特別賞マラガ―スール賞にロッシ・デ・パルマ*マラガ映画祭2026 ③2026年03月19日 11:10

          特別賞の大賞マラガ―スール賞は女優のロッシ・デ・パルマ

 

     

 

★マラガ〈特別賞〉は、マラガ―スール賞を含めて、レトロスペクティブ賞、才能賞、リカルド・フランコ賞、ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞の5賞、それに栄誉賞を含めると6賞となります。今年は紹介が後手に回っておりますが一応アップしておきます。大賞のマラガ―スール賞の受賞者は地中海を眼下にした遊歩道アントニオ・バンデラス通りに手形入りの記念碑を建ててもらえます。マラガ生れのバンデラスはマラガの〈名誉市民〉で、映画祭にも資金を提供しています。今回建ててもらえるのは、スペインの女優ロッシ・デ・パルマです。


★ビスナガ栄誉賞にはウルグアイの女優で歌手のナタリア・オレイロが選ばれ、313日に感動的な授与式がありました。今回は他に、アルゼンチンのマリアノ・コーンガストン・ドゥプラットの監督デュオ、昨年12月に死去したヒホン、セビリア、バジャドリードなど各映画祭のディレクターを歴任したホセ・ルイス・シエンフエゴスを偲んでオマージュが捧げられました。今回は数が多いので、先ず特別賞5賞を駆け足でアウトラインをアップしておきます。

 

             マラガ映画祭2026特別賞

 

マラガ―スール賞(スール紙とのコラボ)

ロッシ・デ・パルマ(パルマ・デ・マジョルカ1964)、スペインの女優、モデル、歌手と多才。アルモドバルに映画出演を口説かれてデビューしたのが『欲望の法則』、以来アルモドバルのミューズの一人、『キカ』と『私の秘密の花』でゴヤ賞にノミネートされている。スペイン映画だけでなく、英語、フランス語、カタルーニャ語に堪能で、ロバート・アルトマン、パトリス・ルコンテ、テリー・ギリアム、カリム・ドリディなど国際的に著名な監督のもとで仕事をしており、ドリディの「Hors Jeu」の演技により、ロカルノ映画祭1998特別女優賞を受賞している。他にアマンダ・スターズの英仏西語が飛びかう『マダムのおかしな晩餐会』主演で、フロリダ州のガスパリラ映画祭2017国際演技賞を受賞している。本作については当ブログにアップしています。

 

    

★授与式は37日、ペドロ・アギレラの「Día de caza」(25)が上映されました。本作はカルロス・サウラの名作と言われる「La caza」(65)の女性版、カルメン・マチ、ブランカ・ポルティージョなど豪華キャスト、公開を期待しています。部分的にキャリア紹介しておりますが、追って授与式の模様も交えてキャリア&フィルモグラフィーの紹介記事を予定しています。

   

      

   (自身の手形に手を添える受賞者、バンデラス通りに建てられた記念碑、37日)

 

 

レトロスペクティブ賞-マラガ・オイ(マラガ・オイ紙とのコラボ)

フランシスコ・ロンバルディ(ペルーの監督、タクナ1949)、アルゼンチンのサンタフェ映画学校で学ぶ。長編デビュー作「Muerte al amanecer」(76)が海外で注目され、ロカルノ映画祭1997エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンションを受賞、ハバナやカルタヘナの映画際で上映された。代表作はマリオ・バルガス⋍リョサの同名小説を映画化した『都会と犬達』が、カンヌ映画祭1985併催の「監督週間」にノミネート、サンセバスチャン映画祭では銀貝監督賞を受賞した。ほか『ライオンの棲みか』(88)、『豚と天国』はモントリオール映画祭1990アメリカ部門のグランプリを受賞した。本祭で「El corazón del lobo」(25)がノミネートされているので、新作紹介を兼ねて別途にアップを予定しています。

キャリア&フィルモグラフィーと新作紹介は、コチラ⇒2026年05月07日

 

     

312日、セルバンテス劇場にて、授与式進行役は女優のエリサ・スルエタ、受賞者は友人や仲間に囲まれて、ラテンアメリカ映画について語りました。ラテンアメリカ諸国とのコラボを推進する製作者のヘラルド・エレーロ、代表作の『ライオンの棲みか』や『豚と天国』をプロデュースした。同プロデューサーのマリエラ・ベスイエフスキー、ペルーとの合作映画「No se lo digas a nadie」や「Tinta roja」に主演したスペイン女優ルシア・ヒメネス、新作の撮影監督テオ・デルガド、同じく新作の製作者グスタボ・サンチェスが登壇しました。受賞者は最後に自身を支えてくれた家族に感謝しました。  

 

      

          

        (受賞スピーチするレトロスペクティブ賞受賞者、312

 

 

マラガ才能賞-マラガ・オピニオン(マラガ・オピニオン紙とのコラボ)

アラウダ・ルイス・デ・アスア(バラカルド1978)、スペインの監督、脚本家。デウスト大学では英文学を専攻、映画はマドリード映画学校 ECAM で学んだ。長編デビュー作「Cinco lobitos」はベルリン映画祭2022パノラマ部門にノミネート、続くマラガ映画祭セクション・オフィシアルでいきなり金のビスナガ作品賞ほか7冠の快挙、第2作はロマンティック・コメディが『だから、君なんだ』の邦題でNetflixで配信されている。3作目「Los domingos」がゴヤ賞ほか受賞ラッシュとなり、当ブログでも度々登場させていますから割愛しますが、TVシリーズ「Querer」(244話)も受賞歴を誇り、既に文化省が選考母体の「金のメダル芸術功労賞」を受賞しており、目が離せない。

Cinco lobitos」の作品紹介は、コチラ20220514同年1213

Los domingos」の作品とキャリア紹介記事は、コチラ20250727

Querer」の紹介記事は、コチラ20241009

   

    

★授与式は38日、セルバンテス劇場にて、進行役の女優ノエミ・ルイスが務め、映画仲間や友人たちが駆けつけました。ECAMで知り合ったというフィルム編集者のアンドレス・ジル、脚本家のエドゥアルド・ソラ、「Cinco lobitos」の主役を演じたライア・コスタ、「Querer」や「Los domingos」でタッグを組んだナゴレ・アランブル、それぞれゴヤ賞、フォルケ賞、フェロス賞の受賞者たち、思い思いに受賞者の豊かな力量と魅力、ほかの人を魔法にかけて巻き込んでしまう稀有な才能について語り、才能賞受賞が相応しいシネアストであることを印象づけました。

 

 


          (受賞スピーチをするルイス・デ・アスア、38日)

 

 

リカルド・フランコ賞(スペイン映画アカデミーとのコラボ)

マヌエラ・オコン・アブルト(ウエルバ1973、製作者)、スペインでもっとも確固たる、かつ認知度の高い映画製作者の一人、1996年以来およそ30年に及ぶキャリアの持ち主である。複雑なプロジェクトを運営する映画製作者としてプロフェッショナルな地位を築いてきている。20作以上の長編、テレビ・シリーズなど、カテゴリーを問わず手掛けている。カルロス・サウラ(98、『ボルドーのゴヤ』)やフェルナンド・フェルナン=ゴメス(99、「Lazaro de Tormes」)のような主要な監督のもとでスタートした後、アルベルト・ロドリゲスとの出合いが決定的、さらにマテオ・ヒル(99、『パズル』)、サンティアゴ・アモデオ(05、「Cabeza de perro」)、アナ・ロサ・ディエゴ、パコ・バニョスといった監督たちと結びつき、同時代の製作者の視点からアンダルシア及びスペイン映画の展望を再生することに貢献しています。

  

   

★主な受賞歴:2015ACECANホセフィナ・モリーナ賞2016年、実在のスパイを主人公にしたアルベルト・ロドリゲスの『スモーク・アンド・ミラーズ』でACECANプロダクション賞、ウエルバ・イベロアメリカFFライト賞、同監督の「Modelo 77」でゴヤ賞2023プロダクション賞、アンダルシア映画アカデミーのカルメン賞を受賞しています。ほかノミネートは多数あり、なかでもロドリゲスのフィルム・ノワール『グループ 7』でゴヤ賞2013、公開された『マーシュランド』もゴヤ賞2014でノミネートされています、「La Peste」(171912話)などTVシリーズも手掛けています。作品紹介は、ロドリゲス監督のフィルモグラフィーで紹介しています。

『マーシュランド』の紹介記事は、コチラ20150124

『スモーク・アンド・ミラーズ』の紹介記事は、コチラ⇒20160924

 

★授与式は310日、アカデミー会長フェルナンド・メンデス=レイテがプレゼンター、監督アルベルト・ロドリゲス、製作者ベレン・サンチェス、ゲルバシオ・イグレシアス、キャスティング監督エバ・レイラ・イ・ヨランダ・セラノなどが登壇した。

 

 

     

                                                (授与式、310日)

 

 

ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞

ビクトリア・ベラ(マドリード1953)、映画、舞台、テレビ女優。4歳でクラシック・バレエを学び始め、当時マドリードを拠点にしていたデンマークのバレリーナで教師でもあったカレン・タフトのバレエ学校やコペンハーゲン歌劇場の演出家レイフ・オルベングのもとで技術を学んだ。13歳からウィリアム・レイトンやミゲル・ナロスの学校でスタニスラフスキー・メソッドを学び、ブレヒトの『第三帝国の恐怖と悲惨』で舞台デビュー、マガジャネス小劇場で活躍する。『アンネの日記』の主役に抜擢され、これが本格的なキャリアの始りとなった。

   

      

           (エレガントで誠実な女優ビクトリア・ベラ)

 

★映画デビューは、TVシリーズに出演していた70年代初め、ペドロ・マッソの「Las adolescentes」(76)で女学生役で主演、『新・青い体験』で公開されている。ほかにセバスティアン・ダルボの「Acosada」(85)やハビエル・アギレの「La diputada」(88)に主演する。代表作は、『黄昏の恋』でスペイン初のオスカー監督となったホセ・ルイス・ガルシが、アカデミー賞ノミネート3回目となる「Asignatura aprobada」(87)、ベルリン映画祭1989に出品されたフランシスコ・ロドリゲス・フェルナンデスのサスペンス「Testigo azul」などに主演している。米、イタリア、メキシコなどの合作映画に出演していることもあって、アンソニー・クイン、ピーター・フォンダ(G・ニコラス・ハエックの『ファミリー・エキスプレス』90BS放映)、アリス・クーパー(クライド・アンダーソンのホラー『モンスター・ドッグ』86、ビデオ)などと共演している。

 

TVシリーズでは、ブラスコ・イバニェスの小説をベースにした人気ドラマ「Cañas y barro」(786話)でブレイクし、金のテレプログラマを受賞した。「El jardín de Venus」(834話、助演)、「Ninette y un señor de Murcia」(848話、主演)、イタリアのQuattro piccole donne」(90)など海外のTVシリーズにも出演、さらに自身の作品「Dame un beso」を監督、プロデュースしている。舞台女優としては、ギリシャ悲劇から前衛派のファスビンダーまで幅広く、オスカー・ワイルド、スペインの劇作家バジェ=インクラン、ベニート・ペレス・ガルドス、ミゲル・ミウラなどの作品に出演しています。優雅さと誠実さを兼ねそなえ、フランコ体制が終焉した民主主義移行期に活躍した〈移行期のミューズ〉と称され、映画と舞台を支配した女優です。

  

      

     

            (セルバンテス劇場での授与式、39日)

 

★授与式は、39日、セルバンテス劇場にて、アリシア・ロマイ(ジャーナリスト)、セバスティアン・ダルボ(監督)、マヌエル・フランシスコ・レイナ作家が登壇しました。受賞者は国際的な映画に主演できたこと、撮影中に出会った俳優アンソニー・クインの優しさを称賛した。「疲労困憊しているときにみんなをチェスに誘って、自分の人生やフェリーニの映画について語ってくれ、とても素晴らしい友情を示してくれた」と回想した。またアリシア・ロマイは「大女優というだけでなく、自由で本物の女性でもあるベラを今宵祝えることが重要です」とスピーチした。受賞者は「パライソの都市マラガにいる幸せを感謝する」とスピーチを締めくくった。

 

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