バスク版コメディ”8 apellidos vascos”5個*ゴヤ賞2015ノミネーション ⑦ ― 2015年01月28日 11:50
興行成績ナンバー・ワン5600万ユーロ!
★リピーターの存在が大きかったのではないかと思いますが、観客1000万人という驚異的な数字が本当かどうか、俄かには信じられません。スペインに垂れ込めていた暗雲を吹き飛ばしてくれたかどうかはさておき、庶民は笑いを求めていたということです。本作については既に詳細をアップしておりますが、作品賞、監督賞が済みましたので、これからは受賞に絡むと予想される作品をおさらいしていきます。5600万ユーロに敬意を表してバスク版コメディから。
*スタッフ、キャスト、プロットのご紹介は、コチラ⇒2014年3月27日/同年6月13日
*“Ocho
apellidos vascos”*
オリジナル歌曲賞:“No te marches jamas” 作曲:フェルナンド・ベラスケス
撮影賞:カロ・ベリーディ
助演男優賞:カラ・エレハルデ
助演女優賞:カルメン・マチ
新人男優賞・ダニ・ロビラ
*以上5カテゴリーにノミネーションされています。
★撮影賞は『エル・ニーニョ』か“La isla mínima”を予想しています。オリジナル歌曲賞は皆目分かりません。新人男優賞は『エル・ニーニョ』のヘスス・カストロが一番近い。ダニ・ロビラは、今年の授賞式の総合司会者に抜擢され、本人も周囲もびっくりしています。そちらの準備で消耗しているのではないかな(笑)。というわけで、残れそうなのがカラ・エレハルデとカルメン・マチです。

(カラ・エレハルデとカルメン・マチ)
★助演男優賞:カラ・エレハルデ Karra Elejarde、1960年バスク州ビトリア生れ、俳優、脚本家、監督。職業訓練Formación Profesionalの時期に演劇学科のコースを選んで学ぶ。バスクのインディペンデントの演劇グループに参加、独り芝居で芸を磨く。映画デビューは1987年、ホセ・アントニオ・ソリージャの“A los cuatro vientos”。脇役が多く、公開、映画祭上映、テレビ放映、ビデオ・DVD発売を含めるとかなりの数になって驚く。モレがあるかもしれない。
1992年『バカス』フリオ・メデム(東京国際映画祭上映)
1992年『ハイル・ミュタンテ!電撃XX作戦』アレックス・デ・ラ・イグレシア(ビデオ)
1993年『赤いリス』フリオ・メデム(シネフィル・イマジカ、テレビ放映)
1993年『キカ』ペドロ・アルモドバル(劇場公開)
1994年『時間切れの愛』イマノル・ウリベ(劇場公開)
1996年『ティエラ―地―』フリオ・メデム(スペイン映画祭‘98上映)
1999年『ネイムレス―無名恐怖』ジャウマ・バラゲロ(劇場公開)
2007年『タイム・クライムス』ナチョ・ビガロンド(LBラテンビート2008上映)
2010年『ビューティフル』アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(劇場公開)
2010年『雨さえも―ボリビアの熱い一日』イシアル・ボリャイン(LB2011上映)

★しかし、実はエレハルデが評価された作品は未紹介のものに多い。フアンマ・バホ・ウジョアの“Alas de mariposa”(1991)や“La madre muerta”(1993)、“Airbag”(1997)など、“La madre muerta”はポルトガルのファンタスポート映画祭で最優秀男優賞を受賞、自らが監督もした“Año mariano”(1999)では、2001年バスク俳優組合賞を受賞している。勿論、『雨さえも―ボリビアの熱い一日』の劇中劇でコロンブスを演じたアルコール中毒のアントン役で、ゴヤ賞2011助演男優賞を受賞しました。今回は2匹目を狙っています。本作では、既にトゥリア賞2014で特別賞を受賞しています。若いころからどんどん額が広くなり実年より老けてみえますが、まだ54歳、活躍はこれからです。話題作“Airbag”では、監督と脚本を共同執筆しています。フェロス賞で“Magical Girl”のホセ・サクリスタンが受賞していますから油断できない。
★助演女優賞:カルメン・マチ María del Carmen
Machi Arroyó、1963年マドリード生れ、女優。ファミリーはイタリア系で父親はジェノバ出身、イタリア風に発音すると「マキ」になる。芸名よりTVドラマ・シリーズ“7 Vidas”から独立した長寿ドラマ“Aida”のヒロイン名アイーダ・ガルシアのほうが有名。マドリード自治州ヘタフェで育ち、地元のサン・ホセ学校に通う。舞台女優としてシェイクスピア『ベニスの商人』、バリェ≂インクラン『貪欲、欲望と死の祭壇画』などの舞台に立つ。テレシンコの「アイーダ」がお茶の間で大ブレーク、数々の受賞を手にした。1998年“Lisa”で映画デビュー、アルモドバル映画にも出演、エミリオ・アラゴンの『ペーパーバード 幸せは翼にのって』がラテンビート2010で上映された折り、監督と一緒に来日、最優秀女優賞を受賞した。以下主なる出演映画は以下の通り:
2002年『トーク・トゥ・ハー』ペドロ・アルモドバル
2003年『チル・アウト!』フェリックス・サブロソ&ドーニャ・アジャソ(未公開DVD)
2003年『トレモリーノス73』パブロ・ベルヘル(ゆうばり国際ファンタ映画祭上映)
2005年『色彩の中の人生』サンティアゴ・タベルネロ
2009年『抱擁のかけら』ペドロ・アルモドバル
2009年“La mujer sin piano” ハビエル・レボージョ
2010年『ペーパーバード 幸せは翼にのって』エミリオ・アラゴン
2013年『アイム・ソーエキサイテッド』ペドロ・アルモドバル
2014年本作(省略)
*“La mujer sin piano”は未公開だが、本作はサンセバスチャン映画祭2009正式出品、評価が高く、彼女が主役ロサを演じた。カセレスの「スペイン映画祭」で2009年活躍した女優に贈られる最優秀女優賞を受賞、アルバニアの「ティラナ映画祭」で審査員賞を受賞した。
*2015年は現在4作品が公開予定と目白押しである。

(新人男優賞ノミネートのダニ・ロビラとカルメン、映画から)
★どのカテゴリーにも言えることだが、特に助演賞は予想が難しい。『エル・ニーニョ』のバルバラ・レニーは主演が確実だから落ちるとして、“La isla minima”のメルセデス・レオンもないと思う。残るライバルは“Marsella”のゴヤ・トレドだろうか。ゴヤ賞ノミネーションは初登場。

(時計回りに、メルセデス・レオン、カルメン・マチ、ゴヤ・トレド、バルバラ・レニー)
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