今年、2歳になります。 ― 2015年01月01日 20:51
光陰矢のごとし、2 歳になります
★2回目の新年を迎えることができました。ハイハイからヨチヨチ歩きと少しだけ前進しました。昨年はフェロス賞、イベロアメリカ・プラチナ賞、フェニックス賞と新しい映画賞が3個も新設されました(ポルトガル語を含む)。各国の映画アカデミーが選定するゴヤ賞、アリエル賞(メキシコ)、スール賞(アルゼンチン)の他、フォルケ賞、ガウディ賞を入れるとノミネーション紹介だけでお茶を濁さざるをえませんでした。加えて各映画祭、サンセバスチャン、マラガ、グアダラハラ、モレリア、ベルリン、カンヌ、モントリオール、トロント、ラテンビート、東京などの出品作品を入れると相当の数になります。
★そろそろガウディ賞、続いてゴヤ賞のノミネーションが発表になり、例年の傾向から、こちらも既にアップ済みの作品が選ばれる可能性が高いと思います。いずれにしても映画賞は同業者同士が選ぶわけですから、なかには「どうして?」と首を傾げるものがあっても致し方ありません。
★大きな映画祭で上映され海外で公開されても、スペイン公開が原則なので、ガベ・イバニェスの“Automata”(2014)のような映画は来年回しになります。年内に公開されると思っていましたが、言語が英語とか、スペインでの評価があまり芳しくなかったせいか、9月のサンセバスチャン映画祭、10月のシッチェス映画祭上映にもかかわらず、スペイン公開は1月23日にずれ込みました。しかし、主演のアントニオ・バンデラスがゴヤ賞2015の栄誉賞を受賞します。
★2015年は、スペイン製映画は25.5%を超えられないと前回書きましたが、一つ目はスピールバーグの『スター・ウォーズ 第7話』、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド「007シリーズ第24作」、クエンティン・タランティーノ、マーチン・スコセッシなどハリウッド映画の公開が予告されていること、二つ目にエミリオ・マルティネス≂ラサロの“Ocho apellidos vascos”のような映画が今年も現れるとは思えないことが理由です。では、今年公開予定のスペイン映画にはどんなのがあるのかは次回に。
「明けましておめでとうございます」
*関連記事(管理人覚え)
フェロス賞:2014年12月23日
イベロアメリカ・プラチナ賞:2014年2月20日/3月18日/4月17日
フェニックス賞:2014年11月26日
アリエル賞:2014年6月5日
フォルケ賞:2013年12月29日/2014年12月22日
ガウディ賞:2014年1月9日/2月3日
アメナバルの新作”Regression”*2015年公開予定 ① ― 2015年01月03日 18:37
2015年はどんな映画を見たらいい? 第1弾はスリラー“Regression”
★アメナバルとはいえ、タイトルから分かるように英語映画です。それにしても『アレクサンドリア』が2009年ですから、普通なら忘れられてしまいますよね。彼はスタッフは別として、同じ俳優は起用しない主義、今回の主役はもう「ハリポタ映画の子」と言われたくないエマ・ワトソンと紹介不要のイーサン・ホークです。ワトソンは1990年生れだから24歳、いくらハリポタで一財産築いてもハリポタからは距離を置きたい気持ちは分かります(笑)。
★基本データだけアップしますと:
製作国:スペイン、米国
監督・脚本・プロデューサー:アレハンドロ・アメナバル
製作:Mod Producciones / Himenóptero / Telefonica Studios /First Generation
Films
プロデューサー(共同):ガブリエル・アリアス=サルガド/フェルナンド・ボバイラ/
シモン・デ・サンティアゴ/Axel Kuschevatzky 他
撮影:ダニエル・アランジョ
撮影地:カナダのオンタリオ州(トロント、ミシサガ、オークビル、ハミルトン、他)
*言語英語、スリラー、公開予定アメリカ、イギリスで2015年8月28日、スペイン未定
キャスト:エマ・ワトソン(娘アンヘラ)、イーサン・ホーク(ケナー刑事)、デヴィッド・シューリス(精神科医)、デヴィッド・デンシック(父親ジョン)、デヴォン・ボスティック(息子ロイ)、ロテール・ブリュトー 他
プロット:1980年代、カナダと国境を接するミネソタ州の小さな町が舞台。ケナー刑事は自分の父親を性的虐待で告発した若い娘アンヘラの事件を調べている。父親ジョンは予期しないことで逮捕され、その記憶がないにもかかわらず罪を認める。やがて精神科医の助けを借りて記憶を蘇らせた父親もケナー刑事も謎の事件に巻き込まれていく。父親とは疎遠だった息子ロイや町の住民たちも、この恐ろしい虐待の記憶が突然蘇ってきて、やがて忌まわしい陰謀の正体が明るみに出てくることになる。虐待は本当だったのか、または他に何か秘密が・・・
(アメナバル監督とイーサン・ホーク)
★製作会社Mod Producciones(代表フェルナンド・ボバイラ)とHimenóptero(代表アメナバル)は、前作の『アレクサンドリア』と同じです。製作費はスペインでは破格の7000万ドルに対し、売上金は世界規模でも3900万ドルしか回収できず、アメナバルにとっては屈辱的な結果に終わった。期待したアメリカが僅かの60万、当たり前と素人でも思いますが、アメリカの若者は4世紀の権力に屈しないオンナ天文学者が主人公の映画など見ません(それが証拠に『アザーズ』はトータル2億1000万ドルを弾き出した)。その多くを出資したテレシンコ・シネマはさすがに今回は不参加、助成金を出したICAAも懐不如意なのか出していません。
★製作者フェルナンド・ボバイラは、「私たちが感じる深遠なそして重たい不安を描くために細心の注意を払って」取り組んだと語っています。因みにボバイラは、サンセバスチャン映画祭2014の審査委員長を務めた製作者、『アザーズ』、『海を飛ぶ夢』を手掛けている。
*コチラ⇒2014年09月16日
★Axel KuschevatzkyはTelefonica Studiosの代表者、「トレンテ・シリーズ」第5弾、アルゼンチン≂スペイン合作の“Relatos salvajes”、同『ワコルダ』、『グランド・ピアノ狙われた黒鍵』などの成功作を手掛けているプロデューサー。
★主役のエマ・ワトソンEmmaWatsonは、1990年パリ生れ、両親はイギリス人で離婚後イギリスに渡り、国籍はイギリス。シリーズ「ハリポタ」のハーマイオニー役で全7作に出演している。2001年からの10年間で最高額を稼いだ女優だそうです。ハリポタのサイトで詳しい情報入手できます。「とてもエモーショナルなこと、撮影が始まりワクワクしています」と、ヨーロッパ・プレスのインタビューに答えていました。精神科医役のデヴィッド・シューリス(1963、イギリス生れ)も、ハリポタのリーマス・ルービン役で出ている。父親になったデヴィッド・デンシック(1974、スウェーデン生れ)は、『ドラゴン・タトゥーの女』に脇役で出演している。息子ロイ役のデヴォン・ボスティックは、カナダのモントリオール生れの23歳、ベテラン勢と若い俳優たちがどう渡りあうか楽しみです。
(エマ・ワトソンとイーサン・ホーク“Regression”より)
フリオ・メデム新作”Ma ma”*2015年公開予定 ② ― 2015年01月05日 19:37
第2弾*ペネロペ・クルス&ルイス・トサール
★フリオ・メデムの第8作目“Ma ma”は、泣いて笑って抱きしめて、語りあって考えてそして闘う映画だそうです。要するに「人生讃歌の映画だ」とメデム監督。監督としては珍しいコメディの要素もあるようで『ルシアとSEX』のような分かりにくさはないようです。昨年2014年1月に「製作国はスペイン、言語はスペイン語」との発表があり、5月にマドリードでクランクイン、7月8日からカナリア諸島のテネリフェ島の海岸で撮影が始まった(同時にIMDbがアップされた)。
(カナリア諸島での石油試掘反対のTシャツ姿でテネリフェでの記者会見に現れた
トサール、ペネロペ、メデム監督、3人とも政治的発言を躊躇しないタイプ)
“Ma ma”
監督・脚本・プロデューサー:フリオ・メデム
撮影:キコ・デ・ラ・リカ
音楽(サウンドトラック)
: アルベルト・イグレシアス
美術:モンセ・サンス
プロダクション・マネージメント:マリア・モレノ
プロデューサー(共同):アルバロ・ロンゴリア(エグゼクティブ・プロ)、ペネロペ・クルス
データ:スペイン製作、スペイン語、2015、ドラマ、撮影地マドリード、テネリフェ島、
公開:フランス2015年5月21日、ドイツ同7月30日、スペイン公開2015年以外未定
キャスト:ペネロペ・クルス(マグダ)、ルイス・トサール、ジョン・コルタハレナ、アレックス・ブレンデミュール、アシエル・エトシェアンディア Etxeandia、サムエル・ビジュエラ Viyuela、シロ・ミロー、ノルベルト・トルヒージョ B、他
プロット:悲劇に直面したマグダ(Magdaペネロペ・クルス)は、常識では考えられないようなリアクションで、内側から人生を立て直していく。マグダと彼女を取り巻く人々は、予想もしないユーモアある光景や心こまやかな幸せに出会うことになるだろう。
★フリオ・メデムJulio Medem Lafont Sanjuan Mendizabal:1958年サンセバスチャン生れ、監督、脚本家、プロデューサー、作家。父方の祖父はドイツ人、祖母はバレンシアのスペイン人、母方の祖父はフランス人、祖母はバスク人とかなり血縁関係が複雑、本名が長いのはそのせいです。サンセバスチャンのブルジョア階級の生れ、後マドリードに移住している。マドリードではフランスで設立されたマリア会のエリート校に通った。例によって少年時代からの8ミリ愛好家、長編デュー前に短編を10本ほど撮っている。COU(Curso de Orientacion Universitaria)という1年間の大学準備コースで学んでいるときに、110 mハードルのスペイン記録を出し、1976年のモントリオール・オリンピックの候補者に選ばれていた。しかし精神科医になるために断念、ソリア大学医学部に入学した。COUは1990年の法改正までの制度で現在はない。映画監督としてはかなり異色な存在です。長編デビュー作『バカス』で、カルメロ・ゴメスとエンマ・スアレス、『ティエラ―地―』でシルケなどを起用、新人発掘でも有名。
★前作『ローマ、愛の部屋』(2010)から5年、短編を撮ったり、小説家としてデビューしたり相変わらず多才な人です(“Aspasia, amante de Atenas”2012刊)。7人の監督のオムニバス映画『セブン・デイズ・イン・ハバナ』(2012)の3作目「セシリアの誘惑」に参加していました。劇場公開、映画祭上映、テレビ放映、DVD発売とかたちは違っていても結構字幕入りで紹介されています。
1)『バカス』1992 東京国際映画祭、ヤングシネマ・ゴールド賞受賞
2)『赤いリス』1993 シネフィル・イマジカ直輸入映画として放映
3)『ティエラ―地―』1996 スペイン映画祭‘98上映
4)『アナとオットー』1998 劇場公開
5)『ルシアとSEX』2000 未公開2004年3月DVD発売
6)Caotica Ana
2007
7)『ローマ、愛の部屋』2010 未公開2010年4月DVD発売
★ペネロペ・クルスは、今回初めてプロデューサーに挑戦している。第2子妊娠中はビキニ姿で海水浴を楽しんでいたPPは、以前ならそれこそ予想もできなかった堂々たるママに変身、政治発言を積極的にするバルデム家の影響か、子供の教育、環境破壊などに関心があるようです。カナリア諸島近海の石油試掘反対も海洋汚染がその理由です。「フリオから脚本を渡され、読んで気に入ったの、もう夢中よ」とクルスは語っている。髪をばっさりショートカットにしてしまったのかと驚くのは早い。実はウィッグを着用しています(写真下)。
(ショートカットもお似合いです。“Ma ma”から)
★スタッフ、キャスト陣の詳細は、映画が完成した折りに、改めてご紹介するつもりです。
グラシア・ケレヘタの新作”Felices 140”*2015年公開予定 ③ ― 2015年01月07日 20:32
第3弾*グラシア・ケレヘタ&マリベル・ベルドゥ
★ゴヤ賞2014で前作“15 años y un día”が作品賞他7部門にノミネートされながら無冠に終わったグラシア・ケレヘタの新作“Felices 140”のご紹介。今回もマリベル・ベルドゥを主役にして、ジャンルはコメディ、いわゆる<合唱劇>で共演者は女性軍がノラ・ナバスとマリアン・アルバレス、男性軍はアントニオ・デ・ラ・トーレ、エドゥアルド・フェルナンデスなど、ゴヤ賞受賞歴のある演技派揃いの豪華版。予告通り6月23日、フリオ・メデムの“Ma ma”と同じテネリフェ島のファスニアでクランクインしました。
(映画の舞台となったホテル「ラス・カサス・デル・カミノ・レアル・デ・ファスニア」)
“Felices 140”
製作:Tornasol Films / Hernandez y
Fernandez Producciones Cinematograficas /
Foresta Films / La Ignorancia de la Sangre AIE
監督・脚本:グラシア・ケレヘタ
脚本(共同):アントニオ・サントス・メルセロ
撮影:フアン・カルロス・ゴメス
音楽:フェデリコ・フシド
編集:レイレ・アロンソ
エグゼクティブ・プロデューサー:マリエラ・ベスイエブスキイ、ヘラルド・エレーロ、
カルロス・ロドリゲス、ハビエル・ロペス・ブランコ
プロダクション・マネージメント:ホセアン・ゴメス、他
データ:スペイン、スペイン語、2015、コメディ、撮影地:テネリフェ島(ファスニア、グイマル、他)、撮影期間:2014年6月下旬~8月上旬の6週間、後援:CANAL+、ICAA、カナリアス自治州政府
キャスト:マリベル・ベルドゥ(エリアElia)、ノラ・ナバス、マリアン・アルバレス、アントニオ・デ・ラ・トーレ、エドゥアルド・フェルナンデス、アレックス・O’Dogherty、ヒネス・ガルシア・ミリャン、パウラ・カンシオ、他
プロット:エリアは40歳の誕生日にほんの数人しかいない友人と家族を豪華な田舎の家に招くことにする。招待理由として、自分がその週抽選のあったユーロミリオンの唯一人の当選者だと全員に知らせておいた。招待客は1億4000万ユーロという大金を棚ボタにした当選者がエリアだと知った。初めこそ喜びを分かち合っていたが、状況は次第に不穏な空気に包まれていく。エリアのお金を少しでも自分のものにしようと欲をむき出しにして詭弁を弄する友人たち、はてさて落ちつく先はいずこやら。
(ケレヘタ監督とマリベル・ベルドゥ)
★「ユーロミリオンEuromillón」というのは、1994年から始まった欧州のユーロ宝くじのこと、火曜日と金曜日に行われ、当選者が出ないと賞金が積み上がっていくから、日本のジャンボ籤とは比較にならない大金になる。有名な年末ジャンボのロッテリアとは別。ということで、テーマは「お金が介在すると人間関係、家族関係はどう変化するのか、友情は保てるのか」でしょう。脚本は前作同様アントニオ・サントス・マルセロと監督がコンビを組んでいる。プロデューサーも製作会社Tornasol Filmsのマリエラ・ベスイエブスキイ、ヘラルド・エレーロ、La Ignorancia de la Sangre AIEのハビエル・ロペス・ブランコと同じようです。ストーリーはシンプルですが、人間関係がもつれてギクシャクしていく過程を楽しむシリアス・コメディではないか。それで最後はどうなるの?
(撮影中のマリベルとエドゥアルド・フェルナンデス)
★キャストは文句なしの豪華版、だからといって成功するとは限りませんが。女性軍の3人は全て最近のゴヤ賞主演女優賞を貰っている。マリベル・べルドゥ(『ブランカニエベス』2012)、ノラ・ナバス(『ブラック・ブレッド』2010)、マリアン・アルバレス(“La herida”2013)、そして男性軍、アントニオ・デ・ラ・トーレ(『漆黒のような深い青』2006、助演)、エドゥアルド・フェルナンデス(“Fausto 5.0”2001、主演)という具合です。
(監督とアントニオ・デ・ラ・トーレの珍しいツーショット)
★アレックス・O’Dogherty(1973カディス)は『漆黒のような深い青』やリドリー・スコットの『キングダム・オブ・ヘブン』に端役で出ているが、スペインではTVシリーズ“Doctor Mateo”(2009~11)の53話に出演、お茶の間で人気が出た俳優。ヒネス・ガルシア・ミリャン(1964ムルシア)は、公開作品では、マヌエル・パラシオスの『ジターノ』(2000)、ビセンテ・アランダの『カルメン』(2003)、ラテンビート2013上映のラファ・ララの『5月5日の戦い』(メキシコ、2013)などに出演している。
(左から、エリアと招待された友人たち)
★ケレヘタ監督によると、3年前から温めていた映画ということで、キャストも当時から半分は決まっていた由。舞台となるテネフェ島はカナリア諸島の火山島、2007年に世界遺産に指定されたテイデ火山はスペイン最高峰(海抜3718m)として観光客の人気スポット。月面のような荒涼とした風景、やせて尖った岩肌と対照的にまばゆい光線や鄙びた景色は、「この映画の背景としてぴったり溶け込んでいる」と監督。多くのシーンが撮影されたファスニアの「ラス・カサス・デル・カミノ・レアル」ホテルは、海に面してプールがあり、直接海岸にも出られ、近くには森があるという。古くから映画の舞台となることの多いテネリフェ島、奇しくもフリオ・メデムの“Ma ma”もここで撮影されたし、カルメロ・ゴメス主演のサムエル・マルティン&アンドレス・ルケの“Tiempo sin aire”(2015)の舞台もサンタ・クルス・デ・テネリフェだった。
関連記事・管理人覚え
“15 años y un día”2014年1月26日/2月10日
『ブランカニエベス』2013年8月18日/9月18日
“La herida”2013年11月27日/2014年1月13日/1月31日
ガウディ賞(ノラ・ナバス最優秀女優賞)2014年2月3日
ゴヤ賞2015ノミネーション発表 ① ― 2015年01月08日 20:12
★1月7日にノミネーション発表がありました。昨年は日曜日の夜でしたが、今年は2月7日の土曜夜から翌朝にかけてと変更になって開催されます(以前は土曜日でしたから元に戻ったわけです)。テレビ視聴率は19.8%(約357万人)と最低を記録いたしました。2014年のスペイン映画界はかつてないほどの活況を呈しましたので、翌日の仕事を気にせず楽しめる土曜の夜に変更になったようです。そのほうが視聴率も取れるからですね。総合司会者は昨年大ブレークした“Ocho apellidos vascos”の主人公ダニ・ロビラ、自身も新人男優賞にノミネートされています。強敵は『エル・ニーニョ』のへスス・カストロです。
★予想通りというか3極集中というか、あまり芳しくない印象のノミネーションです。アルゼンチン=スペイン合作とはいえ、“Relatos salvajes”がイベロアメリカ映画賞とダブってノミネートされている。以前にも『瞳の奥の秘密』が同じケースだったが釈然としない。取りあえず作品名と人名だけ列挙、順次アップしていきます。そんなに多くありませんが、未紹介だが受賞に絡みそうな作品をできるだけ多くアップしていきます。(ノミネーションを発表する左から、マリアン・アルバレス、キケ・マイリョ、ブランカ・スアレス)
★“Autómata”は1月23日一般公開だから来年回しになると思っていましたが、ノミネートされているのでビックリ、確かに授賞式前の公開ですけど。主演のバンデラスが栄誉賞を受賞するからでしょうか。マラガ映画祭で「これはゴヤ賞に絡む」と予告した作品のうち“10.000 km”、“Carmina y amén”、“Anochece en la India”などが目につきました。ラテンビートで上映された『トガリネズミの巣穴』のマカレナ・ゴメスも予告通り主演女優賞にノミネート、ここは混線するでしょう。。(ゴチック体は当ブログで紹介している作品です)。
最優秀作品賞
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LBラテンビート2014)
○ La isla mínima
○ Loreak (Flores) 『Flowers &フラワーズ』(邦題LB& 国際東京映画祭2014)
○ Relatos
salvajes
○ Magical Girl
最優秀監督賞
○ Daniel Monzón ダニエル・モンソンEl Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ Carlos Vermut カルロス・ベルムトMagical Girl
○ Alberto Rodrígue, アルベルト・ロドリゲスLa isla mínima
○ Damián Szifrón ダミアン・シフロンRelatos salvajes
最優秀新人監督賞
○ Carlos Marqués-Marce カルロス・マルケス≂マルセ10.000
km
○ Juanfer Andrés y Esteban Roel フアンフェル・アンドレス&エステバン・ロエル
Musarañas 『トガリネズミの巣穴』(邦題LB 2014)
○ Curro Sánchez Varela クーロ・サンチェス・バレラPaco de Lucía: La búsqueda
○ Beatriz Sanchís ベアトリス・サンチスTodos están muertos
最優秀主演男優賞
○ Javier Gutiérrez ハビエル・グティエレスLa isla mínima
○ Raúl Arévalo ラウル・アレバロLa
isla mínima
○ Ricardo Darín リカルド・ダリンRelatos
salvajes
○ Luis Bermejo ルイス・ベルメホ
Magical Girl
最優秀主演女優賞
○ Bárbara Lennie バルバラ・レニー
Magical Girl
○ María León マリア・レオン Marsella
○ Macarena Gómez マカレナ・ゴメスMusarañas 『トガリネズミの巣穴』(邦題LB 2014)
○ Elena Anaya エレナ・アナヤTodos están muertos
最優秀助演男優賞
○ Eduard Fernández エドゥアルド・フェルナンデスEl
Niño 『エル・ニーニョ』
○ Antonio de la
Torreアントニオ・デ・ラ・トーレ La
isla mínima
○ José Sacristán ホセ・サクリスタンMagical Girl
○ Karra Elejalde カラ・エレハルデOcho apellidos vascos
最優秀助演女優賞
○ Bárbara
Lennie
バルバラ・レニーEl Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ Mercedes León メルセデス・レオンLa isla mínima
○ Goya Toledo ゴヤ・トレド Marsella
○ Carmen Machi カルメン・マチOcho apellidos vascos
最優秀新人男優賞
○ David Verdaguer ダビ・ベルダゲル10.000
km
○ Jesús Castro ヘスス・カストロEl Niño 『エル・ニーニョ』(邦題ラテンビート2014)
○Israel Elejalde イスラエル・エレハルデMagical Girl
○ Dani Rovira ダニ・ロビラOcho apellidos vascos
最優秀新人女優賞
○ Natalia
Tena ナタリア・テナ10.000 km
○ Yolanda Ramos ヨランダ・ラモスCarmina y amén
○Nerea Barros ネレア・バロスLa isla mínima
○ Ingrid García
Jonsson イングリッド・ガルシア・ヨンソン Hermosa juventud
最優秀オリジナル脚本賞
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Magical Girl
○ Relatos salvajes
最優秀脚色賞
○ A Esmorga
○ Anochece en la India
○ Mortadelo y Filemón contra Jimmy el Cachondo
○ Rastros de sándalo
最優秀オリジナル作曲賞Mejor música original
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Loreak (Flores) 『Flowers &フラワーズ』(邦題LB& 国際東京映画祭2014)
○ Relatos salvajes
最優秀オリジナル歌曲賞
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ Haz de tu vida
una obra de arte
○ Ocho apellidos vascos
○ Mortadelo y Filemón contra Jimmy el Cachondo
最優秀プロダクション賞
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Relatos salvajes
○ Mortadelo y Filemón
contra Jimmy el Cachondo
最優秀編集賞Mejor montaje
○ La isla mínima
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ Paco de Lucía: La búsqueda
○ Relatos salvajes
最優秀衣装デザイン賞
○ Autómata
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Por un puñado de besos
最優秀録音賞
○ Autómata
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Mortadelo y Filemón
contra Jimmy el Cachondo
最優秀長編アニメーション賞
○ Dixie y la rebelión zombi
○ La tropa de trapo en la selva del arco iris
○ Mortadelo y Filemón
contra Jimmy el Cachondo
最優秀イベロアメリカ映画賞
○ Kaplan (2014、西=ウルグアイ=独)
○ Conducta (2014、キューバ)
○ Relatos Salvajes (2014、アルゼンチン=西)
○ La distancia más
larga (2013、ベネズエラ=西)
最優秀撮影賞
○ Autómata
○ Ocho apellidos vascos
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
最優秀美術賞Mejor dirección
artística
○ Autómata
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Mortadelo y Filemón
contra Jimmy el Cachondo
最優秀メイク&ヘアメイク賞
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Musarañas 『トガリネズミの巣穴』(邦題LB 2014)
○ Relatos salvajes
最優秀特殊効果賞Mejores efectos
especiales
○ El Niño 『エル・ニーニョ』(邦題LB 2014)
○ La isla mínima
○ Torrente 5: Operación
Eurovegas
○ Open Windows
*以下省略です。
ボルハ・コベアガの新作”Negociador”*2015年公開予告 ④ ― 2015年01月11日 22:41
第4弾*ETAのコメディ
★1月7日にゴヤ賞2015のノミネーション発表があり中断しました。“La isla mínima”17個(カテゴリーは16ですが、主演男優に2人ノミネーション)、『エル・ニーニョ』16個に、「ご冗談でしょ」と腰が引けてしまいましたが、なかには「何で?」「まさかぁ!」もあったり、短編では見るチャンスがなかったりもして、例年ノミネーションに不満が聞こえてきます。取りあえず“Negociador”が済んだら気分を変えて「ラテンビート2015」なども視野に入れてニュースを更新していきます。
★さて、ボルハ・コベアガって名前、初めて聞くけど、どんな監督なの。当ブログではエミリオ・マルティネス≂ラサロのコメディ“Ocho apellidos vascos”の脚本をディエゴ・サン・ホセと共同執筆した人として紹介しております。今年ゴヤ賞では5個ノミネーションされましたが、残念ながら脚本は選ばれませんでした。
“Negociador”
製作:Sayaka
Producciones Audiovisuales
監督・脚本・プロデューサー:ボルハ・コベアガ
撮影:ジョン・D・ドミンゲス
編集:カロリーナ・マルティネス・ウルビナ
美術:リエルニ・イザギレ
衣装:レイレ・オレリア
プロデューサー(エグゼクティブ):ナヒカリ・イピニャNahikari Ipiña
データ:スペイン、スペイン語、2014、79分、ETAの悲喜劇、撮影地:サンセバスチャン/
ビアリッツ/サンフアン・デ・ルス、スペイン公開2015年3月13日
受賞歴:サンセバスチャン映画祭2014 Zabaltegi部門上映、最優秀バスク映画賞Irizar賞受賞
キャスト:ラモン・バレア(マヌ・アラングレン)、ジョセアン・ベンゴエチェア(ジョキン)、カルロス・アセレス(パチ)、メリナ・マシューズ(ソフィー)、ラウル・アレバロ(ソフィーの恋人)、セクン・デ・ラ・ロサ(ボーイ)、サンティ・ウガルデ(ボディガード)、オスカル・ラドレイ、ゴルカ・アギナガルデ、ジュリー・ダクキン、他
(左から、カルロス・アセレス、ラモン・バレア、ジョセアン・ベンゴエチェア)
プロット:バスクの政治家マヌ・アラングレンの物語。2005年、アラングレンはスペイン政府とETAとの「平和プロセス」の難しい交渉に立ち合っていた。もう黒ネクタイをしめて友人知人の告別式に出席するのは終りにしたいと思っていたからだ。しかし会談はプロフェッショナルな形式に基づいたプロセスとはほど遠く、意見の相違、誤解、偶然に強く左右されがちで進展しなかった。ただ交渉人たちの個人的な関係だけは明るい結末を得るために損なわないようにしていたのだが・・・
★事実に着想を得て作られたフィクションだが、実在のモデルが存在するということです。ですからコメディといってもテーマがテーマだけに辛口の悲喜劇のようです。ラモン・バレア扮する主役のマヌ・アラングレンのモデルは、ヘスス・マリア・エギグレン(1954年ギプスコア生れ)、法学者で政治家、現在はバスク大学の法学部教授。舞台背景となる2005~06年は、バスク社会党(Partido Socialista de Euskadi-Euskadiko
Ezkerra PSE-EE)の党員だった。「平和を取り戻そうとする主人公の夢に惹かれる。エギグレンの熱意がエタを終わらせた。ラモン・バレアが映画に息を吹き込んでくれたんだ。エギグレンのオピニオンを知ることができて満足している。ドキュメンタリーで撮ることは考えていなかったし、フィクションで少しも支障は感じなかった。だって彼を批判したりからかったりする意図は全くなかったからね、その反対だよ」とコベアガ監督。
(ETAとの交渉についての著書を手にしたエギグレン)
★ジョセアン・ベンゴエチェアのモデルは、ホセ・アントニオ・ウルティコエチェア・ベンゴエチェア(1950年ビスカヤ生れ)だが、ホス・テルネラのほうが知られている。テロ組織ETAの歴史に残る代表的な指導者の一人だった。1990年10月、武器の不法所持や偽造身分証明書利用の廉で10年の刑を受けている。2011年アメリカはテロリスト名簿に載せているが、詳しい現況は分かっていない。カルロス・アセレスのモデルは、バスク分離独立ITAの元リーダー、ハビエル・ロペス・ペニャ、別名「ティエリー」(1958年ビスカヤ生れ)。休戦協定を台無しにした張本人。2008年5月、ボルドー潜伏中に逮捕されフランスで服役中だったが、2013年3月30日、心臓障害で治療を受けていたパリの病院で脳溢血のため死去している。
(ボルドーで逮捕されたときの「ティエリー」)
★この交渉は結果的には失敗するわけですが、だからといって無駄だったわけではなく、2013年4月、エギグレンは平和と和解に寄与したとして「ゲルニカ賞」を受賞している。コベアガ監督は書籍、新聞記事、ドキュメンタリーを徹底的に精査して脚本を作り上げたと語っています。実際の会談では「何が話し合われ、どう推移したのか、何を食べ、飲み物は何を飲んだのか」。彼はこの平和プロセスの厳粛さを取り除いて自由に夢想しているようです。つまり「交渉のプロセスを描くストーリーではなく、その副次的な側面や家庭を取りまく細部について語った物語です。政治的な会談に集中したくなかった」とサンセバスチャン映画祭で語っています。
(ボルハ・コベアガ監督)
★ボルハ・コベアガBorja Cobeaga Eguillor :1977年、サンセバスチャン生れ、監督、脚本家、製作者。脚本家として出発、監督デビューは“Pagafantas”(2009、ゴヤ賞新人監督賞ノミネート)、2作目“No
controles”(2010)、本作が3作目です。TVシリーズ、短編多数、うち2002年“La primera vez”がゴヤ賞ノミネート、2007年“Eramos pocos”がオスカー賞にノミネート、2014年“Democracia”がナント映画祭で短編映画賞を受賞している。エミリオ・マルティネス≂ラサロの“Ocho apellidos vascos”の続編をディエゴ・サン・ホセと共同執筆中、今春クランクインが予告されている。
フォルケ賞2015の発表*”La isla minima”が受賞 ― 2015年01月14日 14:46
★第20回フォルケ賞の授賞式が1月12日にあり、結果は以下の通りです(◎印が受賞者)。フォルケ賞は監督ばかり注目されて製作メンバーが片隅に置かれるのはおかしいという理由でできた賞なので、監督賞はありません(作品賞に監督名を入れたのは、管理人覚えです)。ゴヤ賞ノミネーションと重なっているので、纏めてそちらでフォルケ賞論評を紹介いたします。
*フォルケ賞2015のノミネーションはコチラ(⇒2014年12月22日)
★最優秀作品賞(スペイン)
◎La isla mínima (監督:アルベルト・ロドリゲス)
El Niño (監督:ダニエル・モンソン)
Magical Girl (監督:カルロス・ベルムト)
Ocho apellidos vascos (監督:エミリオ・マルティネス= ラサロ)
Relatos salvajes (監督:ダミアン・シフロン)
(La isla mínima のスタッフ一同)
★最優秀作品賞(ラテンアメリカ)
Cantinflas メキシコ
Código Paz ドミニカ共和国
Hoje eu quero voltar
sozinho,“The way he looks” ブラジル
Matar a un hombre チリ(『殺せ』)
Mr. Kaplan ウルグアイ
◎Relatos salvajes アルゼンチン≂スペイン合作
(Relatos salvajes の製作者アグスティン・アルモドバルとエステル・G・ロドリゲス)
★最優秀男優賞 AISGE財団
◎Javier Gutiérrez ハビエル・グティエレス (La Isla
Mínima) 監督:アルベルト・ロドリゲス
José Sacristán ホセ・サクリスタン (Magical Girl) 監督:カルロス・ベルムト
Karra Elejalde カラ・エレハルデ (Ocho Apellidos Vascos)
監督:エミリオ・マルティネス=ラサロ
Raúl Arévaloラウル・アレバロ (La Isla Mínima) 監督:アルベルト・ロドリゲス
(トロフィーを手にしたハビエル・グティエレス)
★最優秀女優賞 AISGE財団
◎Bárbara Lennie バルバラ・レニー (
Magical Girl) 監督:カルロス・ベルムト
Elena Anaya エレナ・アナヤ (Todos
están muertos) 監督:ベアトリス・サンチス
Ingrid García-Jonsson イングリッド・ガルシア≂ヨンソン (Hermosa Juventud)
監督:ハイメ・ロサーレス
Natalia Tena ナタリア・テナ (10000 km) 監督:カルロス・マルケス≂マルセ
(バルバラ・レニー、Magical
Girl から)
◎EGEDA 「ゴールデン・メダル賞」(栄誉賞):RTVE(スペイン国営放送)
(スペイン国営放送代表のホセ・アントニオ・サンチェス、隣はコンチャ・ベラスコ)
◎アニメーション&ドキュメンタリー賞:Mortadelo y Filemon contra Jimmy El Cachondo
(監督:ハビエル・フェセル)
(「モルタデロとフィレモン」のスタッフ一同)
*Entidad de Gestión de
Derechos de los Productores Audiovisuales の略。いわゆる視聴覚製作に携わる人々の権利を守るための交渉団体です。1990年創設だが活動は1993年から。現会長はエンリケ・セレソ、副会長はアグスティン・アルモドバル。
★栄誉賞は受賞作なしの年もありますが、今回は「長年のスペイン映画の製作、普及、促進、放映に寄与したこと」が評価されてRTVEの受賞となりました。アニメーション&ドキュメンタリー賞はアップしませんでしたが、ハビエル・フェセルの手に渡りました。これはゴヤ賞に一番近いでしょう。以上フォルケ賞は6賞です。バルバラ・レニーは授賞式に欠席、代わりに監督が登壇した。
モンソンの『エル・ニーニョ』16個*ゴヤ賞2015ノミネーション ② ― 2015年01月15日 17:28
『エル・ニーニョ』は何個取れる?
★トータル110作から選定された(フィクション64、ドキュメンタリー42、アニメーション4)。イベロアメリカ映画賞部門は15作から。ノミネーション・フィエスタは1月19日にマドリードのTeatros del Canal で開催される。授賞式は2月7日の土曜日夜から翌朝にかけて、マドリードのホテル・オーディトリアムで開催。総合司会ダニ・ロビラ、演出フアン・ルイス・イボラ、実行プロダクションはエミリアノ・オテギ。
ダニエル・モンソン『エル・ニーニョ』16個!
★授賞式が近づいてきましたので、しばらくゴヤ賞中心にアップします。今年はラテンビート上映作品が3作あり、マラガ、カンヌ、サンセバスチャン、モントリオール、トロントなどの映画祭で既に紹介している作品も多く、加えて『エル・ニーニョ』と“La isla mínima”の2作にノミネーションが集中しているので比較的ラクと踏んでますが、時間切れになるかも。作品賞(5作品)と監督賞(4作品)が重なるのも恒例になっています。毎年この季節になると、「いったい誰が、どういうポリシーで、ノミネーションしているのかしら?」と考え込んでしまいます。
★フォルケ賞では無冠におわりましたモンソンの『エル・ニーニョ』(邦題ラテンビート2014)については、スタッフ・キャスト紹介、プロット、鑑賞後のコメントも既にアップ済み、詳細はこちらへワープして下さい。 (⇒2014年9月20日/11月3日)
El Niño 『エル・ニーニョ』ノミネーション16カテゴリー
作品賞:Telecinco
Cinema / IkiruFilms / Vaca Films 他
監督賞:ダニエル・モンソン
脚本賞:ホルヘ・ゲリカエチェバリア/ダニエル・モンソン
撮影賞:カルレス・グシ
編集賞:クリスティナ・パストール
オリジナル作曲賞・オリジナル歌曲賞:ロケ・バーニョス
美術賞:セラフィン・ゴンサレス
衣装デザイン賞:タティアナ・エルナンデス
メイクアップ・ヘアーメイク:ラケル・フィダルゴ/ノエ・モンテス、他多数
特殊効果賞:フェリックス・ベルヘス/ダビ・カンポス/DDT SFX クルー、他多数
録音賞:オリオル・タラゴー/アルベルト・リバス/ジョルディ・リバス、他多数
プロデューサー:ホルヘ・ツゥカ(テレシンコ代表)/Ghislain バロイス(テレシンコ)/ハイメ・オルティス・デ・アルティニャノ/(エグゼクティブ)ビクトリア・ボラス(IkiruFilms)/(同)ジョルディ・ガスル/(同)エマ・ルストレス、他多数
キャスト
新人男優賞:ヘスス・カストロ(エル・ニーニョ)
助演女優賞:バルバラ・レニー(エバ)
助演男優賞:エドゥアルド・フェルナンデス(セルヒオ)
★以上がスタッフ、キャスト合計16カテゴリーにノミネートされた。スタッフ陣は、モンソンの前作『プリズン211』、アメナバルの『アレキサンドリア』、バヨナの『インポッシブル』、最近ではパコ・レオンの“Carmina y amén”、マルティネス= ラサロの“Ocho apellidos vascos”を手掛けたTV局テレシンコ・シネマやプロダクションのメンバーたちです。「他多数」としたカテゴリーは数が多いためピックアップして載せています。
★アルベルト・ロドリゲスの“La isla mínima”がフォルケ賞「作品賞」と「男優賞」を獲得しているので、『プリズン211』のように主要な賞を独占することはないと予想しています。このスリラー2作の一騎打ちになることは間違いありません。『エル・ニーニョ』は8月末に封切られて既に5ヵ月経ちましたが、未だ45館で上映中ということなので、作品賞と監督賞が分かれることもあり得ると思っています。「お金の掛けすぎだなぁ」がラテンビート鑑賞後の第一印象、中だるみも気になってスリラーの136分は長すぎるのではないかと感じた。『プリズン211』を見たときの高揚感、実はトサールはこういう役がやりたかったんだという驚きもなかった。ハリウッド嫌いのアカデミー会員の反発があるかもしれないし、個人的には監督賞はロドリゲスにとって欲しい。
★撮影賞、特殊効果賞、録音賞などは確率が高いと思われるが、撮影賞は“La isla mínima”のアレックス・カタラン、特殊効果賞は唯一ノミネートされた“Trente 5”のグループに、など個人的な感情が入るので予想できない。
★キャストで最短距離にいるのが、新人男優賞のヘスス・カストロ、ライバルは“Ocho apellidos vascos”のダニ・ロビラ、ガラの総合司会者でもある。
★助演女優賞のバルバラ・レニーは、“Magical Girl”で主演女優賞にノミネーションを受けているので多分そちらが本命(フォルケ賞を受賞)、そもそもダブル・ノミネーション自体好ましいことではないと思っている。(写真下、映画『エル・ニーニョ』から)
★助演男優賞のエドゥアルド・フェルナンデス、このカテゴリーは誰が貰ってもおかしくない。アントニオ・デ・ラ・トーレ、ホセ・サクリスタン、カラ・エレハルデと拮抗している。中でサクリスタンは2013年“El muerto y ser feliz”で主演男優賞を受賞しているので外れるかな。“La isla mínima”のデ・ラ・トーレは、2007年『漆黒のような深い青』で助演を受賞、“Ocho apellidos vascos”のカラ・エレハルデは、2011年『雨さえも―ボリビアの熱い一日―』で助演を受賞している。エドゥアルド・フェルナンデスも2002年に“Fausto 5.0”で主演、2004年“En la ciudad”で助演を受賞している。各自受賞歴はありますが、作品賞が“La isla mínima”ならデ・ラ・トーレが貰うかも。
(エドゥアルド・フェルナンデス)
『フラワーズ』驚きの作品賞*ゴヤ賞2015ノミネーション ③ ― 2015年01月16日 22:41
作品賞ノミネーションには驚きました!
★バスク語映画がゴヤ賞にノミネーションされるのは初めてのことらしいが、それも「作品賞」だからセンセーショナルなことです。作品賞に選ばれると監督賞、または新人監督賞に選ばれるのが恒例だが、今回はパスカル・ゲーニュの「オリジナル作曲賞」の二つだけ。「うん?」が正直な感想です。「作品賞」受賞は、まず考えられませんね。でも意味深いノミネーションです。
★車道のガードレールに飾られた花束には、美しさと同時に「死」の匂いが漂っている。かつてそこで悲劇が起こったことを知らせているからです。回想と喪失についての明快でエモーショナルな、そして非常に奥深い寓話として観客を熟慮させる。きわどいベッドシーンはないが、中年にさしかかった男と女の危ういラブストーリー 助演女優賞に事故死したベニャトの母親役イジアル・アイツプルがノミネートされてもおかしくなかった。ラテンビート2014でバスク語と日本語字幕で見られたことを幸運と思います。何故ならスペインでの一般公開はスペイン語の吹替え上映でしたから。(写真下:イジアル・アイツプル)
『フラワーズ Loreak』
製作:Irusoin / Moriarti Produkzioak
監督:ジョン・ガラーニョ& ホセ・マリ・ゴエナガ
脚本:アイトル・アレギAitor Arregi /ジョン・ガラーニョ/ホセ・マリ・ゴエナガ
プロデューサー:(エグゼクティブ)アイトル・アレギ/(同)フェルナンド・ラロンド
/ハビエル・ベルソサ
撮影:ハビエル・アギーレ
音楽:パスカル・ゲーニュ
★製作会社のIrusoin Moriarti とProdukzioakは、前作“80 egunean”(英題“For 80 Days”)を手掛けています。フェルナンド・ラロンドとハビエル・ベルソサは前作を共にプロデュース、アイトル・アレギは監督でもあり、本作には脚本家として共同執筆している。今回初めてエグゼクティブ・プロデューサーとして参加。
(“80 egunean”のポスター)
★後者の「オリジナル作曲賞」は可能性ありでしょうか。管理人も『フラワーズ』紹介記事でノミネーションを予想、その通りになって嬉しい(コチラ⇒2014年11月9日)。彼は以前、エドゥアルト・チャペロ≂ジャクソンの“Vervo”で、ゴヤ賞2012「オリジナル歌曲賞」にノミネートされています。ただし、このカテゴリーは例年になく激戦区になっています。『エル・ニーニョ』のロケ・バーニョス、“Relatos salvajes”のグスタボ・サンタオラジャ(アメリカからブエノスアイレスに帰郷して参加)、“La isla mínima”のフリオ・デ・ラ・ロサ、彼はロドリゲス監督のデビュー作『7人のバージン』以来全作の音楽監督を担当、“Grupo 7”で、ゴヤ賞2013「オリジナル作曲賞」にノミネーション、今回が2度目になります。ロドリゲスはスタッフを殆ど変えないタイプの監督です。誰が貰っても文句が出ないカテゴリーの一つ。
★パスカル・ゲーニュPascal Gaigne:1958年フランスのカーン生れ、1990年よりサンセバスチャン移住。作曲家、映画音楽監督、演奏家。ポー大学で音楽を学ぶ。トゥールーズ国立音楽院でベルトラン・デュプドゥに師事、1987年、作曲とエレクトロ・アコースティックの部門でそれぞれ第1等賞を得る。映画音楽の分野では短編・ドキュメンタリーを含めると80本を数える(初期のアマヤ・スビリアとの共作含む)。演奏家としてもピアノ、シンセサイザー、ギター、バンドネオン他多彩。『マルメロの陽光』ではバンドネオンの響きが効果的だった。以下は話題作、代表作です(年代順)。
1992『マルメロの陽光』 監督:ビクトル・エリセ(劇場公開)
1998“Mensaka” 監督:サルバドール・ガルシア・ルイス
1999『花嫁の来た村』 監督イシアル・ボリャイン(シネフィルイマジカ放映)
2001 “Silencio roto” 監督:モンチョ・アルメンダリス
2002『靴に恋して』 監督:ラモン・サラサール(劇場公開)
2003“Las voces de la noche” 監督:サルバドール・ガルシア・ルイス
2004“Supertramps” 監督:ホセ・マリ・ゴエナガ(デビュー作)
2006『漆黒のような深い青』 監督:ダニエル・サンチェス・アレバロ(ラテンビート2007)
2007“Siete mesas de billar
francés” 監督:グラシア・ケレヘタ
2009『デブたち』 監督:ダニエル・サンチェス・アレバロ(スペイン映画祭2009上映)
2010“Perurena” 監督:ジョン・ガラーニョ(バスク語、デビュー作)
2010“80 egunean” 監督:ジョン・ガラーニョ&ホセ・マリ・ゴエナガ(長編第1作)
2011“Vervo” 監督:エドゥアルト・チャペロ≂ジャクソン(ゴヤ賞2012歌曲賞ノミネート)
2014“En tierra extraña” 監督イシアル・ボリャイン
2014『フラワーズ』 省略
2014“Lasa y Zabala” 監督:パブロ・マロ
*管理人覚え
サンセバスチャンFF⇒2014年9月22日
東京国際FF⇒2014年11月9日
”Relatos Salvajes”驚きの9個*ゴヤ賞2015ノミネーション ④ ― 2015年01月19日 11:14
作品賞・監督賞含めて9個とは!
★“Relatos salvajes”(英題“Wild Tales”)は、スペイン映画でなくアルゼンチン≂スペイン合作のアルゼンチン映画だと思っていました。アカデミー賞外国語映画賞のアルゼンチン代表作品だったからね。従って「イベロアメリカ映画賞」には当然ノミネーションを予想していたし、受賞も太鼓判でした(笑)。作品賞は製作会社が主としてアルモドバル兄弟の「エル・デセオ」だから分かるとして、監督賞には違和感があります。しかし、2014年のスペイン興行成績が第5位の400万ユーロ(約72万人)と貢献したから無視できないか。かつてマルセロ・ピニェイロの『瞳の奥の秘密』(2009)が同じケースとして記憶にありますが、オスカー賞外国語映画賞を受賞したんでした。
★大物監督が我も我もと押しかけ、新人監督のエントリーが珍しくなったカンヌ映画祭のコンペティションに選ばれたのが快進撃の始まりでした。アグスティン・アルモドバルが、「彼のような若い監督の作品がカンヌのコンペに持って来られたのは、神の恩恵かもしれない」と語っていたように、カンヌのコンペティションは新人を寄せつけなくなっている。アルゼンチンでは有名でも国際的には新人。エル・デセオの後押しがあったからでしょうか、プレス会見では、アルモドバル監督も最前列で「我が子」を見守っていましたからね。結局カンヌは無冠に終わりましたが波及効果は絶大でした。
(アルモドバル兄弟に挟まれて、カンヌ映画祭2014授賞式にて)
★アカデミー賞2015の最終ノミネーションもやっと出揃い、本作もアルゼンチン代表作品として「外国語映画賞」5作品に踏み止まりました。現在は製作者も監督もロスに集合してプロモーションに大わらわですが、下馬評では受賞は難しい。投票には政治的なことも左右されるから、会員に会うことは重要なことで、クチコミはここでも有効です。アグスティン・アルモドバルは「多分『イーダ』が受賞するでしょうが、(受賞しなくても」決して不名誉なことではありません。ノミネーションだけでも素晴らしい」と語っています。オスカー賞にノミネートされるということはそういうことなんですね。当ブログでもカンヌ映画祭、トロント映画祭、オスカー賞プレセレクションと数回にわたって、スタッフ、キャスト、プロット、監督紹介をしてきました。それらと内容が重なる部分もありますがノミネーション9個は以下の通りです。
作品賞:El Deseo S.A.(西、アウグスティン& ペドロ・アルモドバル、エステル・ガルシア)/
Kremer & Sigman Films(アルゼンチン、ウーゴ・シグマン)、
他 Corner Producciones / Televisión Federal (後援)INCAA / ICAA
監督賞・オリジナル脚本賞:ダミアン・シフロン Szifron
主演男優賞:リカルド・ダリン(エピソード“Bombita”シモン役)
オリジナル作曲賞:グスタボ・サンタオラジャ
プロダクション賞:エステル・ガルシア、アナリア・カストロ・バルセッチ、他
編集賞:パブロ・バルビエリ・カレラ、ダミアン・シフロンSzifron
メイク&ヘアメイク賞: マリサ・アメンタ、ネストル・ブルゴス
イベロアメリカ映画賞:監督ダミアン・シフロン Szifron
★なかで確実なのがイベロアメリカ映画賞、混戦が予想されるが「もしかしたら」がオリジナル作曲賞でしょうか。主演男優賞のリカルド・ダリンは『瞳の奥の秘密』でもノミネートされましたが、『プリズン211』と同じ年だったから不運でした。今回は主演といっても6話構成の1話だけの主人公だし、このカテゴリーは“La isla mínima”の主役2人のどちらかに決定しているようなものだから受賞できない。多分サンセバスチャン映画祭、フォルケ賞の男優賞を受賞したハビエル・グティエレスの手に渡るでしょう。アルゼンチンのアカデミー賞と言われる「スール賞*」では、主演男優賞はリカルド・ダリンでなくオスカル・マルティネス、女優賞はエリカ・リバスが受賞しました。アルゼンチンでは8月14日に公開されてから10月までにチケットが約300万以上売れたということで、スピードは1997年、統計を公式に撮り始めてからでも異例の速さと報じています。(写真下:カンヌ映画祭に参加したときのもの)
*作品賞、監督賞、主演男優、主演女優(エリカ・リバス)以下10部門を制覇した。因みに『瞳の奥の秘密』は13部門制覇でした。どこもここも一極集中は流行りです。
(エリカ・リバス、アルモドバル、オスカル・マルティネス)
★作品賞は、スペイン部門とラテンアメリカ部門に分かれていたフォルケ賞では受賞しましたが、ゴヤ賞はまず考えられない。“La isla minima”か『エル・ニーニョ』のどちらか。エル・デセオにアレルギー症状をおこす会員が結構多いから難しい(笑)。2005年の“Tiempo de valientes”(長編第2作)以来9年ぶりの映画界復帰を説得したのは、アグスティン・アルモドバルでした。「じゃ、やりましょう」となるまでには紆余曲折があったようで、2013年3月に製作発表があったときには、既に上記の製作会社と配給ワーナー・ブラザーズが決まっているという幸運な出発でした。
(アグスティン・アルモドバルとエステル・ガルシア フォルケ賞授賞式にて)
★しかし2013年のカンヌのメルカードに脚本を見せたときの反応は必ずしも良くなかった。コメディ、スリラー、ホラーとジャンルが多義に渡り分類が難しかったからのようです。「それは最初から怖れていたことで、自分たちの心配通りになった」とアグスティン。しかし各エピソードには自信があり、2014年のカンヌ本番の反応は期待以上だった。つまり「快進撃はカンヌで始まった」というわけです。各国どこでも社会的な問題を抱えており、その背後には暴力が潜んでいて、その暴力は熱伝導のように伝わっていくから、結果ジャンルの分類など観客には不必要だったというわけ。
*監督キャリア&フィルモグラフィー*
★ダミアン・シフロン Damián Szifron:1975年ブエノスアイレス州のラモス・メヒア市生れ、脚本家、監督、エディター、プロデューサー(シフロンまたはジフロン?)。名前から分かるようにユダヤ系アルゼンチン人。父親が大の映画好きでその影響がある由。ユダヤ系の私立校Escuela Tecnica ORTでマスメディア学を専攻。その後、映画理論を学び、ブエノスアイレスの私立の映画大学(Fundacion Universidad del Cine FUC)で監督演出を学んでいる。1992年“El tren”で短編デビュー(短編多数)、1994年テレビ界に進出、TVドラ“Atorrantes”(1996~99)をプロデュースする。このとき知り合った女優マリア・マルルと結婚、2女の父親である。彼女は本作の「パステルナク」にイサベル役で出演している。長編は以下の通り:
2003年 “El fondo del mar”(“Bottom Sea” 長編第1作)ブラック・コメディ
*2001年から脚本に取りかかり、マル・デル・プラタ国際映画祭で上映、イベロアメリカ部門の「銀のオンブー」賞、国際映画批評家連盟賞を受賞。サンセバスチャン映画祭で審査員特別メンション、トゥールーズ映画祭でフランス批評家賞など多数。アルゼンチンの「クラリン賞」では最優秀作品・脚本・監督を受賞している。
2005年“Tiempo de
valientes”( “On Probation” 長編第2作)アクション・コメディ
*本作がビアリッツ映画祭(ラテンアメリカ部門)で観客賞、マラガ映画祭(同)では主役2人のうちルイス・ルケが男優賞(銀賞)を受賞し、ペニスコラ・コメディ映画祭では、作品賞、監督賞、もう一人の主役ディエゴ・ペレッティが男優賞を受賞した。
(カンヌでのツーショット、当時妊娠中、2ヵ月後に次女誕生)
★2006年よりテレビ界で活躍、シリーズ物のTVドラでヒットを飛ばし、映画界復帰が待たれていた。残りのノミネーションは予想つきません。というわけで可能性が残されている「オリジナル作曲賞」のグスタボ・サンタオラジャの紹介だけしておきます。
★最初音楽担当は、『私の秘密の花』(1995)以降アルモドバル映画の全作を担当しているアルベルト・イグレシアスがアナウンスされていた。彼はゴヤ賞最多の受賞歴があり、ゴヤの胸像を10個もコレクションしている。オスカー賞にもフェルナンド・メイレレスの『ナイロビの蜂』でノミネートされている実力派。しかし何かの事情で変更になったか、蓋を開けたらサンタオラジャになっていた。出演者が変わるとか、時々こういうことはありますね。
*グスタボ・サンタオラジャ*
★アメリカで活躍中だが、故郷ブエノスアイレスに戻って音楽を担当した。サンタオラジャによれば、ロック、ソウル、アフリカのリズム、ラテンアメリカのポピュラー音楽をミックスさせたとのこと。劇場公開になった映画の代表作は以下の通り:
2000年『アモーレス・ペロス』アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
2003年『21グラム』アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、
2004年『モーターサイクル・ダイアリーズ』ウォルター・サレス
2005年『ブロークバック・マウンテン』アン・リー、2006年アカデミー作曲賞を受賞
2006年『バベル』アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、2007年アカデミー作曲賞を受賞
2010年『ビューティフル』アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
2013年『8月の家族たち』ジョン・ウェルズ
(監督とサンタオラジャ)
★関連記事:管理人覚え
カンヌ映画祭:2014年5月1日/5月22日
トロント映画祭:2014年8月15日
アカデミー賞プレセレクション:2014年12月21日
フォルケ賞受賞:2015年1月14日
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