の一つにクーデタに反対したチリ空軍の登場人物たちが持っていた〈灰色〉を私たちは際立たせたかったからで、とくに「明暗とグレーで描く世界は、苦境にあるシルバという人物の心の葛藤をビジュアル化するには完璧でした」と説明している。

 

      

  (製作者サバティーニ、監督、シルバ役のニコラス・サラテ、マラガFFフォトコール)

 

    

ニコラス・サラテが演じた主人公のホルヘ・シルバは実在した人物で当時37歳、独裁政権下で自身も投獄されている。釈放後家族、特に大学教師の妻ロサの身の安全のためイギリスに亡命、ピノチェト亡き後もチリに戻らず、20248月ロンドンで没した。監督によると録画を始める2ヵ月前だったと「エル・パイス」のインタビューに語っている。シルバの役目は、転覆したアジェンデ政権を支持したことで逮捕された人たちの尋問から始まって、処刑場になったチリ・スタジアムに移送するまで監禁することだった。因みにフォルクローレのシンガーソングライターのビクトル・ハラがギターを奏でる両手を打ち砕かれ、顔を切り裂かれて銃殺された場所がこのスタジアムでした。

 

    

  (当時37歳だったホルヘ・シルバ空軍大尉に扮したニコラス・サラテ、フレームから)

 

 

        フェルナンド・ビジャグランの Disparen a la bandada

 

★監督が触発されたというDisparen a la bandada: Cronica secreta de los crímenes en la FACH contra Bachelet y otros(プラネタ社、2002年刊) の著者フェルナンド・ビジャグラン(サンティアゴ1949)は、チリの作家、ジャーナリスト、経済学者、ドキュメンタリー製作者、コラムニスト。チリ大学で経済学、サンティアゴ大学でジャーナリズムを専攻、1983年から1995年まで政治誌「Apsi」の副編集長としてチリの民主化移行期の独立系ジャーナリズムに貢献した。1996年からはテレビの文化番組の司会者として活躍している。チリの政治史をジャーナリズムの厳密な手法で検証し、特に軍事独裁政権の弾圧メカニズム、関連する歴史的人物にフォーカスした書籍を多数出版している。本作の土台となった Disparen a la bandada は、翌年文学部門のアルタソル賞を受賞した。1973年のクーデタに反対したチリ空軍(FACH)の将軍や士官に加えられた弾圧や拷問は数十年にわたって隠蔽されてきた。本書はその記録にビジャグラン自身の個人的な体験も活用して事実を明らかにしている。

 

       

 (フェルナンド・ビジャグラン)

   

        

(アルタソル文学賞受賞の Disparen a la bandada 表紙)

 

★個人的な体験とは、当時20代前半であったビジャグランは、彼の友人フェリペ・アグエロと共に「赤い格納庫」と命名された場所に運ばれてきた逮捕者の一人だった。二人は即決死刑の運命にあったが、FACH 職員が阻止してくれたことを回想している(本作のキャスト欄に二人もクレジットされている)。副題にある Bachelet とは、アルベルト・バチェレ空軍准将(192374、獄死)で、ピノチェトのクーデタに反対したためクーデタ当日に逮捕された。その後釈放と自宅監禁、逮捕が繰り返され、1218日に「反逆罪」で裁かれ、翌1974312日、サンティアゴの刑務所での拷問中に心臓発作で亡くなった。シルバ大尉はバチェレの最期を看取った人物としても知られています。第33代(200610)と第35代(201418)の2期、チリ初の女性大統領を務めたミシェル・バチェレの実父である。

 

★サジャト監督は、本作の準備中にビジャグランとアグエロと昼食を摂りながら、ホルヘ・シルバの行為は「小さなことに思えるけれど、本当に勇気ある行為だ。彼のお蔭で命を繋げることができ、希望を与えてくれた」と、二人を見やりながら語っている。

 

★その他、ビジャグランの代表作として、La muerte de Pinochet: Cronica de un delirio2003、マルセロ・メンドーサとの共著)、Represión en dictadura: El papel de los civiles2005)、他にイグナシオ・アグエロがアルタソル監督賞を受賞した「El diario de Agustín」(08)の脚本と製作を手掛けている。ニクソン、キッシンジャー時代に米CIAから資金提供を受け、ピノチェト政権下で行われた人権侵害を隠蔽しようとしたチリ最大の日刊紙「エル・メルクリオ」の内情を暴露している。 Agustínとは「エル・メルクリオ」の所有者アグスティン・エドワーズである。アーカイブ映像でアグスティン自身の他、アジェンダやピノチェト、リカルド・ラゴス、各大統領も登場するドキュメンタリー。

 

         

              (ドキュメンタリー「El diario de Agustín」のポスター)

 

キャスト紹介ニコラス・サラテ Nicolás Zárate 映画テレビ俳優、ミュージシャン、1997TVシリーズ出演でスタートを切る。2015年のアレハンドロ・トーレスのスリラー「El TilaFragmentos de un Psicópata」で実在したレイプ犯エル・ティラを演じている(カルーチェ賞ノミネート)。シモン・バルガスの「Sobre los muertos」(18)主演、セバスティアン・ムニョスがベネチア映画祭「国際批評家週間」でクィア獅子賞を受賞した話題作「Principe」(19)、ホルヘ・リケルメ・セラーノのサスペンスAlgunas Bestias」(19)では、アルフレッド・カストロやパウリナ・ガルシアと共演している。老いと健康問題と格闘する夫婦を演じたイグナシオ・パベスの「Vieja Viejo」(22)、パオロ・ペスセがモノクロで撮ったデビュー作「La Soledad De Las Plagas」(23)に主演している。

Caleuche カルーチェはマプチェ語(先住民マプチェ族の言語)に由来している。諸説あるが、チリ南部のチロエ神話に出てくる幽霊船・魔法船から採られた演技賞。チリ映画ではよく目にする賞の一つ。

   


      (実在したサイコパス「エル・ティラ」を演じたニコラス・サラテ)

 

  

   (ホルヘ・シルバ空軍大尉を演じて銀のビスナガ主演男優賞を受賞したサラテ)

 

★本作に関連する作品として、フェリペ・カルモナのサスペンス「Penal Cordillera / Prison in the Andes」(23)出演がある。ピノチェト政権下での拷問者5人が、アンデス山脈の麓にある〈高級〉刑務所で服役している。彼らはテレビのインタビュー後に通常の刑務所に移送されることを怖れ、留まるためにあらゆる手段を尽くす。カルモナ監督がケララ映画祭でFIPRESCI賞を受賞した作品。当ブログで紹介したマイテ・アルベルディの『イン・ハー・プレイス』にも出演しているが未紹介、ヤーン大佐役のマルシアル・タグレは判事を演じていた。

     

       

       (44回ウルグアイ映画祭俳優賞特別メンションを受賞したサラテ

   

マルシアル・タグレは、パブロ・ララインの「ピノチェト三部作」から出演しているラライン常連の一人、やはりピノチェトをテーマにした『伯爵』(23)にも出演している他、セバスティアン・レリオの『グロリアの青春』、『ナチュラルウーマン』、東京国際映画祭で上映されたマヌエラ・マルテッリのデビュー作『1976年』、最近ではベレン・フネスの「Los Tortuga」などスペイン映画にも活躍の場を広げている。当ブログで作品紹介をしています。

             

     

    (ニコラス・サラテ、上司ヤーン大佐役のマルシアル・タグレ、フレームから)


イベロアメリカ映画金のビスナガ*マラガ映画祭2026 ⑧2026年04月17日 16:36

       メキシコ映画―ホアキン・デル・パソの「El jardín que soñamos

  

  


★イベロアメリカ映画部門の金のビスナガ作品賞を受賞した「El jardín que soñamos」は、ホアキン・デル・パソ(メキシコシティ1986)の長編3作目、他に銀のビスナガ監督賞銀のビスナガ撮影賞ギョクハン・ティリヤキ)を受賞した。撮影監督のティリヤキは、1972年イスタンブール生れ、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督とタッグを組んで数々の話題作を送り出している。既にベルリン映画祭パノラマ部門でワールドプレミアされており、何らかの賞に絡むことは予想されていた。監督キャリア&フィルモグラフィは、簡単に以下にアップしています。

監督キャリア&フィルモグラフィ紹介は、コチラ20260312

 

      

      (金のビスナガ作品賞受賞のホアキン・デル・パソ、マラガFF2026ガラ)

 

    

     (ホアキン・デル・パソとカルロス・エスキベル、マラガFFフォトコール)

 

 「El jardín que soñamos / The Garden We Dreamed

製作:Amondo Cine / Cárcava Cine / Atomica Films / Espiral Films ほか

監督:ホアキン・デル・パソ

脚本:ホアキン・デル・パソ、ルーシー・パウラック

撮影:ゲクハン・ティリヤキ

音楽:ロヘリオ・ソーサ、カイル・ディクソン、マイケル・スタイン

編集:ラウル・バレラス、ホアキン・デル・パソ、アンドレス・タンボルニーノ

美術:フェデリコ・カントゥ、ニコル・セイグス

衣装デザイン:ガブリエラ・ガルシアンディア

メイクアップ:リッチ・ゲラ、ホルヘ・フエンテス

キャスティング:セルヒオ・ディアス・オチョア

製作者:フェルナンダ・デ・ラ・ペサ、ホアキン・デル・パソ、エドゥアルド・ディアス・カサノバ、フアン・パブロ・レイノソ、イツェル・シエラ、他エグゼクティブ、共同プロデューサー多数

 

データ:製作国メキシコ、2026年、スペイン語、ハイチ・クレオール語、ドラマ、102分、配給ピミエンタ・フィルムズ(メキシコ)

映画祭・受賞歴:ベルリン映画祭2026パノラマ部門観客賞ノミネート、第29回マラガ映画祭2026イベロアメリカ映画部門金のビスナガ作品賞、銀のビスナガ監督賞(ホアキン・デル・パソ)、銀のビスナガ撮影賞(ゲクハン・ティリヤキ)各受賞、フランクフルト映画祭、トゥールーズ・シネラティノ・リコントル・デ・フェスティバル正式出品

 

キャスト:ネヘミエ・バスティアン(エスタル)、フォースタン・ピエール(ジュニオル)、キマエレ・ホリー・プレヴィレ(フロール)、ルス・アイチャ・ピエール・ネルソン(アイチャ)、カルロス・エスキベル(トーニョ)、ほか

 

ストーリー:ハイチからエスタルとジュニオルの夫婦はより良い未来を求めて、二人の娘フロールとアイチャを連れてアメリカ大陸の旅に出ます。メキシコでは自分たちの土地ではない、人里離れた繊細なオヤメルモミの森の中に居を定めます。家族がこの見知らぬ環境で自分たちの居場所を探すなか、ジュニオルは過去の重みと向き合い、エスタルは支えとなり、周りの世界が崩れ始めるなかでも平和と思いやりを育みます。モナーク蝶に囲まれた家族は、違法伐採で消えゆく森の中で、繊細な温もりの空間をつくり、愛がまだ根を張ることのできる儚い希望の庭を築こうとします。                            (文責:管理人)

 



      (カナダ南部から南米大陸北部に分布するモナーク蝶オオカバマダラ)

  


 

 

 

監督紹介ホアキン・デル・パソ Joaquin del Paso1986年メキシコシティ生れ、監督、撮影監督、脚本家、製作者。キューバの国際映画テレビ学校、ポーランド国立映画学校で学んでいる。2008年、短編ドキュメンタリー「Dialogue about an image」(イメージに関する対話、製作国ドイツ、言語スペイン語)で監督デビュー、製作国はポーランドが多く、米国、ドイツ、メキシコ、英国と多国籍、言語もポーランド語、スペイン語、英語、ドイツ語、ジャンルもドラマ、ドキュメンタリー、ファンタジー、SF、アドベンチャーと、受賞歴多数の短編12本の後、新作「El jardín que soñamos」が3作目となる長編を撮っている。

 

   

           (金のビスナガ、銀のビスナガをゲットした)

 

★撮影監督作品としては、製作者キム・ヘンドリクソンのドキュメンタリー「A conversation with Carlos Reygadas」(カルロス・レイガダスとの対話、米国、スペイン語、2019)を共同で撮影している。レイガダスの長編デビュー作『ハポン』についてのアマ・エスカランテとの対話。レイガダスのパートナーであるナタリア・ロペス・ガジゃルドのデビュー作「Manto de gemas」(宝石のマント、22)の製作を共同で手掛けている。以下に代表作、受賞歴のある作品をアップしておきます。

 

 

2008Dialogue about an image」短編

2009Czarna Gora」短編、Camerimage、学生コンペティション部門ノミネート

2009The Absolute Truth of Thomas Schviefel」短編21分、ファンタジー/SF

   ルーシー・パウラックと共同監督、ポーランド=英国、英語

2011Moskwa」短編ドキュメンタリー、アドベンチャー、ポーランド、ポーランド語

2012Dream of San Juan」中編45分、ドキュメンタリー、メキシコ=ポーランド、スペイン語

2013Syjamscy」短編26分、犯罪ドラマ、ポーランド、ポーランド語、

   ポーランドFF2014ヤングシネマ・コンペティション部門特別賞受賞

2016Maquinaria Panamericana」長編デビュー作コメディ、

   グアダラハラFFメスカル賞PIPRESCIデュランゴFF観客賞・特別審査員賞、

   レインダンスFF脚本賞、モンテレイFF長編映画賞、グアナフアトFF映像賞、

   メリダ&ユカタンFFオペラ・プリマ、トリノFFスペシャル・メンション観客賞、

   アリエル賞2017脚本賞、各受賞

2021El hoyo en la cerca」長編2作目スリラー、ベネチアFFオリゾンティ部門プレミア、

   ワルシャワFF、モレリアFFノミネート多数、カイロFF作品賞ゴールデン・ピラミッド賞

2026El jardín que soñamos」割愛

 

撮影監督紹介ギョクハン(ゴハーン)・ティリヤキ Gokhan Tiryaki1972年イスタンブール生れ、国営テレビ局でカメラマンとして、ドキュメンタリーやドラマの制作に携わり、1996年から撮影監督になる。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督とタッグを組んだ『うつろいの季節』(06、トルコ=仏)、『スリー・モンキーズ』(08、トルコ=仏=伊)、『昔々、アナトリアで』(11、トルコ=ボスニア・ヘルツェゴビナ)、『雪の轍』(14、トルコ=仏=独=日本)、『読まれなかった小説』(18、トルコ=仏=独他)などが、公開されている。

 

       

 (ギョクハン・ティリヤキ)

   

★受賞歴は、『スリー・モンキーズ』で国際撮影監督映画祭マナキ・ブラザーズ賞2008、イェシルカム賞2008、『昔々、アナトリアで』ドバイ映画祭2011撮影賞、アジア太平洋スクリーン賞2011、シネフィル協会賞、トルコ映画批評家協会賞2011、『雪の轍』トルコ映画批評家協会賞2014、「I am You」フローレンス映画賞2020、その他インド映画「Once Upon a Time in Calcutta」(仏=ノルウェー合作、ベンガル語)シルクロード映画祭中国2022撮影賞、「El jardín que soñamos」マラガ映画祭2026などがあり、ノミネート多数。

   

    

    (主演のネヘミエ・バスティアンとフォースタン・ピエール、ベルリンFF2026) 


マラガ-スール賞にロッシ・デ・パルマ*マラガ映画祭2026 ⑥2026年04月07日 10:15

     大賞マラガ-スール賞に比類のない才能の持ち主ロッシ・デ・パルマ

   

        

 

37日、セルバンテス劇場で、ロッシ・デ・パルママラガ-スール賞のガラが祝われました。プレゼンターにマベル・ロサノ、カルメン・マチ、ブランカ・ポルティーリョ、そして受賞者の娘ルナ・リオネからトロフィーを受け取りました。ロサノは作家で映画監督、女優、モデルと受賞者と同じく多才、活動家でもある。女優のカルメン・マチ(2025年)とブランカ・ポルティーリョ(2023年)は、それぞれマラガ-スール賞の受賞者、当日上映されたペドロ・アギレラの「Día de Caza」の共演者でもある。簡単なミニキャリア紹介は既にアップしておりますので、今回はガラの模様と受賞者のフィルモグラフィーを中心にお届けします。

ミニキャリア紹介は、コチラ20260319

            

       

 (受賞者、マベル・ロサノ、カルメン・マチ、ブランカ・ポルティーリョ、ルナ・リオネ)

 

マベル・ロサノは会場に出席してくれたファンに歓迎の言葉を述べ、「この賞は、スクリーンに姿を見せる度に私たちに強い印象を残してきた忘れられない人々に敬意を表するため役立っています」と。「ロッシは私の姉妹、私の親友、そして共犯者です。ずっと昔から一緒に歩いてきました。これは比喩なんかじゃなく現実なんです、だって私たちは隣人でもあるからね」、「ロッシ・デ・パルマは、独創的、とても個性的で存在感があり、カリスマ的でもある。彼女の才能は世界が認めています」と、受賞者を紹介した。また、受賞者の芸術的な側面、映画を含めて舞台、モード、デザイン、その他創造力豊かな分野、社会活動などにも触れ、受賞者の功績を称えました。

 

  

                            (マベル・ロサノ)

 

昨年の受賞者であるカルメン・マチは、「私は80年代のモビダ・マドリレーニャ運動全盛期にPeor Impossibleで彼女を見て魅せられていました。この女性とどうしたら友達になれるかと考えていました。そうこうしているうちに人生は私に贈り物をしてくれた。最終的には映画で共演することにもなったのです。ロッシは全方位的なアーティスト、映画においても人生においてもシンボリックな存在です。しかし、なかでも美しさと寛容な心の広い女性であることは、みんなが認めるところです」とスピーチした。

モビダ・マドリレーニャ運動というのは、フランコ独裁政権後の民主化移行期にマドリードで発生した若者中心のカウンターカルチャー運動。自由、性的解放、自己表現を掲げ、音楽、映画、芸術、ファッションなどの分野で変革を求め、80年代前半が全盛期だった。Peor Impossible は、1984年に活動を開始したポップミュージックのグループ、ロッシ・デ・パルマはメンバーの一人でした。

 

      

                          (昨年の受賞者カルメン・マチ)

 

★2023年の受賞者ブランカ・ポルティーリョは、「多分わたしは、個人的にはそれほど親しくなかった。しかしロッシ・デ・パルマには脱帽、心から感心しております。時を分かち合い、仕事を共にすることで、彼女が模範となる女性であること、地面を揺るがせるエネルギーを持っていることに気づきました。美しさ、探求心、優しさ、そして圧倒的な力強さがあり、内面からにじみだす美しさに溢れ、なかでも心の広い素晴らしい仲間です」と、受賞者のエネルギッシュでありながらも、その繊細さを強調しました。

    

     

         (エネルギッシュで心の広い受賞者を強調するブランカ・ポルティーリョ)

 

★受賞者の娘ルナ・リオネ1999年生れ、歌手、モデル)は、彼女のもとで大きくなったことの重要性について語りました。「ロッシ・デ・パルマの娘であることをどう思うか、よく聞かれました。私はいつも同じ返事、決して私を退屈させることがないと応えました。ロッシは多面的な素晴らしい女性です」。ルナにとってロッシ・デ・パルマの娘であることは大きな幸運だと強調しました。デ・パルマにはもう一人ガブリエル(1998)というミュージシャンの息子がいる。「地獄の日々だった」という子供たちの父親から逃れるため、小さい二人を抱えて逃亡して以来、子供中心の生活を重視して、現在は独身と称している。ルナとのツーショットを当ブログでも紹介している。

    

     

             (「あなたの娘であるのは幸運」と母親を称えるルナ・リオネ)

 

★会場の座席でプレゼンターたちのスピーチに聞き入っていた受賞者は、登壇すると「今、私は盛大な誉め言葉の数々に当惑しています。何しろ私はお世辞の嵐には馴れておりません」と挨拶して会場を沸かせた。映画祭やマラガ市との絆について「デ・パルマは、映画祭の草創期から素晴らし瞬間を共にしてきました。最も重要なことは、信じられないやり方で映画に専念するマラガの観客の皆さまです」と。「私たち全ての人々がアーティストです。ビスナガ賞受賞者も(砂浜で)魚の串焼きをする職人もアーティストです」と、お金にはちょっと不自由をしているスペインの老若男女に感謝の言葉を述べた。  

     

  

            (会場の座席でプレゼンターのスピーチに聞き入る受賞者)

 

★最近鬼籍入りした両親のこと、モビダ・マドリレーニャ運動、Peor Impossible、アルモドバル、ジャン=ポール・ゴルチエ、ロバート・アルトマン、マイク・フィギス(英)、テリー・ギリアム、アレキサンダー・マックイーン(英)、サン・ローランなど、フランス、米国、イギリスのシネアストやデザイナーについて語りました。

 

     

 

★当日、バンデラス遊歩道に建立された記念碑の除幕式が、マラガ市長フランシスコ・デ・ラ・トーレ以下、歴史的文化遺産担当議員マリアナ・ピネダ、生れ故郷バレアーレス自治体の文化担当書記官ペドロ・ビダル、スール紙の編集長アルベルト・ゴメス・アルメンドレス、本祭ディレクターのフアン・アントニオ・ビガルなど大勢が参加して行われました。更に授与式の後、ペドロ・アギレラの「Día de Caza」(「狩の日」25)が上映されました。カルロス・サウラが初めてエリアス・ケレヘタとタッグを組んだ長編3作目「La caza」を女性主演で再構築したものです。ベルリン映画祭1966で監督賞を受賞、サウラの力量を国際的に認めさせることになった作品。本邦でも「スペイン映画祭1984」で『狩り』の邦題で上映されました。人里離れた狩猟場でウサギ狩りをする4人の男たちの朝から夕方までの1日を描いたもので、最後には狩り以上に凄惨な結末を迎える。今回プレゼンターを務めたカルメン・マチ、ブランカ・ポルティーリョが共演する。

  

  

               

                         (除幕式の参加者に囲まれて)

   

  
  

          (上映された「Día de Caza」とサウラの『狩り』

 

受賞者紹介:ロッシ・デ・パルマ(本名ロサ・エレナ・ガルシア・エチャベ、パルマ・デ・マジョルカ1964)、少女時代は両親の出身地であるカステリョン(バレンシア)やアビレス(アストゥリアス)で育った。フィルモグラフィーは、1986年デビューだが脇役が多いせいか3桁を超す。受賞歴のある話題作、DVD発売やネットで配信中の作品に絞ってアップします。

 

1987『欲望の法則』 監督ペドロ・アルモドバル

1988『神経衰弱ぎりぎりの女たち』 監督同上 ACE賞1989助演女優賞ノミネート

1989『アタメ』 監督同上

1992『サム・サフィ』(フランス) 監督ヴィルジニー・テヴェネ(ヴァージニー・テヴネ)

1993『ハイルミュタンテ!電撃XX作戦』 監督アレックス・デ・ラ・イグレシア

1993『キカ』 監督P・アルモドバル ゴヤ賞1994助演女優賞ノミネート

   スペイン俳優組合助演女優賞ノミネート、ACE賞1995助演女優賞受賞

1994『プレタポルテ』(米国) 監督ロバート・アルトマン 

   米ナショナル・ボード・オブ・レビュー1994アンサンブル演技賞受賞

1995『私の秘密の花』 監督 P・アルモドバル、ゴヤ賞1996助演女優賞ノミネート、

   スペイン俳優組合助演女優賞ノミネート

1998『踊るのよ、フランチェスカ!』(米国) 監督ケリー・セイン

1998「Hors Jeu」(フランス) 監督カリム・ドリディ、ロカルノ映画祭特別賞受賞

1998『セクシュアル・イノセンス』(イギリス) 監督マイク・フィギス

2002『ル・ブレ』(仏・英) 監督アラン・ベルベリアン、フレデリック・フォレスティエ

2004『ピープル』(仏・西、フランス語) 監督ファビアン・オンテニエンテ

2004『ダブルオー・ゼロ』(仏・英、仏語・英語) 監督ジェラール・ピレス

2005『20センチ!』(東京国際映画祭) 監督ラモン・サラサール

2009『抱擁のかけら』 監督 P・アルモドバル

2016『ジュリエッタ』 監督 P・アルモドバル フェロス賞2017助演女優賞ノミネート

2017『マダムのおかしな晩餐会』(フランス、仏語・西語・英語) 監督アマンダ・スターズ

   ガスパリラ映画祭国際演技賞受賞

2018『テリーギリアムのドン・キホーテ』(米・西・仏・ベルギー・英他、英語・西語)

2019『弟は僕のヒーロー』(伊・西、イタリア語) 監督ステファノ・チパーニ

2019「Los Rodríguez y el más allá」(メキシコ・西) 監督パコ・アランゴ

2020『マーメイド・イン・パリ』(フランス) 監督マチアス・マルジウ

2021『パラレル・マザーズ』 監督 P・アルモドバル シネフォリア2022助演女優賞ノミネート

2022『レインボー』 監督パコ・レオン

2022『ラ・メゾン 小説家と娼婦』(仏・ベルギー) 監督アニッサ・ボンヌフォン

2025『ママンと?!ハネムーン』(フランス) 監督ニコラ・キッシュ

2025「Día de Caza」 監督ペドロ・アギレラ

2026「Amarga Navidad」 監督ペドロ・アルモドバル

 

★その他、ヤン・レノルのドキュメンタリー「Jean Paul Gaultier:Freak and Chic」(2018、ジャン=ポール・ゴルチエの自伝的ミュージカル)に出演している。またマラガ-スール賞以外にも、1994年ラファス・デル・ピ映画祭生涯功労賞、2019年フィルミング・イタリア・ベネチア国際功績賞、2022年イタリア・サルデーニャ・フェスティバル「ウィメンパワー」賞、2025年トゥールーズ・シネスパーニャ「バイオレット・ドヌール」賞などを受賞している。

  

第29回マラガ映画祭ビスナガ栄誉賞*マラガ映画祭2026 ④2026年03月24日 11:40

          マラガ映画祭ビスナガ栄誉賞はナタリア・オレイロが受賞

     

         

★映画祭は、金のビスナガにマルタ・マトゥテの「Yo no moriré de amor」(スペイン)とホアキン・デル・パソの「El jardíin que soñamos(イベロアメリカ)が受賞して終了していますが、前回に続いてマラガの特別賞としてマラガ栄誉賞ほかをアップいたします。栄誉賞も年々若返りして現役受賞者が増加しています。

 

ビスナガ栄誉賞

ナタリア・オレイロ(女優、歌手、モデル、衣装デザイナー、クリエーター、ユニセフの親善大使、愛称ナティ)、1977年ウルグアイのモンテビデオ生れ、1994年アルゼンチンに帰化して、両国とロシアの国籍を持つ。銀のコンドル3回受賞のベテラン女優、両国で活躍しています。TVシリーズ「Sos mi vida」(アルゼンチン0607)は、52ヵ国で放映されるなどの成功で、主役を演じたオレイロは〈テレノベラの女王〉と称されました。

 

    

 

★映画の代表作として、エドゥアルド・ミグノグナの「Cleopatra」(03)、マルティン・サストレの「Miss Tacuarembó」(10、イリス女優賞受賞)、ベンハミン・アビラの「Infancia Clandestino」(12、銀のコンドル、スール賞受賞)、ルシア・プエンソの「Wakolda」(13、銀のコンドル受賞、プラチナ賞・スール賞ノミネート)、ロレナ・ムニョスの「Gilda, no me arrepiento de este amor」(16、銀のコンドル、スール賞、プラチナ観客賞受賞)、本祭ノミネートの新作、ベンハミン・アビラの「La mujer de la fila」(25)、マリア・ラウラ・ベルチ&ラウラ・チアブランドの「La noche sin mí」(25)などが挙げられる。映画賞のプレゼンターとして、ウルグアイのプンタ・デル・エステで開催された第3回イベロアメリカ・プラチナ賞2016にサンティアゴ・セグラと、翌2017年にマドリードで開催されたおりにも連続で総合司会を務めています。当ブログでは「Wakolda / The German Doctor」(『ワコルダ/見知らぬ医師』)をアップしています。

  

★授与式は313日、セルバンテス劇場にて、総合司会者は女優エリサ・スルエタによって進行され、受賞者が「あらゆるタイプの登場人物、ジャンル、フォーマットで輝かしい足跡を残している」ラテンアメリカを代表する女優の才能を紹介しました。お祝いに馳せつけた、ロレナ・ムニョス監督、キャスティングディレクターで監督のマリア・ラウラ・ベルチ、監督ベンハミン・アビラ(アルゼンチン)の3人が登壇、それぞれ出遭いと受賞者の才能を語りました。

 

      
                             
    
         (座席で監督たちのスピーチに聞きいる受賞者313

 

1996年交通事故で急死したアルゼンチンの歌姫ヒルダのビオピック「Gilda, no me arrepiento de este amor」でタッグを組んだロレナ・ムニョス監督は、受賞者が出演したタイトルを織り交ぜながら次のように語りかけた。「ナティ、あなたはありそうな多くの人生を演じてきた(Las vidas posibles)。最初の結婚で母親になり(Mi primera boda )、ほとんど疲れ切って(Casi muerta)、息ができなくなった("Asfixiados")。キャンプに出掛け(Campamento con mamá)、声のしない夜を過ごし(La noche sin mí)、そして行列に並ぶ最初の女性になった(La mujer de la fila)。そんなあなたが大好きよ」と。

   


                 (フォトコールにて)


   

     (ファンサービスも怠らないナタリア・オレイロ、レッドカーペットにて)

 

★デビュー作La noche sin mí」を監督したマリア・ラウラ・ベルチは、演技者としてのオレイロの感受性や義務を強調した。「私は創作の過程をナタリアと一緒にできたことを幸運に思います。「Infancia Clandestino」の最初の日に彼女に会って、その魅力の虜になりました。仕事に対する大きな愛、感性、誠実さなどです。緻密な視点とカメラの後方にいる私たちに対する配慮を決して忘れなかった」と。最後にベンハミン・アビラもオレイロとの出遭いについて語った。「Infancia Clandestino」の最初の打ち合わせに彼女の家に赴くと、既に台本を深く読み込んでいて、登場人物だけでなく物語の要点についても充分理解していた。「私の目の前にいる人の素晴らしさに直ぐ気づいた。あなたには常に皆をリラックスさせる人徳がある」と受賞者に語りかけた。

『ワコルダ/見知らぬ医師』の紹介記事は、コチラ20131023

 

   

                        (スピーチした監督たちに囲まれて)

  

 

ビスナガ栄誉賞 

マリアノ・コーン1975)、ガストン・ドゥプラット1969)、アルゼンチンのデュオ監督、脚本家、撮影監督、製作者。1993年よりコンビを組んでいるアルゼンチンを代表するシネアスト、知的でシニカル、ユーモアのセンスに溢れ、奇想天外な発想で私たちを挑発します。長編2作目「El hombre de al lado」(09)が、まだ知名度があるとは言いがたかった日本で、『ル・コルビュジエの家』の邦題で公開され、あまりの面白さに仰天した。続くEl ciudano ilustre」(16『名誉市民』)が『笑う故郷』の邦題で公開されブレイクした。アントニオ・バンデラス、ペネロペ・クルス、オスカル・マルティネスの豪華キャストがスクリーンを魅了した「Competencia oficial」(21)は、『コンペティション』という邦題でネット配信されています。

 

  

(監督コンビを囲んで、フェルナンド・メンデス⋍レイテ、A.バンデラス、J.A.ビガル他)

 

★既成概念を打ち壊す斬新な手法で社会を描いている。本祭では以上3作と新作のブラックコメディ「Homo Argentum」(2598分)が「レトロスペクティブ・マリアノ・コーン & ガストン・ドゥプラット」で特別上映されました。新作はアルゼンチン文化の特異性をユーモアと自己批判を込めて描いた短編16話で構成されている。ギレルモ・フランチェラ、エバ・デ・ドミニチ、ミゲル・グラナドスなどが出演しているようで、いずれ鑑賞できるでしょう。

    

★授賞式は311日、エチェガライ劇場、プレゼンターはアントニオ・バンデラス、本祭の総ディレクターのフアン・アントニオ・ビガル、スペイン映画アカデミー会長フェルナンド・メンデス=レイテなどが出席しました。当日は『コンペティション』が上映されました。バンデラスは「ビスナガ栄誉賞のプレゼンターであることを名誉に思います。この映画のキーポイントは、なんと言ってもユーモアです。『コンペティション』をご覧になった方は、私たちが賞を作っているのを既にご存じです」と、映画のセリフを思い出してジョークを飛ばした。

El ciudano ilustre『笑う故郷』の紹介は、コチラ20161013同年1023

Competencia oficial」『コンペティション』の紹介は、コチラ20210910

 

  

(左から、M.コーン、G.ドゥプラット、プレゼンターのA.バンデラスとJ.A.ビガル、311日)

 

 

ビスナガ栄誉賞

ホセ・ルイス・シエンフエゴス(映画祭プログラマー)

1964年、アストゥリアスのアビレス生れ、2025年12月2日、脳梗塞のため60歳という若さでマドリードで急逝した。オビエド大学で心理学を専攻し、1991年スペイン国営ラジオ局で脚本や司会者を務めた。その後ヒホン映画祭ディレクター(1995~2011)、セビリア映画祭の映画プログラマーを歴任(2012~22)、バジャドリード映画祭通称 SEMINCI(2023~25)在任中に病に倒れた。そのほかサンセバスチャン映画祭、ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭 BAFICI、カルロヴィ・ヴァリ映画祭の審査員を務めている。ヨーロッパ映画アカデミー会員、死後、スペイン文化省より「金のメダル芸術功労賞」が授与された。

  


             (故ホセ・ルイス・シエンフエゴス)

  

★310日にオマージュが捧げられました。スペイン映画アカデミーAACCE 会長フェルナンド・メンデス=レイテ以下、ホセ・ルイス・レボルディノス(サンセバスティアンFF総ディレクター)、マリオナ・ビアデル&ハビエル・エストラダ(バジャドリードFF同)、マラガFFのフアン・アントニオ・ビガルが登壇して功績を讃えました。

  

 

    

  (バジャドリード映画祭ディレクターのマリオナ・ビアデル、ハビエル・エストラダ)

 

   

 (J.A.ビガル、スピーチするM.ビアデル、J.エストラダ、AACCE会長、J.L.レボルディノス)

 

第13回フェロス賞2026授賞式*落穂ひろいフォト集2026年02月03日 17:06

 

       

            (ガラを締めくくった総合司会者4名)

 

★選考母体が異なるのに作品賞はフォルケ賞と同じアラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が受賞、主演女優賞にパトリシア・ロペス・アルナイス、主演男優賞にホセ・ラモン・ソロイス、TVシリーズ部門の主演女優賞にエスペランサ・ペドレニョ(どちらにも欠席)、主演男優賞にハビエル・カマラという同じ結果に終わりました。ゴヤ賞にはTV部門がありませんが、大方の流れは決まったように感じました。ただゴヤ賞はアカデミー会員の投票結果、年々若い会員が増加傾向にあるようで、プロモーション次第で変わるかもしれません。

 

★落穂ひろいとして、ノミネートされながら手ぶらの帰宅を余儀なくされたクルーのうち、認知度のある女優さんを中心にフォト集を作成してみました。主演男優賞にノミネートされながらマリオ・カサス、アルベルト・サン・フアンの二人は不参加でした。

   


       (招待客、エレガントと高評価のヨランダ・ディアス第2副首相

 

    

 (ジャーナリスト兼テレビ司会者エレナ・サンチェス、フェロス栄誉賞プレゼンター)

          

    

          (アンヘラ・セルバンテス、「La furia」主演女優賞ノミネート)

 

  

        (ノラ・ナバス、「Mi amiga Eva」主演女優賞ノミネート)

 

   

  (ベストドレッサー、新人ブランカ・ソロア、「Los domingos」主演女優賞ノミネート)

 

  

    (ポルトガルの女優マリア・デ・メデイロス、「Una quinta portuguesa

     助演女優賞ノミネート)

 

  

   (ベストドレッサー、ナタリア・デ・モリーナ、TVシリーズ助演女優賞ノミネート)

 


    (レオノール・ワトリング、「La vida breve」同上助演女優賞ノミネート)

          

  

  (ベストドレッサー、イングリッド・ガルシア=ヨンソン、同上主演女優賞ノミネート)

          

   

       (カルラ・キレス、同上「Yakarta」主演女優賞ノミネート)

 

     

        (脚本賞プレゼンター、脚本家のエドゥアルド・ソラ

    


           (カルラ・シモン、監督賞ノミネート)

 


        (ミリアム・ガルロ、「Sorda」主演女優賞ノミネート)

 


        (どこにいても目立ったポップシンガーのユレナ)

 


 (右端エドゥアルド・カサノバ監督、TVシリーズ「Silencio感動賞ノミネート

 


         (ベストドレッサー、レティシア・ドレラ)

 


          (ベストドレッサー、ミレナ・スミット)

 

  

          (ベストドレッサー、マリア・レオン)

 

 

         (ベストドレッサー、ヴィッキー・ルエンゴ)

 


          (ベストドレッサー、ミリアム・ガジェゴ)

 


         (ベストドレッサー、ミレイア・オリオル)

  


     (主演男優賞プレゼンターのマルタ・コスタとマリア・カストロ)

 

                 

             (女優マリア・カストロ)

    


              (女優マルタ・コスタ)


第13回フェロス賞2026授賞式2026年01月31日 18:41

            アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が大賞を独占

 

     

 

124日、第13回フェロス賞2026の授賞式が、スペイン北西部ガリシア州ポンテペドラのポンテペドラ・オーディトリアムで開催されました。スペイン映画ジャーナリスト協会(AICE、会長はマリア・ゲーラ)が主催、各クルーごとに丸テーブルを囲み、ワインと軽食が提供され、2時間半と相変わらず長丁場のガラでした。昨年1211日にカテゴリー21(映画部門11TVシリーズ部門7、フェロス感動賞2、栄誉賞)のノミネーション発表があり、最多ノミネーションは「Los domingos」の9個、「Sirat」と「Maspalomas」の7個、「Romeria」と「Sorda」の6個でした。映画部門の受賞結果は、作品賞を含む「Los domingos」の監督・脚本・主演女優・助演女優の5冠はいくらなんでも貰いすぎと思いますが、演技は言うまでもなく脚本が優れているようなのです。アカデミー賞スペイン代表作品に選ばれている「Sirat」は、オリジナル音楽賞と予告編賞の2冠に甘んじましたが、ベストドレッサーに変身したオリベル・ラシェ監督は紳士的でご機嫌でした。

  


               (AICE会長マリア・ゲーラ)

  

      

     (ホスト役の左から、エリザベト・カサノバス、サマンサ・ハドソン、

          ペトラ・マルティネス、アントニオ・ドゥラン)

 

★ガラのホスト役として総合司会者にベテラン女優のペトラ・マルティネス、歌手で女優のサマンサ・ハドソン、ガリシアの人気俳優アントニオ・ドゥラン 'モリス'、カタルーニャの女優エリザベト・カサノバス4名、今回は各賞のプレゼンターも務めたから、4名でも大忙しであった。ゴヤ賞やフォルケ賞とは異なってミュージシャンたちの出番はなかった。冒頭にガリシアの合唱団 A Xunqueiranoが、ポップ・シンガーのユレナYurenaTamara)の代表歌 No cambié を披露しただけでした。会場には真っ黄色のドレス姿のユレナも出席しており、波乱万丈の人生を思ってか流れる涙を拭うこともなかった。

    

  

        (アントニオ・ドゥラン 'モリス'とサマンサ・ハドソン

  

     

    (修道女の衣装で登場したサマンサ・ハドソンとエリザベト・カサノバス)

 

 

          13回フェロス賞2026受賞結果

 

★映画部門

作品賞(ドラマ部門)

Maspalomas」 同ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ

 製作:アンデル・バリナガ=レメンテリア・アラノ、他

Romería」 同カルラ・シモン

 製作:マリア・サモラ、オリンピア・ポンテ・チャフェル、他

Sirat」 同オリベル・ラシェ

 製作:アグスティン・アルモドバル、エステル・ガルシア、他

Sorda」 同エバ・リベルタード

 製作:ミリアム・ポルテ、ヌリア・ムニョス、他

Los domingos」 監督アラウダ・ルイス・デ・アスア

 製作:マリサ・フェルナンデス・アルメンテロスサンドラ・エルミダ

    マヌエル・カルボ、他

プレゼンター:ペトラ・マルティネスとアントニオ・ドゥラン

   

      

 

      

作品賞(コメディ部門)

Decorada」 同アルベルト・バスケス

 製作:ヌノ・ベアト、ホセ・マリア・フェルナンデス・デ・ベガ、他

Mi amiga Eva」 同セスク・ゲイ 

 製作:マルタ・エステバン、ライア・ボスチ

Rondallas」 同ダニエル・サンチェス・アルバロ

 製作:ラモン・カンポス、ビクトル・ファンディーニョ

Wolfgang」 同ハビエル・ルイス・カルデラ

 製作:ヌリア・バルス

La cena」 監督マヌエル・ゴメス・ペレイラ

 製作:クリストバル・ガルシアリナ・バデネス、他

プレゼンター:ペトラ・マルティネスとアントニオ・ドゥラン

  

    

              (クリストバル・ガルシア)

 

      

  

監督賞

ノミネート:ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ「Maspalomas」、オリベル・ラシェ「Sirat」、エバ・リベルタード「Sorda」、カルラ・シモン「Romería

アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos

プレゼンター:アントニオ・ドゥラン 'モリス'

 

     

 

主演女優賞

ノミネート:アンヘラ・セルバンテス「La furia」、ミリアム・ガロ「Sorda」、ノラ・ナバス「Mi amiga Eva」、ブランカ・ソロア「Los domingos

パトリシア・ロペス・アルナイス 「Los domingos

プレゼンター:バッドドレッサーと揶揄された女優兼脚本家のアンナ・マルケージ。

 

  

              (涙の受賞スピーチ)

  

 

           (プレゼンターのアンナと受賞者)

 

主演男優賞

ノミネート:マリオ・カサス「Muy lejos」、アルバロ・セルバンテス「Sorda」、セルジ・ロペス「Sirat」、アルベルト・サン・フアン「La cena

ホセ・ラモン・ソロイス 「Maspalomas

プレゼンター:女優のマリア・カストロとマルタ・コスタ

 

    

 

 

助演女優賞

ノミネート:イライア・エリアス「Un fantasma en la batalla」レナ・イルレタ「Sorda」、マリア・デ・メデイロス「Una quinta portuguesa」、エルビラ・ミンゲス「La cena

ナゴレ・アランブル 「Los domingos

プレゼンター:アントニオ・ドゥランとサマンサ・ハドソン。昨年のTVシリーズ部門の主演女優賞を受賞したナゴレ・アランブル、涙なしにはスピーチできない。

  

      

   

 

助演男優賞

ノミネート:アシエル・エチェアンディア「La cena」、ミゲル・ガルセス「Los domingos」、ホアキン・ヌニェス「Los Tigres」、ミゲル・レリャン「El cautivo

カンディド・ウランガ 「Maspalomas

プレゼンター:ペトラ・マルティネス。涙の受賞者ウランガに凄い拍手が送られた。

 

              

     

                         (ペトラ・マルティネスと受賞者)

 

脚本賞DAMA

ノミネート:ホセ・マリ・ゴエナガ「Maspalomas」、カルラ・シモン「Romería」、オリベル・ラシェ「Sirat」、エバ・リベルタード「Sorda

アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos

プレゼンター:人気急上昇中の脚本家エドゥアルド・ソラとペトラ・マルティネス。

 

     

    

               (やはり3個は貰いすぎでは?)

 

オリジナル音楽賞

ノミネート:アレハンドロ・アメナバル「El cautivo」、エルネスト・ピポ「Romería」、

      カルロス・バジェステロス、ヘニス・セガラ「Daniela Forever」、

      アランサス・カジェハ「Maspalomas」、

カングディン・レイ 「Sirat

プレゼンター:エリザベト・カサノバス

        

             

          (受賞者欠席でオリベル・ラシェ監督が受け取った)

 

予告編賞

ノミネート:アルベルト・デ・トロ「La cena」、ミケル・ガルミリャ「Maspalomas」、アイトル・タピア、マネル・バリエレ「Los domingos」、ミゲル・アンヘル・トルドゥ、ホルヘ・ガルシア・ソト「Romería

アイトル・タピア 「Sirat

プレゼンター:エリザベト・カサノバス

 

 

        

ポスター賞

ノミネート:ヒメナ・メリノ、アルバロ・レオン、ルイス・レオン、ダビ・エランス「Los domingos」、ダン・ぺトリス、ジャウマ・カルデス「Muy lejos」、ホセ・A・ペーニャ、キム・ビベス「Romería」、ダニエル・レケナ、アルバ・ベンセ、キム・ビベス「Sirat

アナ・ドミンゲスラファ・カスタニェル 「Tardes de soledad

プレゼンター:エリザベト・カサノバス

 

 

 

(ポスター)

 

 

7カテゴリーのTVシリーズ部門は受賞作のみのご紹介、コメディ部門6個ノミネーションの「Poquita fe」が作品賞を含む主演・助演女優賞の3冠、ドラマ部門は5個ノミネーションの「Yakarta」が作品賞と脚本賞DAMAと主演男優賞の3冠を受賞して、残る助演男優賞をロス・ハビスがプロデュースした6個ノミネーションの「Superestar」が受賞しました。フラン・アラウホはドラマとコメディの2部門で受賞した。フォルケ賞と似たり寄ったりでした。

 

TVシリーズ部門

作品賞(ドラマ部門)

ノミネート:「Anatomía de un instante」「La canción」「Pubertat

            「La ruta Vol 2: Ibiza

Yakarta」クリエーター:ディエゴ・サン・ホセ

 監督エレナ・トラぺ4話、ハビエル・カマラ1話、フェルナンド・デルガド=イエロ1

 製作:ディエゴ・サン・ホセフラン・アラウホアレハンドロ・フロレス

    ハビエル・メンデス

プレゼンター:サマンサ・ハドソン

 

          

       (製作者ハビエル・メンデスが先ず受賞スピーチした)

     

  

  (左から、主役カルラ・キレス、エレナ・トラぺ監督、ディエゴ・サン・ホセ他)

 


         (作品・主演男優・脚本賞の3冠を制したクルー)

 

作品賞(コメディ部門)

ノミネート6作):「Animal」「Furia」「La suerte. Una serie de casualidades」「Superstar」「La vida breve

Poquita fe」 監督ぺポン・モンテロ 

 製作:ぺポン・モンテロフアン・マイダガンフラン・アラウホペペ・リポル

プレゼンター:サマンサ・ハドソン。栄誉賞受賞のマルタ・フェルナンデス・ムロも出演しているので登壇していた。

 

          
       (右から2人目がメインプロデューサーのぺポン・モンテロ)

 

 

主演女優賞

ノミネート:アンナ・カステーリョ、イングリッド・ガルシア=ヨンソン、

      カンデラ・ペーニャ、カルラ・キレス

エスペランサ・ペドレニョ(「Poquita fe」)

プレゼンター:アンナ・マルケージ

 

   

     (受賞者欠席のため製作者のぺポン・モンテロが代理で受け取った)

 

  

         (エスペランサ・ペドレニョ、フレームから)

 

主演男優賞

ノミネート:ラウル・シマス、リカルド・ゴメス、アルバロ・モレテ、ルイス・サエラ

ハビエル・カマラ(「Yakarta」)

プレゼンター:女優のマリア・カストロとマルタ・コスタ。共演者で主演女優賞にノミネートされていたカルラ・キレスに感謝と応援歌を送り、座席のキレスを泣かしてしまった心優しい受賞者。 

  

  

   

 

助演女優賞

ノミネート:マリア・ヘスス・オヨス、ロシオ・イバニェス、ナタリア・デ・モリーナ、

      ベッシィ・トゥルネス、レオノール・ワトリング

フリア・デ・カストロ(「Poquita fe」)

プレゼンター:アントニオ・ドゥランとサマンサ・ハドソン。受賞者は「レティシア王妃がどうして Poquita fe のファンだと仰ったのか分かりました。王妃になる前ジャーナリストだったから何でもご存じなのです」とスピーチした。ファッションはイマイチでした。

   

   

     
  

助演男優賞

ノミネート:カルロス・ベルナルディノ、エドゥアルド・フェルナンデス、ダビ・ロレンテ、

      マノロ・ソロ

セクン・デ・ラ・ロサ(「Superestar」)

プレゼンター:ペトラ・マルティネス

 


 

 

脚本賞DAMA

ディエゴ・サン・ホセダニエル・カストロフェルナンド・デルガド=イエロ(「Yakarta」)

プレゼンター:脚本家エドゥアルド・ソラ

  

 

          (スピーチするクリエーター兼脚本家のディエゴ・サン・ホセ)

    

      

         (左から、D・カストロ、D・サン・ホセ、F・デルガド=イエロ)

   


フェロス感動賞(フィクション部門)

Ciudad sin sueño」監督ギジェルモ・ガロエ

プレゼンター:修道女の衣装で登場したサマンサ・ハドソンとエリザベト・カサノバス

    

                  

       

          (トロフィーを手にしたギジェルモ・ガロエ監督)

 

フェロス感動賞(ノンフィクション部門)

Tardes de soledad」 監督アルベルト・セラ

プレゼンター:修道女の衣装姿のサマンサ・ハドソンとエリザベト・カサノバス

 

   

                (アルベルト・セラ)

 

   

 

フェロス栄誉賞

マルタ・フェルナンデス・ムロ(マドリード1950、舞台、映画、テレビ女優、作家)

プレゼンター:ベストドレッサーにも選ばれたジャーナリスト兼テレビ司会者のエレナ・サンチェス。

受賞者のキャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ20260128

 

  

 

 

★以上が21カテゴリーの受賞者です。他に「Los domingos」が2026年のフェロスSGAEを受賞しました。受賞ずくめですが、果たしてゴヤ賞を制覇できるでしょうか。 次回にベストドレッサー、話題になったフォトをアップします。 

  

マルタ・フェルナンデス・ムロに第13回フェロス賞2026栄誉賞2026年01月28日 11:41

     演劇、映画、テレビ女優、作家でもあるマルタ・フェルナンデス・ムロ

 

               

 

★昨年1117日、スペイン映画ジャーナリスト協会(AICE)は、第13回フェロス賞2026栄誉賞に女優のマルタ・フェルナンデス・ムロ授賞を発表しました。「80年代のスペイン映画界の重要な顔であり、コメディ役を超えた深みのある演技者に授与することにした」が授賞理由。若い人たちにはTVシリーズ「Poquita Fe」(シーズン2)のラウル・シマス演じる主人公ホセ・ロマンの母親役でお馴染みですが、受賞者は映画、演劇、TVの女優として、ほぼ40年以上のキャリアの持主、また実業家でもあり、La cabeza a pájaros の著者でもある。

 

1950年マドリード生れ、フランコ政権終焉時には20代の半ばだったことになる。4人姉妹の末っ子、父親は化学者で娘たちが大学に行くことを望んだが、末娘だけは望まなかった。ビートルズの熱烈なファン、ビートルズが来西したときには、マドリードのバラハス空港に出掛けて行った。高校を卒業すると、ヨーロッパで2年間、パリでフランス語、その後ロンドンで英語を学び、秘書や翻訳家として働いていたが、20代半ばに女優になろうと決心、アルゼンチン独裁政権を逃れてスペインに亡命していたマルティン・アドジェミアンの演劇学校に入り演技を学んだ。


★その後ニューヨークに渡り、演劇学校 HBスタジオでドイツ出身の女優でもあった演技教師ウタ・ハーゲンに演技指導を受けている。他にハーゲンの生徒でもあったジュラルディン・ペイジからも教えを受けている。二人ともアメリカで最も尊敬される演技教師としてアメリカ演劇殿堂入りを果たしている。

   

    

            (イバン・スルエタの「Arrebato」から)

   

★映画デビューは、マルタの姉テレサの友人だったリカルド・フランコの「Los restos del naufragio」(77)だった。カンヌ映画祭1978のパルムドールにノミネートされ、監督自身も出演したほかフェルナンド・フェルナン=ゴメスやアンヘラ・モリーナと共演している。続いてフェルナンド・コロモの「¿ Qué hace una chica como tú en un sitio como éste ?」(78)で、人気上昇中のカルメン・マウラやアルゼンチン出身のベテラン俳優エクトル・アルテリオ、キティ・マンベルなどと共演、ハイメ・チャバリ監督がカメオ出演していた話題作。マウラもマンベルも既に女優としてのキャリアがあって、共演は「驚きの連続だった」と後に述懐している。その後、友人イバン・スルエタの「Arrebato」(79)、再びコロモの「La mano negra」(80)や「Estoy en crisis」(82)、スペインの批評家からは酷評されたが、米国では高評価、結果としてスペイン初のオスカー賞(外国語映画賞)を受賞した、ホセ・ルイス・ガルシの「Volver a empezar」(82『黄昏の恋』)に脇役だったが出演、つまりオスカー女優(!)でもある。

      

    

      (オスカー像を手にした受賞者、『欲望の法則』のフレームなど)

 

ペドロ・アルモドバル学校の女生徒の一人である受賞者は、「Laberinto de pasiones」(82、『セクシリア』95年公開)でイマノル・アリアスやセシリア・ロス、アルモドバル映画に初めて起用されたアントニオ・バンデラスなどと共演、フォトグラマス・デ・プラタ助演女優賞にノミネートされた。本作はサンセバスチャン映画祭にノミネートされている。続いて「La ley del deseo」(87、『欲望の法則』)では、エウセビオ・ポンセラ、再びカルメン・マウラ、加えてアントニオ・バンデラスと共演している。本作は東京で開催された「第2回スペイン映画祭1989」で上映された。

 

     

     (アントニオ・バンデラスとマルタ、アルモドバルの『欲望の法則』から)

  

     

     (セシリア・ロス、アルモドバル監督、マルタ、サンセバスチャンFF1982

 

★検閲も廃止された80年代のスペイン映画界は、政府の助成もあり良作が量産された時代でしたが、なかでも文芸路線にシフトしたことが当たった。ノーベル賞作家カミロ・ホセ・セラの同名小説 La colmena をマリオ・カムスが映画化(82『蜂の巣』)、1985年ヘスス・フェルナンデス・サントスの同名小説 Extramuros をミゲル・ピカソが映画化した折にも起用されている。脇役が多いなかで、ラモン・J・センデルの短編をベースにアルフレッド・カステリョンが映画化した「Las gallinas de Cervantes」(88)では、少々風変わりだったというセルバンテスの妻カタリーナに扮した。妻の変容振りに苦悩するセルバンテスの友人としてエル・グレコも登場する風刺劇。本作は日本スペイン協会50周年を記念したミニ映画祭2008で『カタリーナ』の邦題で上映されている。

 

      

     (カタリーナ役のマルタとセルバンテス役のミゲル・アンヘル・レリャン)

 

★1990年代には、いずれもコメディだがヘラルド・ベラの「Una mujer bajo la lluvia」(92)、スペインで最も愛された監督と言われる、ルイス・ガルシア・ベルランガの「Todos a la cárcel」(93)、ペドロ・コスタが50年代初めに起きた実話に着想をえて製作した犯罪ドラマ「El crimen del cine Oriente」(97)に出演している。またエルビラ・リンドの大ベストセラー小説『めがねっこマノリート』を映画化した、ミゲル・アルバラデホの「Manolito Gafotas」(99)では、マノリートの隣人役、本作は100万人以上が映画館に足を運んで、興行収入に大いに寄与した。脚本には作家も共同執筆者として参加している。

    

  

  (マリア・アスケリノ、マルタ・フェルナンデス・ムロ、『みんなのしあわせ』から

    

2000年に製作されたアレックス・デ・ラ・イグレシアの「La comunidad」は、大ヒットしたダークコメディ。『みんなのしあわせ』の邦題で公開され、デ・ラ・イグレシアの人気も急上昇した。主演のカルメン・マウラがゴヤ賞以下、スペイン映画賞を軒並み制覇したヒット作。トンネル崩落事故を生き延びた人々のその後が語られるぺポン・モンテロの「Los del túnel」(17)、若いときからの友人でもあるエミリオ・マルティネス=ラサロの政治コメディ「Un hipster en la España  vacía」にパコ・レオン、ベルタ・バスケス、マカレナ・ガルシアなど若手俳優と共演した。ダニエル・ガスコンの同名小説をベースにした笑劇。クーロ・ベラスケスのコメディ「Cuerpo escombro」(24)ではダニ・ロビラと共演している。

      

  

 (左から、マルタ、ロセル・ビラホサナ、ヌリア・メンシア、Los del túnel

 

★最近はTVシリーズ出演が多く、上記したように「Poquita Fe」(15話)では主人公ホセ・ロマンの母親役で出演、クリエーターはぺポン・モンテロ&フアン・マイダガン。アラセリ・アレバレス・デ・ソトマヨール他の「Sin gluten」(258話)に特別出演している。

      

     

         (ホセ・ロマン役のラウル・シマスと、「Poquita Fe」から)

 

★バルセロナの演劇界を牽引している舞台女優で演出家のヌリア・エスペルト(1935~)や故アドルフォ・マルシラック(マルシヤック、2002年没)など著名な演劇人と舞台に立っている。エドワード・オールビーの『ヴァージニア・ウルフなんか怖くない』や、チェーホフの『カモメ』などに出演している。映画やテレビの出演料を演劇に注ぎ込んでいるようです。

 

2009年、初の短編集 Niñas malas を出版、2年後に “Azogadas”、そして小説 “La cabeza a pájaros” を出版、フェルナンデス・ムロ家 150年間にわたるサガが語られている。1867年、貧しい農民だった母方の曾祖父がマドリードに到着したところから始まっている。当時の庶民の日常生活や風景、勿論スペイン内戦、戦後の経済優先主義、進歩的な社会的自由の到来などが親密な家族史とともに語られている。評論家の評価も高く話題作となっている。

 

     

             (小説 La cabeza a pájaros の表紙

 

★既にフェロス賞2026のガラは終わっています。栄誉賞のトロフィを手にしていますが、受賞スピーチなどは次回アップするとして、今回はフォトのみです。モニカ・ランドル、ビクトリア・アブリル、フリア&エミリオ・グティエレス・カバ、ベロニカ・フォルケ、ホセ・サクリスタンなど著名な受賞者リストの仲間入りをしました。

    

    

      (第13回フェロス賞2026栄誉賞受賞のマルタ・フェルナンデス・ムロ、124日)


第13回フェロス賞2026*ノミネーション発表2026年01月14日 10:02

                    最多ノミネーションは「Los domingos」の9

 

       

 

★第13回フェロス賞2026の授賞式は、124日、スペイン北西部ガリシア州ポンテペドラのポンテペドラ・オーディトリアムで開催されます。スペイン映画ジャーナリスト協会(AICE、会長はマリア・ゲーラ)が主催します。昨年1117日、栄誉賞に女優マルタ・フェルナンデス・ムロの発表があり、27日に大枠が発表され、1211日に全カテゴリー21のノミネーションと続いて全体像がはっきりしました。最多ノミネーションは「Los domingos」の9個、つづいて「Sirat」と「Maspalomas」の7個、「Romeria」と「Sorda」の6個、例年通りノミネートはゴヤ賞も含めて似たり寄ったりと予想します。

     

        

    (ノミネーションを発表するミレナ・スミットとマヌ・リオス、11月27日)

 

★ガラのホスト役として総合司会者にベテラン女優のペトラ・マルティネス、歌手で女優のサマンサ・ハドソン、ガリシアの人気俳優アントニオ・ドゥラン 'モリス'、カタルーニャの女優エリザベート・カサノバスが手掛けることも発表されました。以下に映画部門のノミネート作品を列挙しておきます。TVシリーズは受賞結果のみアップいたします。栄誉賞受賞者のキャリア&フィルモグラフィー紹介は、別途に予定しています。

   

  

                (栄誉賞受賞者マルタ・フェルナンデス・ムロ)


 

          13回フェロス賞ノミネーション(映画部門)

 

作品賞(ドラマ)

Los domingos」 監督アラウダ・ルイス・デ・アスア

製作:マリサ・フェルナンデス・アルメンテロス、サンドラ・エルミダ、マヌエル・カルボ、他

   

     

Maspalomas」 同ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ

製作:アンデル・バリナガ=レメンテリア・アラノ、他

 

   

Romería」 同カルラ・シモン

製作:マリア・サモラ、オリンピア・ポンテ・チャフェル、他

 

   

Sirat」 同オリベル・ラシェ

製作:アグスティン・アルモドバル、エステル・ガルシア、他

 

 

Sorda」 同エバ・リベルタード

製作:ミリアム・ポルテ、ヌリア・ムニョス、他

 

    

 

作品賞(コメディ)

La cena」 監督マヌエル・ゴメス・ペレイラ

製作:クリストバル・ガルシア、リナ・バデネス、他

 

  

Decorada」 同アルベルト・バスケス

製作:ヌノ・ベアト、ホセ・マリア・フェルナンデス・デ・ベガ、他

 

    

Mi amiga Eva」 同セスク・ゲイ 

製作:マルタ・エステバン、ライア・ボスチ

 

    

Rondallas」 同ダニエル・サンチェス・アルバロ

製作:ラモン・カンポス、ビクトル・ファンディーニョ

 

    

Wolfgang」 同ハビエル・ルイス・カルデラ

製作:ヌリア・バルス

 

      

 

監督賞

ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ 「Maspalomas

オリベル・ラシェ 「Sirat

エバ・リベルタード 「Sorda

アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos

カルラ・シモン 「Romería

 

主演女優賞

アンヘラ・セルバンテス 「La furia

ミリアム・ガロ 「Sorda

パトリシア・ロペス・アルナイス 「Los domingos

ノラ・ナバス 「Mi amiga Eva

ブランカ・ソロア 「Los domingos

 

主演男優賞

マリオ・カサス 「Muy lejos

アルバロ・セルバンテス 「Sorda

セルジ・ロペス 「Sirat

ホセ・ラモン・ソロイス 「Maspalomas

アルベルト・サン・フアン 「La cena

 

助演女優賞

ナゴレ・アランブル 「Los domingos

イライア・エリアス 「Un fantasma en la batalla

エレナ・イルレタ 「Sorda

マリア・デ・メデイロス 「Una quinta portuguesa

エルビラ・ミンゲス 「La cena

 

助演男優賞

アシエル・エチェアンディア 「La cena

ミゲル・ガルセス 「Los domingos

ホアキン・ヌニェス 「Los Tigres

ミゲル・レリャン 「El cautivo

カンディド・ウランガ 「Maspalomas

 

脚本賞DAMA

アラウダ・ルイス・デ・アスア 「Los domingos

ホセ・マリ・ゴエナガ 「Maspalomas

カルラ・シモン 「Romería

オリベル・ラシェ 「Sirat

エバ・リベルタード 「Sorda

 

オリジナル音楽賞

アレハンドロ・アメナバル 「El cautivo

カルロス・バジェステロス、ヘニス・セガラ 「Daniela Forever

アランサス・カジェハ 「Maspalomas

エルネスト・ピポ 「Romería

カングディング・ライ 「Sirat

 

予告編賞

アルベルト・デ・トロ 「La cena

ミケル・ガルミリャ 「Maspalomas

アイトル・タピア、マネル・バリエレ 「Los domingos

ミゲル・アンヘル・トルドゥ、ホルヘ・ガルシア・ソト 「Romería

アイトル・タピア 「Sirat

 

ポスター賞

ヒメナ・メリノ、アルバロ・レオン、ルイス・レオン、ダビ・エランス 「Los domingos

ダン・ぺトリス、ジャウマ・カルデス 「Muy lejos

ホセ・A・ペーニャ、キム・ビベス 「Romería

ダニエル・レケナ、アルバ・ベンセ、キム・ビベス 「Sirat

アナ・ドミンゲス、ラファ・カスタニェル 「Tardes de soledad

 

TVシリーズ部門は受賞結果のみアップします。

  

第31回ホセ・マリア・フォルケ賞2025*結果発表2026年01月07日 13:31

       作品賞はアラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が受賞

 

     

 

★ホセ・マリア・フォルケ賞の授賞式は年明け早々でしたが、第27回から前倒しの12月の半ばに変更され、2021年には1月と12月の2回開催されました。第31回は2025116日にノミネート発表があり、1213日にマドリードのパラシオ・ムニシパルで開催されました。年内にアップが間にあいませんでしたので、簡単に結果だけアップしておきます。1996年、EGEDA(オーディオビジュアル著作権管理協会)の初代会長を務めた、製作者兼監督のホセ・マリア・フォルケの偉業を讃えて創設された賞、縁の下の力持ちである製作者に与える賞としてスタートを切りました。常に光が当てられる監督賞がないのが特徴ですが、昨今では監督が製作を兼ねることが多くなり垣根が低くなりました。選考母体はEGEDAを中心にマドリード共同体、RTVEが主催、モビスター・プラス+ 他、多くの企業がコラボしています。

 

    

     (総合司会者のカジェタナ・ギジェン・クエルボとダニエル・グスマン)

 

★映画部門はカンヌ映画祭の受賞歴を持つオリベル・ラシェの「Sirat」(オスカー賞2026のスペイン代表作品)をおさえて、アラウダ・ルイス・デ・アスアの「Los domingos」が受賞、TVシリーズはハビエル・セルカスのノンフィクション小説をベースに、アルベルト・ロドリゲス&パコ・R・バニョスの「Anatomía de un instante」に軍配が上がりました。かつてはゴヤ賞の前哨戦と称されたフォルケ賞も、カテゴリーが少ないので目安になるかどうか分かりませんが、以下に受賞結果をアップしておきます(印は当ブログ紹介記事あり)。

 

 

        31回ホセ・マリア・フォルケ賞2025受賞結果

 

作品賞(フィクション)副賞30.000ユーロ

プレゼンターは、女優のベレン・クエスタと監督で脚本家のマルセル・バレナ、彼は前年「El 47」で作品賞と映画と価値観教育賞の2冠を制しました。作品賞ノミネートは以下の4作。


Maspalomas」 監督ホセ・マリ・ゴエナガ&アイトル・アレギ 

   


Sirat」 監督オリベル・ラシェ 

 

      

Sorda」 監督エバ・リベルタード 

 

   

Los domingos」 同アラウダ・ルイス・デ・アスア 

製作者:マヌエル・カルボマリサ・フェルナンデス・アルメンテロスサンドラ・エルミダ、他

受賞作「Los domingos」の作品紹介記事は、コチラ20250727

    

  

        (製作者マリサ・フェルナンデス・アルメンテロス)

 

    

   (アラウダ・ルイス・デ・アスア監督は「批判的な意見に敬意をはらい、

 思想の教化やドグマに直面している視聴者の自主性を守りたい」とスピーチした)

  

   

           (キャスト、監督、製作者たち)



    

長編アニメーション賞 副賞30.000ユーロ

プレゼンターは、エンリケ・アルセとカルラ・ソフィア・ガスコン

Bella」 監督マヌエル・H・マルティン、アンパロ・マルティネス・バルコ

El tesoro de Barracuda」 同アドリアン・ガルシア

La luz de Aisha」 同シャディ・アディブ Shadi Adib

Decorado」 同アルベルト・バスケス 

製作:Unico / Abano / Glow Animation / Sardinha em Lata

   チェロ・ロウレイロヌーノ・ベアトホセ・マリア・フェルナンデス・デ・ベガ、他

    

     

     (熟年夫婦の危機が語られるとスピーチした製作者チェロ・ロウレイロ)

        

   

    (ネズミに託して現代社会の自由を描いたとスピーチしたバスケス監督)

  

 

    

長編ドキュメンタリー賞 副賞6.000ユーロ

プレゼンターは、パトリシア・ロペス・アルナイスと俳優のカルロス・サントス

2025. Todos somos Gaza」 監督エルナン・シン

Eloy de la Iglesia. Adicto al cine」 同ガイスカ・ウレスティ

Tardes de soledad」 同アルベルト・セラ

Flores para Antonio」 同エレナ・モリナイサキ・ラクエスタ

製作者:アルバ・フローレスアナ・ビリャブルナ・エルナンドサラ・モントリウ

    エドゥアルド・ビリャヌエバチャーリー・ブホサ・コルテス

 

  

 (俳優、ミュージシャンの故アントニオ・フローレスの一人娘アルバがスピーチ)

  

   

   

         (監督、製作者たち、レッドカーペットにて)

  

  

   

男優賞 副賞3.000ユーロ

プレゼンターは、タマル・ノバスとキラ・ミロー

アルベルト・サン・フアン 「La cena

アルバロ・セルバンテス 「Sorda」 

マリオ・カサス 「Muy lejos

ホセ・ラモン・ソロイス 「Maspalomas」 

Maspalomas」の紹介記事は、コチラ20250724

 



   

女優賞 副賞3.000ユーロ

プレゼンターは男優賞と同じ、タマル・ノバス、キラ・ミロー

アンヘラ・セルバンテス 「La furia」 

ミリアム・カルロ 「Sorda」 

ノラ・ナバス 「Mi amiga Eva

パトリシア・ロペス・アルナイス 「Los domingos」 

 

    

  

    

             (パトリシア・ロペス・アルナイス)


短編賞 副賞3.000ユーロ

プレゼンターは、女優兼モデルのクララ・ガジェと俳優のマヌ・ベガ

El Cuento de una Noche de Verano」 監督マリア・エレーラ

Una cabeza en la pared」 同マヌエル・マンリケ

Angulo muerto」 同クリスティアン・ベテタ

製作:La Dalia Films / Robot Productions / ホセ・ルイス・ランカーニョパブロ・ロペス  

  

     

   

 

ラテンアメリカ映画賞 副賞6.000ユーロ

プレゼンターは、ラウラ・ラモス、アグスティン・デリャ・コルテ、アナ・リタ・クララ

La misteriosa mirada del flamenco」(チリ) 監督ディエゴ・セスペデス  

La ola」(チリ) 同セバスティアン・レリオ  

Papeles」(パナマ) 同アルトゥーロ・モンテネグロ

Belén(アルゼンチン) 同ドロレス・フォンシ

製作:K&S Filmsレティシア・クリスティマティアス・モステイリンウーゴ・シグマン

   

      

       (本作出演のフリエタ・カルディナリがトロフィーを受け取った)

 

 
  

映画と価値観教育賞 

プレゼンターは、女優兼監督のアントニア・サン・フアンとマルタ・ニエト

Sorda」 監督エバ・リベルタード  *

製作:ヌリア・ムニョスNexus CreaFilms)、ミリアム・ポルテDistinto Films)他

受賞作Sorda」の紹介記事は、コチラ20250414

 

        

  

   (ミリアム・ガルロ、監督エバ・リベルタード、アルバロ・セルバンテス)

   

 

観客賞 

El cautivo」 監督アレハンドロ・アメナバル 

プレゼンターは、マリア・ソレダード・サンスとマルコス・リックブール

製作:フェルナンド・ボバイラ、シモン・デ・サンティアゴ、アメナバル、他

『ドン・キホーテ』の著者セルバンテスの若き日を描いた歴史劇、東京国際映画祭で『囚われ人』の邦題で上映されている。

  

        

 

   

TVシリーズ賞(フィクション)副賞6.000ユーロ  

プレゼンターは、ハビエル・カルボ、アナ・ルハス

Pubertat」 監督レティシア・ドレラ

Animal」 同ビクトル・ガルシア・レオン

Poquita Fe」(シーズン2) 同ぺポン・モンテロ、フアン・マイダガン

Anatomía de un instante」 同アルベルト・ロドリゲスパコ・R・バニョス 

製作者:ホセ・マヌエル・ロレンソフラン・アラウホマヌエラ・オコン

受賞作「Anatomia de un instante」の紹介記事は、コチラ20250801

 

    

          (クリエーターのホセ・マヌエル・ロレンソ)

   

  

         (ロドリゲス監督、脚本家ラファエル・コボスなど)

  

 

TVシリーズ賞男優賞 副賞3.000ユーロ 

プレゼンターは、バラバラ・レニーとミキ・エスパルベ

アルバロ・モルテ 「Anatomia de un instante

ルイス・サエラ 「Animal

ラウル・シマス 「Poquita Fe」(シーズン2

ハビエル・カマラ 「Yakarta

  

     

  

             (プレゼンターのバルバラ・レニーからお祝いのキス)

   

 

   

TVシリーズ賞女優賞 副賞3.000ユーロ

プレゼンターは男優賞と同じ、バラバラ・レニーとミキ・エスパルベ

カンデラ・ペーニャ 「Furia

カロリナ・ジュステ 「La cancion

イングリッド・ガルシア・ヨンソン 「Superestar

エスペランサ・ペドレーニョ 「Poquita Fe」(シーズン2

 


         (受賞者エスペランサ・ペドレーニョ欠席)


 

 

フォルケ賞金のメダル 

エンマ・ルストレス(製作者)

プレゼンターは、勿論EGEDA会長のエンリケ・セレソ、会長がトロフィを手渡した。家族(共同設立者)が会場から見守るなか、2週間前のインタビューで「きっと泣いてしまう」という予告通り、登壇する前から涙、最後まで止まりませんでした。男性優位の製作現場での苦労を思えば涙も許されるでしょう。「独立系の製作者は、刷新を心がけること、新しい才能に新しいチャンスを与えること」とスピーチした。女性初の受賞者とか。

    


           (「偉大な才能の持主」と賞賛したセレソ会長)

   

 

    

Vaca Filmsを夫と創設した。代表作品『プリズン211』(ゴヤ賞2010作品賞)、『インベーダー・ミッション』(Invasor 12)、『暴走車ランナウェー・カー』(El desconocido メストレ・マテオ賞2016)、『バンクラッシュ』(Cien años de perdón 16、『ガン・シティ動乱のバルセロナ』(La sombra de la ley 18)、「Hasta el cielo」(20)、「Quien a hierro mata」(24)など、ダニエル・モンソン、ダニエル・カルパルソロ、ダニ・デ:ラ・トーレ、パコ・プラサなど硬派の作品を手掛けている。

  

       

    

    

 

                          

 ★地味だったフォルケ賞もカテゴリーが増えたりプレゼンターが豪華になったりと、年ごとにショー化して長くなりましたが、視聴率アップは至上命令ですから仕方ありません。TVシリーズ作品賞受賞作「Anatomía de un instante」の製作者ホセ・マヌエル・ロレンソがフランコ時代を知らない若い人たちに、現在手にしている自由をもち続けることの難しさと自由を手放さないための闘いを訴えるために製作したとスピーチしたのが印象的でした。また映画と価値観教育賞のプレゼンターとしてアントニア・サン・フアンが登壇したのに驚かされました。9月初旬に喉頭がんの診断を受け、当日はまだ化学療法を受けていたからです。その後大晦日に自身のインスタグラムで他臓器への転移もなく完治したと公表、「新たな人生を生きたい」という喜びの涙に〈いいね!〉が何万も投稿され、衰えないアントニアの人気の高さを実感したことでした。

   

    

      (レッドカーペットでインタビューを受けるアントニア・サン・フアン)

 

★エル・デセオが製作したオリベル・ラシェの「Sirat」は無冠に終わりましたが、プロデューサーのアグスティン・アルモドバルやエステル・ガルシアの二人もレッドカーペットでのインタビューを受けていました。大体インタビューを受けた人が受賞しているので何かの賞に絡むと思っていましたが残念でした。

 

★今宵会場とお茶の間を楽しませたミュージシャンたち、Ojos verde を歌ったルス・ロレンソ、Más bonita que ninguna” を歌ったシャイラ・ドゥカル、Nada de nada を歌ったアマラルとマファルダ・カルデナル、"Toda una vida" をデュエットしたシャネルとニル・モリネル、サウラの『カラスの飼育』でアナ・トレントとコンチ・ぺレスの姉妹がデュエットした "Porque te vas" をクロエ・バードが歌い始めると往年の大歌手ジャネットも登場して二人でデュエット、会場のシニアたちも乗せられて口ずさみ始め大いに盛り上がりました。

 


             (シャネルとルス・ロレンソ)




            (ジャネットとクロエ・バード


   

                    (シャネルとニル・モリネル)


ゴヤ賞2026栄誉賞にゴンサロ・スアレス*ゴヤ賞2026 ②2025年12月25日 18:48

         「アクション!」&「カット!」を懐かしむゴンサロ・スアレス

  

          

          (ゴヤ賞2026栄誉賞受賞者ゴンサロ・スアレス)

 

★前回予告した通り、ゴヤ賞2026栄誉賞受賞者ゴンサロ・スアレスのキャリア&フィルモグラフィー紹介です。バルセロナ派の先駆者の一人、バルセロナで開催される第40回ゴヤ賞2026ガラで授与されます(228日)。貰ったトロフィは「我が家で一番目立つところに置く」そうです。2020年にEGEDA(オーディオビジュアル著作権管理協会)が選考母体のホセ・マリア・フォルケ賞「金のメダル」を受賞した折に簡単なキャリア&フィルモグラフィーを紹介しております。記事がダブりますが、ゴヤ栄誉賞受賞を機に改めてスペイン映画界でも異色の監督をご紹介します。60年にわたるスペインの映画と文学に貢献してきた功績が授賞理由。受賞の知らせに「映画を作らなくなって郷愁を感じるけれど、受賞はとても嬉しい。『アクション!カット!と言うのが大好きなんだ。だって映画はアクションだからね」と。「どこに行くか決めずに知らない場所に行くのが好き。どこに辿りつくのか分からないのが冒険」とも語っている。

         

        

       (フォルケ賞〈金のメダル〉を手にした受賞者、2020118日)

  

★およそ20作くらいの長編を撮った監督は、2007年のコメディ「Oviedo Express」を最後に引退したかと思ったが、80代半ばで中編El sueño de Malinche」(19)と短編Alas de teniebla」(21)というアニメーションを撮っている。「いくつかの例外はあるが、自作を見返すということはしない。もしそんなことをしたら似たものが出来てしまうからね。映画が完成したら、それはそれで終わり、自分はそうやってきた」と。自分にとって時間は常に大きな謎、彼が映画に求めるものは挑戦すること。

フォルケ賞〈金のメダル〉受賞の記事は、コチラ20200113

 

ゴンサロ・スアレス Gonzalo Suárez Morilla  1934年、アストゥリアス州オビエド生れ、監督、脚本家、製作者、俳優、ジャーナリスト、作家(ペンネームはマルティン・ジラール)と多才。2年後の1936年、スペイン内戦が勃発した。彼はマドリードのインターナショナル・リセ・フランセに入学できた10歳まで学校教育をは受けていない。当時父親ゴンサロ・スアレス・ゴメスは、15世紀半ばのフランス最初の近代詩人と言われるフランソワ・ヴィヨンの専門家でマドリードの大学の特任教授でしたが、社会主義者という理由で追放の身であった。

   

   

      (受賞の知らせを受けたスアレス、2025718日、マドリード)

 

1951年、マドリードで哲学と文学を学び始める。戯曲執筆や舞台俳優としてアメリカのウィリアム・サローヤンの『君が人生の時』、ギリシャ三大悲劇詩人エウリピデスの『メディア』、シェイクスピアの『テンペスト/あらし』などを演じていた。しかしフランコ独裁政権下での勉学は厳しく、故国を捨ててパリに向かい、彼の地では一時しのぎの仕事に甘んじていた。1958年、妻のエレーヌ・ジラールを伴ってバルセロナに到着、マルティン・ジラールのペンネームでジャーナリズム界に入り成功するも、当時流行していた自然主義的なものとは断絶した著作に専念する。1963De cuerpo presente を手始めに刊行することができた。そのうち何作かを後に脚色して映画化している。映画デビューは1966年、短編「El horrible ser nunca visto」、撮影を手掛けたカルロス・スアレス19462019)は実弟、彼は兄の1970年代以降のほぼ全作を担当している。こうして映画製作と著作の二足の草鞋を履く人生が始まった。

 

    

         (ゴンサロ & カルロス・スアレス・モリーリャ兄弟)

 

★以下に主なフィルモグラフィーを列挙するが、話題作に触れておきたい。ベルリナーレ1970にノミネートされたファンタジー「El extraño caso del doctor Fausto」は、ファウスト博士を狂気の世界に堕落させる美しい女性の物語、ファウスト博士にビクトル・プイグを起用、自身はナレーションを担当、他にスアレス映画の常連チャロ・ロペスがクレジットされている。モスクワ映画祭1975にノミネートされた「La Regenta」は、レオポルド・アラス、ペンネーム〈クラリン〉の小説『ラ・レヘンタ』(1988刊行)の映画化、オビエドを舞台に年の離れた元裁判官と結婚した若いアナ・オソレス(エンマ・ペネーリャ)を苦しめる地方の偽善、宗教的抑圧が描かれる。「Parranda」は、ホセ・サクリスタンがサンジョルディ賞男優賞を受賞したドラマで、他にホセ・ルイス・ゴメス、アントニオ・フェランディス、チャロ・ロペス、フェルナンド・フェルナン=ゴメスなど有名どころが共演している。酒とセックス、暴力に溺れる3人の友人が奈落の底に落ちていく奇抜な人生が語られる。

 

       

                 (「El extraño caso del doctor Fausto」のポスター)

  

    

          (フェルナン=ゴメスと3人の悪友、「Parranda」から)

 

★カンヌ映画祭1984外国映画部門のユース賞受賞した「Epilogo」は、他にフランシスコ・ラバルがフォトグラマス・デ・プラタ1985主演男優賞を受賞、チャロ・ロペスが女優賞にノミネートされた。ロカブルノ(ラバル)とディティランボ(ホセ・サクリスタン)は、一緒に小説を書き、同じ女性(チャロ・ロペス)に恋をしていましたが二人は別れました。10年後ディティランボは「エピローグ」を共に執筆しようとロカブルノを訪れます。キャストの演技が光った秀作、スアレス自身の小説がもとになっている。

 

     

      

       (ラバル、ロペス、サクリスタン、「Epilogo」のフレームから)

 

★監督にゴヤ賞監督賞をもたらしたミステリーホラー「Remando al viento」(西=英合作)は、英語映画ということもあって『幻の城 バイロンとシェリー』という邦題で初めて劇場公開された映画。バイロン卿にヒュー・グラント、詩人パーシー・シェリーにヴァレンタイン・ペルカ、彼の婚約者メアリー・シェリーにリジー・マキナニー(『フランケンシュタイン』の著者)が扮し、彼女の異母妹クレア・クレアモントにエリザベス・ハーレー、バイロン卿の元恋人で秘書の主治医ポリドリをホセ・ルイス・ゴメスが演じ、衣装デザインを後にスペイン映画アカデミー会長を務めたイヴォンヌ・ブレイクが手掛けた豪華版だった。

 

    

★ゴヤ賞オリジナル脚本賞ノミネートの「El detective y la muerte」(西=仏合作)は、シュルレアリスムの雰囲気があるフィルムノワール、キャストは人気上昇中のハビエル・バルデム(サンセバスチャンFF銀貝賞男優賞受賞)、常連カルメロ・ゴメス(フォトグラマス・デ・プラタ主演男優賞受賞)、ポルトガルとフランスの国籍を持つマリア・デ・メデイロス、エクトル・アルテリオ、チャロ・ロペスなどの豪華版。混乱したプロット、捩じれた陰謀、幻想的な事件などで好みが二分された。

 

    

     (刑事役バルデムを配した「El detective y la muerte」のポスター)

 

★サンジョルディ賞作品賞を受賞した「Portero」は、スペインのプレミアリーグのゴールキーパー、ラミロ・フォルテサの物語。ラミロ役にまたしてもカルメロ・ゴメスを起用、マリベル・ベルドゥ、治安警備隊員のアントニオ・レシネス、エルビラ・ミンゲス、「マキ」に扮したエドゥアルド・フェルナンデスなど最高のキャスト陣、内戦後のアストゥリアスが舞台。実話に着想を得たサッカーと内戦後のマキを絡ませたドラマ。

  

       

          (GKを演じたカルメロ・ゴメスを配したポスター) 

 

★長編としては最後となる「Oviedo Express」は、ゴヤ賞7部門ノミネートでしたが無冠に終わり、評価も毀誉褒貶でした。弟の撮影監督カルロスとの二人三脚にも終止符が打たれた。カルメロ・ゴメス、アイタナ・サンチェス=ヒホン、ナイワ・ニムリ、マリベル・ベルドゥ、アルベルト・ヒメネス、ホルヘ・サンス、新人バルバラ・ゴエナガを登場させた。フォルケ賞金のメダル受賞の記事で紹介しています。

 

     

         (カルメロ・ゴメス、マリベル・ベルドゥ、フレームから)

  

       

   (左から、アルベルト・ヒメネス、アイタナ・サンチェス=ヒホン、スアレス監督、

   バルバラ・ゴエナガ、カルメロ・ゴメス、バジャドリード映画祭、20071028日)

 

 

主なフィルモグラフィー

1966El horrible ser nunca visto」(17分、モノクロ、ホラーコメディ)

   監督・脚本・製作・出演

1967Ditirambo vela por nosotros」(26分、モノクロ)監督・脚本・出演

1967Ditirambo」(103分)監督・脚本・出演(ディティランボ役)

1969El extraño caso del doctor Fausto」(ファンタジー)監督・脚本・製作、ナレーション

   ベルリナーレ1970正式出品

1972Morbo」(スリラー)監督・脚本 主演アナ・ベレン、ビクトル・マヌエル

1973Al diablo con el amor」(ミュージカル)監督・脚本・出演

   主演アナ・ベレン、ビクトル・マヌエル、ルイス・シヘス

1974La Regenta」監督、レオポルド・アラス〈クラリン〉の同名小説の映画化

   モスクワFF 1975正式出品、ブニュエル賞受賞

1977Parranda」(ドラマ)監督・脚本

   サンジョルディ賞男優賞(ホセ・サクリスタン)

1984Epilogo」監督・脚本、カンヌFF外国映画部門ユース賞受賞、シカゴFFノミネート

1988Remando al viento」(ミステリーホラー、英語)『幻の城 バイロンとシェリー』

   サンセバスチャンFF監督賞、ゴヤ賞1989監督賞受賞、オリジナル脚本賞ノミネート、

   カルロス・スアレス撮影賞受賞、リオデジャネイロFF審査員特別賞受賞

   フォトグラマス・デ・プラタ作品賞、サンジョルディ作品賞受賞

1991Don Juan en los infiernos」シネマ・ライターズ・サークル監督賞受賞

1992La reina anónima」主演カルメン・マウラ、マリサ・パレデス

1994El detective y la muerte」ゴヤ賞脚本賞・サンセバスチャンFF作品賞ノミネート

   シネマ・ライターズ・サークル撮影賞受賞(カルロス・スアレス)

2000Portero」ゴヤ賞2001脚色賞ノミネート、サンジョルディ賞2001作品賞受賞

2007Oviedo Express」(コメディ)ゴヤ賞2008オリジナル脚本賞ノミネート、

   ナント・スパニッシュFFジュール・ヴェルヌ、スペシャルメンション

   トゥールーズFFスペイン2008作品賞ノミネート、音楽賞・撮影賞受賞、他

2019El sueño de Malinche」(アニメーション、中編)

   (ボイス)マリアン・アルバレス、アナ・アルバレス、カルメロ・ゴメス

2021Alas de teniebla」(アニメーション、短編)脚本を妻エレーヌ・ジラールと共同執筆

   (ボイス)アナ・アルバレス、ホセ・サクリスタン、チャロ・ロペス

 

バルセロナ派の代表作と言われるビセンテ・アランダの「Fata Morgana」(66)は、スアレスの同名小説の映画化、彼もアランダと脚本を共同執筆している。カルロヴィ・ヴァリ映画祭、カンヌ映画祭併催の「批評家週間」にノミネートされた。スペイン語版ウィキペディアによると、カミロ・ホセ・セラの同名小説をマリオ・カムスが映画化した「La colmena」(82、『蜂の巣)にも共同脚本家として参画している由。俳優として自作には度々スクリーンに顔を出しているが、自作以外にもアルモドバルの『グロリアの憂鬱』(84)、オスカル・ラドワールの「A contratiempo」(82)などに出演している。 

 

    

           (スアレス監督と脚本家エレーヌ・ジラール)

 

上記以外の主な受賞歴

1991年、映画国民賞受賞

2003年、ナチョ・マルティネス賞

2011年、シッチェス映画祭マリア栄誉賞

2013年、フォトグラマス・デ・プラタ生涯功労賞

2016年、賢者アルフォンソX世大十字勲章(映画作家では最初の受章者)

2020年、ホセ・マリア・フォルケ賞金のメダル

2021年、第49回ウエスカ映画祭ブニュエル賞受

    ヒホン映画祭アイザック・デル・リベロ賞

2024年、アビレス・アクシオン映画祭トリビュート賞

2026年、第40回ゴヤ栄誉賞