フェロス賞2015授賞式*ゴヤ賞前哨戦2015年01月27日 13:22

           予想通り作品賞はLa isla minima”が受賞

    

125日、寒さの戻ってきたマドリードで授賞式が開催されました。結果は以下の通り:

 


カテゴリー(栄誉賞と特別賞を含む)13部門

1 作品賞ドラマ  La isla mínima  監督:アルベルト・ロドリゲス

2 作品賞コメディ  Carnina y amén   監督:パコ・レオン

3 監督賞       アルベルト・ロドリゲス La isla mínima

4 脚本賞       カルロス・ベルムト Magical Girl

5 主演男優賞     ハビエル・グティエレス “La isla mínima

6 主演女優賞     バルバラ・レニー Magical Girl

7 助演男優賞     ホセ・サクリスタン Magical Girl

8 助演女優賞     イジアル・アイツプル 『フラワーズ』

9 オリジナル音楽賞  フリオ・デ・ロサ La isla mínima

10 トレーラー賞    該当作なし

11 映画ポスター賞   Magical Girl

栄誉賞         カルロス・サウラ監督

特別賞(ドキュメンタリー)“Costa da morte”(英題“Coast of Death”)

 

 
                (アルベルト・ロドリゲス監督

★今年は123作品中13作品に絞られており、1作品が複数のカテゴリーにノミネートされていました。受賞はアルベルト・ロドリゲスLa isla minimaカルロス・ベルムトMagical Girlに割れましたが、ほぼ2作品につきました。サンセバスチャンもフォルケ賞も似たようなもので、ゴヤ賞もこんな具合かなとちょっと興味がそがれています。


 

(“La isla minima”出演のラウル・アレバロ左とハビエル・グティエレス右)

 

    

 (フォルケ賞には欠席でしたが、今回は自分の手でトロフィーを受け取ったバルバラ・レニー

 

★興行的には殆ど貢献していないが映画記者や批評家に好かれたのが、カルロス・ベルムトの“Magical Girl”、サンセバスチャン映画祭で異例の金貝賞と監督銀貝賞のダブル受賞をした作品ですが、観客との乖離が顕著ですね。逆に興行成績も200万ユーロと貢献度が高かったパコ・レオンのカルミナ第2弾、個人的に応援しているCarmina y amén が受賞したのは嬉しい。

 

    
  (“Magical Girl”のカルロス・ベルムト監督)

 

        

       (“Carmina y amén”のパコ・レオン監督)

 

★ラテンビートと東京国際映画祭で共催上映されたジョン・ガラーニョ&ホセ・マリ・ゴエナガの『フラワーズ』でイジアル・アイツプルが助演女優賞、ゴヤ賞も狙えるか。助演男優賞のホセ・サクリスタンは予想していませんでした。2013年からフォルケ賞、ゴヤ賞と受賞ラッシュが続いています。 

                      

                    (『フラワーズ』のテレ役イジアル・アイツプル)

 

特別賞を受賞したCosta da Morteは、2013年製作の84分のドキュメンタリー、批評家の評価も高く、多くの観客の支持も得たようです。ロカルノ映画祭2013受賞を皮きりに国際映画祭での受賞歴多数。監督ロイス・パティニョの長編デビュー作、今注目のシネアストのようです。他に短編2作品。後でご紹介する必要がありそうです。フェロス賞で一番興味が湧いたのがこのドキュメンタリーでした。

 

               

               (ガリシアの海、映画から)


★若者の半数が職につけず全体の失業率23%と高止まり、また消費税増税にもかかわらず、昨年のスペイン映画界は「黄金の年」であった。例えば、エミリオ・マルティネス≂ラサロの大ヒット“Ocho apellidos vascos”(5600万ユーロ)、ダニエル・モンソンの『エル・ニーニョ』(1620万)、サンチャゴ・セグラのトレンテ・シリーズ第5弾“Torrente V Operacion Eurovegas”(1070万)、“La isla minima”(600万)などが挙げらます。しかるにギョウカイに一番貢献した“Ocho apellidos vascos”は無冠、次の『エル・ニーニョ』も素通り、サンチャゴ・セグラの“Torrente V Operacion Eurovegas”もフェロス賞には嫌われました。

 

ハイメ・ロサーレスのHermoso juventud、ホルヘ・トレグロッサのLa vida inesperada、ハビエル・フェセルのMortadelo y Filemon contra Jimmy el cachondoなど、2014年前半は記憶の薄れ、または公開されたばかりは未見と分が悪いというのが印象です。

 

★今年は昨年のような黄金の年になることはないという悲観論が大勢を占めていますが、栄誉賞受賞のカルロス・サウラは「スペイン映画の未来は明るい。若い世代がどんどん育ってきているから」と挨拶しました。そうであって欲しいです。

 

                             

                        (最近のカルロス・サウラ)

 *関連記事:管理人覚え*
フェロス賞ノミネーションの記事は、コチラ⇒2014年12月23日

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