『マウトハウゼンの写真家』①*ネットフリックス2019年03月03日 18:02

            フランコがヒトラーに売り渡した7000人以上のスペインの囚人

 

     

マル・タルガロナEl fotógrafo de Mauthausen『マウトハウゼンの写真家』の邦題でNetflixのストリーミング配信が始まりました。ゴヤ賞20194部門(プロダクション・美術・衣装デザイン・メイクアップ&ヘアー)にノミネートされた作品。いずれもゴヤ賞は逃しましたが、ガウディ賞は同じ4カテゴリーを受賞しています。ナチの強制収容所マウトハウゼンに収容されたスペイン人の写真家フランセスク・ボシュを主人公にした実話ということで気になっていた作品。先行作品としてロレンソ・ソレルのドキュメンタリーFrancisco Boix, un fotógrafo en el infierno200056分、エミー賞ノミネート)、マウトハウゼン強制収容所を専門的に研究している歴史家ベニト・ベルメホ(サラマンカ1963)が執筆したボシュの伝記Francisco Boix, un fotógrafo de Mauthausen2002)、2015年には「El fotógrafo del horror. La historia de Francisco Boix y las fotos robadas a los SS de Mauthausen」が刊行されており、タルガロナ監督も製作にあたって参考にしたと語っている。他にコミック本も発売されています。

 

         

★マル・タルガロナ監督は1953年バルセロナ生れの製作者、監督。フアン・アントニオ・バヨナの『永遠のこどもたち』、ギリェム・モラレスの『ロスト・アイズ』の製作を手掛けている。手始めに簡単なスタッフ、キャスト、プロットの紹介から。

 

        

                     (撮影中のマル・タルガロナ監督とマリオ・カサス)

 

 El fotógrafo de Mauthausen『マウトハウゼンの写真家』

製作:Film Team / ICEC Insttitut Catala de les Empreses Culturals / ICAA / RTVE /

    Rodar y Rodar / TV3(カタルーニャTV)  

監督:マル・タルガロナ

脚本:ロジャー・ダネスRoger Danés、アルフレド・ペレス・ファルガス

撮影:アイトル・マンチョラ

音楽:ディエゴ・ナバロ

編集:ホセ・ルイス・ロメウ

プロダクション・デザイン:ロサ・ロス

美術:マグドルナ・バルガ

衣装デザイン:メルセ・パロマ

メイクアップ&ヘアー:ケイトリン・アチソンCaitlin Acheson(メイク)、ヘスス・マルトス(ヘアー)、ルチョ・ソリアノ(ヘアー)、他

キャスティング:イレネ・ロケ

製作者:István Major、ホアキン・パドロ、マル・タルガロナ

 

データ:スペイン、スペイン語・独語、2018年、伝記ドラマ、実話、歴史、110分、撮影地:ハンガリーのブダペスト、バルセロナ県テラサTerrasa(スペイン語タラサTarrasa)、201710月クランクイン、スペイン公開20181026日、Netflixプレゼンツ、受賞歴:ゴヤ賞・ガウディ賞は上記の通り。

 

キャスト:マリオ・カサス(フランセスク・ボシュ)、リヒアルト・ファン・ヴァイデンRichard van Weydenパウル・リッケン記録管理責任者)、アライン・エルナンデス(バルブエナ)、アドリア・サラサール(アンセルモ・ガルバン)、エドゥアルド・Buch(フォンセカ)、ステファン・ヴァイネルトWeinertフランツ・ツィライス収容所所長SS大佐)、ニコラ・ストヤノヴィツ(ボナレヴィツ)、ルベン・ジュステ(ロサレス)、フランク・フェイス(ポパイ)、マルク・ロドリゲス(看護師)、アルベルト・モラ、ジョアン・ネグリエ(レヒアス)、ルカ・ぺロス(カール・シュルツSS大尉)、ライナー・レイナーズRainer Reinersポシャッハー採石場経営者)、マリアン・コクシス(ポシャッハー夫人)、トニ・ゴミラ(フランシスコ)、マカレナ・ゴメス(ドロレス)、Marta Hollerアンナ・ポイントナー寮母)、Denes Ujlaky(アンナ夫アルバート・ポイントナー)、エミリオ・ガビラ(アレクサンダー・カタン囚人A.K.)、パトリック・ペトロヴスキ(カポ)、Minnie Marx(売春施設担当者)他スペイン、オーストリアの囚人、ドイツの軍人など多数(G体は実在者、イタリック体は仮名の実在者。カタカナ表記が定まっていないものは原綴を入れた)

 

         

     (マウトハウゼン強制収容所の正面全景、ナチス・ドイツの国章を掲げた正門)

 

プロット1943年、第二次世界大戦真っただ中のナチス強制収容所マウトハウゼンに収容されたスペイン人約7000人は、ナチスの無慈悲で残酷な仕打ちと飢えに米軍による解放まで苦しんだ。彼らの多くはフランス兵と共にヒトラーに歯向かった人々やスペイン内戦の敗残兵コミュニストたちである。フランコ独裁政権のラモン・セラーノ・スニェル外相によって、囚人たちは国籍を剥奪され第三帝国にギフトとして売り渡された。コミュニストの活動家フランセスク・ボシュは、マウトハウゼンの記録管理責任者パウル・リッケンに写真の技術を見込まれ、彼の片腕となって写真家として過酷な運命を生き延びようと決心する。「夜と霧」の布告、グーセン収容所近くの花崗岩採石場に設けられた「死の階段」186段、ナチのなかでも最も過酷な収容所の一つに数え上げられたマウトハウゼン強制収容所を舞台に、スペインのホロコーストが語られる。   (文責:管理人)

 

            もう一つのゲルニカ、スペインのホロコースト

 

A: スペインは第二次世界大戦には参戦しませんでしたが、というよりスペイン内戦で疲弊した国土回復のため参戦できませんでしたが、ゲルニカの例でも分かるように、国民を犠牲にした点ではフランコもヒトラーと同じ穴の狢です。

B: 本作ではナチスの残虐行為は語られましたが、ヒトラーに無料の労働力として国民を売り渡したスペイン側の責任は、残念ながら語られません。これはまた別のドラマですが。

 

A: ナチの強制収容所といえば、150万のアシュケナージ系のユダヤ人をガス室に送り込んだ、ポーランドのアウシュヴィッツが先ず思い出されます。死者数は戦後すぐの194511月から翌年10月まで開廷されたニュルンベルク裁判では400万人とされましたが、冷戦後の1995年には150万人に改められました。実際のところ正確な数字は分からないということですね。

B: では、スペインの囚人7000とも8000ともいわれるマウトハウゼンはどんな役割をもった強制収容所だったのか。

 

A: マウトハウゼンは、19388月オーストリアのオーバーエスターライヒ州マウトハウゼン周辺に、アウシュヴィッツ同様ハインリヒ・ヒムラーの指示によって建設された。従って1940年に建設されたアウシュヴィッツより先だったわけです。収容所所長は映画でも残忍ぶりを思う存分発揮した親衛隊SS大佐フランツ・ツィライスでした。スペイン人の他、ポーランド人、ロシア人、犯罪者、政治家、ユダヤ人も少数だが収容されていた。

  

B: 1940年にマウトハウゼンから5キロほど離れたグーセンに建設された、より過酷な収容所の囚人数の合計は延べ20万人、うち半分以上が死亡したという。死者のトータルは122,766人から32万人と、幅がありすぎますが数え方にもよるのか、要するに正確な数字は今後とも分からないということです。映画の主な時代背景になった1943年の収容人数は15,000人、1年間の死者は7058人、半数が死亡している。

 

A: スペイン人のトータルの犠牲者は、正確かどうか分かりませんが4672名、半数も生きのびるとこができなかった。死に方は何十通りもあると豪語するシーンが出てきますが、アウシュヴィッツのような「ガス室」はなかった代わり、「ガス・バン」といわれる黒のバンに押し込めて処理する「ガス車」があった。

B: 映画でもシュルツ大尉に「簡単で清潔だ」とか言わせていた。病死のほか、冬場の冷水シャワー、餓死、拷問、脱走者防止のため電流を流した鉄条網、犬による八つ裂き、一発で終わるようコメカミを狙っての発砲、見せしめの公開絞首刑、自殺・・・あとどんなのがあるのか、気分が悪くなってきた。

 

          30歳の若さで倒れたフランセスク・ボシュは英雄か?

 

A: マリオ・カサス12キロ減量して演じたフランセスク・ボシュの伝記映画、と言っても彼の人生をベースにしたドラマです。ニュルンベルク裁判に証人として出廷したときの公式記録では、「1920814日にバルセロナで生れ、19406月にフランスで逮捕され、ドイツの捕虜となってその後マウトハウゼンに1941127日に移送された」と応えている。共和派の1506人と一緒だったという。

B: コミュニストの活動家、スペイン内戦には共和国軍側に17歳で参加、バルセロナ戦線で戦った。内戦中にフランスへ亡命している。ドイツ語ができたので最初は通訳の仕事をしていた。その後は映画にあるように写真の腕を記録管理責任者パウル・リッケンに見込まれてカメラマンとして生き延びた。

 

      

      (スペイン内戦時代のフランセスク・ボシュ、右は共産党のリーダー)

 

A: レニングラードでのドイツ軍敗北が分かった19432月にはネガは約2万枚あったということでしたが、映画にも出てきたように証拠隠滅を急ぐSS幹部によって焼却処分された。焼却を免れた約1000枚を仲間と分散して外部に持ち出し救出した。うち200枚ぐらいが自分の撮影した写真だとボシュは証言している。200枚の内訳は194555日の解放後に撮られたものだとも語っている。

B: 例えば元囚人というか正確には戦争捕虜であるが、鷲がハーケンクロイツを掴んでいるナチス・ドイツの国章に縄をかけて引き下すシーン、写真救出に協力してくれた娼婦ドロレスと同僚二人を撮ったもの、写真などが含まれる。

 

         

        (縄をかけてナチス・ドイツの国章を引きずり下す元囚人たち)

 

         

                 (ドロレスと同僚の女性) 

 

        

            (ドロレス役のマカレナ・ゴメス、映画から)

 

A: ネガの殆どはパウル・リッケンが撮ったもので、絵画に造詣が深く芸術家気取りだった元美術教師は、構図や照明に拘り、写真の違法修整を行っていたことを映画は語っている。

B: ヒムラーとその部下エルンスト・カルテンブルンナーが揃ってマウトハウゼンを視察に訪れたときの有名な写真、186段もあった「死の階段」の残酷なシーン、部屋の消毒のため裸で広場に集められた囚人たちなど、後の裁判で重要証拠となったものは、リッケンが撮影したもので、同じシーンが映画にも登場する。

 

       

                (花崗岩を背負って186段を昇るグーセン収容所の囚人たち)

 

        

           (寒さに震えながら消毒が済むのを待つ囚人たち)

    

      

 (構図や照明に拘って撮ったチェスをする囚人たち)

 

A: ボシュだけの手柄ではありませんが、リッケンが焼却処分を命じたネガを救出した功績は大きい。リッケン自身は自分の子供のように大切だったネガの焼却は本意ではなかったでしょうけれど。アイヒマン裁判を傍聴したハンナ・アーレントが、彼は極悪人ではなく小心者の有能な小役人であり、完全な無思想性からくる「悪の陳腐さ、滑稽さ」と嘆じてスキャンダルになったが、リッケンもアイヒマンに一脈通ずるものがあります。

B: 「私は誰も殺さなかった、命令に従っただけ」とボシュに訴えるシーンがありました。第三帝国には決定的に不利な証拠物件であったが、自分が優れた写真家であったことを証明できた。歴史の皮肉を感じさせます。

 

        

       (ネガ焼却に向かう、バルブエナ、ボシュ、リッケン、映画から)

 

A: 解放後は、フランスに戻り共産党の機関紙「ユマニテ/リュマニテ」の報道カメラマンとして働くも、マウトハウゼンで発症していた腎臓病のため195130歳の若さで鬼籍入りしてしまった。先述したようにニュルンベルク裁判に、1946129日マウトハウゼンの生き証人として出廷、証拠として提出されていた写真ネガの状況説明を10時間に亘っておこない、1941年にヒムラーやカルテンブルンナーが当地を視察に訪れたことを証言した。

 

B: これが映画の最後のシーンですね。裁判官から「あなたが収容されていたとき訪問した人がここにいますか」と質問され、「はい、おります」と指さしているシーン。

A: ヒムラーは既に1945523日に服毒自殺しておりますから、多分カルテンブルンナーでしょう。彼は往生際が悪く誰彼のせいにして生き伸びようとしましたが、19461016日に絞首刑になった。 

   

       (法廷でマウトハウゼンの訪問者を指さすボシュ、1946129日)

  

『マウトハウゼンの写真家』②*ネットフリックス2019年03月05日 12:33

        映画は毀誉褒貶あったボシュの実像に迫ることができたか? 

 

        

B: フランセスク・ボシュは、映画では親切で世話好き、仲間から信頼されていたように描かれていますが、実際にはどんな人物だったのでしょうか。パウル・リッケンからはフランツとドイツ名で呼ばれていた。

A: スペイン語ではフランシスコ、機転が利くうえに権力を誇示したいSS軍人を懐柔するしたたかさを持ち合わせていたが、どんな人物であったかはよく知られていないとFrancisco Boix, un fotógrafo de Mauthausen」の著者ベニト・ベルメホは述べています。「ボシュは純真で親切に振るまう必要があった。映画のなかよりもピエロ的な要素があった。無分別な大胆さを非難されることもあったが、仲間の多くから信頼を勝ち得ており、勿論全部がそうだったわけではないが」とも語っている。    

        

               (認識番号5185、フランシスコとスペイン語で表記されている)

   

           

(ボシュ役のマリオ・カサス、体重を12キロ減量した)

 

B: 同じ現像所で働いていたバルブエナの実名は、アントニオ・ガルシアという人物だそうですが。

A: アライン・エルナンデスが命を吹き込んだ登場人物、認識番号5219から同じ時期に入所してきたことが分かるが、現像所では先輩格のようでした。彼がボシュの死後4半世紀たった1970年代末に作家のマリアノ・コンスタンテに送った書簡に「無責任で策士、告げ口屋だった」と書き送っています。

B: 作中でも仲が良かったようには描かれていない。解放後ボシュだけが脚光を浴びたのが、多分不満だったのかもしれない。

 

                

       (ガス管の故障で一命をとりとめたバルブエナ、ガス・バンの中)

 

A: コンスタンテはボシュと同じ1920年生れの共和国軍の活動家、19394月にフランスに亡命しており、大体同じルートで19414月マウトハウゼンに収容された生き証人の一人。解放後はフランスに戻り、2010年にモンペリエで亡くなるまで帰国しなかった。帰国すれば即逮捕、拷問の末に餓死が待っていた。スペイン内戦やマウトハウゼン強制収容所についての著書があり、死去の2年前の2008年制作のマウトハウゼンについてのTVドキュメンタリーに出演して証言を行っている。

B: 帰国したくなかった、または帰国できなかったが正確かも。ボシュの3倍も生きていたというのも驚きです。   

            

            (認識番号4584のマリアナ・コンスタンテ)

 

A: 時代が時代でしたからボシュの実像に迫るのは不可能に近い、短い生涯でもあったから。何が本当で何が嘘かは視点が違えば変わってくる。映画を見たベニト・ベルメホは、「一つ一つのシーンはおよそ事実」と語っておりますね。

 

B: 映画ではボシュが面倒を見たアンセルモ・ガルバンという名前で登場した、14歳ぐらいの少年も実在していたそうですが。

A: 父親と片脚が切断された兄と一緒にきたハシント・コルテスにインスパイアされたようで、映画とは正確には同じではない。採石場経営者ポシャッハーに救われて近くに住んでいた寮母のような仕事をしていたポイントナー夫人の家で解放までの2年間を過ごすことができた。ポシャッハーもポイントナー夫人も実在した人、彼女はアンセルモから預かったネガの包みを「ここに隠していたの」と、石垣塀の石をどけて説明している写真が残っている。

 

        

         (歓迎の垂れ幕を垂らしてアメリカ軍を迎える囚人たち)

 

B: 地元の協力者がいなければ残らなかった。1943年に145歳ということは内戦時には10歳ぐらいになる。そんな子供も収容されたのですね。1929年のジュネーヴ条約の少年捕虜取り扱いでは労働は禁じられていたはずです。

A: 彼らは戦争捕虜ではなくフランコ政権によって国籍を剥奪され、ナチスに労働力として売り渡された戦争囚人、フランコからの贈り物だったのです。ボシュも自分は囚人だと言っていた。ニュルンベルク裁判でも「政治犯か?」という質問に、「囚人だ」と答えている。

 

           収容所所長フランツ・ツィライスの最期の姿

 

B: 収容所所長フランツ・ツィライスの遺体は、裸体に落書きされ、グーセン収容所の鉄条網に吊るされましたが事実でしょうか。

A: かつては否定する説もあったようですが事実だとされています。彼は家族と逃亡中の1945523日に発見され、さらに逃亡しようとしたので撃たれ、米軍が設置したグーセンの病院に搬送されるも翌日死去、遺体は衣服を剥ぎとられ、元囚人たちによってマウトハウゼンの付属収容所グーセンのフェンスに吊るされた。

 

          

          (グーセン収容所のフェンスに吊るされたツィライス)

 

B: 息子の8歳の誕生祝いに集まった客人を前に、本物のピストルを息子に渡し射撃の練習と称してウェーターをしていた囚人を撃つようけしかけた。ビビる息子に業を煮やして自ら数人を射殺した。

A: このシーンも事実の由、実際は数人どころか40人以上とも言われています。奥さんも震え上がっていましたが、引き留めようとすれば自分が撃たれるから軽々しく口出しできない。花崗岩採石場の経営者ポシャッハーも大切な労働力を失って「もう、これは手が付けられない」と。

 

     

      (解放後リッケンから奪ったカメラで証拠写真を撮るボシュ、映画から)

 

B: ポシャッハーが良心的な人物に思えてくるようなシーンでした。囚人を個人的な仕事に使うことができた。勿論賃金は払われない。しかし三度の御飯とベッドはあてがわれたから、収容所に比較すれば天国だったでしょう。

A: ツィライスはいわゆる叩き上げのSS大佐で、エリート将校から馬鹿にされているのではないかと怖れている小心者、第三帝国の没落など想像すらできない先が見えない人物だったのではないか。名演技を称賛されつつも「ヒトラー役はもう演りたくない」と、ブルーノ・ガンツは吐露したが、フランツ・ツィライス役も演りたくないほうか。

 

       

       (ネガの隠す場所を白状するよう拷問を受けるボシュ、映画から)

 

B: エミリオ・ガビラが演じたユダヤ人の囚人アレクサンダー・カタンA.K.)も実在した。軟骨無形成症、いわゆる低身長を患っていた。

A: 「違うものは普通のものより面白い」とリッケンはうそぶく。彼はドイツ語もスペイン語もできるオーストリア人だと言ってるが実はオランダ人で、オーストリアで語学教師をしていたとボシュに語る。こういう体形は強みのこともあり、それはSS隊員は卑猥だからと。エミリオ・ガビラは、ハビエル・フェセルの『ミラクル・ぺティント』や『モルタデロトフィレモン』、パブロ・ベルベルの『ブランカニエベス』などに出演しているベテラン。

 

B: 「娼婦宿にも行けた」と。それをリッケンは覗き見していた。結局解剖されてホルマリン漬けになっっているのをボシュは目撃する。このシーンは「信じられないことだが事実だ」と脚本家のロジャー・ダネスが語っている。

A: こういう異常者の医師で思い出されるのが、ルシア・プエンソが描いた『ワコルダ』に登場するヨーゼフ・メンゲレです。ユダヤ人の人体実験を行い「死の天使」と怖れられた医師、ナチハンターモサドの追跡を巧みにかわして、アルゼンチン、パラグアイと逃亡、1979年ブラジルで海水浴中に心臓発作で死亡した。イスラエルにとってもブラジルにとっても国家の不名誉でした。

B: 戦後35年も逃げおおせたのは、抜群の知能犯だった以外にナチ主義者の残党たちの組織ぐるみの情報網のお蔭です。

A: 作中に「夜と霧」法令というのが何度か出てきましたが、1941127日に出されたヒトラー総統命令「夜と霧」のことで、ワグナーの『ラインの黄金』からの引用。フランス、ベルギー、オランダ、ノルウェーにいる「ドイツの治安を危険に晒す」人物、例えば活動家、レジスタンス擁護者を選別して、誰の目にも映らないように秘密裏にドイツに移送する。

B: 朝になれば夜霧が消えるように存在しない。政治犯のほか、身体・精神障害者、同性愛者なども含まれた。

 

A: アラン・レネの存在を世に知らしめたドキュメンタリー『夜と霧』32分、1956)は、世界に衝撃を与えた。日本では1961年、残虐シーンを一部カットして公開されましたが、17年後にノーカット版でリバイバルされた。映画チャンネル、シネフィルイマジカで放映されました。

 

B 収容所で小演劇が行なわれていたのも事実とか。衣装も結構揃っていました。

A: 一番近い町が20キロ先のリンツということで、気晴らしができないSSたちはストレスを溜めこんでいる。それを発散させて士気の低下を食い止めることが目的。音楽隊も同じで写真も現存しています。もっとも作中に現れた公開死刑前のシーンでは残酷を通り過ぎて、ツィライスの狂気を感じさせるものだった。衣装を手掛けたメルセ・パロマが、ゴヤ賞は逃しましたがガウディ賞で衣装デザイン賞を受賞した。

B: 大分道草をしましたが、いろいろ勉強にもなりました。真実であるのかどうかは別にして、過去を総括することは痛みを伴います。

 

A: ボシュを演じたマリオ・カサスは、キケ・マイジョの『ザ・レイジ 果てしなき怒り』、アレックス・デ・ラ・イグレシアのホラー・コメディ『クローズド・バル 街角の狙撃者と8人の標的』、オリオル・パウロの『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』などでご紹介、またサム・フエンテス監督がマリオ・カサスを念頭に脚本を書いたという『オオカミの皮をまとう男』はNetflixで配信されました。

Bバルブエナを演じたアライン・エルナンデスは、マルク・クレウエトのEl rey tuerto、イニャキ・ドロンソロの『クリミナル・プラン 完全なる強奪計画』などで主役を演じています。

 

 

『ザ・レイジ 果てしなき怒り』の作品紹介は、コチラ20160414

『クローズド・バル』の作品紹介は、コチラ2017012202260404

『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』の作品紹介は、コチラ201702170414

El rey tuerto」の作品紹介は、コチラ20160505

『クリミナル・プラン 完全なる強奪計画』の作品紹介は、コチラ20170304

 

カンヌ映画祭審査委員長にアレハンドロ・G・イニャリトゥ*カンヌ映画祭2019 ①2019年03月06日 17:51

       メキシコからは初めての審査委員長、スペイン語話者としては3人目

    

★今年のアカデミー賞はメキシコ映画のROMA/ローマ』が、アルフォンソ・キュアロンの監督賞と撮影賞、外国語映画賞ではガブリエラ・ロドリゲスが初ノミネート初受賞したばかりでした。そんな熱気も冷めやらぬ226日、今度はカンヌ映画祭の事務局から第72回の「審査委員長はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ」とアナウンスされた。

 

      

     (第70回カンヌ映画祭2017でのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)

 

2015年からカンヌ映画祭会長職にあるピエール・レスキュールは「アレハンドロは勇気と驚きにあふれたシネアストであり、信念の人、時代のアーティストでもある」と選んだ理由をコメントしました。同じく映画祭総代表のティエリー・フレモーは、「カンヌはすべての映画に開かれている映画祭、『バベル』の監督の出席を通して、今度の映画祭ではメキシコ映画が特集されるだろう」と述べたようです。監督自身も「とても名誉なこと」というコメントを出した。映画祭の審査員を引き受けるのは稀なことらしいのですが、丁度10年前、第22回東京国際映画祭2009の審査委員長を務めた経験があります。

 

★スペイン語を母語とする審査委員長第1号は、1967年にノーベル文学賞を受賞したグアテマラの作家ミゲル・アンヘル・アストゥリアス18991974)で、第23回の1970年のことだった。第2号が2017年のペドロ・アルモドバル、第3号がゴンサレス・イニャリトゥ、勿論メキシコからは初めてです。戦後すぐの1946年に始まったカンヌ映画祭の審査委員長は、第1回~3回までがフランスの歴史家ジョルジュ・ユイスマン、第4回がアンドレ・モーロワ、他ジャン・コクトーマルセル・パニョルマルセル・アシャールなどと作家が続き、映画産業に直接携わっているシネアストではありませんでした。製作者や監督、俳優が務める今とは大分様子が違っていた。ヨーロピアンではないアストゥリアスが選ばれたのは、ノーベル文学賞受賞のほかに、一時パリ在住だった時期があったからでしょうか。

 

★ゴンサレス・イニャリトゥ監督が国際舞台に電撃デビューしたのが、ここカンヌでした。2000『アモーレス・ぺロス』がカンヌ映画祭併催の「批評家週間」のグランプリを受賞、本作で同じく鮮烈デビューしたガエル・ガルシア・ベルナルの人生もひっくり返ってしまいました。2006『バベル』で監督賞、2010BIUTIFUL ビューティフル』では主演のハビエル・バルデムが男優賞を受賞、第70回の節目となる2017年には、コンペティション外だが実験的なヴァーチャルリアリティ映画Carne y arenaを、小型飛行機専用の格納庫で上映するという試みをした。審査委員長をつとめたアルモドバルが「映画は映画館だけで見る時代は終わったのか」と語ったのでした。

 

           

 (二人とも若かった『アモーレス・ぺロス』当時のG.G.ベルナルと監督)

    

          

           (バルセロナで撮影中の監督とカンヌ男優賞受賞のハビエル・バルデム)

 

★オスカー像もトータル4個せしめている。大激戦だった2015年に「ハリウッドはコメディが嫌い」を覆して『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』により作品・監督・脚本の3冠、文字通り<奇跡>の受賞でした。手は2本しかないから同時に全部持てなかった。しかし、授賞式のテレビ視聴率はすこぶる悪く、大枚をはたいて放映権を買った企業からはブーイングの嵐、そんなこと「オレの知ったことか」と監督。本作は全米公開ではなかったので見てる人が少なかったのでした。翌年『レヴェナント 蘇えりし者』でまさかの連続監督賞を受賞、主演のレオ様にも念願の男優賞がもたらされ、極寒のカナダで頑張った二人の努力が報われました。Netflix 問題を抱えたまま、何はともあれカンヌは発車しました。

 

     

  (バードマンのマイケル・キートンと監督)

    

       

    (『レヴェナント』撮影中の監督とオスカー賞男優賞のレオナルド・ディカプリオ)

 

 管理人覚え

2015年アカデミー賞受賞の記事は、コチラ20150306

2016年アカデミー賞受賞の記事は、コチラ20160302

  

『シークレット・ヴォイス』カルロス・ベルムト*他人の人生を生きる2019年03月13日 21:32

             他人の人生を生きることの痛みと悲しみが語られる

 

  

     

カルロス・ベルムトの第3作目『シークレット・ヴォイス』(原題Quién te cantará)が、公開されたばかりなのに早くもNetflix に登場しました。いろんな読みが楽しめたり、悪意が滲みでてくるような前作『マジカル・ガール』を期待していたファンには肩透かしだったでしょうか。シネマニア向きということに変わりありませんが、突飛さは影を潜めプロットもより近づきやい。相変わらず長すぎてオカンムリの批評家もいたようですが、日本の折り紙、カラオケ、『裸の島』、キティーのヘアバンドなどを登場させて日本贔屓も健在、エバ・リョラチナイワ・ニムリの女優対決に魅了された125分だったか。本作は一応ミステリーなので、公開は終了していますがネタバレに気をつけながら進めます。果たして上手くいくでしょうか。

『マジカル・ガール』の作品紹介は、コチラ2015012120160215

 

ナイワ・ニムリ Najwa Nimriは、1972年パンプローナ生れの女優、歌手。母親はナバラ出身ですが、父親がヨルダン人ということで変わった名前だったせいか日本での表記が定まらなかった一人です。映画デビューは1995年、『インベーダー・ミッション』が公開されたダニエル・カルパルソロのデビュー作Salto al vacioでした。当時二人は結婚しており、彼の作品にはAsfalto00)他4作に主演している。並行してアメナバルの『オープン・ユア・アイズ』やフリオ・メデムの『アナとオットー』、『ルシアとSEX』、ラモン・サラサールの『靴に恋して』などに出演しています。歌手としても知名度があります。現在は2015年から始まり現在も続行中のTVシリーズVis a visのスレマ役がブレークしている。映画はフリオ・メデムのEl árbol de la sangre18)に出演、本作は『ファミリー・ツリー~血族の秘密』の邦題でNetflixプレゼンツとして配信されている。

Salto al vacio」の作品紹介は、コチラ20160703

       

     

(復帰間近のリラ・カッセン役のナイワ・ニムリ)

 

エバ・リョラチ(ムルシア1970)は、『マジカル・ガール』に出演していましたが記憶している方は少ないでしょう。映画、舞台、TVと活躍しているベテランですが、本作でスペインの代表的な映画賞の数々を手にするまで賞とは無縁の女優でした。ゴヤ賞新人女優賞以下、今までにフォルケ賞女優、フェロス賞主演女優、シネマ・ライターズ・サークル賞などを制覇しています。残すはイベロアメリカ・プラチナ賞2019ですが果たして受賞と相成りますか。ノミネーション発表は321日と間もなくです。目下スペインからは彼女のほか、ナイワ・ニムリペネロペ・クルススシ・サンチェス4人が候補になっており、誰が最終4候補に残れるかです。ガラは512日、メキシコのリビエラ・マヤで開催されます。

    

      

           (元の自分に戻りたくないリラ・カッセンとリラと共生したいビオレタ)

 

 

『シークレット・ヴォイス』(原題「Quién te cantará」)

製作:Apache Films / Aralan Films / Les Films du Woros / RTVE / Canal Sur Televisión /

    Orangr Studio / Vodafone / Canal France / 協力ICAA / Junta de Andalucia / Le Pacto

監督・脚本:カルロス・ベルムト

音楽:アルベルト・イグレシアス

撮影:エドゥアルド・グラウ

編集:マルタ・ベラスコ

キャスティング:サラ・ビルバトゥア、マリア・ロドリゲス

プロダクション・デザイン:ライア・アテカ

美術:クララ・アルバレス

衣装デザイン:アナ・ロペス・コボス

マイクアップ&ヘアー:アナベル・ベアト、ラファエル・モラ

録音:ダニエル・デ・サヤス、エドゥアルド・カストロ、マリオ・ゴンサレス

サウンドトラック・パーフォーマー:エバ・アマラル

製作者:エンリケ・ロペス・ラビニュ、アレハンドロ・アレナス、マル・イルンダイン、(以上エグゼクティブ)、シルビエ・ピアラト、マルタ・ベラスコ(以上共同プロデューサー)

 

データ:製作国スペイン=フランス、スペイン語、2018年、ミステリー・ドラマ、125分、撮影地カディス湾沿いの町ロタ。公開:フランス20181024日、スペイン同年1024日、日本201914日、ネットフリックス・プレゼンツ同年3

映画祭・受賞歴:トロント映画祭2018年、サンセバスチャン映画祭(フェロス・シネマルディア賞)、チューリッヒ映画祭、ワルシャワ映画祭、ロス・カボス映画祭(メキシコ)、マル・デル・プラタ映画祭など、いずれも2018年。

 

キャスト:エバ・リョラチ(ビオレタ)、ナイワ・ニムリ(リラ/リリ)、カルメ・エリアス(ブランカ・ゲレロ、リラのエージェント)、ナタリア・デ・モリーナ(ビオレタの娘マルタ)、フリアン・ビリャグラン(ニコラス、バーの客)、イグナシオ・マテオス(ブランカの助手)、カロリナ・ジュステ(マルタの友人アナ)、カタリナ・ソペラナ(ディアナ)、ホセ・チャベス(ドクター)、ビセンタ・N'Dongo(病院理事)、インマ・クエバス(弁護士オルガ)、Per-Olov Kindgren(海兵隊のギタリスト)ほか。(人名表記は公式サイトと若干異なる場合があります)

 

物語90年代のポップ界の歌姫シンガー・ソング・ライターのリラ・カッセンは、人気絶頂のさなか突然表舞台から姿を消すが、10年間のブランクを経て復帰ツアーが発表された。しかし直前の事故により記憶喪失に見舞われ復帰が危ぶまれる。25年間リラに人生を捧げてきたマネジャーのブランカは窮地に立たされる。リラの熱烈なファンのシングルマザーのビオレタは、カラオケバーでリラそっくりの物まね歌手をしながら、精神が常に不安定で制御のきかない娘マルタと暮らしている。ブランカはビオレタに近づくと、記憶をなくしたリラに元のリラに戻れるよう秘密裏に教えて欲しいと願い出る。アイデンティティの本質と喪失、夢を放棄した母の寛容と牙を剥きだす娘の残酷さ、他人を生きる人生の苦しさと痛み、ここでは粉々に砕かれた二人の女性、ビオレタとリラの死と再生が語られる。                         (文責:管理人)

 

          粉々に砕かれた女性たちVS均衡の取れた模範的女性

 

A: 前作の『マジカル・ガール』(14)は、サンセバスチャン映画祭で作品賞(金貝賞)と監督賞(銀貝賞)を受賞した。カンヌ映画祭と同じように受賞をダブらせない方針を敢えて枉げて与えたから、会場の一部から「こんなオタク映画に」とブーイングが起きた。これが尾を引いたかどうか分かりませんが、ゴヤ賞はノミネーション数こそ多かったが、受賞はバルバラ・レニーの主演女優賞1個に止まりました。

B: 第3作もサンセバスチャンに出品されましたが大きな賞には絡めませんでした。しかしゴヤ賞ではエバ・リョラチが新人女優賞を受賞した。新人というのも変でしたが。

 

              

       (重要なシーンを打ち合せする、カルメ・エリアスとベルムト監督)

 

A: ナイワ・ニムリが主演に回った都合ではないでしょうか、ゴヤ賞ノミネートは初めてだし助演ではないから押し込めない。新人枠なら彼女の受賞は100%確実でした。ゴヤ賞で紹介したようにカルロス・ベルムトのデビュー作Diamond flash11)では主役を演じました。ベルムト映画全3作に出演しているのは、本作ではエバだけで、監督のお気に入りぶりがのぞけます。

 

        

          (エバ・リョラチ主演の「Diamond flash」のポスター)

 

B: 第1作は監督・脚本・製作・撮影・編集などお金も時間もナイナイ尽くしだったから一人でこなし、201211月マドリードで限定公開された。

A: 映画館はガラ空き(笑)、ネット配信は良かったので DVD 化されています。鑑賞の仕方はいろいろあっていいと言ってますね。現在では「テレビ、YouTube、携帯、インスタグラムなど毎日私たちが受け取る画像は多く、絶え間なく砲撃されていることを考えると、映画の言語は別の方向を模索すべきとき」とも、昨年のサンセバスチャンで語っていました。

 

B: リラとビオレタは、他人の人生を生きねばならない粉々に砕かれた女、片やカルメ・エリアス演じるブランカは、あまりに均衡がとれすぎ、模範的というか静的な人格設定でした。

A: 人生のすべてをリラに捧げた女性の失意と悲哀が残酷でした。ハビエル・フェセル『カミーノ』08)で難病に苦しむ少女カミーノの母親に扮し、オプス・デイの敬虔な信者の頑迷さを好演、ゴヤ賞主演女優賞ほか多数映画賞を受賞している。実話にインスパイアされた作品だったことが、後に遺族から裁判を起こされ訴訟問題でフェセル監督が苦慮した話題作でした。1951年バルセロナ生れ、舞台俳優を目指し、ニューヨークのリー・ストラスバーグ演劇学校でメソッド演技法を学んでいる。

 

          

        (ビオレタに初めて対峙するリラと不安を隠せないブランカ)

 

B: 他にもベネズエラのクラウディア・ピントLa distancia más larga13)で主役を演じています。本作は昨年10月にインスティトゥト・セルバンテス東京で開催された、第1回ベネズエラ映画祭で上映されています。

A: 若干古い映画上映でしたが、ピント監督が「グラウベル・ローシャ賞」や第2回イベロアメリカ・プラチナ賞2015初監督作品賞を受賞している作品です。

La distancia más larga」の紹介記事は、コチラ20130905

 

B: ブランカと対照的なのがビオレタの娘マルタの制御不能な人格でした。傷つきやすく、母親の愛を確信できない。23歳になるのにどうやって人を愛したらいいのかを学ばなかった娘を演じた。自分が祝福されて生れた子供でないことが、彼女の成長を阻み、攻撃性を生んでいる。

A: 母親の自分に対する愛情の多寡を脅しで図る幼稚さが痛々しかった。1989年ハエン生れのナタリア・デ・モリーナは、ダビ・トゥルエバ『「僕の戦争」を探して』でゴヤ賞2014新人女優賞を皮切りに、フアン・ミゲル・デル・カスティジョTecho y comidaでゴヤ賞2016主演女優賞と文字通りのシンデレラガール、演技の幅を広げてパコ・レオンKIKI~愛のトライ&エラー』、最近ではイサベル・コイシェに切望されてElisa y Marcelaでレスビアン役に挑戦した。本作は Netflix オリジナル作品ですから、いずれ字幕入りで観ることができるでしょう。

Elisa y Marcela」の作品紹介は、コチラ20190211

 

        

             (大人になれない迷える子羊マルタ)  

 

        「1つのネガティブ評価は10のポジティブ評価に勝る」とベルムト

 

B: 批評家や観客の評価は気にするが、興行成績は気にしないタイプの監督とか。

A: でもある程度考えないと次のチャンスが回ってこない。資金が集まらないことには話にならない。しかし「自分が好きになれない映画は作りたくない。納得できない映画を作って自分を台無しにするのが怖いと自問している」そうです。またアルモドバルに『マジカル・ガール』を「21世紀を代表する映画の一つ」と絶賛してもらったが、1つのネガティブ評価は10のポジティブ評価に勝る」と十の誉め言葉を警戒する慎重さを持っている。

 

B: 自分が好きでも観客が見てくれないと次が作れない。映画は観客と共に生きるアートです。

A: たいていの監督がそうですが、彼も他の監督作品と比較されるのが嫌い。本作のプロデューサーの一人エンリケ・ロペス・ラビニュが、ベルイマンバホ・ウジョアのあいだを交差している映画だと言ったのに対して、ベルイマンの『仮面/ペルソナ』(66)との関連性は否定しています。

B: 他にもベルイマンを思い出した批評家がいますね。失語症になった舞台女優、それを支える看護婦、海辺の別荘・・・一見すると舞台設定が似ているがテーマは異なると思う。

 

A: バホ・ウジョアについては「あるかもしれない。彼の「La madre muerta」(仮題「死んだお母さん」)や「Alas de mariposa」(同「蝶の羽」)が大好きだから。ベルイマンも好きだが『仮面/ペルソナ』はそれほどじゃない。むしろ本作は、フェルナンド・フェルナンデス・ゴメスが自作自演した「La querida」(同「愛人」)の要素を持っている」と語っています。歌手を夢見るアンダルシア娘(歌手ロシオ・フラドが演じた)がマドリードで成功、彼女の恩人とも言うべき年上の作曲家(F.F.ゴメス)を捨て、新しい恋人に走るお話でした。

 

B: 大好きなロバート・アルトマンの『三人の女』(77)との関連性を指摘され、それは肯定している。

A: 主演のシェリー・デュバルがカンヌ映画祭で女優賞を受賞した作品、無関係だった3人の女性が絡みあっていくミニ群像劇でした。それはともかく、リラ・カッセンを母の死を切っ掛けに「歌を忘れたカナリア」に設定したのは、1992年に夫が急逝したあと歌えなくなった日本の歌手ちあきなおみにインスパイアされたからだそうです。

B: 活動休止がそのまま引退に繋がった。もう年齢的に復帰はあり得ないが本人もその気はない。ベルムトの日本贔屓もここまでくると病膏肓に入るだね。

 

          謎解き、メタファー探し、伏線、『裸の島』

 

A: 日本関連では、折り紙のメタファーは何か。小舟を折ったのはブランカ、を折ったのはビオレタ。折り鶴は想像できますが、小舟はどんな意味?

B: 冒頭に登場させている。リラはブランカという母船に乗っているがもう下船したい。再び小舟が登場するのはビオレタが歌っているカラオケ・ウニカで、ブランカがビオレタの歌を聴きに来ていたことが暗示される。小舟にビオレタが気づいて飲み残しのコンプに沈める。

 

              

A: ブランカとの決別後にリラが小舟を壊してしまうシーンを思い出してください、その折り紙でビオレタが鶴を折るのです。伏線の張り方が面白い。冒頭の浜辺のシーンで失くした左手薬指にはめていた銀色のネイルチップを偶然見つける。ジグソーパズルの最後の1片が嵌った瞬間です。リラはそのネイルチップを小舟に乗せようとするが小舟を広げてしまう。西條八十の「歌を忘れたカナリヤは、象牙の船に銀の櫂、月夜の海に浮かべれば、忘れた歌を思い出す~」をふと思い出してしまった。

B: もう逃げない、母船には乗らないということですか。日本の童謡の歌詞には実に残酷な内容が裏に隠されていますよね。この童謡の前半は「歌を忘れたカナリヤは~」後ろの山に捨てるか、背戸の小藪に埋めるか、はたまた柳の鞭でぶちましょかと実に恐ろしい。価値がなくなった人間は生きる資格がないのか。自分の居場所を見つけられない西條とリラがリンクした。

 

A: カナリヤは当時失意の日々を送っていた西條自身でした。それでは如何にも可哀そう、象牙の船に乗せたらと、西條夫人が言ったのでした。最後にリラは銀色のネイルを全部外して真っ赤なマニキュアで登場する。ネイルチップと折り紙、マルタが粉々にしたアパートのガラス戸、それにビオレタが被る日本人形に似せたカツラやリラの髪型に注意すると、二人の女性の心の動きが分かり小道具として重要でした。

 

B: 好きな映画としてリラが選ぶ『裸の島』を登場させたのは?

A: 新藤兼人が瀬戸内海の小島を舞台にして1960年に発表した作品でしょうか。モノクロ、無声映画、主な出演者は監督夫人の乙羽信子と殿山泰司が夫婦役、それに2人の子供だけ。国内より海外での評価が高かった。日本映画百選に入る傑作、今の誰彼と比較するのは何ですが、二人のような役者は日本から消えました。

  

B: セリフがなく肉体だけで物語る映像の凄さに打たれます。音楽をこれまた日本を代表する作曲家林光が手掛け、これも素晴らしかった。多分、ベルムトの日本映画へのオマージュかもしれないし、他に何かあるのかもしれない。

A: 一人では歩行が大変なハイヒール、二人が着るラメ入りの舞台衣装、何着もある中からどれを選ぶのか。リラが冒頭の海岸で着ていたドレスは銀ラメ入りの衣装、後に母親が着ていた舞台衣装であったことが明かされるが、事情を知らないビオレタが偶然選んだ衣装でもあった。

 

        母と娘の確執、父親不在――負のスパイラルにブレーキをかける

 

B: 前作『マジカル・ガール』では劇中で起きていることが解明されないまま閉じられた。例えば、バルバラ・レニー扮するバルバラとホセ・サクリスタン扮する教師の間に何があったのか、教師は何の罪で服役していたのか、観客を置き去りにしたまま進行する。

A: バルバラが必要に迫られて入る「秘密の部屋」では何が行なわれていたのか。マジカル・ガールは余命幾ばくもない12歳の少女なのかバルバラなのか、はたまた両方なのか。父親の破滅を知りながら高価な衣装を欲しがる少女の残酷な真意は何か。

 

B: その謎解きが魅力でもあったわけだが、今回は海辺のシーンで始り、同じ海辺で終わったように円環的ではあるが、スパイラルにブレーキがかかった。

A: 監督によると、前2作にはある仕掛けや形式を導入して、どうやって登場人物たちを冷酷にできるかに苦心した。しかし本作ではそういう要素を入れたくなかった。パズルをばらばらのまま閉じたくなかった。リラの独白を入れることで、スパイラルにブレーキをかけた

 

B: ブランカにさえ語らなかった真実、母の死を機に歌わなくなった本当の理由を、リラに語らせたかったわけですね。

A: 「リラのモノローグを書いているとき何かぼうっとしてた。でも次回作でどうするかは決めてないよ」ということでした。どんな独白をしたかは、ここでは書けない。

B: フィナーレで描かれた部分は、何かクラシック映画を見ているようで呆気にとられました。

 

            

           (ある決断をしてコンサート会場を出るビオレタ)

 

A: 前作は母親不在の父親に対する意識的な娘たちの残酷物語、本作は父親不在の娘たちの母親に対する意識的な残酷物語と括れるか。「意識と無意識は区別すべきで、意識は映像化できるが人生で常に起きている行為は無意識です」と語っている。

B: ラモン・サラサール『日曜日の憂鬱』でも、かつて自分を捨てた娘(バルバラ・レニー)が社会的成功を収めた母親(スシ・サンチェス)を破滅させた。ここでもリリやブランカ、ビオレタのように忍耐力を試された。

A: スシ・サンチェスはこの役でゴヤ賞2019主演女優賞を受賞した。ではビオレタを追い詰めるマルタはどうなるかだが、公開は終了しているけど書けません。プロットで死と再生が語られると書きましたが、これまた書けません。二人の女性によって歌われる曲は、ドラマの内容とリンクしているから少し触れておきたい。

 

B: エバ・リョラチが歌う部分をロックやポップで活躍するシンガー・ソング・ライターのエバ・アマラルが担当した。

A: 1972年サラゴサ生れ、2010年には国民音楽賞を受賞しているほどのベテラン、それで「二人のエバが歌っている」と話題になった。なかで「Somos su nuevo invitado」や「Como un animal」、後半の山場というか映画のクライマックスである最後の20分間に歌われるProcuro olvidarteが心に残る。劇中ではビオレタの曲とされていたが、1980年代初め、シンガー・ソング・ライターのマヌエル・アレハンドロと夫人のアナ・マグダレナが作曲した。複数のバージョンがあり、ラファエルやロシオ・フラドも歌っている。訳詞が少し違う印象でしたが、ドラマの内容にそっている。ナイワ・ニムリは勿論、自分自身で歌っている。他の誰かであることのゲームに別れを告げることができるのか。

 

   

 (カラオケ・ウニカで「まるで動物のように」と「Como un animal」を歌うビオレタ)

  

B: シャキーラやレディー・ガガの名前を出していましたが、選んだことに深い意味があるのかどうか。死とか痛みにコネクトした映画が好きというカルロス・ベルムト、現役監督ではポール・トーマス・アンダーソンのファンで、最新作『ファントム・スレッド』がお気に入りとか。次回作を期待しよう。

  

第22回マラガ映画祭2019開幕*特別賞を受賞するシネアストたち ①2019年03月15日 18:08

       マラガの大賞「マラガ―スール賞」は俳優のハビエル・グティエレス

         

     

          (彩り鮮やかな第22マラガ映画祭2019のポスター)

 

★昨2018年は異例の4月開催でしたが、今年は以前の3月に戻りました。1998年に産声を上げたマラガ映画祭も22回目を迎えました。3152000時開幕、メイン司会者は俳優のルイス・サエラ、ハビエル・リモン&ネジャ以下ミュージシャンたちがバックを盛り立てるはずで、フィナーレを飾るのはマラガオペラ合唱団、オープニング作品はアレホ・フラのコメディTaxi a Gibraltar、マラゲーニョのダニ・ロビラ主演、ホアキン・フリエルイングリッド・ガルシア=ヨンソンなどが共演する。24日に結果発表があり閉幕します。お祭り好きのアンダルシアで、春を待ちかねた観客が押し寄せることでしょう。時差を考慮すると明日の朝に第一報が届くはずです。

 

       

     (左から、ホアキン・フリエル、イングリッド・ガルシア=ヨンソン、ダニ・ロビラ)

 

★昨年のマラガ-スール賞は、『シェイプ・オブ・ウォーター』がブレイクしたメキシコのギレルモ・デル・トロ監督でしたが、今年はスペインの俳優、アルベルト・ロドリゲスの『マーシュランド』(14)で、銀貝賞、ゴヤ賞、フォルケ賞、フェロス賞、サンジョルディ賞など貰える賞をひとり占め、最近ではハビエル・フェセルの「Campeones」に主演した俳優ハビエル・グティエレスが受賞することになりました。特別賞は5ありますが、トロフィー授与は各受賞者のスケジュールに合わせて映画祭開催中に渡される。キャリア&フィルモグラフィーはそれに合わせて紹介するとして、今回はそれぞれ受賞者名だけアナウンス順にアップしておきます。

 

マラガ―スール賞(117日発表)

ハビエル・グティエレス(アストゥリアス1971、俳優)2018年はギレルモ・デル・トロ

 

    

 

ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞(131日発表)

フリア・グティエレス・カバ(マドリード1932、女優)2018年はモニカ・ランダル

   

     

  

マラガ才能賞―マラガ・オピニオン(27日発表)

ラウル・アレバロ(マドリード1979、俳優・監督)2018年はロドリゴ・ソロゴジェン

 

     

 

レトロスペクティブ賞―マラガ・オイ(211日発表)

セシリア・ロス(ブエノスアイレス1956、女優)2018年はフアン・アントニオ・バヨナ

 

      

 

リカルド・フランコ―マラガ映画祭アカデミー賞(218日発表)

ラファエル・コボス(セビーリャ1973、脚本家・ショーランナー)

 

   

 

★今年の「金の映画」は、ホセ・ルイス・クエルダのコメディAmanece, que no es poco89)が公開30周年を記念して選ばれました。これは嬉しいサプライズと喜んでいるファンが多いことでしょう。

 

      

  (左から、アントニオ・レシネス、ルイス・シヘス、「Amanece, que no es poco」から)

  

「ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞」授与式*マラガ映画祭2019 ②2019年03月17日 17:00

      特別賞第1弾―フリア・グティエレス・カバの「ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞」

 

   

 

          

        (メイン会場セルバンテス劇場前の人だかり、2019315日)

 

★マラガ映画祭2019の開会式はメイン会場テアトロ・セルバンテスで開催されました。8時開催にもかかわらず、明るいうちから劇場前は赤絨毯を踏むセレブたちを待つファンでいっぱい、次々に到着するシネアストたちも気軽にスマホにおさまっていました。開会式司会者ルイス・サエラの「マラガはもっとも輝かしいスペインの映画祭の一つ、映画の質の高さを競い合う国際的な映画祭としても衆目の的になっています」という挨拶で幕を開けました。ルイス・サエラ(サンティアゴ・デ・コンポステラ1966)はロドリゴ・ソロゴジェンEl reinoでゴヤ賞2019助演男優賞を受賞したばかり、1987年、バジェ=インクランの戯曲をホセ・ルイス・ガルシア・サンチェスが映画化した『聖なる言葉』でデビュー、数々のTVシリーズに出演している。いずれEl reino」でご紹介したい。

 

          

            (開会のスピーチをする俳優ルイス・サエラ)

  

★本日もっとも感動的だったのは、特別名誉賞の一つビスナガ・シウダ・デル・パライソ」賞の授与式でした。この賞は2015年から始まり、過去の4人の受賞者は、フリエタ・セラノエミリオ・グティエレス・カバ(フリアの弟)、フィオレリャ・ファルトヤノモニカ・ランダルです。今年は不屈の精神と疲れを知らない長い女優人生を歩んだ女性に光が当たりました。黒のパンタロン・スーツの受賞者フリア・グティエレス・カバ(マドリード1932)は、86歳という年齢にはとても思えない若々しさで登壇しました。(キャリア&フィルモグラフィーは後述)。こんなに颯爽と凛としていられるなら「86歳まで生きていても悪くない」と感じさせる爽やかさだった。「映画が大好きで小さいときから女優を夢見ていましたが、映画は生きていくうえで避けられない孤独を癒す仲間でした」とスピーチした。

 

              

            (颯爽と登壇したフリア・グティエレス・カバ)

 

★「映画は私に喜びとチャンスを与えてくれた」と受賞者は心境を吐露した。彼女にとって如何に映画が重要であったかをセルバンテス劇場を埋め尽くした人々と共有した。映画の黎明期から共に歩んできた彼女と同世代の俳優たちにとって映画はとても意味のあることでした。映画は架空の世界ではあっても素晴らしいものであったと語った。彼女の家族は19世紀から舞台俳優として有名な一族ですが、当時女優になることは、品位を落とすとして非常に厳しいものがあった。そのように評価されることのなかった女性たち、彼女を支えてくれた家族、仲間たちへの感謝が述べられた。

 

             

           (受賞の喜びを語るフリア・グティエレス・カバ)

 

★フィナーレは、今年のオープニングとクロージングの両方に主演しているダニ・ロビラにマラガの特別栄誉のビスナガのトロフィーが授与された。彼は前回ご紹介したようにマラガが生れ故郷、マラガ市の親善大使も務めていることが評価されたようです。まさに故郷に錦を飾ることができました。オープニング作品はコンペティション外のアレホ・フラの長編第2Taxi a Gibraltarというアクション・コメディ、共演のイングリッド・ガルシア=ヨンソンも「アンダルシアのマラガ才能賞」を受賞するとアナウンスされています。クロージング作品は、これもコンペティション外ですが、アルバロ・ディアス・ロレンソのコメディLos Japónです。タイトルから想像できるように17世紀初頭の日本に題材をとっています。お相手の女優はマリア・レオンです。両作とも字幕入りで観られるかな、期待しています。

 

         

         (特別栄誉のビスナガのトロフィを手にしたダニ・ロビラ)

 

     フリア・グティエレス・カバのキャリア&フィルモグラフィー

 

★彼女の一族は150年前の曾祖父パスクアル・アルバの時代から舞台俳優一家だった。共に俳優だったエミリオ・グティエレス・エステバンを父にイレネ・カバ・アルバを母に、1932年マドリードで生まれた。上記した2016年の受賞者エミリオ・グティエレス・カバは弟、姉妹イレネと3人姉弟。祖母、伯父伯母、従兄弟などに俳優や映画製作者を多数いる。1964年、舞台演出家のマヌエル・コジャド・アルバレスと結婚、夫は2009年に鬼籍入りしている。

 

★舞台デビューは1951年、1960フアン・アントニオ・バルデムA las cinco de la tardeで映画デビュー、サン・ホセ賞スペイン映画女優賞を受賞した。以降舞台中心だが併行して映画やTVシリーズにも出演している。他に同監督のNunca pasa nadaでシネマ・ライターズ・サークルCEC1963女優賞とフォトグラマス・デ・プラタ俳優賞、ホセ・ルイス・ガルシYou're the Oneuna historia de entonces)」00)でゴヤ賞2001助演女優賞CEC2001助演女優賞を受賞している。本作では監督賞他を受賞した話題作だった。フェルナンド・パラシオスLa gran familia63)が『ばくだん家族』の邦題で公開されているほか、ギリェム・モラレスの『ロスト・アイズ』(10)にも出演している。

  

  

  (最もエレガントと称賛されたアルマーニの衣装を着たフリア、ゴヤ賞2001助演女優賞)

 

★演劇界の最高賞と言われるMax栄誉賞2012年に受賞している。2017年にはアメリカの劇作家A.R.バーニーの新バージョン「Love Letters」(スペイン題Cartas de amor)を、84歳にして主役を演じて話題になった。共演はミゲル・レリャン。

 

       

                        (Max栄誉賞受賞のフリア、2012年)

 

       

 (Cartas de amor」の共演者ミゲル・レリャンとフリア、20173月)

   

TVシリーズとしては、主役を演じた「Buenas noches, senores」(72)のあとブランクがあったが、今世紀に入ってからLos Serrano0308)、Águila Roja1112)、Estoy vivo1718)などに出演している。疲れを知らない女優と呼ばれる所以です。

 

       

 (左から3人目フリア、アントニオ・レシネス、ベレン・ルエダの顔も、Los Serrano」から

 

      

       (左から、弟エミリオ、売り出し中の孫イレネ・エスコラル、フリア)


セクション・オフィシアル*マラガ映画祭2019 ③2019年03月18日 14:13

        ベテランから新人のデビュー作まで22作品が勢揃いしました

 

★ラウル・アレバロのマラガ才能賞の授与式の様子も入ってきておりますが、まずは長編コンペティション部門に選ばれた22作品のご紹介から。以前はスペインとラテンアメリカ諸国に大別され審査員も別でしたが、現在は一括されています。1国だけで製作できる時代が終わったからでしょうか。特にラテンアメリカ諸国ではほとんどが合作です。「金のビスナガ」は各1個ずつ両方に与えられることになりました。以下、タイトル、製作国、製作年、監督名、主なるキャストの順で2回に分けてアップします。言語がカタルーニャ語、あるいはポルトガル語は字幕付き上映です。

 

★審査員は委員長パトリシア・フェレイラ(スペインの監督・脚本家)以下、アグスティナ・チアリーノ(ウルグアイのプロデューサー)、アンドレス・バヨナ(コロンビア、ボゴタ映画祭総ディレクター)、ディエゴ・サン・ホセ(スペイン、脚本家)、ナチョ・ルイス・カビリャス(スペイン、フィルム編集者)の5人です。

 

          

           (審査委員長パトリシア・フェレイラ)

 

 

      セクション・オフィシアルのノミネーション22作品(前半)

 

1522.Un gato, un chino y mi padore スペイン=ポルトガル、2019年 (字幕付き)

パコ・R. バニョ(セビーリャ、1971

キャスト:ナタリア・デ・モリーナ、アルベルト・ホ・リー、ミゲル・ボルヘス、

     セルジ・ロペス

    

      

      

27 razones para huir  スペイン、2018

エステベ・ソレル、ヘラルド・キント、ダビ・トラス(共同監督)

キャスト:エンマ・スアレス、ロラ・ドゥエニャス、セルジ・ロペス、

     フランセスク・オレリャ

    

    

    
3)¿ A quién te llevarías a una isla desierta ?   スペイン、2019年 

  1.   ホタ・リナレス

      キャスト:ポル・モネン、ハイメ・ロレンテ、アンドレア・ロス、マリア・ペドラサ

  2.        

  1.   

  1.                             

  2.   

  3. 4)Aire アルゼンチン、2018年 

      アルトゥロ・カストロ・ゴドイ(カラカス、1986

      キャスト:フリエタ・ジルベルベルグ、マリア・オネット、カルロス・ベジョソ

  4.   

  1.  

  1.     

     

  1. 5)Antes de la quema スペイン、2019年

     フェルナンド・コロモ(マドリード、1946

     キャスト:サルバ・レイナ、マヌエラ・ベラスコ、マギー・シバントス、ホアキン・ヌニェス

  2.  

  1.  

       

  2. 6)Buñuel en el laberinto de las tortugas スペイン=オランダ、2019

      サルバドール・シモー

  3.    

  1.  

  2. 7)El despertar de las hormigas コスタリカ=スペイン、2019年 

     アントネジャ・スダサシAntonella Sudasassi(コスタリカのサン・ホセ、1986

     キャスト:ダニエラ・バレンシアノ、レイナル・ゴメス、イザベラ・モスコソ

  3.     

  1.   

   

8)El doble mas quince スペイン、2019年 

  1.  ミケル・ルエダ(1980

     キャスト:マリベル・ベルドゥ、ゲルマン・アルカラス

  2.  

(ミケル・ルエダ監督)
       

   
9)Els dies que vindranLos días que vendrán)スペイン、2019年 (字幕付き)

  1.   カルロス・マルケス=マルセ(バルセロナ、1983

      キャスト:マリア・ロドリゲス、ダビ・ベルダゲル

        

(カルロス・マルケス=マルセ監督)

    

  1.  

     

  2. 10)Esto no es BerlinThis is not Berlin)メキシコ、2019年 

  3.   ハリ・サマ

      キャスト:ハビアニ・ポンセ・デ・レオン、ホセ・アントニオ・トレダノ、ヒメナ・ロモ

  4.    

  1.    

  1.  

     

  2. 11)Insumisas  キューバ、2018年 

     フェルナンド・ぺレス(ハバナ、1944)&ラウラ・カサドール(ジュネーブ、1983

     キャスト:シルビエ・テストゥダ、Yeni Soria、アントニオ・ブイル、エクトル・ノアス

  3.   

   

   

★長くなるので後半部分は次回にアップします。


セクション・オフィシアル(後半)*マラガ映画祭2019 ④2019年03月19日 16:09

      『オルフェ』のカルロス・ヂエギスの「O grande circo mistico」は目玉か?

 

★ノミネーション22作のうち、前回11作までアップした残りをご紹介します。グラウベル・ローシャと一緒にブラジルのシネマ・ヌーヴォの一人だったカルロス・ヂエギスの新作「O grande circo mistico」、『笑う故郷』のオスカル・マルティネスやアレックス・デ・ラ・イグレシアの常連カルロス・アレセス、コメディに引っ張り凧のイングリッド・ガルシア・ヨンソンが活躍する、サンティ・アモデオのコメディ「Yo, mi mujer y mi mujer muerta」、2013年に撮ったデビュー作「La Plaga」がガウディ賞以下、数々の国際映画賞を攫ったネウス・バリュスの第2作目「Staff Only」などがエントリーされています。デビュー作もマラガ映画祭に出品されたのでした。

*前半同様、タイトル、製作国、製作年、監督名、主な出演者の順です。

 

         セクション・オフィシアルのノミネーション(後半)

 

 12)La banda スペイン、2019

  1.   ロベルト・ブエソ(バレンシア、1986)デビュー作  

      キャスト:ゴンサロ・フェルナンデス、シャルロット・ベガ、ペポ・リョピス Llopis

         ハビ・ヒネル Giner、ウーゴ・ルベルト

        

  1.       

  1.      

    13Las niñas bien  メキシコ、2018

      アレハンドロ・マルケス・アベジャ(サン・ルイス・ポトシ)第2作目

      キャスト:イルセ・サラス、カサンドラCiangherotti、パウリナ・ガイタン、

  2.        ジョアンナ・ムリリョ

  3.    

  1.   

  1.                                           

    14Litus  スペイン、2019

      ダニエル・デ・ラ・オルデンの第4作目

      キャスト:ベレン・クエスタ、アドリアン・ラストラ、アレックス・ガルシア、

  2.        マルタ・ニエト、キム・グティエレス、ミケル・フェルナンデス

  3.    

  1.      

  1.                                                   

     

    15Los helechos ペルー、2018

      アントリン・プリエトのデビュー作

      キャスト:ヌリア・フリゴラ・トレンテ、ミキ・バルガス・ナバロ、マリアナ・パラウ、

  2.        マフェル・グティエレス、Nooei・カナシロ

         

  1.  

  1.  

      

    16Niña errante コロンビア、2018

      ルベン・メンドサ(コロンビア、1980)第4作目(ドキュメンタリー、短編多数)

      キャスト:ソフィア・パス・ハラ、カロリナ・ラミレス、リナ・マルセラ・サンチェス、

           マリア・カミラ・メヒア

  2.      

  1.                                         

  1.             

  2.                                             

    

17O grande circo misticoEl gran circo místico)ブラジル=ポルトガル=フランス、

  1.   2018年(字幕付き)

      カルロス・ヂエギス(ブラジルのマセイオ、1940)ブラジルのシネマ・ノーヴォの監督

      キャスト:ヘスイータ・バルボサ、ブルナ・Linzmeyer、ヴァンサン・カッセル、

  2.        ラファエル・ロサノ、アントニオ・ファグンデス、マリアナ・シメネス

  3.    

  1.   

  1.   

   

  1. 18¿ Qué te juegas ? スペイン、2018

      イネス・デ・レオン(、1990年)デビュー作

      キャスト:レティシア・ドレラ、アマイア・サラマンカ、ハビエル・レイ、

  2.        マリアン・エルナンデス、ダニエル・ペレス・プラダ、サンティアゴ・セグラ

  

                                

  

19Sordo  スペイン、2018

  1.   アルフォンソ・コルテス=カバニリャス 第2作目

      キャスト:アシエル・エチェアンデア、マリアン・アルバレス、ウーゴ・シルバ、

  2.        アイトル・ルナ、イマノル・アリアス、ルス・ディアス、ハイメ・マルティン

  3.   

  1.      

  1.  

     

  1. 20)Staff Only スペイン=フランス 2019年 (字幕付き) 

    ネウス・バリュス Neus Ballus (バルセロナ、1980)第2作目

    キャスト:エレナ・アンドラーダ、セルジ・ロペス、Diomaye A. Ngom、イアン・サムソ、

         Madeleine C. Ndong

  2.   

  1.    

  1.  

    21Vigilia en agosto アルゼンチン、2019

    ルイス・マリア・メルカド(アルゼンチンのコルドバ生れ) デビュー作

    キャスト:リタ・パウルス、マリア・ヒオレンティーナ、エバ・ビアンコ、Michel Noher

         マキシミリアノ・ビニ、アドリアナ・ビアレ・ベガ

  2.   

  1.     

  1.                                     

     

    22Yo, mi mujer y mi mujer muerta  スペイン=アルゼンチン 2018

    サンティ・アモデオ(セビーリャ、1969)第5作目

    キャスト:オスカル・マルティネス、カルロス・アレセス、イングリッド・ガルシア・ヨンソン

  2.    

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    ★長編セクション・オフィシアルのノミネーション作品は以上です。コンペティション外は、オープニング作品アレホ・フラの「Taxi a Gibraltar」とクロージング作品アルバロ・ディアス・ロレンソの「Los Japón」の2作、共にダニ・ロビラ主演のコメディです。

       

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  2.           (「Los Japón」のマリア・レオンとダニ・ロビラ)


ラウル・アレバロ、マラガ才能賞授与式*マラガ映画祭2019 ⑤2019年03月22日 22:15

           受賞者ラウル・アレバロは「モストレスのマラガっ子」

 

      

         (マラガ才能賞のトロフィを手にしたラウル・アレバロ

    

★本映画祭もあっという間に終盤を迎えてしまい、セクション・オフィシアルの第1回上映もほぼ済んだようです。今年は作品紹介ができないうちに受賞結果を待つような事態になってしまいましたが、せめて特別賞だけでも受賞者紹介をいたします。先ず2日目317日、セルバンテス劇場で特別賞の二つ目マラガ才能賞―マラガ・オピニオンラウル・アレバロに授与されました。18日には本映画祭の大賞マラガ―スール賞(俳優ハビエル・グティエレス)、21日にはリカルド・フランコ―マラガ映画祭アカデミー賞(脚本家ラファエル・コボス)の授与式が続きました。今回はラウル・アレバロのキャリア&フィルモグラフィーをアップいたします。

ラウル・アレバロ監督デビュー作『物静かな男の復讐』の記事は、コチラ20170109

 

          

          (授賞式前のインタビューを受けたラウル・アレバロ)

 

ラウル・アレバロ Raul Arevalo1979年マドリード市のベッドタウン、モントレス生れ、俳優、監督。本来ならマドリっ子なのですが、友人知己の多くがマラガ出身者、それで仕事もここマラガと縁が深い。それでいつの間にか「モストレスのマラガっ子」と称されるようになった。「人生においてもキャリアにおいても、すべてがマラガに関係がある」と。先輩で親友のアントニオ・デ・ラ・トーレ1968、ゴヤ賞2019主演男優賞受賞)、大先輩のアントニオ・バンデラス1960、マラガ映画祭2017「名誉金のビスナガ」受賞)もマラガ出身者。以下、監督デビュー作『物静かな男の復讐』の作品紹介と内容が重なりますが、クリスティナ・ロタが指導する演劇学校で演技を学んだ。しかし俳優志望ではなく、あくまで目標は監督になることだった。

 

★「私は俳優ですが、私が最も情熱を傾けているのは監督すること」と語るアレバロは、2008年、短編「Un amor」を撮ったあと、念願の長編監督デビュー作Tarde para la ira16『物静かな男の復讐』Netflix、『静かなる復讐』公開)を手掛けるまで8年の歳月を費やした。さいわいベネチア映画祭「オリゾンティ」に正式出品され、出演者のルス・ディアスに女優賞がもたらされた。2017年にはゴヤ賞作品賞、自身は新人監督・脚本賞2冠、マノロ・ソロが助演男優賞を手にした。フォルケ賞ではドラマ部門の作品賞、フェロス賞では作品・監督・脚本賞、ガウディ賞、サン・ジョルディ賞初監督作品賞と次々に受賞、2017年はまさに黄金の年であった。「俳優として学んだことが大いに役立った」と語る。次回作は「急がずに」脚本を練っているところだという。未だ若い、勝負はこれからです。

    

        

    (アントニオ・デ・ラ・トーレ主演のデビュー作『物静かな男の復讐』のポスター)

 

★俳優としては、TVシリーズでデビュー後、2003ホアキン・オリストレルLos abajo firmantesで映画デビュー、2006年、アントニオ・バンデラスEl camino de los ingleses(邦題『夏の雨』)に出演、俳優で出発しながら監督として指揮を執るバンデラスを身近にして、将来の自分に重ね合わせて観察したようです。ダニエル・サンチェス・アレバロAzulOscuroCasiNegro(邦題『漆黒のような深い青』に出演、俳優ユニオン新人賞を受賞した。両作ともラテンビート2007で上映された。後者の共演者がアントニオ・デ・ラ・トーレとキム・グティエレスで、デ・ラ・トーレとは『デブたち』『マルティナの住む街』でも共演している。ホセ・ルイス・クエルダ監督のLos girasoles ciegosで主役を演じ、ハビエル・カマラやマリベル・ベルドゥとわたり合った。アルベルト・ロドリゲス監督の『マーシュランド』では、マドリードから地方に左遷された刑事役を、今回マラガ―スール賞を受賞するハビエル・グティエレスと好演した。脇役が多かったこともあり、映画だけでも出演本数は40作ぐらいになります。以下に主な作品だけ列挙しておきます。現在は2019年公開予定のポロ・メナルゲスの「El pian」の撮影が終わったところの由、アントニオ・デ・ラ・トーレとチェマ・デル・バルコが共演する。

 

   主なフィルモグラフィー&受賞歴

2006AzulOscuroCasiNegro『漆黒のような深い青』ダニエル・サンチェス・アレバロ監督

(ラテンビート2007俳優ユニオン新人賞を受賞

2007Siete mesas de billar francésグラシア・ケレヘタ監督、俳優ユニオン助演男優賞受賞

2008Los girasoles ciegos」ホセ・ルイス・クエルダ監督、

2009Gordos『デブたち』ダニエル・サンチェス・アレバロスペイン映画祭2009

   ゴヤ賞2010助演男優賞受賞

2010Balada triste de trompeta『気狂いピエロの決闘』アレックス・デ・ラ・イグレシア

2010También la lluvia『ザ・ウォーター・ウォー』イシアル・ボリャイン

2011Primos『マルティナの住む街』同上(ラテンビート2011俳優ユニオン助演男優賞受賞

2013Los amantes pasajeros『アイム・ソー・エクサイテッド!』ペドロ・アルモドバル

2014Las ovejas no pierden el tren」仮題「羊は電車を逃さない」

   アルバロ・フェルナンデス・アルメロ、セルバンテス文化センター土曜映画会(英語字幕)

2014La isla mínima『マーシュランド』公開、アルベルト・ロドリゲス監督、

   サン・ジョルディ賞2015スペイン映画男優賞

2016Cien años de perdón『バンクラッシュ』ダニエル・カルパルソロ

2018El aviso」ダニエル・カルパルソロ

2018Mi obra maestra」ガストン・ドゥプラット

 

『物静かな男の復讐』の作品紹介は、コチラ20170109

『マーシュランド』の作品紹介は、コチラ20150124


第22回マラガ映画祭2019結果発表*マラガ映画祭2019 ⑥2019年03月24日 23:20

      「金のビスナガ」はカルロス・マルケス=マルセとアレハンドラ・マルケス・アベジャ

    

      

      

323日、セクション・オフィシアル(長編・短編・ドキュメンタリー)以下、各セクションの受賞結果が発表になりました。「金のビスナガ」には、12,000ユーロの副賞が付いています。

 

★セクション・オフィシアルの審査員は委員長パトリシア・フェレイラ(スペインの監督・脚本家)以下、アグスティナ・チアリーノ(ウルグアイのプロデューサー)、アンドレス・バヨナ(コロンビア、ボゴタ映画祭総ディレクター)、ディエゴ・サン・ホセ(スペイン、脚本家)、ナチョ・ルイス・カビリャス(スペイン、フィルム編集者)の5人でした

 

金のビスナガ(スペイン)副賞12,000ユーロ

Els dies que vindran(「Los días que vendrán」)監督カルロス・マルケス=マルセ

 

   

 

金のビスナガ(イベロアメリカ)副賞12,000ユーロ

Las niñas bien監督アレハンドラ・マルケス・アベジャ

   

 

    

審査員特別賞(銀のビスナガ)

Esto no es Berlin監督ハリ・サマ

    

 

       

監督賞(銀のビスナガ)

カルロス・マルケス=マルセEls dies que vindran」(「Los días que vendrán」)

    

     

 

女優賞(銀のビスナガ)

マリア・ロドリゲス・ソトEls dies que vindran」(「Los días que vendrán」)

     

     

男優賞(銀のビスナガ)

オスカル・マルティネス 「Yo, mi mujer y mi mujer muerta」監督サンティ・アモデオ

 

           

   

助演女優賞(銀のビスナガ)2人

カロリナ・ラミレスNiña errante」監督ルベン・メンドサ

    

      

マギー・シバントスAntes de la quema」監督フェルナンド・コロモ

   

   

助演男優賞(銀のビスナガ)2人

キム・グティエレスLitus」監督ダニエル・デ・ラ・オルデン

 

     

  

 

     

マウロ・サンチェス・ナバロEsto no es Berlin

 

脚本賞(銀のビスナガ)

アレハンドラ・マルケス・アベジャLas niñas bien

 

音楽賞(銀のビスナガ)

アルトゥロ・カルデルスBuñuel en el laberinto de las tortugas」監督サルバドール・シモー

     

     

 

撮影賞(銀のビスナガ)デラックス

アルフレッド・アルタミラノEsto no es Berlin

 

編集賞(銀のビスナガ)

ミゲル・シュアードフィンガーLas niñas bien

 

観客賞(銀のビスナガ)

Antes de la quema」

   

      

以上ですが、金賞のEls dies que vindran」と「Las niñas bien」、審査員特別賞のEsto no es Berlin」の3作品に集中しました。また制作会社については、後日作品紹介をする折にアップいたします。

 

24日には受賞作10本がアルベニス映画館で上映され、見逃したファンや走り回って時間が取れなかった映画関係者の纏め見の最後のチャンスになっています。上映時間が重なるのですべてを見ることはできませんが、効率よく良作が楽しめます。クロージング作品は、アルバロ・ディアス・ロレンソのコメディ「Los Japón」です。