フリオ・メデム新作”Ma ma”*2015年公開予定 ② ― 2015年01月05日 19:37
第2弾*ペネロペ・クルス&ルイス・トサール
★フリオ・メデムの第8作目“Ma ma”は、泣いて笑って抱きしめて、語りあって考えてそして闘う映画だそうです。要するに「人生讃歌の映画だ」とメデム監督。監督としては珍しいコメディの要素もあるようで『ルシアとSEX』のような分かりにくさはないようです。昨年2014年1月に「製作国はスペイン、言語はスペイン語」との発表があり、5月にマドリードでクランクイン、7月8日からカナリア諸島のテネリフェ島の海岸で撮影が始まった(同時にIMDbがアップされた)。

(カナリア諸島での石油試掘反対のTシャツ姿でテネリフェでの記者会見に現れた
トサール、ペネロペ、メデム監督、3人とも政治的発言を躊躇しないタイプ)
“Ma ma”
監督・脚本・プロデューサー:フリオ・メデム
撮影:キコ・デ・ラ・リカ
音楽(サウンドトラック)
: アルベルト・イグレシアス
美術:モンセ・サンス
プロダクション・マネージメント:マリア・モレノ
プロデューサー(共同):アルバロ・ロンゴリア(エグゼクティブ・プロ)、ペネロペ・クルス
データ:スペイン製作、スペイン語、2015、ドラマ、撮影地マドリード、テネリフェ島、
公開:フランス2015年5月21日、ドイツ同7月30日、スペイン公開2015年以外未定

キャスト:ペネロペ・クルス(マグダ)、ルイス・トサール、ジョン・コルタハレナ、アレックス・ブレンデミュール、アシエル・エトシェアンディア Etxeandia、サムエル・ビジュエラ Viyuela、シロ・ミロー、ノルベルト・トルヒージョ B、他
プロット:悲劇に直面したマグダ(Magdaペネロペ・クルス)は、常識では考えられないようなリアクションで、内側から人生を立て直していく。マグダと彼女を取り巻く人々は、予想もしないユーモアある光景や心こまやかな幸せに出会うことになるだろう。

★フリオ・メデムJulio Medem Lafont Sanjuan Mendizabal:1958年サンセバスチャン生れ、監督、脚本家、プロデューサー、作家。父方の祖父はドイツ人、祖母はバレンシアのスペイン人、母方の祖父はフランス人、祖母はバスク人とかなり血縁関係が複雑、本名が長いのはそのせいです。サンセバスチャンのブルジョア階級の生れ、後マドリードに移住している。マドリードではフランスで設立されたマリア会のエリート校に通った。例によって少年時代からの8ミリ愛好家、長編デュー前に短編を10本ほど撮っている。COU(Curso de Orientacion Universitaria)という1年間の大学準備コースで学んでいるときに、110 mハードルのスペイン記録を出し、1976年のモントリオール・オリンピックの候補者に選ばれていた。しかし精神科医になるために断念、ソリア大学医学部に入学した。COUは1990年の法改正までの制度で現在はない。映画監督としてはかなり異色な存在です。長編デビュー作『バカス』で、カルメロ・ゴメスとエンマ・スアレス、『ティエラ―地―』でシルケなどを起用、新人発掘でも有名。
★前作『ローマ、愛の部屋』(2010)から5年、短編を撮ったり、小説家としてデビューしたり相変わらず多才な人です(“Aspasia, amante de Atenas”2012刊)。7人の監督のオムニバス映画『セブン・デイズ・イン・ハバナ』(2012)の3作目「セシリアの誘惑」に参加していました。劇場公開、映画祭上映、テレビ放映、DVD発売とかたちは違っていても結構字幕入りで紹介されています。
1)『バカス』1992 東京国際映画祭、ヤングシネマ・ゴールド賞受賞
2)『赤いリス』1993 シネフィル・イマジカ直輸入映画として放映
3)『ティエラ―地―』1996 スペイン映画祭‘98上映
4)『アナとオットー』1998 劇場公開
5)『ルシアとSEX』2000 未公開2004年3月DVD発売
6)Caotica Ana
2007
7)『ローマ、愛の部屋』2010 未公開2010年4月DVD発売
★ペネロペ・クルスは、今回初めてプロデューサーに挑戦している。第2子妊娠中はビキニ姿で海水浴を楽しんでいたPPは、以前ならそれこそ予想もできなかった堂々たるママに変身、政治発言を積極的にするバルデム家の影響か、子供の教育、環境破壊などに関心があるようです。カナリア諸島近海の石油試掘反対も海洋汚染がその理由です。「フリオから脚本を渡され、読んで気に入ったの、もう夢中よ」とクルスは語っている。髪をばっさりショートカットにしてしまったのかと驚くのは早い。実はウィッグを着用しています(写真下)。

(ショートカットもお似合いです。“Ma ma”から)
★スタッフ、キャスト陣の詳細は、映画が完成した折りに、改めてご紹介するつもりです。
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